- 山行記録
メンバー:森CL 野口SL 平川 須藤(記録)
行程;6:00 橋本駅集合?(車)?7:40 早戸川林道車止め/本間橋着、遡行準備?(アプローチ)?8;40 雷平着(入渓点)?13:00 原小屋平、下山? 14:00 黍殻避難小屋?16:00 本間橋着
目に前にした雷滝。それは圧巻だった。高さ40m、幅30m程だろうか?雨が降っているためか水量も豊かで威風堂々としている。右、左両側を滝が落ちている。「(表)丹沢にこんな滝があったんだ」皆そう思って見入っていた(たぶん)。
写真1 雷平手前の渡渉
雷平より入渓して約30分程右岸を遡行、左にカーブしているところにそれはあった。滝の右岸手前では、木々や大きな岩があって音しか聞こえない。そのまま右岸を巻いて上がってしまえば、この絶景は拝めなかった。渡渉して左岸を渡ったところで、その全容がいきなり目に飛び込んできたのである。 滝下近くに寄ってよく見てみると、左右の水流の真中を攀れないこともなさそうだが、ずぶ濡れになることは必死で、これだけの高さがあるので途中で往生してしまったら、にっちもさっちも行かなくなる。景色だけ拝ませて頂くだけで充分満足として、右岸を巻いて上がって行った。
写真2 大岩の滝は左岸を巻く
その後も、美滝、麗滝の連続だった。10mバケモノ滝、3段20mの滝、30mガータ小屋の滝、鎖のある滝、そして随所にある(はずだったナメ)と小滝の連続。どれも目を見瞠る名滝。落ち口がしっかりとしていて、そこから流れる水の傾斜、水量共にまさに滝らしいそれであり、岩の色と周囲の新緑のコントラストがその風貌を印象づける。
写真3 雷滝、その迫力に圧倒される
写真4 雷滝にて
この沢の渓相の比類ない特徴は何といっても上記のような名瀑であるが、その他にも、広く明るく開放感があり、また所々に緑がかった綺麗な「なめ滑」や一枚岩「スラブ」があったりする。鶏冠谷、釜の沢の丹沢ミニ版の感がある。遡行途上のところどころに幕営するに充分な広さの平地があり、沢中での幕営も充分に楽しめそうだ。
残念なのは、ガイド本にはナメと小滝の「連続」があるようになっているが、その殆どがガレで埋まってしまっていることである。GW前半に遡行した四町四反の滝もそうであったが、期待していたものに出会えず、ゴーロと化したところをやっかいに歩くのは寂しい。丹沢はもうどこでもこんな感じで、名渓と言えるところは無くなってしまったのだろうか? もう少し早く沢登りの世界に入っていればと悔やまれる。
写真5 下部二俣の右俣カサギ沢は二条の滝
写真6 三段20mの滝は左岸高巻きでロープを出す
写真7 雨の中、三段20m滝を望む須藤さん
写真8 ガータゴヤの滝は右岸を大きく高巻く
遡行記録というより、渓相記をここまで書いてしまったが、遡行は順調だった。というより、大岩の滝をはじめ、名だたる滝は殆ど直登できず、巻いて行ったためザイルを出したのは、高場の巻きでトラバースする地点で25m程張ったのみであった。又、源頭から原小屋平のある稜線まで急な傾斜がなく、息を切らさずスンナリとつき
あげることでき、ちょっと拍子抜けしてしまう感じである。思ったより入渓点に近い場所まで、車で行けたこともあるが、計画では原小屋平着が14時45分だったのが、13時に辿り着いたのであるから、あまりにも出来過ぎか。
ただ、ガイド本では殆どの滝を巻くようなルート図となっているが、実際にはじっくりと取り付いてみれば直登できそうでもあり、事実ところどころ残置ハーケン、シュリンゲのあるところもあった。この日の雨空、気温の低さからは、私のような初級者には無理があるが、真夏の「カッ」と晴れた日に涼を求めながら一度取り付いてみたいと思う。
写真9 上流部の様子、傾斜もなだらか
写真10 原小屋平到着!
