- 山行記録
日程:2009年10月29日(木)夜発?30日(金)
山域:谷川岳・一ノ倉沢・衝立岩中央稜
山行形態:岩のぼり
メンバー及び役割:木村(記録)、H(会員外)
記録:
今年2回目の中央稜へのチャレンジは、いつものパートナー平日組のHと。通行止めになるとかで車を登山指導センターの少し上に駐車し、6時に歩き始める。7時には一ノ倉沢出会いに到着、ちょうど朝日に衝立岩が照らされて快適な登攀ができそう。沢を詰めていくと途中でカメラマンのおじさん達につかまり、女子二人が珍しいのか私達をモデルにしばし撮影会?となる。8時半に中央稜取付きに到着し準備する。思ったよりも暖かく霜の心配はまったくなし、テールリッジでは大汗をかいてしまった。今日は完全な貸切り状態、一ノ倉沢に入っているのはもう1パーティーのみで彼らは本谷を詰めるようだ。9時登攀開始。1ピッチ目は木村リード、以前来た時と同じようにピッチをきる。2ピッチ目Hリード、ルンゼに入りロープ25m程登ったら右にトラバースするのだが50mいっぱいロープが出たので直上したようだ。登れる人はどんどんいっちゃうのね。後続で行くと確かにどこで右に出るのか良く分からない、が、ルートをもっと選んで行きたいものだ。上部はやや難しく一度ずり落ちてしまうがHがちゃんと止めてくれた。3ピッチ目木村リード、右のフェイスに出てピン沿いに上っていく。上部は逆層でドキドキしながら登り、チムニー手前でピッチを切る。4ピッチ目Hリード、核心部のチムニー。最初はすっぽりチムニーに体が入ってしまうが上部でうまく体をふってリッジに出た。5・6ピッチはロープをどんどん伸ばし、7ピッチ目最後は支点から右のルンゼに入るのだったがルートを間違え岩場を直上してしまう。何か変だなと思ったが稜線に達しない変な所で懸垂の支点らしきものがあり、ロープもいっぱいになってしまったので13時ここで終了とする。右前方に本来の終了点が見える、ちょっと情けなし。足場の悪い場所で懸垂のセットをして下降し、少し下の平な場所で休憩する。今日のHの行動食はチョコレート、ザックからひっぱり出すとなんということでしょう!ドロドロに溶けて液体状態に。私の持っていたパンと合体し優雅にチョコフォンデュでお腹を満たしたのであった。チョコも溶けるような陽気だったので本当に私達はついてます。14時頃から下降開始、北稜下降案もあったがルートに不慣れな者同士なので同ルート下降とする。ダブル50mで懸垂を開始するもルートが屈曲しており何回かロープが引っ掛かり登り返したりして大変だった。こういう場合はシングルでこまめに切ったほうが下降しやすいようだ。なんとか明るいうちに取付きまで下降した。テールリッジの下降も気を抜けないので時々ロープを出しながら下っていく。テールリッジを下り終えたくらいで日が沈み暗くなってしまった。最後はまたもやヘッドライトを出し一ノ倉沢出合まで戻る。ゲートがどうなってるか心配だったので急いで車に戻る。案の定登山指導センターのゲートが閉まっている。良く考えればゲートの向こうに車を停めておけば良かったのだ、センターの人にゲートを開けてもらい無事脱出。今回もルートファインディングやロープ操作に相当な時間がかかってしまった。この辺りが今後の課題。懸垂下降する場合のピッチの切り方等もっと臨機応変にできるようになりたい。
山域:谷川岳・一ノ倉沢・衝立岩中央稜
山行形態:岩のぼり
メンバー及び役割:木村(記録)、H(会員外)
記録:
