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メンバー 両角(CL・総合統括) 西舘 章子SL 西舘 彰芳(記録) 山本 小笠原 鷲田
アクティブな会の記録で「集中」という言葉を見たことはあった。が、MSCがこの大人数で3つの沢を攻めるというのは、感慨深いものがある。
MSC今年の沢納めである。今年は恋ノ岐から赤木沢まで参加させてもらい充実の1年だったが、やっぱり最初と最後は丹沢。ここがホームグラウンドなんだと思う。
朝8時渋沢集合、8分のバスで大倉へ到着後、8時半には大倉から歩き始める。9時半には戸沢出合到着、ここで身支度を整え、3班に分かれ入渓。
ところで私たち源次郎班はいろんな事情を抱えたメンバーで構成されている。沢が久しぶりだったり、身体に故障があったり、体力、技術的にしんどかったり。その辺をうまくまとめてひと絡げにした両角CLの編成の妙に感心する。イケイケ組の沖源、精鋭組の本谷と違い、まったりとスタートした。
源次郎沢は丹沢でも人気の沢のひとつ。1級と初心者レベルに分類され、私は楽しい1日を想像して参加した。というのも、ここ1ヶ月ほど「五十肩」で右手がアタマより上に上がらず、先々週の三つ峠も泣く泣くリタイアした後だけに、今日は「サクッと楽しむ」つもりでいたのだ。
10時10分頃F1到着。釜の水が気になるが左右どちらからも抜けられ、続くF2も乾いた壁をフリクションで通過。F3も問題なし。こんな1日かなぁ、と思い始めたところにF4が現れる。左手のリッジが乾いているんだけれど、上部でトラバースする先に水流がある。ここで訓練ということもありザイルを2本出す。1本は両角ー小笠原組、もう1本が他4名。両角さんは濡れたくないのが見え見えで、思い切り直上。私は「濡れても片手」とルート通りに。途中ランニングの支点は両角さんが設置したのを拝借してのなんちゃってリードで抜ける。上には新品の支点がありそこにビレイ点を取るが、両角さんに「そんなもん安直に信用すんなよ」とバックアップを付けてもらう。 山本さん、鷲田さんは固定で抜け、章子を末端で上げる。続くF5は「巻く」と書かれた本もあるが、ここも下段はすんなりクリア、上段はロープを出して左手の岩場を登る。途中残置のシュリンゲあり。ここで「五十肩」に泣かされることになる。中段でいいホールドはあるものの「右手用」。左手を伸ばすとバランスが崩れる。まあみんなが無事に通過すればいいや、と右手でA0したところ、変な方向に力がかかり「イタタタタ……」と壁で泣きそうになる。痛みが収まるのを待って「二点確保」で上がると、ここにも真新しい支点が。たぶん最近付け替えが行われたのだろう。しかしバックアップの取りようがない。2メートルほどの高さにブッシュが少しあるのだが、手が上がらない。その下の 笹数本にプルージックしてみるが、下から山本さんに「なんのおまじない?」と言われるほどヘボい。まあ本ちゃんがしっかりしてそうなので、山本さんに上がってもらいつつ、奥の岩にタイオフして別支点を作る。その際セルフを解除して別シュリンゲでその岩まで行こうとするが、長さが足りない。しっかしりた足場なので確保なしで支点工作。すいません。こういう時ダメさ加減が出ます。
続くF6,F7は看板がなければ滝とは思えないほど。崩落の結果だろうが、丹沢はガレを見るたびに悲しい気持ちになる。しかしもっと悲しいのは私の右腕だ。続くF8CSも右手にいいホールドがあるのに使えない。モタモタしてるところを山本さんが覗き込み「なにやってんの?」……言い訳しても始まらないので、ザックを上げてもらい空身で上がる。しばらくして最後のF9に搗いたのが1時40分過ぎ。ここは6月に遭対が通りがかった時事故に遭遇した場所だ。左手は残置シュリンゲがボロボロかかっているが、対する右壁は支点がひとつもない。両角さんが右を行き、左は鷲田さんにリードしてもらう。ところが中段で動かない。