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白馬岳合宿(1班) 報告書
日時:2007年5月2日(水)?5月6日(日)
場所:白馬岳 小蓮華尾根縦走ルート
メンバー:1班 門脇、野口、木村(記録)
2007年の合宿は白馬岳にて、三班に別れて異なったルートでそれぞれ頂上を目指した。第1班は小蓮華尾根を登り小蓮華山から白馬岳山頂まで稜線を歩き、大雪渓を下り幕営地まで戻るというロングルートである。計画では1日で戻る予定だが、万が一の場合に備え一泊分の食料などを担ぎビバークも覚悟して臨んだ。
5月4日快晴、予定どおり5時出発。主稜組・大雪渓組と分かれ小蓮華尾根の取り付き部まで進む。5時40分頃より最初の急斜面に取り付く。
踏み跡はまったくない。動物の足跡が所々あるのみ。3人で交代しながら一歩一歩着実に上がっていく。かなりの急勾配で途中休めそうなところがない。7時20分ようやく小蓮華尾根の稜線に出た。白馬岳主稜のラインが良く見える。
竹薮の上に急勾配の斜面がありザイルなしでは難しそうだ。門脇さんが先頭にたち10m程の雪壁を登っていく。雪質は脆く、雪壁上部は傾斜が垂直に近くなるため一歩一歩探りながら進んでいく。尾根に出ると日当たりの良い部分は山の地肌が露出しており、藪こぎしながら高度をかせぐ。緩やかな広い尾根を雪面と藪とを行ったり来たりしながら進み、9時30分、広い緩斜面で一本たてる。
門脇さんによると昔登った時は吹雪で全然進まずこの場所でビバークをしたそうだ。今日は快晴で歩いていると少し暑いくらいの陽気。のんびりと周囲の素晴らしい眺望を堪能する。
ここからは少し高度を稼がないといけない。藪よりも雪面のほうが歩きやすいので、所々に空いている穴に注意しながらどんどん登っていく。11時、尾根が切り立ってきて、稜線上に崩れそうな岩塊が露出してくる。今日の核心部だ。ビレイをするにも今にも崩れそうな岩ばかりで支点となるようなものはない。おまじない程度に岩にザイルを巻き、人間アンカーのつもりでビレイをする。門脇さんがトップで登っていく。ガラガラと岩を崩しまくっている。自分もあそこを行くのかとやや呆然としながら見守る。続いて野口さん、「あら、ヤダー!」などと叫びながらも登りきった。あいかわらず岩は崩れまくっている。最後に木村の番である。手では岩をだましだまし押さえ、アイゼンでは岩を蹴散らしながら登っていく。力強く確保されていることがありがたい。生きた心地のしない数分間であった。さらに上部の岩稜帯でもう一度ザイルを出す。また門脇さんがトップで登り、木村がビレイをする。さっきよりも気持ちに少し余裕がある。野口さんが登りはじめ自分一人になると、暖かい陽気と素晴しい景観を独り占めしているような幸せな気分になる。ガラガラの岩稜帯を抜けると、最後は雪の急斜面だ。幸い雪庇のない部分があったのでそこから稜線へ出る。13時、8時間かけてようやく小蓮華尾根を抜ける。休憩をとるが、あまりゆっくりはしてられない。まだ長い道のりが残っている。白馬岳への稜線は踏み跡もしっかりしており、左右に広がる雄大な景色を眺めながら快適に歩けると思っていた。しかし小蓮華尾根で体力を消耗したため、かなりシンドイ登りとなった。さらに汗をかき過ぎた為温度調節がうまくできなくなってしまい、ずっと冷や汗をかいているような感じで歩く事になってしまった。
15時30分頃、白馬岳山頂に到着。時間もないので記念写真を撮ってすぐに下り始める。山本さんと須藤さんの主稜組はとっくに通過しているんだろうねなどと話しながら、下の小屋でビール一杯を3人で分け合い小さな祝杯をあげる。あとは大雪渓を下るだけだ。
門脇さんはグリセード気味に、木村・野口はシリセードで大雪渓を下っていく。途中休憩がてら無線で山本さんに呼びかけてみる。なんとかビバークせずに戻れると伝えると、他の二班はみな無事テン場にいるとのこと。無線機もなかなか便利だなと思う。
18時、テン場に到着。13時間行動の長い1日であった。こんなに長時間連続して行動したのは初めてだったので良い経験となった。天気も良く快適に行動できたが、最後まで余力を残すようにしないと長時間の行動は難しいと感じた。また、汗をかくと冷えてしまうので、なるべく汗をかかないように歩く事が重要だと感じた。
先にテン場に戻った二班は雪の中に残地していった食料が動物に食べ荒らされているのを発見し、お腹をすかせて私達1班(ビバーク用に担いでいった食料)の帰りを待っていたようである。
