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日程 2007年9月14日(金)夜発?16日(日)
山域 上越 谷川岳/湯檜曽川本谷?ナルミズ沢
山行形態 沢登り
参加者 須藤(CL・食当・装備)、平川(SL・記録)、扇原(食当)
9月と10月にある3回の3連休を使って今年こそ湯檜曽と万太郎に行きたいと思っていた。
その万太郎は8月にクリアし、個人的には次なる最大の目標がこの湯檜曽であった。湯檜曽を遡行するまで上越の次は無いとさえ思っていたのだ。
それにしても先月の万太郎は良かった。昨年、一昨年と共に天候不順で諦めたが、今年は3年分の天候を一度に返してもらったような好天だった。しかし今回の湯檜曽は予報を聞く限りパッとしない様子である。初日は何とか晴天も期待できる事から、転進先などを考慮しながら予定通り金曜夜に上越に向かう事にした。
仮眠の定宿、湯檜曽駅には24時着。我々の他には誰もいない。軽く飲んで眠りについた。 残念ながら天気は期待できないのでナルミズの下降を諦め、1日短縮して登山道を下る事を打ち合わせた。
翌朝、今にも降り出しそうな天気の中を土合に車をデポし、7時半出発。ここから今日の幕場まで3人のパーティーと前後して歩く事になる。相変わらず天気は優れず、山道に入り左岸にゼニイレ沢を見る頃にポツポツと降り出してしまった。この時点で下る一方であった予報を思い出し、転進先をどうするか考えながら歩いていた。しかしそれもつかの間、時には日差しも見えるようになり、予定の遡行を確信出来るようになっていた。
入渓点の武能沢を下降し、湯檜曽本流に立ったのが9時40分。10時には遡行を開始出来た。先程とは別の3人パーティが直ぐ後を遡行してくる。歩き出していきなり現れる魚止めの滝で気持ちを引き締めさせられ、連続するゴルジュを通過した。流れの無いゴルジュを通過して、正面に現れる支流と90度折れ曲がる本流を十字峡と間違えた。
中々凄いなと思っていたが、本当の十字峡はその直ぐ後に数倍のスケールで立ちはだかっていた。(十字峡正面の抱返り沢出合いの滝は見事なスダレの滝だった。後にNetで見る他の記録の写真はショボイ物が多かったが、今回は水量も多くて素晴らしかった) 十字峡を11時半に通過し、20m抱返滝は途中まで登って左のルンゼに入り笹藪の中を高巻く。この先も10m弱の滝が2、3あるが特に難しい所は無い。飛沫を浴びる10mの滝でロープを出し、須藤さんリードで登りかけたが岩がヌメッて汚く、濡れる事もあって下から『巻きにしない?』と声を掛けた。何よりこの時点で土合から一緒だった3人に先に行かれてしまい、幕場に先に着きたいという心理も手伝った。その先、小釜のある2m位だがバランスの必要な滝で3人を追い越し、いよいよ核心部40mの大滝である。滝上では先行パーティのビレイの様子が見える。1段目を上り、飛沫が冷たいテラスから須藤さんリードで取り付く。1段上がった所のハングがいやらしいが、ここをクリアしてザイルを延ばした。滝上まで登ってザイルをフィックスした所でアクシデント発生。核心のハングでザイルがホールドの無い側に流れてしまい、そのまま登ることも、ザイルを直す事も出来なくなってしまった。冷たい飛沫を浴びて気持ちも焦る。仕方なく扇原さんにはタイブロックを使いながらツルツルの壁をゴボウで登ってもらい、同じように後に続いた。3人組みは30mのロープしかないようで、不安定な中でピッチを切って登っていた。大滝を超えた頃、天気が急に良くなり出した。晴天の下で10m近い幾つかの滝を快適に登ることが出来た。幕営予定であった二俣手前のポイントは何時の間にか過ぎて、二俣まで来てしまった。3人で寝るには十分な幕場も直ぐに見つかり、1日目の遡行を打ち切った。付近には幾つか幕を張れる所があるが、我々を含めて4パーティーがここで泊まった。薪にも困ることなく快適な幕場だった。星空も素晴らしく、どうやら天気は良い方に外れたようだ。折角だから早出して当初のコースであるナルミズを明日のうちに下る事にする。
