- 山行記録
日程:2009年7月10日(金)夜?7月12日(日)
山域: 奥秩父/一之瀬・大常木谷
山行形態: 訓練山行・沢登り
メンバー及び役割: CL/食当:戸田、SL:羽生田、装備:清野、記録:白川
記録:
7月10日20:30青梅線の中神駅集合。立川から3駅の近さでありながら駅前ロータリーは人通りもまばらで集合するには最適である。コンビミで買い物をして青梅街道を一路丹波山村へ。暗くて曲がりくねった道も戸田さんの運転は快適である。道の駅「丹波山温泉」にてビバーク。
7月11日の起床は5:00を過ぎていたと思う。朝食と身支度を済ませた後、車でオイラン淵の駐車スペースへ。すでに1台停まっていた。6:45市ノ瀬川橋の袂から入渓し、清野さんを先頭に遡行開始。
第1の淵は右側の岩壁に手を掛けながらに丸太の上を進むが壁に手が届かなくなると、後続3名は立て続けにドボン。胸までつかる深さであった。
次のゴルジュでは泳ぐことになった。時間は8:00清野さんがロープを引きながら右岸側から左岸側に泳ぎ、水中の立ち木につかまるが流れが急で、水の落ち口に上がれない。3回試みた後断念、右岸の岩壁を巻いた。
水流突破を試みる清野さん
右岸の岩壁を巻いている羽生田さん
小さな河原が左側にあり、その先を右折すると細長いゴルジュが見えた。8:30泳ぐには流れが急であり、羽生田さんのリードで右側の岩壁を巻いた。
9:10河原で休憩。
ナイアガラNo.1は右岸の斜面に足を置きながら進むが、何せ岩がすべる。特に黒の中にオレンジ色の筋のある岩は要注意であった。ずるずると滑って水の中に引き込まれると深みに流され、沢底に足が届かない。流されながら右岸に戻り、今度は落ちないように慎重に進んだ。清野さんから流心の説明を受ける。
10:45大常木沢との分岐にたどり着く。一之瀬川本流は水量も多く、滑る岩が多かった。4時間もかかってしまい、自分の未熟さを思う。
緩やかなナメをしばらくいくと、五間の滝であった。
釜の右をへつった後羽生田さんがリード。でもホールドもスタンスもバッチリでロープは不要だった。
次の千苦の滝は右側を高巻いた。滝の落ち口の高さまで上がると、たいていトラバース道があるものだと清野さんからアドバイスを頂き、実際にその高さまで行って左側を見ると滝へまっすぐに向かう踏み跡があった。落ち口手前でさらに上がって、滝の右側を通過。
山女魚淵は倒木で荒れていた。その倒木の中を通過。早川淵は倒木の上を歩いて通過。丸太が滑りそうではらはらした。
小滝をいくつか越えた後のモミジ窪であろうか、釜の先に滝があって、羽生田さんが直登した。残置シュリンゲを鐙のようにして登ったとかで、我々の高巻きよりも早かった。
そして次の不動の滝。初めの滝は、右側手前の岩壁に取り付いて、羽生田さんのリードで上がった。始めの足場がわからなくて、後続の者もその都度清野さんからアドバイスを受けた(写真)。しかし2段目の滝となるともう高巻きしかなかった。滝の左手前を上がって、懸垂下降で沢に降り立ったが、下降点の様子では左岸の方を高巻いた方が楽なようであった。 その後はナメ滝やごろごろした石の河原。御岳沢出合を過ぎると、本日の目的地会所小屋跡へと思いは走る。なかなかそれらしき場所が出てこないので休憩し、見落としたのか?など協議、地図などを見た。気を取り直して出発。さらに10分程行くと左手に手ごろな広さの台地が現れた。14:40到着。
タープを張って、幕営準備をした。また、枯れ枝や枯葉が地面を覆うようにたくさん落ちていたので、拾い集めて焚き火をした。一度はからからに乾いていたであろうそれらも前日までの雨で湿っていて火がつきにくい。
夕食は戸田さん特製のタイカレー。野菜がたくさん入っていてとても美味しい!!評判のカレーが味わえて幸せ!その後も焚き火を囲み21:30までまったりとした時間を過ごした。小枝はいくらでも落ちている。日常の慌しさが嘘のようで、無心で火を見つめている時は貴重な気がした。
