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日程:2015年12月20日
山域:八ヶ岳 横岳西壁 中山尾根
山行形態:冬季登攀
記録:
四時に起床し、早々に出発。美濃戸口から赤岳山荘までの状態は問題なく、車を上まで上げることが出来た。五時半頃には準備を済ませて南沢を歩く。所々凍ってはいるもののアイゼン不要の登りであった。七時半前には行者小屋に到着し、軽休憩と準備。
取り付きまでの尾根はそれほどの面白みはない。8時半前に到着し、ガチャ類の準備。2人組の先行パーティが1P目終了点あたりに見える。空気はそれなりに冷たいが風はあまりなく、周囲の山々の上空にはすかっとした青空が広がっている。
2人×2パーティに分かれて9時登攀開始する。
下部岩壁:1P目。T橋さんリードで登り始めるが1本目にヌンチャクをかけてクリップした後がむずい。何回かトライするが、F屋さんより交代するよう指示がありクライムダウン。過去に同じ場所で時間が掛かったこともあり、また後続パーティが到着したこともあり今回は早々の判断。K田パーティは最初はT後がリードであがる。2P目。直上するか左トラバースかだが、今回は直上。ここも出だしからむずい。F屋さんリードで、途中にはお助けスリングを垂らしながら。K田パーティはK田さんリード。
岩まじりの雪稜:ロープを目一杯伸ばして2ピッチ程度。途中コンテで進む。後続パーティの2人組は途中ノーザイルで進んだため、我々より先行する。
上部岩壁:先行した2人組が上部岩壁に取り付いており、我々はしばし待ち。抜け口が核心部とみられ、先行パーティもかなり難儀している。F屋パーティのリードはF屋さん。下から見ていると高度感もあり、特に抜け口の登りは体が投げ出されるような緊張感がある。K田パーティはT後がリードを譲ってもらい登る。F屋さんが抜け口まではスルスル登っているように見えていたので最後だけ気にしていたが、取り付いてみると下部の凹角部がいきなり「ここ登るのか」と思うような感じで緊張する。アイゼンの爪跡が要所要所にあるので、それを拾いながら手を丁寧に送ればそれほど悪くないことに気付く。抜け口は実にボルダー的なムーブで抜ける。
雪稜を抜けて、最後の岩場を直上。この岩場もやや腕力系でしかも残置支点がないのでこわい(この下の方まではペツルが大量にあったのに…)。上がりきったところからロープを目一杯伸ばして尾根の背を越えたところが登攀の終了点。14時前には両パーティ共に登攀を終えた。
ゆっくりと休憩をとり、14時40分ごろに下山開始。地蔵尾根を下り、15時15分頃には行者小屋に。ガチャ類やアイゼンを外し南沢を下山。17時20分に赤岳山荘に戻った。美濃戸口までの車での下りが心配であったが、道の状態はそれほど酷くなく問題なく下れた。
風呂に入ったあとは、いつもの「やまよし」。カツカレーが非常に美味しかったが、F屋さんは次回こそはまだ誰も食べていない「とのさまラーメン(塩味)」を食べるそうなので、その時のためにここに記録として残しておく。
<感想>
中山尾根はクライミング要素の多い登攀的なものだった。下部、上部と終了点手前で三箇所の岩場があり、丁寧に拾っていけば手足を置く場所はあるものの、ザックを背負いながらアイゼンと手袋での登攀は緊張を強いられる。途中上部岩壁の登りではかぶり気味な箇所もあり腕がややパンプ。個人的には岩場登攀よりもアプローチの歩きや雪稜の登りでの足への負担の方が疲れてしまったが、天候を気にすることもなく冬季の岩場登攀を充分に味わえた。
例年に比べ雪が少ないことで、バイルは雪稜の登りなどでは使用したが、岩場の登攀中に使うことはなく、むしろ腰にぶらさげても邪魔になることが多かった。雪が多い場合、岩場の登攀でもバイルを多用しなくてはいけないとなった場合、より緊張した登りになるだろうと思われた。