翌朝、良い天気の中を6時半に出発した。ちょっとした滝が幾つかあるがザイルを出す様なところはない。最後は踏み後は明瞭だが所々に背丈ほどの藪がある詰めを越えて8時40分に朝日岳に立つことが出来た。
素晴らしい天気の中、遥かな尾根の連なりが遠望できる。相前後してここまで登ってきた他の2パーティーとここで別れ、我々はナルミズ下降点を目指してJ.Pを目指す。その下降点には9時40分着。下降を始めると、ナルミズを登って来たと思われる幾つかのグループが見えた。始めのうちは足を取られがちな藪と岩がミックスした下りだがそれも30分ほどで歩きやすい沢床になる。二俣あたりまで下って振り返ると真っ青な空と稜線の緑、美しいナメのコントラストが写真のようだ。快適な下降を続けて大石沢出合いを超え、ウツボギ沢出合いに着いたのは12時半だった。あとは宝川温泉までの登山道を残すのみである。バスの時間が判らないので出来るだけ早く着けるように道を急いだ。その宝川温泉には15時45分着。バスは僅か15分前に出てしまっていた。仕方なく便の多い国道まで更に30分歩く事にする。こうして水上駅には17時20分に着くことが出来た。後は車の回収に土合まで移動をするだけだが、長岡行きの電車が出発するのを待っていると、何と!ひょっこりと清水さんが現れたのだった。何でも知り合いの所に泊まりながら近くを散策しているようで、今日もこれから宿のある湯沢まで行くとの事であった。土合に着くと最後の仕事、600段の階段が待っている。これを登って車に着き、無事に山行を終えたのであった。温泉は前回の万太郎でも使った湯檜曽温泉の『林家旅館』に入った。800円で感じの良い美人女将の宿である。旨いそばを食おうと、丸味屋へ行ったが残念!既に閉まっていた。結局インター近くのそれなりの蕎麦屋に入って反省会&食事をして帰路に着いた。東所沢駅に着いたのが22時半。湯檜曽とナルミズの遡下降はあまり例が無いようだが、朝日岳から4時間掛けて下山する事を考えると、あと少し時間を掛けてナルミズを下降するプランは充実度満点の好企画であった。
山域 上越 谷川岳/湯檜曽川本谷?ナルミズ沢
山行形態 沢登り
参加者 須藤(CL・食当・装備)、平川(SL・記録)、扇原(食当)
9月と10月にある3回の3連休を使って今年こそ湯檜曽と万太郎に行きたいと思っていた。
その万太郎は8月にクリアし、個人的には次なる最大の目標がこの湯檜曽であった。湯檜曽を遡行するまで上越の次は無いとさえ思っていたのだ。
それにしても先月の万太郎は良かった。昨年、一昨年と共に天候不順で諦めたが、今年は3年分の天候を一度に返してもらったような好天だった。しかし今回の湯檜曽は予報を聞く限りパッとしない様子である。初日は何とか晴天も期待できる事から、転進先などを考慮しながら予定通り金曜夜に上越に向かう事にした。
仮眠の定宿、湯檜曽駅には24時着。我々の他には誰もいない。軽く飲んで眠りについた。 残念ながら天気は期待できないのでナルミズの下降を諦め、1日短縮して登山道を下る事を打ち合わせた。
翌朝、今にも降り出しそうな天気の中を土合に車をデポし、7時半出発。ここから今日の幕場まで3人のパーティーと前後して歩く事になる。相変わらず天気は優れず、山道に入り左岸にゼニイレ沢を見る頃にポツポツと降り出してしまった。この時点で下る一方であった予報を思い出し、転進先をどうするか考えながら歩いていた。しかしそれもつかの間、時には日差しも見えるようになり、予定の遡行を確信出来るようになっていた。