翌朝は6:00起床。すでに羽生田さんは、焚き火守に徹しておられた。朝食はラーメン。7:45幕営地の確認をして、出発。枯れ枝が処理されて台地はかなり整備された。環境保護問題に熱心な方たちの中には、焚き火は犯罪であるような言い方をされる方もおられるが、人の手が入らず荒れたままの状態であることを考えれば、この程度の整備はやった方がいいのではないかと思う。地面が見えるようになった台地をみると縁に捨てられているガラス瓶やさびついた石油缶が気にむしろなった。
帰路は大常木林道である。8:22コルに到着して休憩、その後の林道は2箇所で崩壊していた。1つ目は倒木群の上をまたいで通過、2つ目は涸れ沢の所で、そのまま支流へと下降し、11:35竜喰谷出合(1480m)。
小休止の後、谷に入り小滝や滑を下降。石の上を覆っている黄緑色の苔がきれいである。黒い石が滑る。中の平沢出合からは水量が増えた。曲り滝あたりは高巻いた。ロープは必要ないのかなと思っていたら、大きな滝に行く手を阻まれる。見下ろすとはるか下方に釜が見えた。左側の切り立った崖にせり出している立ち木に支点を取った。いつも思うことだが清野さんのロープ捌きは手際よく見事だ。50mロープが下まで届くか心配。でも届いて、懸垂下降となる。直立した壁の下りは高度感もありハラハラした。着地後、足場の安定する場所までそのまま移動したが、歩き始めの斜めの岩が滑りロープの助けを借りた。下駄小屋ノ滝12mであったと思われる。
その後もひたすら下って11:35一之瀬川出合に到着。小休止、装備を解いて川を渡り河岸を登り、一之瀬林道から、徒歩で車に戻った。
帰りは丹波山温泉に立ち寄ってから昭島で反省会。戸田さんはわずかな時間で自宅に車を戻し、洗濯をして合流。実に働き者だ。
今回の沢でも学ぶことは多かった。流心と伏流について、岩壁でのスタンスの取り方、水流が強い落ち口の横断の仕方など(もっとも理解することと出来るということは違うが)。また、個人的には岩は滑るのが当たり前という覚悟がついた。
清野さん、羽生田さん、戸田さん本当に有難うございました。
山域: 奥秩父/一之瀬・大常木谷
山行形態: 訓練山行・沢登り
メンバー及び役割: CL/食当:戸田、SL:羽生田、装備:清野、記録:白川
記録:
7月10日20:30青梅線の中神駅集合。立川から3駅の近さでありながら駅前ロータリーは人通りもまばらで集合するには最適である。コンビミで買い物をして青梅街道を一路丹波山村へ。暗くて曲がりくねった道も戸田さんの運転は快適である。道の駅「丹波山温泉」にてビバーク。
7月11日の起床は5:00を過ぎていたと思う。朝食と身支度を済ませた後、車でオイラン淵の駐車スペースへ。すでに1台停まっていた。6:45市ノ瀬川橋の袂から入渓し、清野さんを先頭に遡行開始。
第1の淵は右側の岩壁に手を掛けながらに丸太の上を進むが壁に手が届かなくなると、後続3名は立て続けにドボン。胸までつかる深さであった。
次のゴルジュでは泳ぐことになった。時間は8:00清野さんがロープを引きながら右岸側から左岸側に泳ぎ、水中の立ち木につかまるが流れが急で、水の落ち口に上がれない。3回試みた後断念、右岸の岩壁を巻いた。
水流突破を試みる清野さん
右岸の岩壁を巻いている羽生田さん
小さな河原が左側にあり、その先を右折すると細長いゴルジュが見えた。8:30泳ぐには流れが急であり、羽生田さんのリードで右側の岩壁を巻いた。
9:10河原で休憩。
ナイアガラNo.1は右岸の斜面に足を置きながら進むが、何せ岩がすべる。特に黒の中にオレンジ色の筋のある岩は要注意であった。ずるずると滑って水の中に引き込まれると深みに流され、沢底に足が届かない。流されながら右岸に戻り、今度は落ちないように慎重に進んだ。清野さんから流心の説明を受ける。
10:45大常木沢との分岐にたどり着く。一之瀬川本流は水量も多く、滑る岩が多かった。4時間もかかってしまい、自分の未熟さを思う。
