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八ヶ岳縦走計画が・・・荒天の為・・・北八ヶ岳彷徨に
メンバー:山本(CL+記録) 門脇SL 木村(食当) 高森(食当+装備)
元はと言えば、「鳳凰三山」の日程をずらして「北岳」へ行くことにしたのだが、メンバーが入れ替わり車も出せなくなり、土壇場で「八ヶ岳縦走」(北八ッから編み笠山まで)に変更。ところが天候が悪く、思った以上の積雪により結局「北八ヶ岳彷徨」となった。
1/6 07:30 新宿発あずさ3号にて茅野へ。車窓の景色が白く変わり始め、茅野に着く頃には雪が降っていた。天気予報はひどいものだが、八ヶ岳なら逃げも利くので予定通り山に向かう。渋の湯までの道は結構積雪があり、側溝にはまっている車が2台も見受けられた。
11:30 黒百合平に向かって歩き始める。昨夜も降雪が有ったようだがトレースは有り、14:00黒百合平着。テント場には3?4張のテントが張られていた。中山峠先はトレースが消えかけ、天狗岳ピストンのパーティがデポしたザックが雪に埋もれていた。此処からは、膝位までのラッセルとなる。初めの急登で高森さん滑りまくり、いつまでたっても登って来れない。雪の着いた急坂登りには慣れが必要だ。トレースも消えて、吹雪で見通しも良くない中、前方から数名のパーティが下ってきた。荷物をデポしていた連中だ。そのトレースもすぐに消えてしまう。天狗岳の登りに差し掛かる手前の樹林帯出口に着いた時には既に3時を回っていた。
1月6日 渋の湯から中山峠へ向かう途中。
年末硫黄岳に来た時とはうってかわって雪景色に・・・
今日は此処までとして樹林帯の中で幕営する。まずまずの幕場を見付け早々にテントに入る。結構風が強いがテントの中は快適だ。ストーブに火を点けて暖を取り、アルコールで体の中を温める。濡れ物を乾かしくつろぎ始めた頃、「すいませーん!」とテントの外で声がする。一同空耳かと耳を疑う。黒百合に泊まっていて空身で天狗の偵察に来て迷子になった登山者が、道を教えてくれとう言うのだ。トレースが消えて自分で道を見付けられないのだ。
「トレースが無くても踏まれて硬くなっている場所が有るから、そこを拾ってコースを見付けるしかない」と門脇さんがコツを教えるが全く聞いてないのだ。
「こっちも呑んじゃっているし無理だよ。」と言っても「どうにかお願いします。分かる所まで送って下さい。」と繰り返すばかりなのだ。
「ちょっと考え甘いんじゃないの?!」
仕方なく山本が靴を履き外に出る。もうすぐ暗くなると言うのにヘッドランプも持ってない。暫く歩いて「此処まででいいか?」と訪ねると「此処までは私も分かりましたよ。この先が分からないんです。」と言う。そんな事を繰り返すうちに、結局中山峠のすぐ上まで来てしまった。やれやれ。我々がテントを張っていなければ一体どうなっていたんだろうか。テントに戻って、高森さん特製のシチューをいただき、呑み直す。夜じゅう風強く、結構降った。
1/7 テントを撤収して9時過ぎ天狗に向けて出発する。新たに30?40?は積もったようだ。天狗へ向かったパーティが有る様で、トレースが有った。急登に差し掛かるところで追いつき、ラッセルを交代して山本が前に出たが、彼らはそこから引き返していった。吹き溜まりで胸位までのラッセルだが、後に続く木村さんがいっこうに這い上がれず雪まみれで格闘していた。吹雪で視界悪く、ルートが分かりにくい。
「ピークを踏ませて引き返そう」と、門脇さんが前に出て、もうあと僅かで頂上という所まで進んだが、吹きつけもかなり厳しいので、ピークは踏まずに撤退することにした。樹林帯まで戻り、昨夜と同じ場所に幕営する。昼頃には「停滞訓練」と称して酒を呑み始める。風雪一向に収まらず、雪はどんどん降り積もる。今夜は、木村さん特製粕汁だ!これまた美味し。酒がすすみ、早々と寝てしまう。