入渓点の武能沢を下降し、湯檜曽本流に立ったのが9時40分。10時には遡行を開始出来た。先程とは別の3人パーティが直ぐ後を遡行してくる。歩き出していきなり現れる魚止めの滝で気持ちを引き締めさせられ、連続するゴルジュを通過した。流れの無いゴルジュを通過して、正面に現れる支流と90度折れ曲がる本流を十字峡と間違えた。
中々凄いなと思っていたが、本当の十字峡はその直ぐ後に数倍のスケールで立ちはだかっていた。(十字峡正面の抱返り沢出合いの滝は見事なスダレの滝だった。後にNetで見る他の記録の写真はショボイ物が多かったが、今回は水量も多くて素晴らしかった) 十字峡を11時半に通過し、20m抱返滝は途中まで登って左のルンゼに入り笹藪の中を高巻く。この先も10m弱の滝が2、3あるが特に難しい所は無い。飛沫を浴びる10mの滝でロープを出し、須藤さんリードで登りかけたが岩がヌメッて汚く、濡れる事もあって下から『巻きにしない?』と声を掛けた。何よりこの時点で土合から一緒だった3人に先に行かれてしまい、幕場に先に着きたいという心理も手伝った。その先、小釜のある2m位だがバランスの必要な滝で3人を追い越し、いよいよ核心部40mの大滝である。滝上では先行パーティのビレイの様子が見える。1段目を上り、飛沫が冷たいテラスから須藤さんリードで取り付く。1段上がった所のハングがいやらしいが、ここをクリアしてザイルを延ばした。滝上まで登ってザイルをフィックスした所でアクシデント発生。核心のハングでザイルがホールドの無い側に流れてしまい、そのまま登ることも、ザイルを直す事も出来なくなってしまった。冷たい飛沫を浴びて気持ちも焦る。仕方なく扇原さんにはタイブロックを使いながらツルツルの壁をゴボウで登ってもらい、同じように後に続いた。3人組みは30mのロープしかないようで、不安定な中でピッチを切って登っていた。大滝を超えた頃、天気が急に良くなり出した。晴天の下で10m近い幾つかの滝を快適に登ることが出来た。幕営予定であった二俣手前のポイントは何時の間にか過ぎて、二俣まで来てしまった。3人で寝るには十分な幕場も直ぐに見つかり、1日目の遡行を打ち切った。付近には幾つか幕を張れる所があるが、我々を含めて4パーティーがここで泊まった。薪にも困ることなく快適な幕場だった。星空も素晴らしく、どうやら天気は良い方に外れたようだ。折角だから早出して当初のコースであるナルミズを明日のうちに下る事にする。
翌朝、良い天気の中を6時半に出発した。ちょっとした滝が幾つかあるがザイルを出す様なところはない。最後は踏み後は明瞭だが所々に背丈ほどの藪がある詰めを越えて8時40分に朝日岳に立つことが出来た。
素晴らしい天気の中、遥かな尾根の連なりが遠望できる。相前後してここまで登ってきた他の2パーティーとここで別れ、我々はナルミズ下降点を目指してJ.Pを目指す。その下降点には9時40分着。下降を始めると、ナルミズを登って来たと思われる幾つかのグループが見えた。始めのうちは足を取られがちな藪と岩がミックスした下りだがそれも30分ほどで歩きやすい沢床になる。二俣あたりまで下って振り返ると真っ青な空と稜線の緑、美しいナメのコントラストが写真のようだ。快適な下降を続けて大石沢出合いを超え、ウツボギ沢出合いに着いたのは12時半だった。あとは宝川温泉までの登山道を残すのみである。バスの時間が判らないので出来るだけ早く着けるように道を急いだ。その宝川温泉には15時45分着。バスは僅か15分前に出てしまっていた。仕方なく便の多い国道まで更に30分歩く事にする。こうして水上駅には17時20分に着くことが出来た。後は車の回収に土合まで移動をするだけだが、長岡行きの電車が出発するのを待っていると、何と!ひょっこりと清水さんが現れたのだった。何でも知り合いの所に泊まりながら近くを散策しているようで、今日もこれから宿のある湯沢まで行くとの事であった。土合に着くと最後の仕事、600段の階段が待っている。