今年2回目の中央稜へのチャレンジは、いつものパートナー平日組のHと。通行止めになるとかで車を登山指導センターの少し上に駐車し、6時に歩き始める。7時には一ノ倉沢出会いに到着、ちょうど朝日に衝立岩が照らされて快適な登攀ができそう。沢を詰めていくと途中でカメラマンのおじさん達につかまり、女子二人が珍しいのか私達をモデルにしばし撮影会?となる。8時半に中央稜取付きに到着し準備する。思ったよりも暖かく霜の心配はまったくなし、テールリッジでは大汗をかいてしまった。今日は完全な貸切り状態、一ノ倉沢に入っているのはもう1パーティーのみで彼らは本谷を詰めるようだ。9時登攀開始。1ピッチ目は木村リード、以前来た時と同じようにピッチをきる。2ピッチ目Hリード、ルンゼに入りロープ25m程登ったら右にトラバースするのだが50mいっぱいロープが出たので直上したようだ。登れる人はどんどんいっちゃうのね。後続で行くと確かにどこで右に出るのか良く分からない、が、ルートをもっと選んで行きたいものだ。上部はやや難しく一度ずり落ちてしまうがHがちゃんと止めてくれた。3ピッチ目木村リード、右のフェイスに出てピン沿いに上っていく。上部は逆層でドキドキしながら登り、チムニー手前でピッチを切る。4ピッチ目Hリード、核心部のチムニー。最初はすっぽりチムニーに体が入ってしまうが上部でうまく体をふってリッジに出た。5・6ピッチはロープをどんどん伸ばし、7ピッチ目最後は支点から右のルンゼに入るのだったがルートを間違え岩場を直上してしまう。何か変だなと思ったが稜線に達しない変な所で懸垂の支点らしきものがあり、ロープもいっぱいになってしまったので13時ここで終了とする。右前方に本来の終了点が見える、ちょっと情けなし。足場の悪い場所で懸垂のセットをして下降し、少し下の平な場所で休憩する。今日のHの行動食はチョコレート、ザックからひっぱり出すとなんということでしょう!ドロドロに溶けて液体状態に。私の持っていたパンと合体し優雅にチョコフォンデュでお腹を満たしたのであった。チョコも溶けるような陽気だったので本当に私達はついてます。14時頃から下降開始、北稜下降案もあったがルートに不慣れな者同士なので同ルート下降とする。ダブル50mで懸垂を開始するもルートが屈曲しており何回かロープが引っ掛かり登り返したりして大変だった。こういう場合はシングルでこまめに切ったほうが下降しやすいようだ。なんとか明るいうちに取付きまで下降した。テールリッジの下降も気を抜けないので時々ロープを出しながら下っていく。テールリッジを下り終えたくらいで日が沈み暗くなってしまった。最後はまたもやヘッドライトを出し一ノ倉沢出合まで戻る。ゲートがどうなってるか心配だったので急いで車に戻る。案の定登山指導センターのゲートが閉まっている。良く考えればゲートの向こうに車を停めておけば良かったのだ、センターの人にゲートを開けてもらい無事脱出。今回もルートファインディングやロープ操作に相当な時間がかかってしまった。この辺りが今後の課題。懸垂下降する場合のピッチの切り方等もっと臨機応変にできるようになりたい。
山 行 報 告 書
日程:2009年10月23(金)夜?25日(日)
山域:某沢
山行形態:お楽しみ
メンバー及び役割: CL清野、SL山本、装備戸田、朴、平川、食当1新屋、食当2大浦、記録白川
記録:
10月23日 清野車は20:30 TX流山おおたかの森駅集合、戸田車は20:00 JR武蔵境駅集合。連絡を取り合ったわけではないけれど、何故か買出しのために立ち寄ったコンビ二で合流でき、某道の駅にてビバーク準備ののち入山祝い。金曜日の夜のこと、我々の到着以前から地元の若者グループがガンガンに音楽を流して楽しんでいたが、ぱったりとやんで静寂となった。なんと新屋さんが優しく静かにするようご指導くださったそうな。軟弱な奴等?はあっという間にご退散くださり、われらの天下であった。
10月24日 ビバーク地を出発し車をデポ。河原に到着ののち幕場構築。テントを張り装備を整えて8:50出発。某沢にてきのこを探すがみつからない。すでに採られてしまったのか、雨が降っていないせいなのか・・・枝沢でムキタケをみつけたもののその後はあっても干からびたものばかり。一番奥まで行った山本さんと戸田さんがたくさんのムキタケと少しのなめこを収穫し、キノコ山行の名目は保たれた。12:00頃下山を開始して13:00頃幕営地に戻った。昨年は沢山あったというブナハリタケは姿もなかったが、その最大の原因は時期が遅かったということのようだった。
