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hirokoji8806 2010-7-10 0:00
日程:2010年7月10日(土)?11日(日)
山域:谷川連峰・大源太川/ 北沢本谷・鷺ノ首沢
山行形態:沢登り
メンバー及び役割:CL/食当 山本、SL/装備 古屋、 清野、 門脇、 片倉、記録/食当 白川

記録  
 7月9日22:30新座駅集合。清野車にて越後中里駅に向かう。湯沢のインターを出た頃は梅雨末期を思わせる土砂降りであった。駅舎にて入山祝いをし、2:30頃就寝。
 次の日は晴れ。6:00起床、朝食を摂り、旭原経由で大源太山登山口から林道に入ると、その終点に駐車スペースがあった。到着は7:15で、そこに停まっていた車は1台だけあった。身支度を整えて出発。登山道を歩いて7:40に渡渉点(北沢とムラキ沢の出合)から入渓した。
 釜や小さな滝をいくつか越えたが、水流沿いかその左側を行くことが多かったように思う。ほどなく二股。歩いてきた沢の延長と思える右俣が七ツ小屋裏沢であり、本流であろう北沢本谷は左から流れ込んできている方であった。
 途中の斜瀑はクラックに足先を入れたりして上がった。お助け紐のお世話になったのはここだったか・・・。また、落ち口に向けて丸木橋がかかっている小滝があった。私は乗りたかったものの水に落ちそうで滝の左を上がったが、門脇さん1人丸太をすたすた歩いていた。見事なバランス感覚だ!周囲の緑が美しい。時には道草をしながら楽しく遡行した。清野さんはさすがにルートの探し方がうまい。すっと姿が消えてあれっと思うとはるか先を楽しそうに歩いている。沢登りが好きなんだなあ!わたしも爽快な気分になる。
両岸が迫ってきて、やがて沢の前方は行き止まりとなる。というか右壁に滝があってその上へと続いていたのだ。これがF2‐7mである。左からの水流もあるので二俣といえるのかもしれないがこちらは貧相だ。念のため片倉さんがロープをひいて先導。水量は多かったもののホールドはばっちりなので難なく登れる滝であった。                            入渓点

[img align=right]三俣の雪渓http://www.msc-jp.net/uploads/thumbs/961.jpg[/img][/url]
20m大滝
その後も小滝を越えたり、すぐ横を巻いたりして10:30大きなデブリが目の前に現れた。急な斜面にあった雪渓が三方からドーンと滑り落ちてきて積まれた感じである。水量が一番多くて見事な滝が右の七ツ小屋沢で、中央が見晴台ノ沢。私たちの行く本谷は左の20m大滝であった。

 下段は右のリッジ状を上がり、大岩の下を右にトラバース。黒い岩で滑りやすい。さらに灌木の中を右へそして上へと進み、その後左に藪こぎして滝口に降り立った。ここのリードは山本さん。
                                        
この後はどんどん沢を詰めていった。やがて水がなくなり藪こぎとなったが、途中から右にトラバースして現れた踏み跡をたどっていくと、七ツ小屋山から来る登山道の、ほぼ遡行図に記された地点に出て、数分で大源太山頂上にたどり着いた。到着は13:25であった。山頂の周りは360度すべて急峻。さすがに上越のマッターホルンといわれるだけある。
 大休止をしてヤスケ尾根を下山し、15:30に駐車場に戻った。その後は大源太キャニオンで幕営準備をして、「岩の湯」へ。戻ってからキャンプ場の炊事場で夕食。清野さんのアウトドアセットで豆炭での焼肉。こういう場所での焼肉だったら、肉は2、3倍必要だった。申し訳ないことをした。
 19時過ぎには古屋さんも到着した。人数が多いのは嬉しいことだと思った。








 翌朝は空もどんよりしていた。3人が帰ることになった。ルート集によると3級の沢。どれだけ迷惑をかけてしまうだろうかと考えると、辞退すべきか?でも行きたい。「2人だけでなくてよかった」という寛大なお言葉が有り難い。
 幕営地を出て、昨日と同じ林道を行くとあっという間に終点。行き過ぎたと気づいて戻る。適当と思われる退避スペースに車をデポして身支度後、道沿いに下降点を探すが適当な場所が見つからない。7:25頃、繁みの枝にテープを見つけてそこから下った。もちろん道はない。とにかく下って沢に降り立つ。河原が広い。ここはどこなのか?遡行図の外側なので詳細図もない。古屋さんが上流を偵察して二俣はないと判断した。すでに北沢にはいってしまっていたのだ。下流に向かうと堰堤に阻まれて進めない。より視界の開けた場所で尾根筋を観察する。目的の沢はヤスキ尾根の北側だが、尾根が今いる地点よりも左にあるので、その向こう側に越えなければならない。尾根に切れ目が見えるのでそこから越えればよいとのこと。ううん、なるほど!河原の繁みに入ると方向も見えなくなる。しかし今度はうまく越えて7:55にヤスキ沢に辿りつく。
とにかくわかりにくい場所で、キャンプ場から徒歩で遊歩道にはいり、沢の右岸にいけばよかったようだ。しかし、ベテランの2人がどのようにして現在地を知り、ルートファインディングしていくのかを近くで見せていただき参考になり、本当に有り難かった。きわめて明瞭で無駄がない。経験に裏打ちされた実力の大きさを目の当たりにし、わたしも見るべきところを見て判断する力を養いたいと思った。
                                                                          入渓点                                                