これを登って車に着き、無事に山行を終えたのであった。温泉は前回の万太郎でも使った湯檜曽温泉の『林家旅館』に入った。800円で感じの良い美人女将の宿である。旨いそばを食おうと、丸味屋へ行ったが残念!既に閉まっていた。結局インター近くのそれなりの蕎麦屋に入って反省会&食事をして帰路に着いた。東所沢駅に着いたのが22時半。湯檜曽とナルミズの遡下降はあまり例が無いようだが、朝日岳から4時間掛けて下山する事を考えると、あと少し時間を掛けてナルミズを下降するプランは充実度満点の好企画であった。
日程 2007年9月14日(金)夜発?16日(日)
山域 西吾妻山/中津川
山行形態 沢登り
参加者 清野(CL・記録)、山本(食当・装備)
記録 滝名は下山後各種記録を参照し記載した
9/14(金)
今年のみちのくシリーズ第2弾。TX流山おおたかの森駅を20:30に出発した。15日は好天の予報だったが16日以降は雨模様のため、車中で1日目にゴルジュ帯を抜け(できれば朱滝先)、1泊2日の計画に変更。常磐道から磐越道を走り、24時過ぎにレークラインのレストハウス着。だれもいない広い駐車場はいかにも物寂しげだったが、26時前に暴走族風のクルマが一台現れ一時うるさいことおびただしかった。でも酒の勢いもありかまわず寝た。
9/15(土) 晴れ
行動開始を早めたので、5時過ぎに起き6時に出発。遊歩道をおり左岸沿いの林道を進み、川から離れるところで入渓、すぐに白滑八丁の入口に到着する。ここはU字型のゴルジュがおよそ700?800m近くあるのではないか?釜、瀞、樋状の流れがどこまでも続き、白い(実は薄い灰色)岩に青い(本当は緑)水の対照がとても美しい。いわゆる奇勝だ。ステルスラバーの威力を存分に利用しておおいに楽しむ。でも30分ほどで終わってしまった。
2、3の枝沢を分けると魚止滝15mに着く。巨大で深い釜を持っていて迫力満点だ。左岸から簡単に巻ける。取水堰堤の手前は左岸をへつり、最後はロープを使って3mほどごぼうで下りる。堰堤には魚道がしっかりとついていてそちらからも行けそうだが、正面も簡単に登れる。銚子口は落ち込み自体は2mくらいなのだが、巨大な釜、圧倒的水量で水線通しには突破できない。釜の縁を右回りに回って枝沢の出合を横切り、落ち口の左を通過する。
しばらくゴルジュのなかの瀞や釜、滝がつづくが、泳がなくても渡渉とへつりで突破でき実に楽しい。今回は防水対策が適当なので、あまり泳ぎたくなかったのだ。ほどなく観音滝に到着する。ここも右から簡単に巻ける。この滝までは巻き道の踏み跡がしっかりとついていた。この後、滝をかけて出合う枝沢、瀞、2段滝、ゴーロなどがつづくが、左岸に大崩壊地があった。大木を7?8本含み、100m程上から幅50mにわたって土砂崩れを起こしていた。崩れて間もない様子だったので、おそらく9月上旬の台風が原因だろう。下流で水がにごっていたのは多分このせいだ。
左岸に滝をかけて出合う権現滝を過ぎると圧巻・神楽滝だ。
40m上からしぶきを飛ばして豪快に落ちてきている。気温が上がってきていたので実に気持ちがよい。しばし休憩の後、左岸から高巻いた。途中なぜかツェルトや登山靴が遺棄してあった。なんだろうこれは??
夫婦滝、静滝と続きやがて熊落滝が見えてくる。
滝自体は10mくらいだが、すぐ先が右曲してゴルジュになっていて高い側壁が部分的に見える。少し戻って左岸の小沢から高巻きに入る。最初こそ鎖があって踏み跡もしっかりしていたが、涸れた沢型の辺りから怪しくなる。ここを少し下ると、ゴルジュの中で対岸の側壁がそびえたっているのが見えた。底までは覗けなかったけど、一体どれほどの高さなのか?ここからは滝の音を左に聞きながら概ね水平から下り気味に藪を漕ぐ。下降地点は滝の落口の真上であった。下を覗くとさらし場が見えた。およそ40?50mの落差か?