1/8 テントが雪に押されて、両端で寝た門脇・山本は身体が冷えて寝ていられず4時半頃起き出す。テントを掘り出し朝食を摂り、今日行動を話し合う。一晩で更に雪は積もった上、雪も止みそうもないので天狗再アタックは有得ない。来た道を戻るのも能がない。みどり池経由稲子湯? これも無理だろう。結局、中山峠から高見石経由渋の湯のラッセル訓練と決定。明るくなるのを待ちテントを撤収。
ところがトラブル発生。アンカーに使ったアックスが1本行方不明となってしまった。1時間ほど捜索するがとうとう見付けられず諦めて8:00出発。門脇さん所有のカドワックス1丁が北八ヶの樹林帯に眠る。雪解けの頃に、山本・木村・高森で捜索隊を出す予定。雪が多い時は物を無くしやすいので充分気を付けなくてはいけない。深く反省。
1月8日 縦走を断念し高見石へ向かう。
時には腰までもぐるラッセルに悪戦苦闘。
幕場を後にするといきなりラッセル。中山峠から先もトレース無し。高見石に向け突っ込む。この時期の八ヶ岳でこんなにまとまった雪が降るのは珍しいのではないか!交代でラッセルし汗をかく。木村さん・高森さんにとっては本物の(?)ラッセルを体験。厳しいラッセルを経験したいと言っていた木村さんにはうってつけの山行となった訳だ。初めのうちは雪だらけで埋まっていた二人だが、最後のほうでは門脇さんからお褒めの言葉も。
11:47高見石小屋着。小屋では小屋番が除雪に追われていた。昨夜の泊り客が渋の湯に下山したとのことでトレースが有り助かる。賽の河原では踏み抜いて埋まったりしながらも順調に進み、13:30渋の湯着。思ったより早く着いたので、御殿湯で温泉につかりビールを呑みながらバスを待つ。雪はまだ降り続き、外に置いたザックに雪が被っていた。車窓から振り返ると、青空も見え山の中の天気が嘘のようだ。
茅野で飯を食い軽く反省会。帰りのあずさは何とか席を確保し、うたた寝しながら帰途に着く。木村さん・高森さんはなんだか盛り上がっていて、離れた席まで二人の笑い声が聞こえていた。
1月8日 ラッセルに疲れてちょっと休憩。
白一色の世界は幻想的です。
今回の計画、全部は無理でも夏沢峠までなら楽勝と思っていたのだが、ちょっと甘かった。予定の半分もこなせなかったが、ドカ雪のラッセル三昧で楽しい3日間となったのでヨシとしようか。
メンバー:山本(CL+記録) 門脇SL 木村(食当) 高森(食当+装備)
元はと言えば、「鳳凰三山」の日程をずらして「北岳」へ行くことにしたのだが、メンバーが入れ替わり車も出せなくなり、土壇場で「八ヶ岳縦走」(北八ッから編み笠山まで)に変更。ところが天候が悪く、思った以上の積雪により結局「北八ヶ岳彷徨」となった。
1/6 07:30 新宿発あずさ3号にて茅野へ。車窓の景色が白く変わり始め、茅野に着く頃には雪が降っていた。天気予報はひどいものだが、八ヶ岳なら逃げも利くので予定通り山に向かう。渋の湯までの道は結構積雪があり、側溝にはまっている車が2台も見受けられた。
11:30 黒百合平に向かって歩き始める。昨夜も降雪が有ったようだがトレースは有り、14:00黒百合平着。テント場には3?4張のテントが張られていた。中山峠先はトレースが消えかけ、天狗岳ピストンのパーティがデポしたザックが雪に埋もれていた。此処からは、膝位までのラッセルとなる。初めの急登で高森さん滑りまくり、いつまでたっても登って来れない。雪の着いた急坂登りには慣れが必要だ。トレースも消えて、吹雪で見通しも良くない中、前方から数名のパーティが下ってきた。荷物をデポしていた連中だ。そのトレースもすぐに消えてしまう。天狗岳の登りに差し掛かる手前の樹林帯出口に着いた時には既に3時を回っていた。
1月6日 渋の湯から中山峠へ向かう途中。
年末硫黄岳に来た時とはうってかわって雪景色に・・・
今日は此処までとして樹林帯の中で幕営する。まずまずの幕場を見付け早々にテントに入る。結構風が強いがテントの中は快適だ。ストーブに火を点けて暖を取り、アルコールで体の中を温める。濡れ物を乾かしくつろぎ始めた頃、「すいませーん!」とテントの外で声がする。一同空耳かと耳を疑う。黒百合に泊まっていて空身で天狗の偵察に来て迷子になった登山者が、道を教えてくれとう言うのだ。トレースが消えて自分で道を見付けられないのだ。