 昨日も沢を歩いているせいか、水の中もさほど歩きにくくはなかった。それでもわたしは1歩1歩を頭の中で確認して進むので遅い。ちょっともたついただけでも引き離される。しばらく行くと2番手の山本さんが古屋さんを呼び止めた。2人で何やら相談して戻るという。30mくらい戻ると沢がカーブしている所で、右岸の繁みに覆われた隙間から水が注ぎ出ていた。分け入ってみると一人前の沢で、その先に見事な滝があった。9:07大栗沢出合を確認。疑わしきは戻ってでもつぶしていくということだ。おかげで今自分たちがどこにいるかがわかる。うーん、徹底している。この緻密さが必要なのだ。
 この後は小滝が続く。釜があることが多く、それも結構深くて、腰までつかることもあった。滑りそうな岩だったり、釜はへつれても水流を上がれなさそうな滝は巻いた。両岸の傾斜が急なので体力を使う。F3-20mの滝、5mトイ状などの高巻の連続できびしい。つい弱気になるわたしに「まだここは鷺ノ首沢じゃないんですよ」と古屋さん。そうかまだ序の口、持久戦だ。





















 11:20正面に雪渓のドームが見えてきた。上を歩いたら崩れるかもしれない。下をくぐっていて崩れ落ちたらおしまいだ。両岸は傾斜があり高巻きも不可能である。古屋さんが偵察に行き、鷺ノ首沢との分岐は手前と知らせてくれた。
 左岸に滝があって、それを上がると視界が開け、広い空の行く手に長いスラブ状の滝が続いていた。11:30であった。釜が深い。滝の下まで泳いでいき1段目の滝は上った。しかし2段目はどうにもならない。枝を束ねて支点にして懸垂下降で降り、右岸を大きく高巻くことになった。ここも体力がいる。



























 13:40、沢に降り立つと先にまた雪渓が大きく口をあけていた。厚みがなく上には乗れない。再度右岸の高巻きである。傾斜は急で土壁に乗せた靴が滑る。何度か枝にぶら下がり状態になった。せっかく高巻いていてもルンゼがあるといったん降りなければならない。そこから沢に戻るとまだ雪渓。
 そんなこんなの挙句再び沢に降り立つと、今度は次の雪渓がはるか先まで伸びている。両岸はもはや高巻きも不可能な傾斜だ。明日は仕事なので、今更戻るわけにもいかない。アンザイレンで上を歩くことになった。山本さんが先頭、真ん中に白川、最後に古屋さんである。幸いにも雪はしっかりとしており、斜面はあるもののスプーン状の窪みがついているので滑らずに進むことができた。
 雪渓は一度途切れ、さらにその先には次の雪渓。今度は古屋さんが先頭である。その雪渓の端までいって壁に降り立ち、下をのぞくと降り口の下の雪は厚みがあった。何故か守られているとほっとした。時間は14:00だがまだ先は長い。水流のない沢をひたすら上がり、14:30に二俣に到着して右俣をいく。詰めは更に急な斜面だ。土は硬くて蹴りこめない。枝をくぐり抜け、枝を跨ぎ、枝の上に乗っかってとほとんど木登り状態だった。途中、行く手を大岩にふさがれて左にトラバースしさらに上へ。傾斜はますます急になり、ロープで確保してもらいながらである。15:30やっと枝尾根に立った。ナイフリッジである。尾根とはいえ傾斜も相変わらずで、行く手をふさぐ枝との格闘であった。

 登りきるとそこはヤスケ尾根であり、前方に大源太山のピークが見えた。頂上から10分くらい下った地点か。風が強く、ぽつぽつ来ていた雨が本降りになりそうな気配だった。風を避けて休憩後17:30に下山を開始した。一気に下る。昨日の下山では途中で足が滑って尻もちをついたりしたが、今日の足はなまくら返上。冷水を浴びてしゃきっとした後かのようにきびきび軽快であった。18:15渡渉点に到着して休憩。その後林道終点を経て、19:13車まで戻った。「岩の湯」に立ち寄り、帰京。家に着いたら日付が変わっていた。
 さすがに3級の沢だ。滝、釜と変化があり、巻きの連続。その巻きも傾斜が急で苦労する。最後の詰めも厳しい。自分には来る資格のない沢だったのだと思う。でも山本さん、古屋さんのおかげで登らせていただいた。申し訳ない思いとともに感謝でいっぱいである。沢の中をもっと早く歩けること。傾斜の急な土壁でも足を滑らせないで登ること。笹藪をうまくかき分けて笹のない所に足を置くことができることが必要。でもそのためには腕力が足りない。課題は大きいけれど少しでも上達できるようになりたいと思った。
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