タープを張り、午後は幕場近辺で訓練である。戸田さんの積極性はすばらしい。ツェルトを張る練習(夜は実際に1人でそこに泊まられた)。ビーコン・ゾンデ棒の練習。そしてのこぎり訓練。大きなザックに荷物もずっしり!冬山に備えてのトレーニングだそうだ。目的意識を持って山行に参加することの大切さをお教えいただいた。食事の準備の手際もさすがである。あらゆる面で人の3倍ほどもの働きをされておられた。
焚き火が始まり、15:00頃から宴会の準備にはいった。豚肉キノコのバター炒め。豚肉キムチ。作る先から味見と称して宴会が始まった。戸田さんが持ってきてくださった刺身がドカンと出てきた。甘くて口の中でとろけるようなマグロ・イカ・ホタテ・甘えび・鯛・ハマチ・・・山でこういう物を食べれるとは!一同感嘆の声。メニューはさらに続く。キノコの味噌汁、天婦羅などなど。焚き火を囲んでの歓談は夜も更けた12時頃まで続いたと伺った。
10月25日は6:00頃起床。焚き火は燃え尽きていたが熾の上に小枝を置くだけで火がついた。キノコご飯、キノコのバター炒め、豚肉と野菜の炒め物・・・朝からお腹いっぱいになった。徹営後は温泉、昼には少し早かったが打上げ。ここの刺身もとろけるようでめちゃくちゃ美味しい。またまたお腹いっぱいに食べてそれぞれの車で帰路に着いた。皆様有難うございました。
紅葉の美しい沢に入った
収穫されたムキタケ
宴会の準備風景
※ 写真は新屋さんによる
日程:2009年10月23(金)夜?25日(日)
山域:某沢
山行形態:お楽しみ
メンバー及び役割: CL清野、SL山本、装備戸田、朴、平川、食当1新屋、食当2大浦、記録白川
記録:
10月23日 清野車は20:30 TX流山おおたかの森駅集合、戸田車は20:00 JR武蔵境駅集合。連絡を取り合ったわけではないけれど、何故か買出しのために立ち寄ったコンビ二で合流でき、某道の駅にてビバーク準備ののち入山祝い。金曜日の夜のこと、我々の到着以前から地元の若者グループがガンガンに音楽を流して楽しんでいたが、ぱったりとやんで静寂となった。なんと新屋さんが優しく静かにするようご指導くださったそうな。軟弱な奴等?はあっという間にご退散くださり、われらの天下であった。
10月24日 ビバーク地を出発し車をデポ。河原に到着ののち幕場構築。テントを張り装備を整えて8:50出発。某沢にてきのこを探すがみつからない。すでに採られてしまったのか、雨が降っていないせいなのか・・・枝沢でムキタケをみつけたもののその後はあっても干からびたものばかり。一番奥まで行った山本さんと戸田さんがたくさんのムキタケと少しのなめこを収穫し、キノコ山行の名目は保たれた。12:00頃下山を開始して13:00頃幕営地に戻った。昨年は沢山あったというブナハリタケは姿もなかったが、その最大の原因は時期が遅かったということのようだった。
タープを張り、午後は幕場近辺で訓練である。戸田さんの積極性はすばらしい。ツェルトを張る練習(夜は実際に1人でそこに泊まられた)。ビーコン・ゾンデ棒の練習。そしてのこぎり訓練。大きなザックに荷物もずっしり!冬山に備えてのトレーニングだそうだ。目的意識を持って山行に参加することの大切さをお教えいただいた。食事の準備の手際もさすがである。あらゆる面で人の3倍ほどもの働きをされておられた。
焚き火が始まり、15:00頃から宴会の準備にはいった。豚肉キノコのバター炒め。豚肉キムチ。作る先から味見と称して宴会が始まった。戸田さんが持ってきてくださった刺身がドカンと出てきた。甘くて口の中でとろけるようなマグロ・イカ・ホタテ・甘えび・鯛・ハマチ・・・山でこういう物を食べれるとは!一同感嘆の声。メニューはさらに続く。キノコの味噌汁、天婦羅などなど。焚き火を囲んでの歓談は夜も更けた12時頃まで続いたと伺った。