「トレースが無くても踏まれて硬くなっている場所が有るから、そこを拾ってコースを見付けるしかない」と門脇さんがコツを教えるが全く聞いてないのだ。
「こっちも呑んじゃっているし無理だよ。」と言っても「どうにかお願いします。分かる所まで送って下さい。」と繰り返すばかりなのだ。
「ちょっと考え甘いんじゃないの?!」
仕方なく山本が靴を履き外に出る。もうすぐ暗くなると言うのにヘッドランプも持ってない。暫く歩いて「此処まででいいか?」と訪ねると「此処までは私も分かりましたよ。この先が分からないんです。」と言う。そんな事を繰り返すうちに、結局中山峠のすぐ上まで来てしまった。やれやれ。我々がテントを張っていなければ一体どうなっていたんだろうか。テントに戻って、高森さん特製のシチューをいただき、呑み直す。夜じゅう風強く、結構降った。
1/7 テントを撤収して9時過ぎ天狗に向けて出発する。新たに30?40?は積もったようだ。天狗へ向かったパーティが有る様で、トレースが有った。急登に差し掛かるところで追いつき、ラッセルを交代して山本が前に出たが、彼らはそこから引き返していった。吹き溜まりで胸位までのラッセルだが、後に続く木村さんがいっこうに這い上がれず雪まみれで格闘していた。吹雪で視界悪く、ルートが分かりにくい。
「ピークを踏ませて引き返そう」と、門脇さんが前に出て、もうあと僅かで頂上という所まで進んだが、吹きつけもかなり厳しいので、ピークは踏まずに撤退することにした。樹林帯まで戻り、昨夜と同じ場所に幕営する。昼頃には「停滞訓練」と称して酒を呑み始める。風雪一向に収まらず、雪はどんどん降り積もる。今夜は、木村さん特製粕汁だ!これまた美味し。酒がすすみ、早々と寝てしまう。
1/8 テントが雪に押されて、両端で寝た門脇・山本は身体が冷えて寝ていられず4時半頃起き出す。テントを掘り出し朝食を摂り、今日行動を話し合う。一晩で更に雪は積もった上、雪も止みそうもないので天狗再アタックは有得ない。来た道を戻るのも能がない。みどり池経由稲子湯? これも無理だろう。結局、中山峠から高見石経由渋の湯のラッセル訓練と決定。明るくなるのを待ちテントを撤収。
ところがトラブル発生。アンカーに使ったアックスが1本行方不明となってしまった。1時間ほど捜索するがとうとう見付けられず諦めて8:00出発。門脇さん所有のカドワックス1丁が北八ヶの樹林帯に眠る。雪解けの頃に、山本・木村・高森で捜索隊を出す予定。雪が多い時は物を無くしやすいので充分気を付けなくてはいけない。深く反省。
1月8日 縦走を断念し高見石へ向かう。
時には腰までもぐるラッセルに悪戦苦闘。
幕場を後にするといきなりラッセル。中山峠から先もトレース無し。高見石に向け突っ込む。この時期の八ヶ岳でこんなにまとまった雪が降るのは珍しいのではないか!交代でラッセルし汗をかく。木村さん・高森さんにとっては本物の(?)ラッセルを体験。厳しいラッセルを経験したいと言っていた木村さんにはうってつけの山行となった訳だ。初めのうちは雪だらけで埋まっていた二人だが、最後のほうでは門脇さんからお褒めの言葉も。
11:47高見石小屋着。小屋では小屋番が除雪に追われていた。昨夜の泊り客が渋の湯に下山したとのことでトレースが有り助かる。賽の河原では踏み抜いて埋まったりしながらも順調に進み、13:30渋の湯着。思ったより早く着いたので、御殿湯で温泉につかりビールを呑みながらバスを待つ。雪はまだ降り続き、外に置いたザックに雪が被っていた。車窓から振り返ると、青空も見え山の中の天気が嘘のようだ。
茅野で飯を食い軽く反省会。帰りのあずさは何とか席を確保し、うたた寝しながら帰途に着く。木村さん・高森さんはなんだか盛り上がっていて、離れた席まで二人の笑い声が聞こえていた。
1月8日 ラッセルに疲れてちょっと休憩。
白一色の世界は幻想的です。
今回の計画、全部は無理でも夏沢峠までなら楽勝と思っていたのだが、ちょっと甘かった。予定の半分もこなせなかったが、ドカ雪のラッセル三昧で楽しい3日間となったのでヨシとしようか。