Welcome Guest 
山行記録 カレンダー
« « 2008 10月 » »
28 29 30 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 1
月別アーカイブ

-

カテゴリ : 
 »
執筆 : 
msc_kiroku1 2008-10-5 20:50
日程;2008年10月5日(日)?8日(水)
山域:越後・魚野川水系水無川 オツルミズ沢
山行形態:沢登り
メンバー:CL・食当 中山 SL・記録 古屋

5日(日)16時
 環八沿いのガストで中山さんと合流、一路関越道六日町へ向かう。
 今日までの秋晴れは明日、明後日は望まれない。案の定、前橋付近で強い雨が降り出した。一旦雨足は弱まるが明らかに天気は下り坂。
 湯沢で関越道を降りて夕食後、20時前に越後三山森林公園の駐車場に到着

バーベキュー場の雨がしのげる場所にテントを張り入山祝いを軽く済ませ22時前には就寝。一晩中雨は降り続く。
6日(月)
 5時起床。6時を過ぎると雨足は弱まり、とりあえず出合いまで状況を確認しに身支度を済ませ出発。この時点では雨は止んでいた。林道をしばらく歩くと正面にカグラ滝が見える。20分程歩くとオツルミズ出合い。出合いの10メートル滝は明らかな増水。

 しかし二人の口からは「やめましょう」という言葉は出ず、遡行を開始した。
 出合いの滝は通常左から登るがこの水量なのですぐに左岸から巻きに入る。
 巻き道らしきものは一応あるがはっきりしない。最初から藪としばらく格闘しカグラ滝の中段付近まで巻く。水流右を古屋リードで登る。増水しているのであまり水流に寄らずにブッシュ寄りを進む。上部は若干細かくなるが問題なし。落ち口からの水量は凄まじい。

 しばらくはおだやかながらも増水した小滝や釜をへつりながら進む。
 やがてSBが現れその先にゴルジュの中の何段もの滝群。ここから大高巻きに突入、右岸側の草付きスラブから灌木帯に入っていくがとにかくこの巻きが悪い。3日間を通し、すべてそうだか草付のトラバースに神経をすり減らされる羽目になる。本当にルートファインディング能力が要求されると感じた。
 遡行図では一旦沢に降り左岸を巻きサナギ滝の下部に降り立つようだが、そのまま右岸を大きく巻き、危うい懸垂2回を交え草つきを下降しサナギの下に降りた。サナギ滝はサナギから成虫になったように天空から大水量を落としている。

13時50分、下部は右岸の草付から巻き気味に取付きそのままやや水流に寄りスラブを登る。中段に取付くあたりからザイルを出し慎重に進む。他の記録によるとそのまま水流左脇の凹角を目指していくものが多いがなにしろ上段の水量がハンパではない。
我々は水流から離れた左側のフェイス状の壁のテラスでピッチをきった。思ったより時間がかかり15時30分天候状態と次のピッチがサナギの核心であるためここを幕場にする事を決定。タープを斜めに張り、ロープでセルフビレイをとりながらのビバークとなった。いつもの事だが中山氏はホントに手際がいい。とにかく動きに無駄がなく感心するばかりだ。
夜はゴーゴーと音をたてる滝の音と時折、強く降る雨、さらにはエアマットが何度も下にずり落ちるのを直しながら緊張感の抜けない一夜を過ごした。


7日(火)5時30分起床
雨は止んでいるが今日も好天は無理そう。どんよりした雲が空を覆う。
救いは昨日より水量が若干減っているということ。滝の落ち口へは向かわず、中山氏リードでビバークポイントから草付フェイスを登る。止んでいた雨も再び降り出す中、スタート。結構な傾斜があり灌木とフェイスのラインを交互にとりながら微妙なクライミングで突破。フォローでもかなり微妙。そこから上部の壁に向かうと、滝の落ち口上に出る懸垂支点。懸垂後、二人でほっと一息するが、落ち口からはまだ水無川の本流が見え、行く末の長さを感じる。


できれば今日中に駒の小屋まで抜けたいという気持ちから先を急ぐが、またしても右岸高巻きに突入。大滝の下に丁度12時に到着。二人でラインを探る。水量はやはり多いが傾斜は近づいてみると以外に緩い。下段はノーザイルで取付き、中段から水流右にザイルを伸ばす。都合3P、約1時間で快適にクリア。ここから先も巻きと下降を繰り返すが沢に降りたいと思うところの灌木には大体、残置スリングがあり補強をして利用する。なお、巻きの草付スラブの下降中に掴んだ草が切れ古屋は4、5メートル落下。首と腰を打つが幸い遡行には支障がなく安心。中山氏のアドバイスでもう少しトラバースしてから下降すれば易しかったとの事。気がはやるとろくな事はない。やはり今日中には抜けれそうにないとビバーク地を探し流れの穏やかな河原を発見。上流からは冷気、恐らくSBだろう。
16時本日の遡行を終了する。昨日よりはかなり快適だが増水には耐えられないだろう。周囲の山肌は紅葉が美しいが相変わらす雲はどんよりとしたまま。
疲れた体を癒すためさっさと食事を済ませ、アルコールを飲み干し、明日こその好天を祈りシュラフにもぐり込むがまたしても夜半から雨は降り続く。
増水が気になり今日もあまり落ち着いて眠れなかった。