10月25日は6:00頃起床。焚き火は燃え尽きていたが熾の上に小枝を置くだけで火がついた。キノコご飯、キノコのバター炒め、豚肉と野菜の炒め物・・・朝からお腹いっぱいになった。徹営後は温泉、昼には少し早かったが打上げ。ここの刺身もとろけるようでめちゃくちゃ美味しい。またまたお腹いっぱいに食べてそれぞれの車で帰路に着いた。皆様有難うございました。
紅葉の美しい沢に入った
収穫されたムキタケ
宴会の準備風景
※ 写真は新屋さんによる
日程:平成 21年10月 21日(水)
山域: 瑞がき山 大ヤスリ岩 ハイピークルート
山行形態: 岩登り
メンバー及び役割: CL 古屋 SL 寺本
記録:
6:30 瑞がき山荘付近駐車場発 7:10 富士見平小屋 8:10 大ヤスリ岩取り付き
9:00 登攀開始 13:15終了 14:45下山開始 16:00 駐車場着
天候 晴れ
アブミにそれほど慣れていないので最終ピッチのアブミルートは非常に苦労した。長時間ビレイの寺さんに感謝。全4ピッチでフリーで登れたのはピッチはなし。
瑞がき山荘からの登山道を二時間弱歩くと視界が開け左手に大ヤスリ岩が姿を現す。登山道から左手に入りトラロープが張られた踏み跡を20メートル位進むと取り付き。
1ピッチ目 クラックから小テラスに乗り右のチムニーに移るがここのフェイスが悪く迷わずA0チムニーも狭く苦しい。
2ピッチ目 フェイスを2メートルA0を交え登り再び右のチムニーへ移る。ここからのチムニーは階段状で容易。岩場の中の庭園風な場所まで。
3ピッチ ランペを左上し、クラックから大テラスまで。大テラスへの登りは体をX状に突っ張りで超える。ここまでこのピッチはフリーできたが最後テラスに乗り越す部分でA0してしまう。大テラスからは瑞がき山の山頂が一望で山頂のハイカーから手を振られる。
4ピッチ目 ハイカーの声援をうけながら、一時間を越える40メートル近いアブミ登攀。支点は概ね良好であると思うが、一部リングが飛んでいるものや、最上段に乗り込まないと届かない所があり、とにかく手際の悪いせいもあり苦労した。ビレイの寺本さんにはホントに迷惑をかけたと思う。
大ヤスリ岩のテッペンは大テラス以上に最高の展望でようやく苦労して登った実感が湧いた。
寺本さんはフォローでもキツイということで登らず、そのまま大テラスまで懸垂で下降。大テラスからさらに15メートルほど懸垂し踏み跡をたどり登山道へ戻る。
デポした荷物を回収し下山。
山域: 瑞がき山 大ヤスリ岩 ハイピークルート
山行形態: 岩登り
メンバー及び役割: CL 古屋 SL 寺本
記録:
6:30 瑞がき山荘付近駐車場発 7:10 富士見平小屋 8:10 大ヤスリ岩取り付き
9:00 登攀開始 13:15終了 14:45下山開始 16:00 駐車場着
天候 晴れ
アブミにそれほど慣れていないので最終ピッチのアブミルートは非常に苦労した。長時間ビレイの寺さんに感謝。全4ピッチでフリーで登れたのはピッチはなし。
瑞がき山荘からの登山道を二時間弱歩くと視界が開け左手に大ヤスリ岩が姿を現す。登山道から左手に入りトラロープが張られた踏み跡を20メートル位進むと取り付き。
1ピッチ目 クラックから小テラスに乗り右のチムニーに移るがここのフェイスが悪く迷わずA0チムニーも狭く苦しい。
2ピッチ目 フェイスを2メートルA0を交え登り再び右のチムニーへ移る。ここからのチムニーは階段状で容易。岩場の中の庭園風な場所まで。
3ピッチ ランペを左上し、クラックから大テラスまで。大テラスへの登りは体をX状に突っ張りで超える。ここまでこのピッチはフリーできたが最後テラスに乗り越す部分でA0してしまう。大テラスからは瑞がき山の山頂が一望で山頂のハイカーから手を振られる。
4ピッチ目 ハイカーの声援をうけながら、一時間を越える40メートル近いアブミ登攀。支点は概ね良好であると思うが、一部リングが飛んでいるものや、最上段に乗り込まないと届かない所があり、とにかく手際の悪いせいもあり苦労した。ビレイの寺本さんにはホントに迷惑をかけたと思う。
