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メンバー:清野(CL)、山本(SL、食当)、上林(記録)
7月28日(金)
22時30分:八王子駅で集合し、タクシーで両角さん宅へ移動して車と装備の一部をお借りして出発。空いた夜道を飛ばして午前1時頃 丹波の「のめこい湯」に到着。少し雲があるが久々の満天の星空の下、駐車場横の建物の軒下を借りて軽く飲んで就寝。
7月29日(土)
5時半頃起床。天気も良く実にさわやかな朝だ。朝食を取り支度をして「おいらん淵」に移動。車を置いて8時出発。一ノ瀬川橋から踏み跡を下降してすぐ入渓。しばらくは大きな淵も無く、徒渉を繰り返しながら進む。一度胸まで浸かった後の最初の泳ぎは3人ともクリア。しばらくすると第一ゴルジュ。上林が空身で突破を試みるが、左岸から右岸に渡った所で水中のツルツルの岩が掴めず、2度失敗。3度目は弱気になり、右岸のバンドを登ると残置シュリンゲが数本ぶら下がっており、これを使ってゴルジュを巻いた。流れが厳しくて上林のザックを回収するのに少し手間取ったが清野さんと山本さんもゴルジュを巻いて到着。
しばらく行くと第二ゴルジュ。再び上林が空身で突破を試みるが右岸から左岸に泳ぎ渡った所で簡単に流される。岩肌はツルツルで、細かいホールドは有るものの前へ進むどころか簡単に押し流されてしまった。2度目もあえなく敗退。これで体が完全に冷え切ってしまい、震えが止まらない。左岸の残置ロープがぶら下った岩場を巻く事にする。残置ハーケンも有り、清野さんがランニングビレイを取りながら軽々と登り、山本さんが続く。体が萎えると心も萎える。全く登れる気がしなかったが、トップロープで引っ張られ、途中からはしっかりした木の根が豊富に有ってなんとか登る。
少し先で3個目のゴルジュ。落ち口の水流が激しく、とても突破できそうにないので右岸を巻くがここは悪い。ホールドがほとんど無くスタンスは逆層ぎみで、本当に怖かった。この先のナメを超えると大常木谷の出会いに到着。10時10分。たっぷり水に浸かったおかげで全員疲労気味。(無駄な泳ぎを沢山した上林は かなりよれよれ状態)休憩を取って、大常木谷遡行開始。水量もずいぶん減ってホットする。最初の五間の滝は清野さんが水流の左を登る。ホールド・スタンスは豊富にあるが、途中でハーケンを打ってビレイを取る。12時 ヤシャ窪の出会い。すぐに千苦ノ滝。さすがに迫力がある。左岸を巻くが、少し登った所で滝口の方に伸びる踏み後をたどり、5分程度で滝口の上に到着。途中のトラバースはトラロープも張ってあり全く問題なかった。ちょとしたゴルジュ帯を抜けたあたりから苔むした奥秩父の雰囲気になってきた。
不動ノ滝は右岸を巻いて滝口の先で懸垂下降で降りた。このあたりからナメが出始め、美しい渓相になる。いいかげん疲れてきたところで だらだらゴーローを歩かされて14時10分 会所小屋跡に到着。
大常木沢も良い沢だと思うが、一ノ瀬川のインパクトが強すぎて薄れてしまった感じであった。
会所小屋跡のテン場には一番乗りで、途中で抜いた2パーティーがほどなく到着。早速薪を集め、タープを張り、焚き火を始めるが太い木が湿っていてなかなか燃え上がらず、交代で扇ぎ続ける。この間に山本さんがエリンギとベーコンを炒めてくれて飲み始める。野菜たっぷりの味噌汁とご飯も炊き上がり、レトルトの夕食。西館さん直伝の、コッフェルの底にアルミフォイルをしいて炊いたご飯は焦げも無く完璧な仕上がりでした。 突然土砂降りの雨となり、夜半まで降ったり止んだりが続いたが、焚き火も快調に燃え始め、朝まで消えることは無かった。
7月31日(日)
5時過ぎに起床。モヤシと焼いたベーコン、餅入りの四川味の中華三昧でリッチな朝食。山本さんに感謝。沢の涼しい朝は四川の辛いラーメンがGoodかも。7時10分出発。会所小屋跡のすぐ下に踏み後が有り、これが大常木林道だと確信して歩き出す。曇っていた空に陽が射し始め、あっという間に暑くなる。大汗をかいて30分程で尾根を回りこんだ 竜喰谷が左下に広がるコルに到着。休憩後20分程歩いた小沢を竜喰谷に向かって下降し、10分程で竜喰谷に合流した。登攀具を身につけて竜喰谷を下降開始。明るく美しい沢だが下降は苦難の始まりであった。
ナメで滑るのと水面が反射して水面下の石などが見えず、上林だけ何度も滑って転んで膝は青タンだらけ。主な滝は明確な巻き道を下り、下駄小屋の滝(12m)と急な下りで2回ロープを出す。10時40分 一ノ瀬川との合流地点に到着し、少し下った所で徒渉して対岸の踏み後を登るとゴールの一ノ瀬林道。充実した山行だった。爽やかな風が吹く一ノ瀬林道を一時間弱歩いて「おいらん淵」に到着。下界は暑い!。のめこい湯で汗を流して(つるつるして本当に良いお湯でした)、八王子で車を返した後、なつ子さんを交えて反省会で締めくくった。
以前からやってみたかった一ノ瀬川から大常木沢の連続遡行ができて充実した山行でした。一ノ瀬川の核心部のゴルジュは突破できず、竜喰谷の下降では転びまくって、新たな課題も見えた良い山行でした。