30分ほど進むと筋滝に出合う。この滝自体は筋を引くどころか豪快に落ちているので、命名の由来はこの滝手前の右岸の4つの滝が筋状の水を高くから落としているからか?滝の右を泳ぐかへつって右壁に取りつけば登れそうな気もしたが、かぶり気味だし疲労もしてきたので、あっさりと左岸から巻く。
15時過ぎに今日の目標の朱滝に到着した。
60m上から概ね4条に分かれて落ちてきている。なぜか下半分だけ岩が赤いのでこの名前がついたとのことだ。休憩、水汲みをして少し手前の草つきの斜面から高巻きに入る。草、潅木、岩交じりの壁の基部でロープをつけ3ピッチで水平地点に至る。ロープの流れを考えて短くピッチを切ったのでおよそ70m位と思う。1時間近くかかったが、滝の落ち口より十分な高さまで上がった。最初は水平に、やがて藪が濃くなってきたので下り気味に進み、最後は漠音を頼りに下りると落ち口真上の岩盤に出た。朱滝のすぐ上には8mほどの滝が続いてあった。ちょっと進んだ左岸の台地を今夜の幕場とする。流木がなく焚き火ができず残念。
9/16(日) 晴れ
今日も6時出発なので4時半に起床。予報に反して夜明けとともに青空が見えてきたが予定通りとする。6時過ぎに幕場発。昨日のうちに核心部を通過したし、源頭部の美しさに思いをはせ心も軽い。20分ほどでヤケノママ通過、二俣は左に入る。ずっと傾斜がゆるいので、なかなか標高が上がらない。途中赤布のあったところが登山道の横断地点か?現場でよく確認しなかったので判然としない。
やがて潅木はなくなり、背の低い笹と草の源流部に至る。思い描いていた通りの源頭だ。藪を避け地塘の点在する草原を木道に向けて進む。9時過ぎに遡行終了。二人でがっちりと握手。ここまで14時間だ。思えば悪天予報にあおられて駆け抜けた中津川であった。軽く一杯やりながら荷物を整理する。ここからはちんたらと歩き、西吾妻山から西大嶺を経由して、グランデコスキー場ロープウェイで下山する。
9/15
レストハウス6:00-入渓6:20-6:21白滑八丁6:57-7:42魚止滝-取水堰堤8:37-9:42観音滝-11:35神楽滝11:45-12:10同上-12:13夫婦滝-12:29静滝-12:40熊落滝12:51-13:59同上-14:32筋滝-15:11朱滝15:30-16:59同上-17:10幕場
9/16
幕場発6:10-6:28ヤケノママ-6:52二俣-9:05詰上地点10:00-10:50西吾妻山-11:20西大嶺11:35-12:30ロープウェイ駅(標高1390m)
山域 西吾妻山/中津川
山行形態 沢登り
参加者 清野(CL・記録)、山本(食当・装備)
記録 滝名は下山後各種記録を参照し記載した
9/14(金)
今年のみちのくシリーズ第2弾。TX流山おおたかの森駅を20:30に出発した。15日は好天の予報だったが16日以降は雨模様のため、車中で1日目にゴルジュ帯を抜け(できれば朱滝先)、1泊2日の計画に変更。常磐道から磐越道を走り、24時過ぎにレークラインのレストハウス着。だれもいない広い駐車場はいかにも物寂しげだったが、26時前に暴走族風のクルマが一台現れ一時うるさいことおびただしかった。でも酒の勢いもありかまわず寝た。
9/15(土) 晴れ
行動開始を早めたので、5時過ぎに起き6時に出発。遊歩道をおり左岸沿いの林道を進み、川から離れるところで入渓、すぐに白滑八丁の入口に到着する。ここはU字型のゴルジュがおよそ700?800m近くあるのではないか?釜、瀞、樋状の流れがどこまでも続き、白い(実は薄い灰色)岩に青い(本当は緑)水の対照がとても美しい。いわゆる奇勝だ。ステルスラバーの威力を存分に利用しておおいに楽しむ。でも30分ほどで終わってしまった。
2、3の枝沢を分けると魚止滝15mに着く。巨大で深い釜を持っていて迫力満点だ。左岸から簡単に巻ける。取水堰堤の手前は左岸をへつり、最後はロープを使って3mほどごぼうで下りる。堰堤には魚道がしっかりとついていてそちらからも行けそうだが、正面も簡単に登れる。銚子口は落ち込み自体は2mくらいなのだが、巨大な釜、圧倒的水量で水線通しには突破できない。釜の縁を右回りに回って枝沢の出合を横切り、落ち口の左を通過する。
しばらくゴルジュのなかの瀞や釜、滝がつづくが、泳がなくても渡渉とへつりで突破でき実に楽しい。今回は防水対策が適当なので、あまり泳ぎたくなかったのだ。ほどなく観音滝に到着する。ここも右から簡単に巻ける。この滝までは巻き道の踏み跡がしっかりとついていた。この後、滝をかけて出合う枝沢、瀞、2段滝、ゴーロなどがつづくが、左岸に大崩壊地があった。大木を7?8本含み、100m程上から幅50mにわたって土砂崩れを起こしていた。崩れて間もない様子だったので、おそらく9月上旬の台風が原因だろう。下流で水がにごっていたのは多分このせいだ。
左岸に滝をかけて出合う権現滝を過ぎると圧巻・神楽滝だ。
40m上からしぶきを飛ばして豪快に落ちてきている。気温が上がってきていたので実に気持ちがよい。しばし休憩の後、左岸から高巻いた。途中なぜかツェルトや登山靴が遺棄してあった。なんだろうこれは??