大ヤスリ岩のテッペンは大テラス以上に最高の展望でようやく苦労して登った実感が湧いた。
寺本さんはフォローでもキツイということで登らず、そのまま大テラスまで懸垂で下降。大テラスからさらに15メートルほど懸垂し踏み跡をたどり登山道へ戻る。
デポした荷物を回収し下山。
日程:2009年10月9日(金)夜発?12日(月)
山域:奥只見 大白沢シロウ沢ワカゴイ沢
山行形態:沢登り
メンバー及び役割:山本(CL) 清野(総合CL) 羽生田(装備) 木村(食当) 大浦(記録)
記録:
10月9日(金) JR青梅線中神駅9:30集合 関越道上で新座発の清野車と合流、道の駅ゆのたにでビバーク 10月10日(土)7:00道の駅出発、恋ノ岐川出会で恋ノ岐隊と別れ、鷹巣に戸田車を配置、清野車で砂子平に移動9:00入渓、21:30平ヶ岳沢を超えた地点でビバーク
10月11日(日) 7:00幕場出発 16:30 平ヶ岳山頂下300m地点でビバーク
10月11日(月) 7:00幕場出発 9:30 平ヶ岳山頂直下稜線 10:00 下山開始 14:00 鷹巣駐車場着 17:00 恋ノ岐隊下山、合流 小出で無事を祝い食事、帰京
今回は平ヶ岳集中山行の予定だったが、集中したのは鷹巣Pで日も暮れかかった夕方だった。直前の台風による増水、山行当日の2日連続の降雨降雪による低温の増水により、計画から1日以上遅れての下山、集中となった。パーティー間で連絡が取れず、互いに心配しあうことになり、通信手段の確保を検討すべきだと反省した。
10月10日(土)
天気予報によると雨は夜からとなっており、入渓後は天気が良かったので、釣りやキノコ採りをしながら遡行する。ノロノロと進むが、ガイド本の斜め読みで得た情報では、ゴルジュが2つほどあるが、ちょっと悪い個所が続いているだけの沢、となめ切っているので、全く緊張感がない。これがあとで災いするとは、能天気な我らには想像すらできなかった。
クロウ沢出会12:00 ここまでは川原歩き、へつりでやってくる。水量はやや多いと思うぐらいで特に問題はない。しかしここから厳しくなる。平水なら問題のない個所にも時間がかかり、遡行速度が鈍る。最初の核心部、80 mゴルジュと思ったところが、実は前衛のミニゴルジュで、ここでやや難渋し既に夕刻。80mゴルジュに突入したのは夕刻であったが、ここを抜けたら焚き火とビバークが待っていると思い、気合が入る。が、増水したゴルジュは遡行者を撃退するかのように、圧倒的な流量で立ちはだかる。小さな滝にも手を焼き、流水を避けながらの遡行と登攀はひどく消耗する。清野が白濁する激流の難所の上を軽々とフリーで突破、ルート工作しパーティーをリードする。山本は既に暗くなった壁を微妙なバランスで攀り、要所で堅固なネイリングをし、ロープを伸ばす。なんと見事な連中だろう。ギャラリーが少ないのが残念だ。雨に濡れ震えながらもスタンディングオベーションを送る。だが、なぜこんなところでこんなことをやっているのだろう? ジリジリと前進するが、墨を流したような漆黒の闇に包まれ、現在地すら判然としない。が、どうやら80mゴルジュは突破したようだ。だが、目の前には滝が豊富な水量で落ちており、最早今日はここまでと諦め、樹林帯にビバークサイトを求めるため、高巻き準備をはじめる。密藪の急斜面に寝られる場所があるのか?平地で横になりたいぞ!と思い、ヘッドライトの照度を上げて滝の右側を見ると、フリーで越えられそうな容易な壁だ。一挙に越えると、やや開けた渓相になる。既に20時は過ぎているが、このまま進めば広河原で快適なビバークサイトが得られるかも知れないと思い、さらに前進する。二俣を分け、小さな二条滝を超えると、上部がピナクルに見える2段の滝が現れる。ガイド本によれば18m2段滝だ。下段は容易で、上段はスメアリングで越えられるだろうと思いとりつくが、濡れた花崗岩に歯が立たず墜落敗退。滝から少し下ったところでビバークすることに決定。既に21:00を過ぎている。ビバーク準備、食事を終え、酒を飲みながら歓談していると23:00を過ぎている。明日正午には山頂に抜けるため就寝。雨は間欠的に降っているが、空は満天の星空だ。不思議な天気だ。ビバークサイトは川原に近いので、増水を気にしながら眠る。
