- 山行記録
日程:2011年6月17日(金)? 18日(土)
山域:小川山・岩登りの練習
山行形態:自主山行
メンバー及び役割:CL古屋・SL大浦・嶋住・高橋(記録)
記録
○スケジュール
金曜日
21:30新松田駅集合、24:00清里駅到着(泊)
土曜日
6:00起床、霧雨。意気消沈。最寄のクライミングジムはどこだったっけと思いをめぐらせる。
7時半過ぎ、とりあえず行ってみようと清里駅出発。するとなんと途中から地面が乾いてきて時折日が射している。にわかにテンション上昇。
8時過ぎ、駐車場到着。梅雨真っ只中の雨予報だったので空いている。準備後、15分程歩き、セレクションという人気ルートのある屋根岩二峰の取付地点へ。
自分達よりも先に2人組が居たが、降りてきた。前日に雨が降ったのか岩が少し湿っぽかったから諦めたようだ。
【セレクション(5.8)】
8:50?1ピッチ目:大浦さんリード(2高橋、3嶋住さん、4古屋さん)
トップが2本のロープを引いて登り、三番手が更に1本のロープを引いて登るというシステムで、ロープをビレイループの左右どちら側に結んだらいいか、最後までよく判らなかった。
湿気の残る右側のクラックではなく、左側からスタート。大浦さんはすぐ上の方へ登っていってしまったが、自分がやってみると初っ端から難しい。少し左にトラバースして1ピッチ目の終了点。ピッチを切っているテラスが狭くて全員がその場所には居られなかったので、2ピッチ目は、1ピッチ目と逆順で登ることになった。
10:00?2ピッチ目:古屋さんリード(2嶋住さん、3高橋・大浦さん)
スタートしてすぐのスラブがすごく難しそう。古屋さんがじわりと登っていく。嶋住さんは今回が初外岩とのことで、1ピッチ目は怖かったとのことだったが、日ごろからジムで練習しているのですぐに慣れて、落ち着いて難しそうなスラブを越える。
中盤に手がかかる棚のようなところがあり、そこから先は少し傾斜が緩む。
3ピッチ目:高橋リード(2古屋さん、3大浦さん、4嶋住さん)
リードをやってみることになり、ビビリながらスタート。大きなチムニーにチョックストーンが挟まっている箇所をくぐって、奥からバック&フットでずり上がる。一応チョックストーンの上にヒョロリと生えている木にランニングをとってみたけど、木が細すぎて気休め的な感じ。
チムニーを抜け、ピッチを切れそうな場所まで上がる。ロープが引っ掛かっているわけでもないのにものすごく重い。これが屈曲しているということかと思う。
後から3人がいとも簡単そうに登ってきた。
11:40?4ピッチ目:古屋さんリード(2高橋、3嶋住さん、4大浦さん)
身体が半分ぐらい入る幅のクラックからスタート。この日の核心部?全く登れる感じがしない。最初は左足を立木に押し付けてずり上がり、その後右半身をクラックに入れキャメロットの力を借りて登る。クラックから抜けて次の手がかりに行こうとしたあたりで、左足が滑ってテンション。50センチぐらいずり落ちる。
その上も難しくて、苦労しながら登る。
5ピッチ目:大浦さんリード(2嶋住さん、3高橋・古屋さん)
雲行きが怪しくなってきたのと、背後から2人組のパーティが上がってきたのとで、本来のルートである、左トラバース・クラックではなく、そのまま直上してピークへ。
60メーターロープを一杯に出して終了点に到達。頂上に行けたことに大満足。
この後省略したクラックにトライしてみようと話していたが、休憩中に雨がしっかりと降り出し、やむ気配がないので降りることに。下山は雨の懸垂下降。ロープが重くスムーズに動かず、これまで何度かやった懸垂下降の中でこの日が一番難しく感じた。
嶋住さんはエイト環で懸垂下降。先週の訓練が早速実践で役に立っていた。
途中、足の置き場がほぼ無い箇所で懸垂支点の掛け替えが必要となり、バックアップを取っていても、ロープスリングに体重を預けるのはスリリングな気分だった。