緩やかなナメをしばらくいくと、五間の滝であった。
釜の右をへつった後羽生田さんがリード。でもホールドもスタンスもバッチリでロープは不要だった。
次の千苦の滝は右側を高巻いた。滝の落ち口の高さまで上がると、たいていトラバース道があるものだと清野さんからアドバイスを頂き、実際にその高さまで行って左側を見ると滝へまっすぐに向かう踏み跡があった。落ち口手前でさらに上がって、滝の右側を通過。
山女魚淵は倒木で荒れていた。その倒木の中を通過。早川淵は倒木の上を歩いて通過。丸太が滑りそうではらはらした。
小滝をいくつか越えた後のモミジ窪であろうか、釜の先に滝があって、羽生田さんが直登した。残置シュリンゲを鐙のようにして登ったとかで、我々の高巻きよりも早かった。
そして次の不動の滝。初めの滝は、右側手前の岩壁に取り付いて、羽生田さんのリードで上がった。始めの足場がわからなくて、後続の者もその都度清野さんからアドバイスを受けた(写真)。しかし2段目の滝となるともう高巻きしかなかった。滝の左手前を上がって、懸垂下降で沢に降り立ったが、下降点の様子では左岸の方を高巻いた方が楽なようであった。 その後はナメ滝やごろごろした石の河原。御岳沢出合を過ぎると、本日の目的地会所小屋跡へと思いは走る。なかなかそれらしき場所が出てこないので休憩し、見落としたのか?など協議、地図などを見た。気を取り直して出発。さらに10分程行くと左手に手ごろな広さの台地が現れた。14:40到着。
タープを張って、幕営準備をした。また、枯れ枝や枯葉が地面を覆うようにたくさん落ちていたので、拾い集めて焚き火をした。一度はからからに乾いていたであろうそれらも前日までの雨で湿っていて火がつきにくい。
夕食は戸田さん特製のタイカレー。野菜がたくさん入っていてとても美味しい!!評判のカレーが味わえて幸せ!その後も焚き火を囲み21:30までまったりとした時間を過ごした。小枝はいくらでも落ちている。日常の慌しさが嘘のようで、無心で火を見つめている時は貴重な気がした。
翌朝は6:00起床。すでに羽生田さんは、焚き火守に徹しておられた。朝食はラーメン。7:45幕営地の確認をして、出発。枯れ枝が処理されて台地はかなり整備された。環境保護問題に熱心な方たちの中には、焚き火は犯罪であるような言い方をされる方もおられるが、人の手が入らず荒れたままの状態であることを考えれば、この程度の整備はやった方がいいのではないかと思う。地面が見えるようになった台地をみると縁に捨てられているガラス瓶やさびついた石油缶が気にむしろなった。
帰路は大常木林道である。8:22コルに到着して休憩、その後の林道は2箇所で崩壊していた。1つ目は倒木群の上をまたいで通過、2つ目は涸れ沢の所で、そのまま支流へと下降し、11:35竜喰谷出合(1480m)。
小休止の後、谷に入り小滝や滑を下降。石の上を覆っている黄緑色の苔がきれいである。黒い石が滑る。中の平沢出合からは水量が増えた。曲り滝あたりは高巻いた。ロープは必要ないのかなと思っていたら、大きな滝に行く手を阻まれる。見下ろすとはるか下方に釜が見えた。左側の切り立った崖にせり出している立ち木に支点を取った。いつも思うことだが清野さんのロープ捌きは手際よく見事だ。50mロープが下まで届くか心配。でも届いて、懸垂下降となる。直立した壁の下りは高度感もありハラハラした。着地後、足場の安定する場所までそのまま移動したが、歩き始めの斜めの岩が滑りロープの助けを借りた。下駄小屋ノ滝12mであったと思われる。
その後もひたすら下って11:35一之瀬川出合に到着。小休止、装備を解いて川を渡り河岸を登り、一之瀬林道から、徒歩で車に戻った。
帰りは丹波山温泉に立ち寄ってから昭島で反省会。戸田さんはわずかな時間で自宅に車を戻し、洗濯をして合流。実に働き者だ。
今回の沢でも学ぶことは多かった。流心と伏流について、岩壁でのスタンスの取り方、水流が強い落ち口の横断の仕方など(もっとも理解することと出来るということは違うが)。また、個人的には岩は滑るのが当たり前という覚悟がついた。
