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メンバー CL山本(記録)・SL清野・平川
23時八王子駅集合。タクシーで両角宅へ向かい、ジムニーを借り受ける。平川さんの運転で、西沢渓谷入口の「道の駅みとみ」へ。午前1時到着。一時間程入山祝いの酒を呑む。
このところ、会山行も自主山行も天候判断で中止となる事が多く、今回も当初の計画であった古礼沢を変更し、逃げが利くように鶏冠谷日帰りに変更したのだ。天気が持つか心配だったので早めの行動を心がけた。
翌朝、車を橋の下の町営駐車場に移動し、6:40出発。7:20鶏冠谷出合。平成・・年の春にここで会の合宿をした。その時は3パーティ編成し、清野さんは東のナメ沢を山本は鶏冠谷左俣一ノ沢を溯行したのだった。今日は、曇ってどんよりとした天気のせいも有り、鶏冠谷は暗く、陰鬱な感じさえする。12m魚止めの滝を右からから巻くと綺麗なナメ滝の連続となる。空も少しばかり明るくなってきた。鶏冠谷は結構綺麗な沢だったのだと改めて思い出した。
二俣までの核心部とも言える「逆くの字の滝」も快適に越し、8:30二俣着。ここからもナメと連瀑帯で飽きさせない。一ノ沢出合の滝は通過不能の為右から大きく巻く。9:00二ノ沢出合。時折日も差してきて気分も晴れてくる。ここからもナメの連続でラバーソールのフリクションを効かせて快適に登る。
F2・9mで今日初めてザイルを出す。平川さんリードで快適登攀。この先伏流となり少しガラガラしてくるが、F2・F3はザイル無しで越えて、10:00ルンゼ状スラブに入る。実は、平成・・年の五月にもニノ沢へ来たのだが、ルンゼ状スラブは雪に埋まっていて登れず、左岸の尾根に取り付き大変な藪漕ぎを強いられたのだ。それ以来、いつか200mルンゼ状スラブを登りに来ようと思っていたのだ。確かにルンゼ状スラブでは有るのだが、私が思い描いていたようなスッキリとしたスラブではなく、何となくガラついて浮石の多いルンゼだ。忠実に沢筋を詰めると奥壁に突き当たり、奥壁に沿って右に回り込みわずかの藪漕ぎで10:55稜線に出た。多分、鶏冠山の少し南側と思われる。
ここからは鶏冠尾根を一気に下り、第3岩峰・第4岩峰を懸垂下降して、14:10駐車場着。天気に恵まれて快適な山行が出来た。白龍閣と言う旅館で温泉につかり(なかなか良い)、車に戻ると雨が降っていた。帰りの高速では大雨となった。梅雨の合間を狙ったタイミングの良い山行が出来たものだ。やはり「速さは安全に繋がる」と言うのは嘘じゃない。
17:00両角宅に車を返して、充康さん夏子さんも一緒に反省会となる。私は、両角宅の新聞で、串田孫一氏の訃報を知った。歳も歳なのでそれ程驚きはしなかったのだが、彼の著書の一節を思い出した。「私が山の仲間と言うのは、気心が知れていて、技術に優劣の差があまりない人ということで、こういう人は簡単に集められるものではない。」(正確な引用ではなく、書名も定かではないので、会報編集までに調べておきます)全くその通りだなーとしみじみ思いながら、新聞に載った串田氏の顔写真に見入ったのだ。