かご渡しで入渓
この後の展開を知らず、のんきになめこを採っていた頃
ゴルジュとカン違いした滝
80mゴルジュに突入
明るいうちに突破したのは最初の滝だけ、以降暗闇の中の登攀が続く・・・
10月11日(日)
今日は晴れのはずだったが雨天だ。濡れた服に着替え7:00出発。昨夜墜落したピナクルに取りつくが明るくなっただけで、状況は変わらない。ピトンスカーより細いシンクラックを見つけ、ハンマーを支点にして何とか突破する。
この後、赤芝沢出会いを超え、ワカゴイ沢に入る。平水なら簡単に突破できるらしい滝が連続するが、とても取りつけそうにない。高巻き、懸垂下降を幾度も繰り返す。高巻きの度に、1?2時間を要する。密藪、急斜面の登り、脆弱な草付、藪の中の懸垂下降で時間だけが飛び去って行く。沢を見失わないように、懸垂下降で流れの近くに戻るが、低温の大水量に何度も高巻きを余儀なくされ、第2の核心部のゴルジュはほとんど高巻きに終始した。この沢の高巻きは滝の直登よりはるかに悪いだろう。ほとんど踏み跡のない笹藪や泥が乗ったスラブを木につかまりながら登り、下る。握力、腕力を要する辛い高巻きが続き、夕刻が近づく。久々に登れそうな10m滝を左から登ると、また小さいが突破できそうにないゴルジュが現れる。既に山頂直下の稜線に近付いているはずだが、稜線はまだ見えない。高巻きに入り、下降に移るところで雪に覆われた稜線が見えた。道理で水が冷たいはずだ。雪を見て、登頂を諦めた。テントを持たずに雪に対峙
できるはずもない。恋ノ岐隊との合流はすでに予定より4時間以上遅れているが諦め、今夜のビバークの心配をする。さいわい、平らな場所が見つかり、喜びながら焚き火の準備をするが、降り続く雨でどうしても焚き火にならない。タープにツェルトを内張りし、快適なビバーク場所に仕立て体を温める。恋の岐隊は無事だろう
か?気にはなるが、安否の確認のしようもない。雨も知らないうちに上がったようで、天気は回復傾向にあるようだ。明日は快晴であることを願いつつ眠りに就く。
朝一番、大浦氏気合いのクライミング、大浦の滝と命名されました
時にはこんなことも
どの滝も水量が多くて近付けません
凍る指先に喝を入れてシャワークライミング
寒いよ?
10月12日(月)
5:00起床。快晴、非常に寒い。朝3時の時点では霜が降り、岩がベルグラのようになっていた。7時幕場を出発。最後の大きな滝を高巻き、小滝をいくつも越えると笹の密藪に雪が乗った斜面がフィナーレだ。ガイド本によると快適な草原を山頂に導かれるはずなのだが、非常に難渋する。9:30山頂直下稜線に出る。恋ノ岐隊は既に下山しているだろう。山頂へは行かず、おそらく先に降りているはずの鷹巣Pに向けて10:00に下山を開始する。登り返しの多い退屈な道だが、時折展望が開け紅葉を愛でる。羽生田がトレランの快足を飛ばして先に下山する。残るメンバーはそれぞれmy最高速で下る。14:00鷹巣P着。恋ノ岐隊が下山した様子はない。周辺は携帯電話の通話可能圏外なので、近所の店に行き衛星電話を借りて連絡を取ろうとする。相手も圏外にいるのだろう、話中音と留守録メッセ―ジしか返ってこない。手を尽くしたが、あとは無線機を受信にして開局放置し、恋の岐隊からの連絡を待つこと以外に選択肢がなくなる。15:30白川のコールで恋ノ岐隊の無事を知る。17:00鷹巣Pで合流。てっきりワカゴイ隊の登頂を待ち、姫の池付近で寒い夜に耐えて待っていたが、ワカゴイ隊に追い抜かれて集中できなかった、と思っていた。実は恋ノ岐川も増水で思うように遡行できなかったことが遅延の原因になったと判明。小出まで下り、全員の無事を祝って夕食。時間がないので温泉には入れず、20:00解散、関越道をひた走り、帰京する。
最終日、ようやく青空が
山頂付近は雪!