清野さん、羽生田さん、戸田さん本当に有難うございました。
日程:2009年7月5日(日)
山域:丹沢 小川谷廊下
山行形態:沢登り
メンバー及び役割:小林(CL)、清野(SL)白川、新屋(記録)、大浦
記録:
8:00 新松田駅集合
9:00 入渓点 着
9:10 遡行開始
9:19 チョックストーン
10:16 滑り台(大岩)
11:05 撤退開始
14:20 駐車場着
天気、曇りごくたまに日差し。
8時に新松田で集合の後、大浦車で小川谷へ。今回は新屋は久しぶりのバイク参加。ほとんど乗ってない割には快調である。
入渓地点まで車で入れたので、楽チンだった。
最初の巨大なチョックストーンは流木を伝って右から越える。いきなりずぶ濡れである。
僕は小川谷は初めてだったが、いろんな記録を読むと、昔に比べて釜が埋まっていると書いてあるが、そのせいか前半までは泳ぐところはほとんどなかった。
たんたんと中間地点の大岩まで来た。
大岩の下には男女のペアがいて
「いつもだと左の方に残置ロープがあるんだけど、自分らの前に登ったやつが垂らすのを忘れて行ったんだよね」と言って、引き返すかどうか思案中だった。
(写真)滑り台の奥で、清野さんがあるはずのお助けロープを探している。小林さんもここまでは全く普通である。
そして、この後、小林さんの右足に異変が起きた。
ふくらはぎの肉離れだった。前回よりは多少軽めということだったが、前進するのは無理と言うことでここから引き返すことを決定する。撤退の前になんとなくこの大岩だけはクリアーしときたいという、みんなの暗黙の了解で、突破方法を探る。
右の滝の下をくぐるという方法もありそうだったが、清野さんいわく、「水に飛ばされるよ」ということであえなく却下。そのまま登ってしまえという強行路線もでたが、岩の表面が微妙に嫌らしく、取り付いても滑るばかりである。
大岩の下三分の一あたりに少し平になったところがあったので、とりあえず清野さんがささえて大浦さんを上げる。(写真、下三分の一あたりの枯れ葉のたまったところ)
続いて僕と清野さんがあがり、そこからハンマーにロープを付けて投げてみることにした。
なにかに引っ掛かってくれりゃ御の字というわけである。
何回も何回も腕が痛くなるくらい投げたがなかなかひっかからない。てっぺんの支点に結んであるロープは見えるので、そこを目がけて投げるのだが
何度やっても駄目である。我々は引き返すつもりなので、いい加減諦めて止めてもいいのだが、なぜか飽きずに投げ続けた。
執念というものは恐ろしいもんである。
目標とした支点から大きく左に外れた1投が岩の間を落ちてきたとき、なんと残置ロープも一緒にするすると道づれにして垂れ下がってきたではないか。
全員、ヤッホーである。
とりあえず小林さん以外、それを伝って大岩の上に立つことができた。
一番喜んだのは、後ろで見ていた男女ペアだったと思う。
そこから撤退が始まった。同時に救助訓練である。
手頃な流木を杖代わりにした小林さんに交替で肩を貸しあい、少しずつ下っていく。
登るときには気にも留めなかった小さな滝が、意外と困難をきたす。
清野さんの指示で、最初に僕が下り、そのあと清野さんがボディビレイして小林さんを吊り下げて降ろすことの繰り返しである。
降ろし終わった後、僕と小林さんは先行して、大浦さんはロープ処理、白川さんは細かいところのフォローと、それぞれが役割を果たしながら下っていく。
====================================================================================
(本人談)
滝下りでは、小林からみるとクライムダウン(確保の清野さんから見ると、おそ
らく荷下げ)を5回以上して頂きました。
懸垂下降も3度ほどでした、こちらは怖かったです。(片足・片手しか使えない!