シュリンゲがかからないのだろうか? しかしその理由は自分がそこにたどり着いてわかった。全体が斜めに傾いているのだ。左上がカブり、足下も左傾している。上段へ一気に乗っ越すのはしんどい高さ。しょうがないので、右手でA0して確保しながら(またかよ……)、左手を上部の岩のクラックに突っ込んでなんとか越える。ところが越すに越せない大井川なのが章子。ここで完全にセミになってしまった。しょうがないので、ゴボウ用にもう一本ザイルを降ろす。これにつかまって上がる所を鷲田さんがウインチ。上がったのは2時15分過ぎ。ここからは源頭まで詰め上げ、藪こぎもなく花立山荘へ。しかし山荘は休み! ビールもないし、寒いし、で、3時過ぎまで他班を待ち、本谷組と合流したところで下山した。
さて、ここまで両角さんと小笠原さんの話が登場しないが、2人パーティは両角さんの叱咤激励もあって我々4人を置いてとっとと花立へ行ってしまったので、よくわからないのです。ただ、ニッカボッカでズンズン壁を登ってゆく両角さんは結構格好よかったです。
以降渋沢煉瓦亭で反省会&古屋さん強引なお誘いで2次会をこなし、帰宅したのは11時半。帰りの電車の中で(ちゃっかり翌日を休んでいる)平川さんに「明日仕事なの? ぼくは犬の散歩が仕事」と言われたのが悔しかった。
写真は源次郎(リハビリ)組のものからです。 8時15分大倉スタート。この「ライトスタッフ」みたいなアングル、好きです。
記録(西舘)は源次郎が始めて。思ったより手応えのある沢でした。
両角CLの判断で2ザイルで登ります。コースによっては混乱しています。
珍しい西舘2ショット。
久々の鷲田さんがF7をリード。ここが思いの外、きました。
花立到着は2時過ぎ。夏子さんも久々の登場です。
沖源組が来る前に記念写真。寒かった。
メンバー 古屋CL 橋本(SL・記録) 平川 門脇 作田
上林さんが行けなくなり、入れ替わりで作田さんが参加。
メンバー 中山 清野 須藤 森
メンバー 須藤CL 森(SL・記録)、中山、清野
今回は三班に分かれての集中山行である。沖ノ源次郎組は寺本さんが欠席のため4名となった。ベテラン2名と新人2名で花立山荘を目指す。
大倉から戸沢出会いまで一汗かいて小休止、支度後に水無本谷組に続いて出発する。本谷のF1で本谷組に追いつき、左から階段状を越えて先に行く。すぐにF2で、右壁と左の鎖から越える。F3でロープを出し、清野さんがリードで右から取り付き、ハング下で水流に向かって下がり気味にトラバースし直上する。支点の位置とシュリンゲの長さの関係で微妙なバランスのトラバースとなる。ここは、6月の登山教室の時は水流に近いところから取り付いたが、今回は寒くて水流に近づけない。階段状のF4を越えて、右に鎖の張られたF5に到着、今度は中山さんがリード、鎖沿いに短いロープをほぼ出し切って登る。二番手を登りビレイもする。4人が登り終わった所で直ぐ上の書策新道の手前で小休止する。その間、本谷組がF5を登って来るのを見つつロープの整理方法について復習する。若干課題があることにも気がつく。
書策新道を越えると直ぐにガラ場の左に沖ノ源次郎沢出会いが見えてくる。遠くから見ると本当に壁のように見える。F1の下でルートを確認し、須藤さんのビレイで中山さんがリードで登る。ここは左端から取り付き、中間の小テラスからやや右に斜上する。テラスから上はスタンス・ホールドとも外傾気味で緊張する。F2も中山さんがリードし、今度はF1の上の支点をそのまま使ってビレイをさせてもらう。ダブルで摩擦が強く出しづらい。ここも左端から取り付く。細いバンドまで上がり、大きく右にトラバースして右のクラックを上がる。バンドの右寄りの所に枯れ草の塊が張り付いていて、どうしても掴みたくなるが剥がれそうですごく嫌な感じである。バンドからクラックを上がるところの一歩がなかなか足を上げづらく難しい。また、落ち口直下の窪状の部分もホールドが丸くのっぺりしていて全く気が抜けない。F2の上からラストの清野さんをビレイするも、自己確保のシュリンゲとメインロープが交錯しやや混乱する。ロープの向きや体の方向の組み合わせが非常に多く、なかなかサッと出来ない。本当に課題は多い。なお、F1とF2は高さがほぼ同じだが、ルートの関係でF2の方がロープが余分に必要になる。F2の上に全員上ったところでまた休憩する。F1とF2でかなり時間が掛かってしまい、花立山荘前の予定時刻集合は早くも絶望的になる。