8日(水)
5時起床 雨の降る中、支度をする。朝食はお茶漬け。6時に出発。出発時には
雨はあがり天候は回復傾向のよう。さあ一気に稜線まで行くぞとの気持ちとは裏腹。いきなり谷を埋め尽くす巨大なSB。ブリッジを潜ってもどこまで続くかわからない、上を歩いてもどこで切れ落ちているかわからない。やはりここは巻くしかない。じっくりとルートを検討して草付のスラブを上がっていく。結果的にこの巻きはホントに厳しかった。時間的には2時間強であったが3日目であったこと、朝一であったこと、一体だれだけ巻けばいいのだろうという精神的な不安感。



後から考えた事だか、草付スラブのトラバースをいかに上手くこなせるか、又、それを嫌うと大きく巻かなければならない、それにより遡行時間に大きな差が出てくるのだろうなと思った。
小ルンゼを下降しようやく登れそうな滝の落ち口に降り立つ。そしてここから本当にようやく沢は源頭の様相になってくる。それでもまだまだ小滝や釜は連続し最後までオツルミズという名にふさわしい流れを描いていく。
最後の二股から駒の小屋の水場までもかなり長いが、秋晴れに変わった空と尾根の紅葉に見とれながら、重い足取りを前に進め11時前に水場に到着した。



駒の小屋は平日だというのに紅葉の時期であるため多くの登山者で賑わっていた。駒ケ岳山頂を踏み12時半下山開始。グシガハナから極楽尾根を下るがこの尾根は極楽どころではない急な下りで二人ともヘロヘロになりながら十二平まで下った。
林道からオツルミズの出合いの滝を見ると初日とは比べものにならない程の
水量の少なさに唖然とした。初日の写真と見比べてみて下さい。

17時 駐車場出発 湯沢の「人参亭」というとんかつ屋で食事をしたが、ここは超おススメでボリューム満点。中野屋のへぎそばもいいけど腹ぺこの時はこちらもお試し下さい。温泉に入り22時過ぎに環八で解散した。
天候にはあまり恵まれず、沢の楽しさよりも厳しさを知った遡行でしたが、このような沢を遡行する時の技術や必要な知識を得ることができました。私自身の今年のこの一本となりました。

カテゴリ : 
 »
執筆 : 
 2008-10-4 1:00
日程:2008年10月4日(土)夜発?5日(日)
山域:巻機山 米子沢
メンバー:砺波(CL、記録)、木村(SL)、高森(会員外)
山行形態:沢登り

10月4日(土)
○ 8時に駅前をリニューアルしてロータリーのできた京王線芦花公園駅に集合した。都内で自動車で集合すると、駐車場所で苦労をすることが多いがここは交通量も少なくよい具合だった。
○ 8時30分に出発し、ETCの深夜割引にもならない時間に塩沢石打インターに到着してしまう。今日のビバーク地点である桜坂駐車場へアプローチルートはやや探しにくいが、2回目の入山であったため、なんとか見つけることができ、到着後直ちに入山祝いを開催する。
10月5日(日)
○ もう、山は秋色になってきており、水も冷たいはずであろうということを言い訳にしてゆっくり起きて、のんびりと装備の準備をする。
○ ネットの情報等で駐車場から直接入渓すると、大変だという情報があったにもかかわらず、道標の誘惑に負けそのまま入渓。案の定約10個の堰堤とその前後の茨に悩まされることとなる。パーティの全員の顔が傷だらけとなってしまった。
○ 堰堤を抜け、ようやく河原歩きを1時間ほどすると、美しいナメが現れる。斜度はそれほどではないが、ナメの距離が長いため、滑れば奈落の底へ落ちていくことになるため慎重に登る。高森さんは、前回の逆川でもう水に飛び込むのはやめようといったにもかかわらず、滝の裏側が見たかったらしく冷たい水に果敢に挑戦してくれた。

○ いくつかの遡行が不可能ななめた気を巻く外は順調に遡行をこなし、入山禁止地点に12:30分頃到着した。

○ 13:00遡行完了。山頂が遠く見えたので避難小屋に向かう。しかし、避難小屋でツメ上げた場所が9号5尺であり、沢ノボラーは、あまりピークにこだわらないけど、ボクは、縦走出身のためピークに登りたいとつい考えてしまうため、ほんの少しの努力で山頂を踏めることを知り、非常に残念に思った。
○ 下山路で、三合目から米子沢に入渓するルートを発見する。次回来るときは、ここから入渓することとしよう。