為、一度は水の中で宙ぶらりんになってしまいました。)
==============================================================================
(確かに、片足での懸垂下降は大変だったでしょうね。)
登り一時間の距離が帰りは3時間かかったが、今回は清野さんの指示でかなりスピーディーに事がはこんだと思う。一つ一つの段差に臨機応変にロープを繰り出す技は流石だと思った。
今回の山行は小林さんの負傷という残念な結果となったが、他のものにとっては実際の救助訓練となり、得るものも大きかった。
山域:丹沢 小川谷廊下
山行形態:沢登り
メンバー及び役割:小林(CL)、清野(SL)白川、新屋(記録)、大浦
記録:
8:00 新松田駅集合
9:00 入渓点 着
9:10 遡行開始
9:19 チョックストーン
10:16 滑り台(大岩)
11:05 撤退開始
14:20 駐車場着
天気、曇りごくたまに日差し。
8時に新松田で集合の後、大浦車で小川谷へ。今回は新屋は久しぶりのバイク参加。ほとんど乗ってない割には快調である。
入渓地点まで車で入れたので、楽チンだった。
最初の巨大なチョックストーンは流木を伝って右から越える。いきなりずぶ濡れである。
僕は小川谷は初めてだったが、いろんな記録を読むと、昔に比べて釜が埋まっていると書いてあるが、そのせいか前半までは泳ぐところはほとんどなかった。
たんたんと中間地点の大岩まで来た。
大岩の下には男女のペアがいて
「いつもだと左の方に残置ロープがあるんだけど、自分らの前に登ったやつが垂らすのを忘れて行ったんだよね」と言って、引き返すかどうか思案中だった。
(写真)滑り台の奥で、清野さんがあるはずのお助けロープを探している。小林さんもここまでは全く普通である。
そして、この後、小林さんの右足に異変が起きた。
ふくらはぎの肉離れだった。前回よりは多少軽めということだったが、前進するのは無理と言うことでここから引き返すことを決定する。撤退の前になんとなくこの大岩だけはクリアーしときたいという、みんなの暗黙の了解で、突破方法を探る。
右の滝の下をくぐるという方法もありそうだったが、清野さんいわく、「水に飛ばされるよ」ということであえなく却下。そのまま登ってしまえという強行路線もでたが、岩の表面が微妙に嫌らしく、取り付いても滑るばかりである。
大岩の下三分の一あたりに少し平になったところがあったので、とりあえず清野さんがささえて大浦さんを上げる。(写真、下三分の一あたりの枯れ葉のたまったところ)
続いて僕と清野さんがあがり、そこからハンマーにロープを付けて投げてみることにした。
なにかに引っ掛かってくれりゃ御の字というわけである。
何回も何回も腕が痛くなるくらい投げたがなかなかひっかからない。てっぺんの支点に結んであるロープは見えるので、そこを目がけて投げるのだが
何度やっても駄目である。我々は引き返すつもりなので、いい加減諦めて止めてもいいのだが、なぜか飽きずに投げ続けた。
執念というものは恐ろしいもんである。
目標とした支点から大きく左に外れた1投が岩の間を落ちてきたとき、なんと残置ロープも一緒にするすると道づれにして垂れ下がってきたではないか。
全員、ヤッホーである。
とりあえず小林さん以外、それを伝って大岩の上に立つことができた。
一番喜んだのは、後ろで見ていた男女ペアだったと思う。
そこから撤退が始まった。同時に救助訓練である。
手頃な流木を杖代わりにした小林さんに交替で肩を貸しあい、少しずつ下っていく。
登るときには気にも留めなかった小さな滝が、意外と困難をきたす。
清野さんの指示で、最初に僕が下り、そのあと清野さんがボディビレイして小林さんを吊り下げて降ろすことの繰り返しである。
降ろし終わった後、僕と小林さんは先行して、大浦さんはロープ処理、白川さんは細かいところのフォローと、それぞれが役割を果たしながら下っていく。
====================================================================================
(本人談)
滝下りでは、小林からみるとクライムダウン(確保の清野さんから見ると、おそ
らく荷下げ)を5回以上して頂きました。
懸垂下降も3度ほどでした、こちらは怖かったです。(片足・片手しか使えない!