上部岸壁核心部
山域:八ヶ岳 横岳西壁 中山尾根
山行形態:冬季登攀
記録:
四時に起床し、早々に出発。美濃戸口から赤岳山荘までの状態は問題なく、車を上まで上げることが出来た。五時半頃には準備を済ませて南沢を歩く。所々凍ってはいるもののアイゼン不要の登りであった。七時半前には行者小屋に到着し、軽休憩と準備。
取り付きまでの尾根はそれほどの面白みはない。8時半前に到着し、ガチャ類の準備。2人組の先行パーティが1P目終了点あたりに見える。空気はそれなりに冷たいが風はあまりなく、周囲の山々の上空にはすかっとした青空が広がっている。
2人×2パーティに分かれて9時登攀開始する。
下部岩壁:1P目。T橋さんリードで登り始めるが1本目にヌンチャクをかけてクリップした後がむずい。何回かトライするが、F屋さんより交代するよう指示がありクライムダウン。過去に同じ場所で時間が掛かったこともあり、また後続パーティが到着したこともあり今回は早々の判断。K田パーティは最初はT後がリードであがる。2P目。直上するか左トラバースかだが、今回は直上。ここも出だしからむずい。F屋さんリードで、途中にはお助けスリングを垂らしながら。K田パーティはK田さんリード。
岩まじりの雪稜:ロープを目一杯伸ばして2ピッチ程度。途中コンテで進む。後続パーティの2人組は途中ノーザイルで進んだため、我々より先行する。
上部岩壁:先行した2人組が上部岩壁に取り付いており、我々はしばし待ち。抜け口が核心部とみられ、先行パーティもかなり難儀している。F屋パーティのリードはF屋さん。下から見ていると高度感もあり、特に抜け口の登りは体が投げ出されるような緊張感がある。K田パーティはT後がリードを譲ってもらい登る。F屋さんが抜け口まではスルスル登っているように見えていたので最後だけ気にしていたが、取り付いてみると下部の凹角部がいきなり「ここ登るのか」と思うような感じで緊張する。アイゼンの爪跡が要所要所にあるので、それを拾いながら手を丁寧に送ればそれほど悪くないことに気付く。抜け口は実にボルダー的なムーブで抜ける。
雪稜を抜けて、最後の岩場を直上。この岩場もやや腕力系でしかも残置支点がないのでこわい(この下の方まではペツルが大量にあったのに…)。上がりきったところからロープを目一杯伸ばして尾根の背を越えたところが登攀の終了点。14時前には両パーティ共に登攀を終えた。
ゆっくりと休憩をとり、14時40分ごろに下山開始。地蔵尾根を下り、15時15分頃には行者小屋に。ガチャ類やアイゼンを外し南沢を下山。17時20分に赤岳山荘に戻った。美濃戸口までの車での下りが心配であったが、道の状態はそれほど酷くなく問題なく下れた。
風呂に入ったあとは、いつもの「やまよし」。カツカレーが非常に美味しかったが、F屋さんは次回こそはまだ誰も食べていない「とのさまラーメン(塩味)」を食べるそうなので、その時のためにここに記録として残しておく。
<感想>
中山尾根はクライミング要素の多い登攀的なものだった。下部、上部と終了点手前で三箇所の岩場があり、丁寧に拾っていけば手足を置く場所はあるものの、ザックを背負いながらアイゼンと手袋での登攀は緊張を強いられる。途中上部岩壁の登りではかぶり気味な箇所もあり腕がややパンプ。個人的には岩場登攀よりもアプローチの歩きや雪稜の登りでの足への負担の方が疲れてしまったが、天候を気にすることもなく冬季の岩場登攀を充分に味わえた。
例年に比べ雪が少ないことで、バイルは雪稜の登りなどでは使用したが、岩場の登攀中に使うことはなく、むしろ腰にぶらさげても邪魔になることが多かった。雪が多い場合、岩場の登攀でもバイルを多用しなくてはいけないとなった場合、より緊張した登りになるだろうと思われた。
上部岸壁核心部