山域:奥只見 大白沢シロウ沢ワカゴイ沢
山行形態:沢登り
メンバー及び役割:山本(CL) 清野(総合CL) 羽生田(装備) 木村(食当) 大浦(記録)
記録:
10月9日(金) JR青梅線中神駅9:30集合 関越道上で新座発の清野車と合流、道の駅ゆのたにでビバーク 10月10日(土)7:00道の駅出発、恋ノ岐川出会で恋ノ岐隊と別れ、鷹巣に戸田車を配置、清野車で砂子平に移動9:00入渓、21:30平ヶ岳沢を超えた地点でビバーク
10月11日(日) 7:00幕場出発 16:30 平ヶ岳山頂下300m地点でビバーク
10月11日(月) 7:00幕場出発 9:30 平ヶ岳山頂直下稜線 10:00 下山開始 14:00 鷹巣駐車場着 17:00 恋ノ岐隊下山、合流 小出で無事を祝い食事、帰京
今回は平ヶ岳集中山行の予定だったが、集中したのは鷹巣Pで日も暮れかかった夕方だった。直前の台風による増水、山行当日の2日連続の降雨降雪による低温の増水により、計画から1日以上遅れての下山、集中となった。パーティー間で連絡が取れず、互いに心配しあうことになり、通信手段の確保を検討すべきだと反省した。
10月10日(土)
天気予報によると雨は夜からとなっており、入渓後は天気が良かったので、釣りやキノコ採りをしながら遡行する。ノロノロと進むが、ガイド本の斜め読みで得た情報では、ゴルジュが2つほどあるが、ちょっと悪い個所が続いているだけの沢、となめ切っているので、全く緊張感がない。これがあとで災いするとは、能天気な我らには想像すらできなかった。
クロウ沢出会12:00 ここまでは川原歩き、へつりでやってくる。水量はやや多いと思うぐらいで特に問題はない。しかしここから厳しくなる。平水なら問題のない個所にも時間がかかり、遡行速度が鈍る。最初の核心部、80 mゴルジュと思ったところが、実は前衛のミニゴルジュで、ここでやや難渋し既に夕刻。80mゴルジュに突入したのは夕刻であったが、ここを抜けたら焚き火とビバークが待っていると思い、気合が入る。が、増水したゴルジュは遡行者を撃退するかのように、圧倒的な流量で立ちはだかる。小さな滝にも手を焼き、流水を避けながらの遡行と登攀はひどく消耗する。清野が白濁する激流の難所の上を軽々とフリーで突破、ルート工作しパーティーをリードする。山本は既に暗くなった壁を微妙なバランスで攀り、要所で堅固なネイリングをし、ロープを伸ばす。なんと見事な連中だろう。ギャラリーが少ないのが残念だ。雨に濡れ震えながらもスタンディングオベーションを送る。だが、なぜこんなところでこんなことをやっているのだろう? ジリジリと前進するが、墨を流したような漆黒の闇に包まれ、現在地すら判然としない。が、どうやら80mゴルジュは突破したようだ。だが、目の前には滝が豊富な水量で落ちており、最早今日はここまでと諦め、樹林帯にビバークサイトを求めるため、高巻き準備をはじめる。密藪の急斜面に寝られる場所があるのか?平地で横になりたいぞ!と思い、ヘッドライトの照度を上げて滝の右側を見ると、フリーで越えられそうな容易な壁だ。一挙に越えると、やや開けた渓相になる。既に20時は過ぎているが、このまま進めば広河原で快適なビバークサイトが得られるかも知れないと思い、さらに前進する。二俣を分け、小さな二条滝を超えると、上部がピナクルに見える2段の滝が現れる。ガイド本によれば18m2段滝だ。下段は容易で、上段はスメアリングで越えられるだろうと思いとりつくが、濡れた花崗岩に歯が立たず墜落敗退。滝から少し下ったところでビバークすることに決定。既に21:00を過ぎている。ビバーク準備、食事を終え、酒を飲みながら歓談していると23:00を過ぎている。明日正午には山頂に抜けるため就寝。雨は間欠的に降っているが、空は満天の星空だ。不思議な天気だ。ビバークサイトは川原に近いので、増水を気にしながら眠る。