傾斜の具合で懸垂支点からロープがなかなか抜けてこなかったりして、古屋さん・大浦さんに苦労をおかけしながら、3回の懸垂下降を経て、取付に戻る。
16時頃撤収、17時頃キャンプ場出発、ナナーズにて川上村特産品レタス購入。
新松田のドライブインはるみにて夕食後帰路へ。
○所感
どのルートに行っても、どこもかしこも登るのが大変。「難しい」か「ものすごく難しい」か、どっちか。
「あ、ここは登れそう」って思える日は来るのか。
ご一緒させていただいた皆さま、お疲れさまでした&ありがとうございました。
山域:小川山・岩登りの練習
山行形態:自主山行
メンバー及び役割:CL古屋・SL大浦・嶋住・高橋(記録)
記録
○スケジュール
金曜日
21:30新松田駅集合、24:00清里駅到着(泊)
土曜日
6:00起床、霧雨。意気消沈。最寄のクライミングジムはどこだったっけと思いをめぐらせる。
7時半過ぎ、とりあえず行ってみようと清里駅出発。するとなんと途中から地面が乾いてきて時折日が射している。にわかにテンション上昇。
8時過ぎ、駐車場到着。梅雨真っ只中の雨予報だったので空いている。準備後、15分程歩き、セレクションという人気ルートのある屋根岩二峰の取付地点へ。
自分達よりも先に2人組が居たが、降りてきた。前日に雨が降ったのか岩が少し湿っぽかったから諦めたようだ。
【セレクション(5.8)】
8:50?1ピッチ目:大浦さんリード(2高橋、3嶋住さん、4古屋さん)
トップが2本のロープを引いて登り、三番手が更に1本のロープを引いて登るというシステムで、ロープをビレイループの左右どちら側に結んだらいいか、最後までよく判らなかった。
湿気の残る右側のクラックではなく、左側からスタート。大浦さんはすぐ上の方へ登っていってしまったが、自分がやってみると初っ端から難しい。少し左にトラバースして1ピッチ目の終了点。ピッチを切っているテラスが狭くて全員がその場所には居られなかったので、2ピッチ目は、1ピッチ目と逆順で登ることになった。
10:00?2ピッチ目:古屋さんリード(2嶋住さん、3高橋・大浦さん)
スタートしてすぐのスラブがすごく難しそう。古屋さんがじわりと登っていく。嶋住さんは今回が初外岩とのことで、1ピッチ目は怖かったとのことだったが、日ごろからジムで練習しているのですぐに慣れて、落ち着いて難しそうなスラブを越える。
中盤に手がかかる棚のようなところがあり、そこから先は少し傾斜が緩む。
3ピッチ目:高橋リード(2古屋さん、3大浦さん、4嶋住さん)
リードをやってみることになり、ビビリながらスタート。大きなチムニーにチョックストーンが挟まっている箇所をくぐって、奥からバック&フットでずり上がる。一応チョックストーンの上にヒョロリと生えている木にランニングをとってみたけど、木が細すぎて気休め的な感じ。
チムニーを抜け、ピッチを切れそうな場所まで上がる。ロープが引っ掛かっているわけでもないのにものすごく重い。これが屈曲しているということかと思う。
後から3人がいとも簡単そうに登ってきた。
11:40?4ピッチ目:古屋さんリード(2高橋、3嶋住さん、4大浦さん)
身体が半分ぐらい入る幅のクラックからスタート。この日の核心部?全く登れる感じがしない。最初は左足を立木に押し付けてずり上がり、その後右半身をクラックに入れキャメロットの力を借りて登る。クラックから抜けて次の手がかりに行こうとしたあたりで、左足が滑ってテンション。50センチぐらいずり落ちる。
その上も難しくて、苦労しながら登る。
5ピッチ目:大浦さんリード(2嶋住さん、3高橋・古屋さん)
雲行きが怪しくなってきたのと、背後から2人組のパーティが上がってきたのとで、本来のルートである、左トラバース・クラックではなく、そのまま直上してピークへ。
60メーターロープを一杯に出して終了点に到達。頂上に行けたことに大満足。