為、一度は水の中で宙ぶらりんになってしまいました。)
==============================================================================
(確かに、片足での懸垂下降は大変だったでしょうね。)
登り一時間の距離が帰りは3時間かかったが、今回は清野さんの指示でかなりスピーディーに事がはこんだと思う。一つ一つの段差に臨機応変にロープを繰り出す技は流石だと思った。
今回の山行は小林さんの負傷という残念な結果となったが、他のものにとっては実際の救助訓練となり、得るものも大きかった。
日程:2009年7月4日(土)夜発?6日(月)
山域:前穂北尾根
山行形態:岩登り
メンバー及び役割:木村(記録)、H(会員外)
記録:
7月5日 沢渡の駐車場から出ているバスに乗り上高地まで行く。天気は曇り時々晴れ。久々にフル装備のザックなので重たい。日曜日だからか意外と人が少ない。8時に歩きはじめ、ゆっくりペースで13時頃には涸沢に到着した。涸沢はまだ残雪で埋っており、最後の2?300mは試しに雪渓用に購入した10本爪アイゼンをつけて歩いてみた。底の柔らかい靴だと、装着感はいまひとつ。テントを張ってルートの下見に行く。5・6のコル直下までバッチリ雪がついている。今年は雪解けが遅いようだ。曇り空だがはっきりと北尾根のラインが見える。晴れていれば行けそうな感じ。小屋の人に聞いてみると、まだ残雪期以降は誰も入ってないとのこと。岳沢側は悪いところがあるので気をつけたほうがいいと言っていた。とにかく明日の天気次第、二人とも初めてなのでガスっているとルートが分かりづらいかもしれない。テン場には自分達のテントを含めて3張り、小屋に泊まる客も少ないようだ。まだバッチリ雪が残っているのでシュラフにもぐっても意外と冷える。明日の天気を祈って就寝。
5・6のコルまでは雪がバッチリついている
7月6日 2時頃雨の音で目覚めた。うーむ、なかなか絶望的な朝である。小雨がパラつく程度だが、周りはガスっていて何も見えない。今回はすぐに諦めた。天気の良い時にサクッと登りたいルートだもんね。下山にパノラマ新道でも下ってみようかと思ったが、小屋の人にまだ通行止と言われモチベーションが一気に低下、昨日と同じ道をひたすら下る。一応冬のためにと明神東稜の取付きを偵察する。小屋の裏の小川を渡って樹林帯を登っていくようだ。今日の天気はまさに梅雨時の上高地といった感じで雨は降ったり止んだり、時折晴れ間もみせるが山の上は雲で覆われたまま。今回の教訓は、梅雨時に天気をつかまえるのはかなり難しい。今年2回目のチャレンジだがまたしても撤退する破目に・・・いつか快適に登りたいものだ。
すっかり戦意喪失した二人組は上高地観光に転進。明神池は造園学を学んだ者にとって感嘆すべき庭園だった。いつかはやってみたいと思っていた夢の帝国ホテル(門脇さんの言うあれではないですよ)でお茶をして、白骨温泉の湯につかり今回の山旅をしめくくった。
明神池の幻想的な風景
帝国ホテルのチーズケーキは絶品!
山域:前穂北尾根
山行形態:岩登り
メンバー及び役割:木村(記録)、H(会員外)
記録:
7月5日 沢渡の駐車場から出ているバスに乗り上高地まで行く。天気は曇り時々晴れ。久々にフル装備のザックなので重たい。日曜日だからか意外と人が少ない。8時に歩きはじめ、ゆっくりペースで13時頃には涸沢に到着した。涸沢はまだ残雪で埋っており、最後の2?300mは試しに雪渓用に購入した10本爪アイゼンをつけて歩いてみた。底の柔らかい靴だと、装着感はいまひとつ。テントを張ってルートの下見に行く。5・6のコル直下までバッチリ雪がついている。今年は雪解けが遅いようだ。曇り空だがはっきりと北尾根のラインが見える。晴れていれば行けそうな感じ。小屋の人に聞いてみると、まだ残雪期以降は誰も入ってないとのこと。岳沢側は悪いところがあるので気をつけたほうがいいと言っていた。とにかく明日の天気次第、二人とも初めてなのでガスっているとルートが分かりづらいかもしれない。テン場には自分達のテントを含めて3張り、小屋に泊まる客も少ないようだ。まだバッチリ雪が残っているのでシュラフにもぐっても意外と冷える。明日の天気を祈って就寝。
5・6のコルまでは雪がバッチリついている
7月6日 2時頃雨の音で目覚めた。うーむ、なかなか絶望的な朝である。小雨がパラつく程度だが、周りはガスっていて何も見えない。今回はすぐに諦めた。天気の良い時にサクッと登りたいルートだもんね。下山にパノラマ新道でも下ってみようかと思ったが、小屋の人にまだ通行止と言われモチベーションが一気に低下、昨日と同じ道をひたすら下る。一応冬のためにと明神東稜の取付きを偵察する。小屋の裏の小川を渡って樹林帯を登っていくようだ。今日の天気はまさに梅雨時の上高地といった感じで雨は降ったり止んだり、時折晴れ間もみせるが山の上は雲で覆われたまま。今回の教訓は、梅雨時に天気をつかまえるのはかなり難しい。今年2回目のチャレンジだがまたしても撤退する破目に・・・いつか快適に登りたいものだ。
すっかり戦意喪失した二人組は上高地観光に転進。明神池は造園学を学んだ者にとって感嘆すべき庭園だった。いつかはやってみたいと思っていた夢の帝国ホテル(門脇さんの言うあれではないですよ)でお茶をして、白骨温泉の湯につかり今回の山旅をしめくくった。
明神池の幻想的な風景
帝国ホテルのチーズケーキは絶品!