かご渡しで入渓
この後の展開を知らず、のんきになめこを採っていた頃
ゴルジュとカン違いした滝
80mゴルジュに突入
明るいうちに突破したのは最初の滝だけ、以降暗闇の中の登攀が続く・・・
10月11日(日)
今日は晴れのはずだったが雨天だ。濡れた服に着替え7:00出発。昨夜墜落したピナクルに取りつくが明るくなっただけで、状況は変わらない。ピトンスカーより細いシンクラックを見つけ、ハンマーを支点にして何とか突破する。
この後、赤芝沢出会いを超え、ワカゴイ沢に入る。平水なら簡単に突破できるらしい滝が連続するが、とても取りつけそうにない。高巻き、懸垂下降を幾度も繰り返す。高巻きの度に、1?2時間を要する。密藪、急斜面の登り、脆弱な草付、藪の中の懸垂下降で時間だけが飛び去って行く。沢を見失わないように、懸垂下降で流れの近くに戻るが、低温の大水量に何度も高巻きを余儀なくされ、第2の核心部のゴルジュはほとんど高巻きに終始した。この沢の高巻きは滝の直登よりはるかに悪いだろう。ほとんど踏み跡のない笹藪や泥が乗ったスラブを木につかまりながら登り、下る。握力、腕力を要する辛い高巻きが続き、夕刻が近づく。久々に登れそうな10m滝を左から登ると、また小さいが突破できそうにないゴルジュが現れる。既に山頂直下の稜線に近付いているはずだが、稜線はまだ見えない。高巻きに入り、下降に移るところで雪に覆われた稜線が見えた。道理で水が冷たいはずだ。雪を見て、登頂を諦めた。テントを持たずに雪に対峙
できるはずもない。恋ノ岐隊との合流はすでに予定より4時間以上遅れているが諦め、今夜のビバークの心配をする。さいわい、平らな場所が見つかり、喜びながら焚き火の準備をするが、降り続く雨でどうしても焚き火にならない。タープにツェルトを内張りし、快適なビバーク場所に仕立て体を温める。恋の岐隊は無事だろう
か?気にはなるが、安否の確認のしようもない。雨も知らないうちに上がったようで、天気は回復傾向にあるようだ。明日は快晴であることを願いつつ眠りに就く。
朝一番、大浦氏気合いのクライミング、大浦の滝と命名されました
時にはこんなことも
どの滝も水量が多くて近付けません
凍る指先に喝を入れてシャワークライミング
寒いよ?
10月12日(月)
5:00起床。快晴、非常に寒い。朝3時の時点では霜が降り、岩がベルグラのようになっていた。7時幕場を出発。最後の大きな滝を高巻き、小滝をいくつも越えると笹の密藪に雪が乗った斜面がフィナーレだ。ガイド本によると快適な草原を山頂に導かれるはずなのだが、非常に難渋する。9:30山頂直下稜線に出る。恋ノ岐隊は既に下山しているだろう。山頂へは行かず、おそらく先に降りているはずの鷹巣Pに向けて10:00に下山を開始する。登り返しの多い退屈な道だが、時折展望が開け紅葉を愛でる。羽生田がトレランの快足を飛ばして先に下山する。残るメンバーはそれぞれmy最高速で下る。14:00鷹巣P着。恋ノ岐隊が下山した様子はない。周辺は携帯電話の通話可能圏外なので、近所の店に行き衛星電話を借りて連絡を取ろうとする。相手も圏外にいるのだろう、話中音と留守録メッセ―ジしか返ってこない。手を尽くしたが、あとは無線機を受信にして開局放置し、恋の岐隊からの連絡を待つこと以外に選択肢がなくなる。15:30白川のコールで恋ノ岐隊の無事を知る。17:00鷹巣Pで合流。てっきりワカゴイ隊の登頂を待ち、姫の池付近で寒い夜に耐えて待っていたが、ワカゴイ隊に追い抜かれて集中できなかった、と思っていた。実は恋ノ岐川も増水で思うように遡行できなかったことが遅延の原因になったと判明。小出まで下り、全員の無事を祝って夕食。時間がないので温泉には入れず、20:00解散、関越道をひた走り、帰京する。
最終日、ようやく青空が
山頂付近は雪!