夫婦滝、静滝と続きやがて熊落滝が見えてくる。
滝自体は10mくらいだが、すぐ先が右曲してゴルジュになっていて高い側壁が部分的に見える。少し戻って左岸の小沢から高巻きに入る。最初こそ鎖があって踏み跡もしっかりしていたが、涸れた沢型の辺りから怪しくなる。ここを少し下ると、ゴルジュの中で対岸の側壁がそびえたっているのが見えた。底までは覗けなかったけど、一体どれほどの高さなのか?ここからは滝の音を左に聞きながら概ね水平から下り気味に藪を漕ぐ。下降地点は滝の落口の真上であった。下を覗くとさらし場が見えた。およそ40?50mの落差か?
30分ほど進むと筋滝に出合う。この滝自体は筋を引くどころか豪快に落ちているので、命名の由来はこの滝手前の右岸の4つの滝が筋状の水を高くから落としているからか?滝の右を泳ぐかへつって右壁に取りつけば登れそうな気もしたが、かぶり気味だし疲労もしてきたので、あっさりと左岸から巻く。
15時過ぎに今日の目標の朱滝に到着した。
60m上から概ね4条に分かれて落ちてきている。なぜか下半分だけ岩が赤いのでこの名前がついたとのことだ。休憩、水汲みをして少し手前の草つきの斜面から高巻きに入る。草、潅木、岩交じりの壁の基部でロープをつけ3ピッチで水平地点に至る。ロープの流れを考えて短くピッチを切ったのでおよそ70m位と思う。1時間近くかかったが、滝の落ち口より十分な高さまで上がった。最初は水平に、やがて藪が濃くなってきたので下り気味に進み、最後は漠音を頼りに下りると落ち口真上の岩盤に出た。朱滝のすぐ上には8mほどの滝が続いてあった。ちょっと進んだ左岸の台地を今夜の幕場とする。流木がなく焚き火ができず残念。
9/16(日) 晴れ
今日も6時出発なので4時半に起床。予報に反して夜明けとともに青空が見えてきたが予定通りとする。6時過ぎに幕場発。昨日のうちに核心部を通過したし、源頭部の美しさに思いをはせ心も軽い。20分ほどでヤケノママ通過、二俣は左に入る。ずっと傾斜がゆるいので、なかなか標高が上がらない。途中赤布のあったところが登山道の横断地点か?現場でよく確認しなかったので判然としない。
やがて潅木はなくなり、背の低い笹と草の源流部に至る。思い描いていた通りの源頭だ。藪を避け地塘の点在する草原を木道に向けて進む。9時過ぎに遡行終了。二人でがっちりと握手。ここまで14時間だ。思えば悪天予報にあおられて駆け抜けた中津川であった。軽く一杯やりながら荷物を整理する。ここからはちんたらと歩き、西吾妻山から西大嶺を経由して、グランデコスキー場ロープウェイで下山する。
9/15
レストハウス6:00-入渓6:20-6:21白滑八丁6:57-7:42魚止滝-取水堰堤8:37-9:42観音滝-11:35神楽滝11:45-12:10同上-12:13夫婦滝-12:29静滝-12:40熊落滝12:51-13:59同上-14:32筋滝-15:11朱滝15:30-16:59同上-17:10幕場
9/16
幕場発6:10-6:28ヤケノママ-6:52二俣-9:05詰上地点10:00-10:50西吾妻山-11:20西大嶺11:35-12:30ロープウェイ駅(標高1390m)