○ 15:25桜坂駐車場。下山後、六日町温泉に行き、汗を流す。身なりが貧相に見えたらしく、温泉で、どこを登ったのかと何人かに聞かれ、巻機山に登ったと答えた。沢から登ったなんていっても、説明が面倒だから、草紅葉がきれいだったくらいしかいわなかった。温泉は、源泉で山で冷えた体を癒してくれた。
○ 帰路、越後湯沢のへぎそばの有名店、中野屋のロードサイド店舗があったので、夕食を取った。湯沢本店と異なり、のんびりしたムードでそばを堪能できた。鉄道で来ていれば、お酒も堪能できたが、お茶でもおいしくいただけた。へぎそばというのは、水っぽい状態でそばが盛られているが、あれはデフォルトと考えていいのだろうか。個人的には、お蕎麦はもう少し水が切ってあるのが好きなのだけど、それが普通だというなら、そのルールの中でおいしさを見つけたい。

カテゴリ : 
 »
執筆 : 
msc_kiroku1 2008-10-3 21:20
日程:10月3日(金)夜発?4日(土)
山域:谷川連峰・万太郎谷・オタキノ沢
メンバー:CL須藤・山本(記録)
山行形態:沢登り

10/3 越後中里駅泊
10/4 6:50林道入口先P・8:00大堰堤上より入渓・10:23一の滝下・11:04オタキノ沢出合・13:30二俣ドーム状岩壁下・15:36茂倉新道1,683m東側・16:05下山開始・18:54P帰着・岩の湯・越後中里駅泊
10/5 5:30出発・帰京

 吾策新道の分岐の先へ舗装された林道が延びていた。廃道となった谷川新道を拾って井戸小屋沢まで行く予定であったが、予想通り廃道は見付からなかった。昨年出来たばかりの大堰堤の上から入渓して万太郎谷を遡行する。出発が遅れたことも有り、先を急いでハイペースで登る。オキドウキョのトロは左岸を大きく捲く。晴れて日差しは温かいが、泳ぐ気にはなれない。井戸小屋沢を過ぎてからは、腰まで浸かる個所が2箇所、それ以外の淵はみな高捲く。滑の奇麗な沢だが、滑滝などは少々ぬめる。一の滝は左岸から軽く捲いて、いよいよオタキノ沢出合だ。
 オタキノ沢は滑滝で始まり、直ぐに核心とも言える2つの滝が現れる。20mくらい有りそうな狭い滝は水流の左側に2本の溝が有り、その溝を登るが岩は少々ぬめっていていやらしい。残置支点は無く、山本リードでハーケン2枚打って慎重に越える。『ハーケンを打つ山さん』って写真が有ったけど、ビレイしながら写真撮ってくれたってこと^_^;

 次の滝は須藤さんリードで水流右側の溝に沿って登るが、これも滑っていてフリクションが利かない。どうやらハーケンが上手く入らないらしく、ぶつぶつ言っている須藤さんに、「慌てないで、ゆっくりやって下さい」と声を掛けつつ欠伸を噛み殺す。ハーケンの頭に足を乗せて、いやらしい一歩をよいしょと登る。セカンドの山本は、そのハーケンを回収してしまった為に登れなくなってしまい、「張って張って!引っ張ってよ!」てなことで何とか通過。その先は、綺麗だけど登れない滑滝が連続するため、大きく巻いて左岸の草付きスラブ帯にロープを伸ばしてトラバースする。その先も傾斜のある滑滝をガシガシ上り詰めると、50m2段のドーム状の滝に出る。一段目を左から超えると左股が入り更に幾つかの滝場が続き、ぐんぐん高度が上がっていく。最後の滝は左から巻いて、落ち口の真上から6mほど斜め懸垂して沢床に降りる。小滝を越えて更に高度を稼ぎ、水が枯れても沢筋に忠実に詰める。若干の笹藪こぎで、笹の中の稜線に詰めあげ茂倉新道に出る。紅葉がすばらしい。私が捻挫したせいで詰めは少々スピードダウン。下りに入ると痛くて歩けず、三角巾で固定してのんびりと下る。下山路の矢場尾根は、昨年の4月に土合から12時間行動で歩いたコースで、その時は矢場ノ頭に幕営した。矢場尾根は木の根が多く歩き辛く、足を引きずりながらの下山は、最後はヘッデン点けて歩くことになった。結局今回も12時間行動で、もう一晩越後中里駅に泊り翌朝のんびりと帰路に就いた。

オタキノ沢はすっきりしていて、緊張感の有る登攀が楽しめた。
余り人が入ってないのも良い。
日帰りの沢としてお手頃だが、オタキノ沢の中では幕営適地はないので、荷物軽くして一気に抜けるのが良いと思う。
核心とも言える最初の滝を直登できない場合は(巻けるのかな?)、この沢へは入らない方が無難かと思う。

Copyright 2001-2014 msc-jp. All rights reserved.