日程:平成 21年7月3日(金)夜発? 7月4日(土)
山域:奥秩父 久渡沢支流 ナメラ沢
山行形態:沢登り
メンバー及び役割: CL 山本 SL 平川 装備 須藤
記録:
金曜の夜、21時に立川駅集合した時には既に雨が降っており、定宿『みとみ』に向かう車中では既に転進先の相談をする有様であった。この記録のタイトルは『ナメラ沢』であるが、本来は豆焼沢へ1泊の遡行を予定しての入山である。みとみで酒を飲みながら翌日が雨天であれば日帰りのナメラ沢に決めたのであった。
翌朝はお約束通りの雨。半分以上の荷物を車にデポして雁坂トンネル入り口の駐車場に移動する。ナメラ沢は約10年前に出合いが分からず、2度も撤退した苦い経験がある沢だ。紛らわしい(間違った沢名が付いている)橋には当時私と同じ間違いを繰り返した沢屋が立てたと思われる標識がある。登山道を少し歩いてから沢床に降り、沢を少し下って出合う二俣を上り返せばナメラ沢は直ぐそこだ。ナメラ沢は悪場の無い易しい沢だが岩が良く滑って若干緊張する。私だけがフェルトの沢靴を履いているが、2名のステルスに比べれば幾らか有利のようである。途中の20mのナメ滝では須藤さんがスライディングしてヒヤっとした。しかし良かったのはここまで。10年前の記憶にあったきれいなナメの連続するこの沢は、倒木だらけの沢に変貌してしまっていた。倒れている木の様子からして今年の雪の影響かと思われた。12時に稜線に出たが、ここまで雨には降られず、時折日差しさえ覗いている。休みながら『豆焼きは十分に行けたな』などと話すが、まあ、こんな事もあるだろう。
雁坂峠でまた大休止し峠沢沿いの登山道を通って、今朝のナメラ沢下降点に7時間ぶりに帰ってきた。駐車場に付く頃には明日の晴天が約束されるような空模様になっていた。
何時もの白龍閣で汗を流して帰路についた。
山域:奥秩父 久渡沢支流 ナメラ沢
山行形態:沢登り
メンバー及び役割: CL 山本 SL 平川 装備 須藤
記録:
金曜の夜、21時に立川駅集合した時には既に雨が降っており、定宿『みとみ』に向かう車中では既に転進先の相談をする有様であった。この記録のタイトルは『ナメラ沢』であるが、本来は豆焼沢へ1泊の遡行を予定しての入山である。みとみで酒を飲みながら翌日が雨天であれば日帰りのナメラ沢に決めたのであった。
翌朝はお約束通りの雨。半分以上の荷物を車にデポして雁坂トンネル入り口の駐車場に移動する。ナメラ沢は約10年前に出合いが分からず、2度も撤退した苦い経験がある沢だ。紛らわしい(間違った沢名が付いている)橋には当時私と同じ間違いを繰り返した沢屋が立てたと思われる標識がある。登山道を少し歩いてから沢床に降り、沢を少し下って出合う二俣を上り返せばナメラ沢は直ぐそこだ。ナメラ沢は悪場の無い易しい沢だが岩が良く滑って若干緊張する。私だけがフェルトの沢靴を履いているが、2名のステルスに比べれば幾らか有利のようである。途中の20mのナメ滝では須藤さんがスライディングしてヒヤっとした。しかし良かったのはここまで。10年前の記憶にあったきれいなナメの連続するこの沢は、倒木だらけの沢に変貌してしまっていた。倒れている木の様子からして今年の雪の影響かと思われた。12時に稜線に出たが、ここまで雨には降られず、時折日差しさえ覗いている。休みながら『豆焼きは十分に行けたな』などと話すが、まあ、こんな事もあるだろう。
雁坂峠でまた大休止し峠沢沿いの登山道を通って、今朝のナメラ沢下降点に7時間ぶりに帰ってきた。駐車場に付く頃には明日の晴天が約束されるような空模様になっていた。
何時もの白龍閣で汗を流して帰路についた。