この後省略したクラックにトライしてみようと話していたが、休憩中に雨がしっかりと降り出し、やむ気配がないので降りることに。下山は雨の懸垂下降。ロープが重くスムーズに動かず、これまで何度かやった懸垂下降の中でこの日が一番難しく感じた。
嶋住さんはエイト環で懸垂下降。先週の訓練が早速実践で役に立っていた。
途中、足の置き場がほぼ無い箇所で懸垂支点の掛け替えが必要となり、バックアップを取っていても、ロープスリングに体重を預けるのはスリリングな気分だった。
傾斜の具合で懸垂支点からロープがなかなか抜けてこなかったりして、古屋さん・大浦さんに苦労をおかけしながら、3回の懸垂下降を経て、取付に戻る。
16時頃撤収、17時頃キャンプ場出発、ナナーズにて川上村特産品レタス購入。
新松田のドライブインはるみにて夕食後帰路へ。
○所感
どのルートに行っても、どこもかしこも登るのが大変。「難しい」か「ものすごく難しい」か、どっちか。
「あ、ここは登れそう」って思える日は来るのか。
ご一緒させていただいた皆さま、お疲れさまでした&ありがとうございました。
日程:2011年6月4日(土)
山域:谷川 一ノ倉 烏帽子南稜?国境稜線
山行形態:岩登り
メンバー及び役割:CL古屋・SL大浦・山本・戸田(記録)
午前四時過ぎに出発
一番乗りでテールリッジを進む
バンドを南陵テラスへ向かう
天気は上々
ゆうこりん、本チャンリードデビュー
2ピッチ目フェイスのリードは、うらりん
中間で、やまりん
時折、ブロックの崩壊する轟音が響きわたる
3ピッチ目
核心の最終ピッチ。再びゆうこりん。なぜかハンマーをふっていたようだが・・・
手を振るやまりんとふるるん
最後は懸垂せず国境稜線へと抜ける。
厳しい中でも可憐な花が…
石楠花も見ごろを迎えてました
昼前には一ノ倉岳山頂に辿り着きホッと一息
トップで取り付けたのでストレスなくクライミングが出来ました。
国境稜線へ抜けたので結局行動時間は11時間を超えた。
山域:谷川 一ノ倉 烏帽子南稜?国境稜線
山行形態:岩登り
メンバー及び役割:CL古屋・SL大浦・山本・戸田(記録)
午前四時過ぎに出発
一番乗りでテールリッジを進む
バンドを南陵テラスへ向かう
天気は上々
ゆうこりん、本チャンリードデビュー
2ピッチ目フェイスのリードは、うらりん
中間で、やまりん
時折、ブロックの崩壊する轟音が響きわたる
3ピッチ目
核心の最終ピッチ。再びゆうこりん。なぜかハンマーをふっていたようだが・・・
手を振るやまりんとふるるん
最後は懸垂せず国境稜線へと抜ける。
厳しい中でも可憐な花が…
石楠花も見ごろを迎えてました
昼前には一ノ倉岳山頂に辿り着きホッと一息
トップで取り付けたのでストレスなくクライミングが出来ました。
国境稜線へ抜けたので結局行動時間は11時間を超えた。
日程:2011年5月22日(日)
山域:奥多摩 峰谷川 坊主谷
山行形態:沢登り
メンバー及び役割:CL古屋(記録)・SL木村・高橋
でらりんの初リード
5連瀑(倒木がなければな?)
鷹ノ巣避難小屋前
でこちらは山頂
上部は平凡だけれどコンパクトにまとまっていてなかなか良い沢だった。
山域:奥多摩 峰谷川 坊主谷
山行形態:沢登り
メンバー及び役割:CL古屋(記録)・SL木村・高橋
でらりんの初リード
5連瀑(倒木がなければな?)
鷹ノ巣避難小屋前
でこちらは山頂
上部は平凡だけれどコンパクトにまとまっていてなかなか良い沢だった。
日程:2011年5月13日(金)? 15日(日)
山域:小川山・岩登りの練習
山行形態:自主山行
メンバー及び役割:CL古屋・SL大浦・山本・戸田(食当/装備)・高橋(記録)
クライミングに、たき火に、宴会。風が冷たかったけれど二日間晴天で新緑のクライミングを楽しんできた。
さまになってきた
山さんもウカウカしてられないよ!