写真11 もう一枚
写真12 黍殻非難小屋の巨大なストーブ
原小屋沢に着いてからは、北へ姫次から黍殻避難小屋へ向かう。小屋まではアップダウンがあるのだが、下りで私の左膝が痛みだした。入渓して間もない大岩の滝で、足を滑らせて、岩から1m程転落、その時に膝を打っていた。遡行途上では大した痛みを感じなかったのだが、下りになった途端に痛みが極度にひどくなった。
こんなに膝の痛い経験は初めてだった。一番先頭を歩かせてもらい何とか黍殻小屋へ到着。痛さのため長めの休憩を取ってもらうことにした。あまりにバカでかい薪ストーブに火を入れる。なかなか着火せず、着いても長く燃えつづけることはなかったが、それでも、行動食を食べながら、体を温めることが出来た。この小屋はいい小屋だった。建物の躯体がしっかりしているのは言うまでもなく、中がきちんと整理されていて、とても小ぎれいである。ストーブはあきれるほどでかいが、ご愛嬌であろう。機会がれば、是非宿泊してみたい。小屋の周囲も景観が良く、家族で着てもよさそうだ。
小屋の中で下山について、「一気に下山しよう!」と皆さん仰る。「えっ、オレの膝がこんなに痛いのに本気か? 歩く様を見れば分かるだろうにっ!」と思うのだが、後輩、若輩の私がそのようなことを口に出せない。「そっ、そうですね」などど適当に相槌をうつ。とてもユウウツな気分である。そうは思いながらも先頭を行かせてもらい、左足を引き摺るように下っていく。自分のせいで下山が遅れるのは不本意なので痛みを我慢して必死に足を運ぶ。痛い、とてつもなく痛い、時おり「う?」とか「うわ?」とか、思わず叫び声をあげるのだが、雨のためフードをして聞こえないのか、それとも無視されているのか、誰からも全く気遣いの声を頂けない。甘えるわけではないが、「声ぐらいかけてくれてもいいだろうにっ!」なんて思うこともあり、半ばふて腐れたくなるが、なまじの「大人」である故、そうする訳にもいかず、ひたすら耐えながらなんとか大平まで下りきる。
大平で、平川さんから「須藤さん、大丈夫だった?」と声をかけられた時には、「何だ、気にかけてくれていたんだ」と何だかホっとした気持ちになり、「笑っちゃう程痛かったですよ」と、つい本音をもらしてしまった。
下山後は、着替えもせず一路橋本の立ち寄り湯へ向かう。立ち寄り湯の玄関で沢靴と靴下を脱いだ時には心底驚いた。何とビア樽のように肥えたヒルが3、4匹ぼろぼろと足のすねから、転げ落ちる。「何だこりゃっ!」、転げ落ちたすね跡からは血の筋がしたたり落ちる。周囲の客が集まり、気味悪そうに見入る。すかさず、平川さんが気転を利かせ、床でうごめく不気味なビア樽を靴下で掴んで、外へ放り投げる。平川さんの迅速な行動がなけらば、客が不気味に思い店員に告げ口され、私だけ風呂に入れなかったかもしれない。不気味な軟体動物に吸血され、その跡から血がしたたり落ちる様をみれば、「風呂に入れるな!」と言う人がいても、ちっともおかしくない。
そうなれば、風呂にも入れず、酒も飲めず(この日の私は運転手)、踏んだり蹴ったりである。平川さんには本当に感謝であります。ともあれ、皆風呂に入り、体を温め、一杯飲み、食べて良い反省会が出来た。
今回のCLの森さんには事前に下調べにまで行って頂いていて、頭が下がります。森さんCLの山行を今年既に2回同行させて頂きましたが、毎回緻密な計画で見習うところ大であります。
今年の合宿は鹿島槍から爺を抜けて扇沢へ。
テン場は初日高千穂平、2日目は冷池山荘脇の幕営場。前半とはうって変わって天気は最高。下山後民宿で打ち上げというのんびりしたスケジュールでした。
標高差を考え、登りは赤岩尾根を。
赤岩尾根は傾斜がある分標高差が短いルートです。。テン場は高千穂尾根。
冷池へのトラバースです。
冷池にテントをデポして鹿島槍へ。まだライチョウは冬毛のまま。
