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メンバー 清野 山本 西舘章子 西舘彰芳
個人的なことだけれど、6月は引っ越しなど私事に忙殺されていたため、久しぶりの山行だ。章子など欲求不満で他人の山行の話を聞くと不愉快になるほど山行きを渇望していたほど。場所は鶏冠谷右俣。前週に清野、山本+平川の3名で左俣二の沢を詰めているので、この沢は「スタンプラリー」といわれるほど、今年お気に入りの場所だ。
日帰りの沢だが朝が早いため、15日23時に八王子集合。両角邸にジムニーを借りに行く。ところが両角さんは当日入院が決まり不在。なつこさんより鍵を借りて出発。目指すは東山梨群三富村の道の駅「みとみ」。売店前の屋根のある場所でいつものようにビバーク。深夜1時着、2時就寝、朝6時出発とまことにお行儀のよいスタートとなった。
入渓点は西沢渓谷の公園内。道の駅からは5分ほどで駐車場に到着し、西沢渓谷へのハイキングコースを通りヌク沢への入渓点を越え(西舘×2は去年来た場所)、吊り橋を通過した右手の立ち入り禁止のロープが入口。下の広々とした河原では先行パーティが数組準備をしていた。すでに準備完了の私たちはそのまま進行する。
うっそうとした渓谷は、その先があまり期待できない形相。しばらく歩くと魚止めの滝。ここは右側から通過してしばらくゴーロを歩くと、そろそろナメが現れる。ところで西舘×2は先日(というか出発当日)ゴム底のキャラバン奥利根ツーを手に入れる。久しぶりの沢行、しかもナメで前回(小室川谷・一里滝沢)そうとう苦労し、何度もこけていたため、不安だったのだ。「ナメにはゴム底」という山本さんの言葉と、吸盤状のゴムが並ぶファイブ・テンのアクアステルス底に自信を得て、やる気まんまんの西舘(だんな)。いっぽうジャンボはおっかなびっくりだったらしい。清野さん、山本さんにナメでの足運びを教授されつつ、遡行を続ける。
小滝、ナメ、小滝、ナメと続く沢は飽きさせない。残念なのは曇りがちで少し気温が低いところ。シャワークライムすれば登れる、とわかっている場所も微妙に流水を避けたルート取りが続く。8時過ぎに一本とって、3段の滝90m(?)の中段を右から巻く。落ち口があぶなっかしく、清野さんがお助けを出してくれたが、かえってそのヒモに気をとられスリップダウン。まあ、50センチ程度のことだけれど、気を引き締める。
次いで有名な逆くの字。ここも清野さんがリードしてくれ、タイブロックで通過。もっとも傾斜が緩く、ロープがあるせいもあってガシガシ登れて気持ちいい。その後も気持ちいいナメが続く。
そんなこんなで1時間。5mほどの難しくない滝が右手から登場するが、その先がよくわからない。しかも手前にはあきらかな巻き道が用意されている。が、そんなことで逃げないのが清野さん。とっとと滝の右手を登り、奥の滝前で手招きする。が、着いてみるとどうにも登れるような場所じゃない。じゃ、ということで、清野さんが横の壁にとりつくが、脆いのと泥いののミックスで苦戦、ビレイ用にナッツを差し込み、強度チェックした反動で滑落。別ルートを探し山本さんもトライするものの、泥だらけで敗退。トイ面の崖を登ることにする。
こちらもほぼ垂直(といっても60度くらい)で、清野さん1ピッチ40mほど登るものの、まだ上へ抜けない。立木にセルフをとり、全員上がったところでもう1ピッチ切る。清野さんとの山行ではお馴染みの「イケイケクライム」だけれど「これっくらいないとつまんないでしょ(笑」の一言で、私たちも納得。たしかにね、MSCなんだから、右俣だってがんばるところがないとね。
その後もナメと小滝の連続だけれど、肝心の終了点「40mの滝」が見えてこない。途中「エスケープしてください」とでも言うような脇道や傍流、滝が現れるものの、今回は「真面目につめよう」ということで、歩を進める。40m滝到着は13時。そこから詰めだけれど、ガイドブックにあるようなすごい藪こぎにも出くわさず、14時には登山道へ到着。30分ほど下ると「徳ちゃん新道」への分岐へ出、あとは1時間半の下り。16時には駐車場に戻りました。
その後白竜閣(先週も来たらしい。立ち寄り500円)で汗を流し、大急ぎで八王子へ。クルマを置いて橋本の病院に両角さんを訪ね、8時過ぎにやっと反省会。今回はとてもおなかが空いていたこともあり、場所は飲み屋ではなく「餃子の王将」。食べまくって大満足のまま帰宅しました。残念といえば暗い沢と久々の撮影ということもあって、写真の大半がぶれていたこと。マトモなところをみつくろってアップします。
けっこう水量あります。
逆くの字。高度感がちょっとある場所。
おおむねこんな渓相が続きます。
清野さん思案中(笑
……で、結局ボロ壁を直登。
もう少し暑ければ気持ちいいのに。
中盤からは赤コケが増えてかなり滑りました。
きれいな沢です。また行きたい場所でした。