もどり雪最終ピッチ
ピークで一息、風が冷たい
粘りのスラブ
カムを決める、ゆうこりん
ハマる、でらりん・・・・・
山域:小川山・岩登りの練習
山行形態:自主山行
メンバー及び役割:CL古屋・SL大浦・山本・戸田(食当/装備)・高橋(記録)
クライミングに、たき火に、宴会。風が冷たかったけれど二日間晴天で新緑のクライミングを楽しんできた。
さまになってきた
山さんもウカウカしてられないよ!
もどり雪最終ピッチ
ピークで一息、風が冷たい
粘りのスラブ
カムを決める、ゆうこりん
ハマる、でらりん・・・・・
日程:平成 23年5月2日(月)?5月6日(金)
山域: 剱岳 赤谷尾根?北方稜線?剱?早月尾根
山行形態: 雪稜登攀
メンバー及び役割:古屋(CL・装備・食当) 大浦(SL・記録・食当)
記録:
5月2日(月)夜発 中央道?上信越道 新井SA泊
5月3日(火)新井SA?北陸道?滑川?上市?馬場島?赤谷尾根?赤谷山(幕営)
5月4日(水)赤谷山?北方稜線?小窓(幕営)
5月5日(木)小窓?三の窓?剱本峰?早月尾根?2000m付近にて幕営
5月6日(金)幕営地?馬場島?帰京
5月2日 20:00 南足柄市内コンビニで集合、東富士五湖道路、中央道、上信越道を走る。
中央道を走行中、八ヶ岳に向かう山本・戸田パーティーと遭遇し、長坂ICまで並んで走る。
24:00上信越道新井SAでビバーク。なかなか快適なビバークサイトが得られた。SAと道の駅が合体した施設で便利。
5月3日 4:00起床。SA出発、上信越道、北陸道ICから馬場島に向かう。しかし、伊折のゲートが閉鎖されており、馬場島手前6kmの地点で車を停める。例年ならこの時期には開いているのだが・・・。
予想外の1時間半の歩きが追加され、最初から計画が狂う。
今回は悪天候、停滞に備えて食料、燃料を多めに用意し、全装備を担いで歩く計画なので、一人当たりの荷は25kgになっている。重荷を担いでのアスファルト道路6kmのアプローチは辛い。
馬場島の富山県警山岳警備隊詰所に入山手続きに立寄り、ルートの様子を聞くと、雪は多く、腐り気味、上部はカチカチとのこと。
9:00赤谷尾根に取り付くと、いきなりの急斜面、藪こぎ、腐った雪。喘ぎながら登るが、遅々として進まず、度々の休憩が必要なほど疲れる。
下から見上げた時には、地図で見るよりは短い尾根だと思ったが、長大な馬鹿尾根に思えてくる。歩き始めの天気はまずまずであったが、途中から曇り、16:00山頂に辿り着くころには雪が降り始める。
山頂にあったテン場跡を整地して幕営。薄暮の頃雪が止み、北方稜線、毛勝三山が見え、明日の好天が期待できそうで、気分は高揚する。19:00頃就寝。
5月4日 4:00起床。曇天、視界100m程度。好天の期待は裏切られ重苦しい気分で6:00出発。
軟雪、重荷で白萩山へ登りが苦しい。ルートがよく見えず、余計な小ピークを越えて、時間と体力を消費する。白萩山を越えたあたりから、視界は半減、ほぼホワイトアウトする。
赤ハゲ、白ハゲを越えたと思い、大窓への急雪面を降りはじめるが、どうも様子がおかしい。時計のコンパスがやや西向きの進路を示しており、時折ガスが切れると左方に微かに北方稜線らしき尾根が見える。これは東仙人谷に向かって下降しているようだ。方向を修正して北方稜線を辿るが、シュルントだらけでハイ松と岩稜を選んで歩かざるを得ない。ひどく歩きにくく不安定で、痩せたリッジでは冷や汗をかく。大窓へは2ピッチの懸垂下降。
せっかく稼いだ高度を失うのは悔しい。大窓から池ノ平山を越えて小窓までへは、4つピークを越えねばならず、すべてが苦しい登攀となる。三の窓まで進む予定だったが、残る時間と体力を考え、幕場を小窓に変更する。