鹿島槍山頂にて
2日目も無事終了。小屋があるとビールも飲めますし
早朝のテント村
爺もピークを踏んできました。
テン場は初日高千穂平、2日目は冷池山荘脇の幕営場。前半とはうって変わって天気は最高。下山後民宿で打ち上げというのんびりしたスケジュールでした。
標高差を考え、登りは赤岩尾根を。
赤岩尾根は傾斜がある分標高差が短いルートです。。テン場は高千穂尾根。
冷池へのトラバースです。
冷池にテントをデポして鹿島槍へ。まだライチョウは冬毛のまま。
鹿島槍山頂にて
2日目も無事終了。小屋があるとビールも飲めますし
早朝のテント村
爺もピークを踏んできました。
CL:清野・SL:門脇・食当:両角・記録:山本
4/28 池袋発の夜行バスで富山へと向かう。
4/29 余り眠れず、疲れたまま富山駅に降り立つ。天気は良い。富山地鉄で上市へ。6時過ぎ、予約しておいたタクシーで馬場島へと向かうが、途中崖崩れで6キロ手前から歩かされる。ところが、崖崩れらしい所を見つけられないまま 8:15 馬場島に着いてしまい釈然としない。雪で埋め尽くされた白萩川左岸の河原を歩いく。橋を渡り、赤谷尾根の末端を回り込み 10:05 976m の堰堤にたどり着く。他に3パーティ入山している。天気良く、暑い。雪で埋まった川を渡り、堰堤を左岸から巻く。赤谷尾根に喰い込む枝沢を詰めて稜線へ出る 10:35 。結構きつい登りの連続で、藪が出ている所もあり歩きにくい。
13:00 1563m ピーク。先行パーティがしっかり踏んでくれているので歩き易いのだが、夜行疲れで力が出ない。ラッセル泥棒をしているようで気が引けるのだが、なかなか追いつくことが出来ないのだ。若さとパワーが違うようだ。やっと追いつき、彼らの前に出て交替する。トレースをあてにしていると思われるのは癪だが、結構しんどい。
15:00 1863m ピークの先に最良の幕場を見つけ幕営する。ロケーションの良い爽快な幕場だ。他の2パーティは更に先へ進んで行き、単独の男性は引き返したのか姿を見せない。晩飯は両角さんの特性(高級食材)カレーをいただく。旨い!
4/30 朝方からキリ雨が降り、ガスって山が見えない。6:00 出発。視界が悪くても、先行パーティのしっかりとしたトレースに助けられる。1パーティは天気が悪いので撤退するとの事。別のパーティの踏み跡はさらに続いている。赤谷山直下の急峻な登りも、トレースが無ければかなり厳しいものになっただろう。ダブルアックスで、シャフトを使って雪壁を登る。だんだんと高度が増し、滑落は許されないので緊張する。彼らは頂上の肩にテントを張り停滞する構えだ。我々は赤谷山のピークに立ったが、視界悪く行動出来ない為、少し下った大岩の下で様子を見ることにする。天気予報も余り良い事を言っていなかったので、進退について議論しつつも幕営し停滞を決める
10:00 。 今日1日停滞か?時間切れになるのではないか?・・・・・一旦は敗退を決め、早い昼飯を食い、酒を呑み始める。暫くして外に出ると、山が見えている。薄日も差して青空がのぞいている。行ける所まで進んで停滞すれば望みは有るのではないか?意見は割れたが、パーティを割る訳にはいかない。皆で前進を決める。13:00テントを撤収して出発。天気は持ち直し、トレースに助けられ赤ハゲを越える。風が強い。岩の露出した小ピークをザイルを出して右から越え、少し下った辺り・白ハゲ手前で幕営する事にする
15:00。大窓を越えてしまうと引き返すのは難しくなる。空は黒い雲に覆われている。整地し、西風を避ける為にブロックを積んで幕営する。風は益々強まり、雨も降り出した。夜じゅう雨風に悩まされ眠れない夜となった。テント内に浸水し、コッフェルで水をかき出し、寝る向きを変えたりした。