日時:2007年5月2日(水)?5月6日(日)
場所:白馬岳 小蓮華尾根縦走ルート
メンバー:1班 門脇、野口、木村(記録)
2007年の合宿は白馬岳にて、三班に別れて異なったルートでそれぞれ頂上を目指した。第1班は小蓮華尾根を登り小蓮華山から白馬岳山頂まで稜線を歩き、大雪渓を下り幕営地まで戻るというロングルートである。計画では1日で戻る予定だが、万が一の場合に備え一泊分の食料などを担ぎビバークも覚悟して臨んだ。
5月4日快晴、予定どおり5時出発。主稜組・大雪渓組と分かれ小蓮華尾根の取り付き部まで進む。5時40分頃より最初の急斜面に取り付く。
踏み跡はまったくない。動物の足跡が所々あるのみ。3人で交代しながら一歩一歩着実に上がっていく。かなりの急勾配で途中休めそうなところがない。7時20分ようやく小蓮華尾根の稜線に出た。白馬岳主稜のラインが良く見える。
竹薮の上に急勾配の斜面がありザイルなしでは難しそうだ。門脇さんが先頭にたち10m程の雪壁を登っていく。雪質は脆く、雪壁上部は傾斜が垂直に近くなるため一歩一歩探りながら進んでいく。尾根に出ると日当たりの良い部分は山の地肌が露出しており、藪こぎしながら高度をかせぐ。緩やかな広い尾根を雪面と藪とを行ったり来たりしながら進み、9時30分、広い緩斜面で一本たてる。
門脇さんによると昔登った時は吹雪で全然進まずこの場所でビバークをしたそうだ。今日は快晴で歩いていると少し暑いくらいの陽気。のんびりと周囲の素晴らしい眺望を堪能する。
ここからは少し高度を稼がないといけない。藪よりも雪面のほうが歩きやすいので、所々に空いている穴に注意しながらどんどん登っていく。11時、尾根が切り立ってきて、稜線上に崩れそうな岩塊が露出してくる。今日の核心部だ。ビレイをするにも今にも崩れそうな岩ばかりで支点となるようなものはない。おまじない程度に岩にザイルを巻き、人間アンカーのつもりでビレイをする。門脇さんがトップで登っていく。ガラガラと岩を崩しまくっている。自分もあそこを行くのかとやや呆然としながら見守る。続いて野口さん、「あら、ヤダー!」などと叫びながらも登りきった。あいかわらず岩は崩れまくっている。最後に木村の番である。手では岩をだましだまし押さえ、アイゼンでは岩を蹴散らしながら登っていく。力強く確保されていることがありがたい。生きた心地のしない数分間であった。さらに上部の岩稜帯でもう一度ザイルを出す。また門脇さんがトップで登り、木村がビレイをする。さっきよりも気持ちに少し余裕がある。野口さんが登りはじめ自分一人になると、暖かい陽気と素晴しい景観を独り占めしているような幸せな気分になる。ガラガラの岩稜帯を抜けると、最後は雪の急斜面だ。幸い雪庇のない部分があったのでそこから稜線へ出る。13時、8時間かけてようやく小蓮華尾根を抜ける。休憩をとるが、あまりゆっくりはしてられない。まだ長い道のりが残っている。白馬岳への稜線は踏み跡もしっかりしており、左右に広がる雄大な景色を眺めながら快適に歩けると思っていた。しかし小蓮華尾根で体力を消耗したため、かなりシンドイ登りとなった。さらに汗をかき過ぎた為温度調節がうまくできなくなってしまい、ずっと冷や汗をかいているような感じで歩く事になってしまった。
15時30分頃、白馬岳山頂に到着。時間もないので記念写真を撮ってすぐに下り始める。山本さんと須藤さんの主稜組はとっくに通過しているんだろうねなどと話しながら、下の小屋でビール一杯を3人で分け合い小さな祝杯をあげる。あとは大雪渓を下るだけだ。
門脇さんはグリセード気味に、木村・野口はシリセードで大雪渓を下っていく。途中休憩がてら無線で山本さんに呼びかけてみる。なんとかビバークせずに戻れると伝えると、他の二班はみな無事テン場にいるとのこと。無線機もなかなか便利だなと思う。
18時、テン場に到着。13時間行動の長い1日であった。こんなに長時間連続して行動したのは初めてだったので良い経験となった。天気も良く快適に行動できたが、最後まで余力を残すようにしないと長時間の行動は難しいと感じた。また、汗をかくと冷えてしまうので、なるべく汗をかかないように歩く事が重要だと感じた。
先にテン場に戻った二班は雪の中に残地していった食料が動物に食べ荒らされているのを発見し、お腹をすかせて私達1班(ビバーク用に担いでいった食料)の帰りを待っていたようである。