コルに辿り着く度に、ここが小窓かと思うが、鋭い小さく切れ込んだ鞍部でとてもテントなど張れる場所ではなく、まだ到着していない事が自ずと分かる。17:30視界が効かない中、ようやく小窓に辿り着く。テントを張り終え、一息つくと天気は好転する。夜半、満点の星空になり明日の好天が期待される。
5月5日 3:30起床、5:00出発。晴天。今日中に剱本峰を越えて早月小屋まで進む予定。朝一番に小窓の頭、小窓の王を登る。絶望的な高差に見える雪壁を喘ぎながら登る。重荷に加えて斜度もあり雪面から引き剥がされそうだが、雪が締まっているのが唯一の救いか。慎重にアックスとクランポンを決めながら攀じる。
一転して三の窓へは2ピッチの懸垂下降で、稼いだ高度を簡単に放棄してしまう。三の窓から池ノ谷ガリーはまたしても絶望的な雪壁の登り。クライマーズ・ハイにもならず、ひたすら苦しいだけだが、意外に短い時間で登ったようで、9:40八ツ峰の頭に到着、大休止とする。
長次郎の頭を越え、11:00剱本峰着。
快晴だが硫黄臭い風が強く吹き付ける。ここでも大休止。MSC手拭旗の写真を撮り、早月尾根を下降する。13:00早月小屋で乾杯用の缶ビール大を5本仕入れて、適当な幕場を探しながら尾根を下る。果たして2000m地点に、北方稜線を見渡せる絶好の幕場を発見し、宴会場を設営する。15:00 何はともあれ、乾杯! 明日は早起きをしないで済む、もう雪壁を攀じなくてもよいという開放感が酔いを加速させる。
疲労困憊しているので、あっさり19:30には寝てしまう。
5月6日 6:00起床。今日は下るのみ。快晴で気温は上がり、高度が下がるので雪はどんどん腐る。シャーベット状の雪を踏みながら、馬場島10:00着、蕗の薹を拾いながら、伊折12:00着。魚津の「満点の湯」で入浴後、海の近くのすし屋で昼食、「海の駅」で海産物の土産物を買い、15:30黒部ICから高速道に乗る。全線渋滞は皆無で21:00には南足柄着、解散。
最近の山行はBC方式の登攀が多かった。ために重荷を背負って長い距離を歩く機会が減ってしまい、今回の縦走ではへばってしまった。やはり山登りは縦走が基本。担荷力、山域の概念を得るには無雪季の縦走が必要だと感じた。
山域: 剱岳 赤谷尾根?北方稜線?剱?早月尾根
山行形態: 雪稜登攀
メンバー及び役割:古屋(CL・装備・食当) 大浦(SL・記録・食当)
記録:
5月2日(月)夜発 中央道?上信越道 新井SA泊
5月3日(火)新井SA?北陸道?滑川?上市?馬場島?赤谷尾根?赤谷山(幕営)
5月4日(水)赤谷山?北方稜線?小窓(幕営)
5月5日(木)小窓?三の窓?剱本峰?早月尾根?2000m付近にて幕営
5月6日(金)幕営地?馬場島?帰京
5月2日 20:00 南足柄市内コンビニで集合、東富士五湖道路、中央道、上信越道を走る。
中央道を走行中、八ヶ岳に向かう山本・戸田パーティーと遭遇し、長坂ICまで並んで走る。
24:00上信越道新井SAでビバーク。なかなか快適なビバークサイトが得られた。SAと道の駅が合体した施設で便利。
5月3日 4:00起床。SA出発、上信越道、北陸道ICから馬場島に向かう。しかし、伊折のゲートが閉鎖されており、馬場島手前6kmの地点で車を停める。例年ならこの時期には開いているのだが・・・。
予想外の1時間半の歩きが追加され、最初から計画が狂う。
今回は悪天候、停滞に備えて食料、燃料を多めに用意し、全装備を担いで歩く計画なので、一人当たりの荷は25kgになっている。重荷を担いでのアスファルト道路6kmのアプローチは辛い。
馬場島の富山県警山岳警備隊詰所に入山手続きに立寄り、ルートの様子を聞くと、雪は多く、腐り気味、上部はカチカチとのこと。