5/1 朝には雨は上がったものの、雲が垂れ込め本峰は見えない。半日でも行動して大窓を越えて停滞し、予備日を目一杯使えば抜けられるのではないか?天気が悪くなるのだから撤退しよう。意見が分かれる。個人的には先へ進みたい気持ちではあったが、このメンバーで足を引っ張るとしたら自分であり、今回のルートについての勉強も不十分だった為、歯切れの良いことが言えないのだ。ラジヲが雨の予報を伝えている。結局ここまで。来た道を引き返すことにする。
7:20 撤退開始。2回の懸垂を交えて、10:20 赤谷山へ戻る。黒い雲は更に下がり、時折小雨もぱらつく。ブナクラ沢下降も考えたが、雪の状態が良くないので、赤谷尾根を一気に下る。昨日の雨でかなり雪が融けて、あちこちブッシュが飛び出し、歩きにくくなっている。1日早い下山の為、食材も残っているので、大休止を取ってラーメンを作り、ベーコンを炙って残りの酒を少々呑む。すっかりいい気分になったが足が重い。
14:45 堰堤に下る。最後の最後で清野さんがアックスのブレードで掌を切ってしまった。馬場島荘の方にゲートまで車で送ってもらい、タクシーに乗り換えて上市総合病院へ直行。3針縫合したとの事。市内の「一本杉旅館」(昔立派であったらしいが今は何となく寂れている旅館)に宿を取る。宿に着く頃には雨が降り出した。夜半には土砂降りとなり、一晩中雷が鳴った。16畳の部屋を4人で独占し濡れ物をそこらじゅうに吊るして乾かす。テントまで干してしまった。洗濯機を貸してもらい、汗臭い衣類を洗濯して風呂のボイラー室で乾かす。余り綺麗とはいえない宿だが我々にはぴったりで、食事は大変美味しく酒もすすんだ。
5/2 朝風呂につかり、11時頃宿を発ち上市から富山へ向かう。門脇・清野・両角は後半の合宿に合流すべく信濃大町へ向う。山本はここで皆と別れて、ビールを飲みつつ日本海を眺めながら、越後湯沢経由上越新幹線で東京へ帰った。
今回の反省。十分な予備日があれば、もう少し前向きになれたはず。
個人的には・・・雪の無い時期にでも一度くらい剱岳を踏んで、ある程度の地形を理解しておくべきだった。計画については清野さんに任せきりになっていた。何とか一緒に歩けているというだけでなく、余裕を持って楽しめるようになりたい。そのためには技術の点にまだまだ問題がありそうだ。
次にいつチャンスが巡って来るか分からないが、是非もう一度赤谷尾根から剣岳を狙いたいものだ。
剣岳北方稜線・白ハゲ手前
4/28 池袋発の夜行バスで富山へと向かう。
4/29 余り眠れず、疲れたまま富山駅に降り立つ。天気は良い。富山地鉄で上市へ。6時過ぎ、予約しておいたタクシーで馬場島へと向かうが、途中崖崩れで6キロ手前から歩かされる。ところが、崖崩れらしい所を見つけられないまま 8:15 馬場島に着いてしまい釈然としない。雪で埋め尽くされた白萩川左岸の河原を歩いく。橋を渡り、赤谷尾根の末端を回り込み 10:05 976m の堰堤にたどり着く。他に3パーティ入山している。天気良く、暑い。雪で埋まった川を渡り、堰堤を左岸から巻く。赤谷尾根に喰い込む枝沢を詰めて稜線へ出る 10:35 。結構きつい登りの連続で、藪が出ている所もあり歩きにくい。
13:00 1563m ピーク。先行パーティがしっかり踏んでくれているので歩き易いのだが、夜行疲れで力が出ない。ラッセル泥棒をしているようで気が引けるのだが、なかなか追いつくことが出来ないのだ。若さとパワーが違うようだ。やっと追いつき、彼らの前に出て交替する。トレースをあてにしていると思われるのは癪だが、結構しんどい。
15:00 1863m ピークの先に最良の幕場を見つけ幕営する。ロケーションの良い爽快な幕場だ。他の2パーティは更に先へ進んで行き、単独の男性は引き返したのか姿を見せない。晩飯は両角さんの特性(高級食材)カレーをいただく。旨い!