9:00赤谷尾根に取り付くと、いきなりの急斜面、藪こぎ、腐った雪。喘ぎながら登るが、遅々として進まず、度々の休憩が必要なほど疲れる。
下から見上げた時には、地図で見るよりは短い尾根だと思ったが、長大な馬鹿尾根に思えてくる。歩き始めの天気はまずまずであったが、途中から曇り、16:00山頂に辿り着くころには雪が降り始める。
山頂にあったテン場跡を整地して幕営。薄暮の頃雪が止み、北方稜線、毛勝三山が見え、明日の好天が期待できそうで、気分は高揚する。19:00頃就寝。
5月4日 4:00起床。曇天、視界100m程度。好天の期待は裏切られ重苦しい気分で6:00出発。
軟雪、重荷で白萩山へ登りが苦しい。ルートがよく見えず、余計な小ピークを越えて、時間と体力を消費する。白萩山を越えたあたりから、視界は半減、ほぼホワイトアウトする。
赤ハゲ、白ハゲを越えたと思い、大窓への急雪面を降りはじめるが、どうも様子がおかしい。時計のコンパスがやや西向きの進路を示しており、時折ガスが切れると左方に微かに北方稜線らしき尾根が見える。これは東仙人谷に向かって下降しているようだ。方向を修正して北方稜線を辿るが、シュルントだらけでハイ松と岩稜を選んで歩かざるを得ない。ひどく歩きにくく不安定で、痩せたリッジでは冷や汗をかく。大窓へは2ピッチの懸垂下降。
せっかく稼いだ高度を失うのは悔しい。大窓から池ノ平山を越えて小窓までへは、4つピークを越えねばならず、すべてが苦しい登攀となる。三の窓まで進む予定だったが、残る時間と体力を考え、幕場を小窓に変更する。
コルに辿り着く度に、ここが小窓かと思うが、鋭い小さく切れ込んだ鞍部でとてもテントなど張れる場所ではなく、まだ到着していない事が自ずと分かる。17:30視界が効かない中、ようやく小窓に辿り着く。テントを張り終え、一息つくと天気は好転する。夜半、満点の星空になり明日の好天が期待される。
5月5日 3:30起床、5:00出発。晴天。今日中に剱本峰を越えて早月小屋まで進む予定。朝一番に小窓の頭、小窓の王を登る。絶望的な高差に見える雪壁を喘ぎながら登る。重荷に加えて斜度もあり雪面から引き剥がされそうだが、雪が締まっているのが唯一の救いか。慎重にアックスとクランポンを決めながら攀じる。
一転して三の窓へは2ピッチの懸垂下降で、稼いだ高度を簡単に放棄してしまう。三の窓から池ノ谷ガリーはまたしても絶望的な雪壁の登り。クライマーズ・ハイにもならず、ひたすら苦しいだけだが、意外に短い時間で登ったようで、9:40八ツ峰の頭に到着、大休止とする。
長次郎の頭を越え、11:00剱本峰着。
快晴だが硫黄臭い風が強く吹き付ける。ここでも大休止。MSC手拭旗の写真を撮り、早月尾根を下降する。13:00早月小屋で乾杯用の缶ビール大を5本仕入れて、適当な幕場を探しながら尾根を下る。果たして2000m地点に、北方稜線を見渡せる絶好の幕場を発見し、宴会場を設営する。15:00 何はともあれ、乾杯! 明日は早起きをしないで済む、もう雪壁を攀じなくてもよいという開放感が酔いを加速させる。
疲労困憊しているので、あっさり19:30には寝てしまう。
5月6日 6:00起床。今日は下るのみ。快晴で気温は上がり、高度が下がるので雪はどんどん腐る。シャーベット状の雪を踏みながら、馬場島10:00着、蕗の薹を拾いながら、伊折12:00着。魚津の「満点の湯」で入浴後、海の近くのすし屋で昼食、「海の駅」で海産物の土産物を買い、15:30黒部ICから高速道に乗る。全線渋滞は皆無で21:00には南足柄着、解散。
最近の山行はBC方式の登攀が多かった。ために重荷を背負って長い距離を歩く機会が減ってしまい、今回の縦走ではへばってしまった。やはり山登りは縦走が基本。担荷力、山域の概念を得るには無雪季の縦走が必要だと感じた。