4/30 朝方からキリ雨が降り、ガスって山が見えない。6:00 出発。視界が悪くても、先行パーティのしっかりとしたトレースに助けられる。1パーティは天気が悪いので撤退するとの事。別のパーティの踏み跡はさらに続いている。赤谷山直下の急峻な登りも、トレースが無ければかなり厳しいものになっただろう。ダブルアックスで、シャフトを使って雪壁を登る。だんだんと高度が増し、滑落は許されないので緊張する。彼らは頂上の肩にテントを張り停滞する構えだ。我々は赤谷山のピークに立ったが、視界悪く行動出来ない為、少し下った大岩の下で様子を見ることにする。天気予報も余り良い事を言っていなかったので、進退について議論しつつも幕営し停滞を決める
10:00 。 今日1日停滞か?時間切れになるのではないか?・・・・・一旦は敗退を決め、早い昼飯を食い、酒を呑み始める。暫くして外に出ると、山が見えている。薄日も差して青空がのぞいている。行ける所まで進んで停滞すれば望みは有るのではないか?意見は割れたが、パーティを割る訳にはいかない。皆で前進を決める。13:00テントを撤収して出発。天気は持ち直し、トレースに助けられ赤ハゲを越える。風が強い。岩の露出した小ピークをザイルを出して右から越え、少し下った辺り・白ハゲ手前で幕営する事にする
15:00。大窓を越えてしまうと引き返すのは難しくなる。空は黒い雲に覆われている。整地し、西風を避ける為にブロックを積んで幕営する。風は益々強まり、雨も降り出した。夜じゅう雨風に悩まされ眠れない夜となった。テント内に浸水し、コッフェルで水をかき出し、寝る向きを変えたりした。
5/1 朝には雨は上がったものの、雲が垂れ込め本峰は見えない。半日でも行動して大窓を越えて停滞し、予備日を目一杯使えば抜けられるのではないか?天気が悪くなるのだから撤退しよう。意見が分かれる。個人的には先へ進みたい気持ちではあったが、このメンバーで足を引っ張るとしたら自分であり、今回のルートについての勉強も不十分だった為、歯切れの良いことが言えないのだ。ラジヲが雨の予報を伝えている。結局ここまで。来た道を引き返すことにする。
7:20 撤退開始。2回の懸垂を交えて、10:20 赤谷山へ戻る。黒い雲は更に下がり、時折小雨もぱらつく。ブナクラ沢下降も考えたが、雪の状態が良くないので、赤谷尾根を一気に下る。昨日の雨でかなり雪が融けて、あちこちブッシュが飛び出し、歩きにくくなっている。1日早い下山の為、食材も残っているので、大休止を取ってラーメンを作り、ベーコンを炙って残りの酒を少々呑む。すっかりいい気分になったが足が重い。
14:45 堰堤に下る。最後の最後で清野さんがアックスのブレードで掌を切ってしまった。馬場島荘の方にゲートまで車で送ってもらい、タクシーに乗り換えて上市総合病院へ直行。3針縫合したとの事。市内の「一本杉旅館」(昔立派であったらしいが今は何となく寂れている旅館)に宿を取る。宿に着く頃には雨が降り出した。夜半には土砂降りとなり、一晩中雷が鳴った。16畳の部屋を4人で独占し濡れ物をそこらじゅうに吊るして乾かす。テントまで干してしまった。洗濯機を貸してもらい、汗臭い衣類を洗濯して風呂のボイラー室で乾かす。余り綺麗とはいえない宿だが我々にはぴったりで、食事は大変美味しく酒もすすんだ。
5/2 朝風呂につかり、11時頃宿を発ち上市から富山へ向かう。門脇・清野・両角は後半の合宿に合流すべく信濃大町へ向う。山本はここで皆と別れて、ビールを飲みつつ日本海を眺めながら、越後湯沢経由上越新幹線で東京へ帰った。
今回の反省。十分な予備日があれば、もう少し前向きになれたはず。
個人的には・・・雪の無い時期にでも一度くらい剱岳を踏んで、ある程度の地形を理解しておくべきだった。計画については清野さんに任せきりになっていた。何とか一緒に歩けているというだけでなく、余裕を持って楽しめるようになりたい。そのためには技術の点にまだまだ問題がありそうだ。
次にいつチャンスが巡って来るか分からないが、是非もう一度赤谷尾根から剣岳を狙いたいものだ。
剣岳北方稜線・白ハゲ手前
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メンバー:平川(CL)、中山(SL)、菅原、須藤、池田、森(記録)
丹沢・本谷川・塩水川流域の沢はアプローチが面倒なため会として過去あまり遡行されていない。GW前半に日帰りの沢にということで他に幾つかの候補が挙がっていたが、この機会にということで四町四反ノ沢を遡行することにした。
8:00に伊勢原駅に集合、菅原さんと池田さんの車に分乗し、宮ヶ瀬経由で塩水橋に向かう。9:00塩水橋着、休日のためか既に数十台の車が路肩に駐車している。我々は札掛側に少し進んだ地点に車を置き、9:10身支度をして出発。ゲートをくぐり塩水川沿いの林道を入渓点に進む。
写真1:林道を行く。新緑に所々山桜が映える。
堂平への林道分岐に橋が古いものと新しいものと2つ架かっている。塩水川と別れ本谷川沿いに進む。日差しも強く汗が噴出す。時々吹く風が有難い。10:00キュウハ沢出会いに到着。四町四反の沢はキュウハ沢の途中で左から入って来る沢であり、ここで遡行の準備をして10:20遡行開始。
堰堤4つは右側の梯子で越える。10:35、すぐにゴルジュとなり連続して滝が出てくる。2つめの滝は水流が多いため左側の壁から越えることにする。菅原さんがフリーで先行し、須藤さんがロープを引いて上り、後続は潅木に固定したロープにタイブロックで上がる。上がりきったあとは左の窪を降りて釜の左をへつって抜ける。
写真2:キュウハ沢下部の最初の滝を行く須藤さん
写真3:キュウハ沢下部の滝の乾いた左壁を登る菅原さん
キュウハ沢下部のゴルジュの最後の滝を左側から巻いて四町四反ノ沢の堰堤の下に降りる。しばらく進み四町四反F1(2段)に着く。平川さんリードで下段は左のチムニーを登る。上段の上で右の潅木にロープ固定、後続はタイブロックで登る。
写真4:四町四反F1を登る池田さん。
いくつか滝を越えて二俣に到着、右俣に20m以上の滝が連続しているのが見える。ボロボロに崩れていて相当悪そう。左俣を進む。後半はひたすらガレっぽくなる。途中、鹿の骸をやりすごし、伏流から再び水流が出て消えるあたりで沢が左にカーブしはじめると稜線が見えてくる。ガレが厳しくなり、右の笹壁を急登して14:15に尾根に飛び出す。日高と竜ヶ馬場の中間あたりで、縦走する人々が次々と通っている。
写真5:ガレの先に稜線が見える。
写真6:稜線にて
登攀具を整理し丹沢山に向かう。最後の急登がきつかったせいか足取りが重い。丹沢山は15:05に到着。一休みして天王寺尾根経由で駐車地点に向かう。天王寺尾根は木々が立派で気持ちが良い。左側の崩れた鎖場を過ぎて尾根の末端手前を右に下り17:05本谷川林道に出る。ここからは今朝来た林道を戻って17:30に駐車地点に到着。宮ヶ瀬経由「清川村ふれあいセンター別所の湯」で汗を流し、伊勢原駅にて解散した。
四町四反ノ沢は、上部が単調なガレではあったが、キュウハ沢と合わせて下部は面白い滝があり、つめで藪漕ぎも全くなく稜線に飛び出す爽快感や天王寺尾根の意外な気持ちよさもあわせて満足度が高かった。
以上