この後はひたすら沢通しに登っていく。途中一箇所厳しいところがあり左を小さく高巻く。笹藪がややうるさい。いくつか小滝を越え、後半は単調な上りになる。途中、清野さんが鹿の角を見つけ、ピッケル代わりに突き刺して登る。獣の匂いのする沢を最後まで忠実に詰めると、花立の先の金冷やしのキレットのあたりに飛び出した。予定していた源次郎沢の終了点の岩場よりもかなり上であった。登山道を少し下り、花立山荘前には1時間遅れの到着となる。寒いので登攀具を整理し直ぐに下山開始、大倉に直接向かう。大倉に着くとバスが待っていたので直ぐに乗車、渋沢駅で恒例の煉瓦亭になだれ込む。体調が今ひとつのため、反省会には参加せずに帰宅した(すみません!)。なお、持っていったアマチュア無線機は途中交信を試みるも受信できず、今後は運用方法に工夫が必要と感じた。
戸沢出会い(9:55)?本谷F1(10:23)?F2(10:31)?F3(10:48)?F4(11:15)?F5(11:29)?書策新道(11:55)?沖ノ源次郎沢出会い(11:55)?F1・F2登攀(12:00-13:30)?花立と金冷しの間の登山道(14:55)?花立山荘(15:06)?大倉(16:21)?渋沢駅煉瓦亭(16:50)
途中までは本谷と同ルート。写真は本谷F1を登る平川さん。(撮影・中山)
こちらは沖の源次郎沢F1を登る森さん。(撮影・中山)
写真3: 本谷F3をリードする清野さん。(撮影・森)
沖源F1をリードする中山さん。ビレイは須藤さん、見守る清野さん。(撮影・森)
沖源F1でピースサインを決める須藤さん。(撮影・森)
メンバー:両角CL、野口SL、須藤、森(記録)
今回の山行は、新人2名(須藤さんと森)の実践訓練の主旨で、距離
の短い石津窪を遡行した。両角さんにCLをお願いし、久しぶりに
野口さんも参加された(須藤さんと森は野口さんとは初顔合わせ)。
ルート読図と10月29日の鷹取山訓練の復習の意味も含めたロープワ
ークを実践した。
八王子駅南口に4名集合し、両角さんのジムニーで盆堀川に向かう。
林道駐車スペースで車を降りた途端に雨が降り出し、最初から重苦
しい空気のなか登攀具を準備して歩き始める。2万5千分の一の地
図を見ながら林道を奥へと進む。そのうちに雨も止み、日も差して
きて気分も晴れつつ石津窪出合いに到着、稜線までのルートを改め
て確認して遡行開始する。
小さなゴルジュを抜けるとすぐに最初の二俣が現れ、地図と遡行図
で確認して左へ進む(この沢は上部まで全て左に進む)。小さな枝
沢をいくつかやり過ごし、ほどなくF3(2段12m)が見えてくる。
ここで最初のロープを出す。両角さんがリードして順次登る。次の
F4(2段13m)は、下段8m(斜めの窪状)で念のためロープ
を出して登る。上段の5mは難しい。ルートは、センタの微妙なハ
ングを乗っ越すか、右の潅木を掴んで登る(いずれも4級)。ここで
腕が結構疲れる。そして核心のF5大滝(25m)に到着、滝下に
ハーケンを2本打ち(須藤さんと森)、野口さんのビレイで両角さ
んがリードで登る。落ち口直下の5mほどが水を浴びつつの登攀と
なり厳しい。かなり時間もかかり全員びしょ濡れになる。滝の上で
小休止し行動食を取って出発する。このあとは顕著な滝も無く、藪
っぽく倒木の多い源頭部を行くと終了点のケルンに着く。左の支尾
根に上がり、尾根通しに進むと登山道に合流した。
登山道との合流点で休憩し、登攀具をザックに入れて市道山に向け
て出発、かなり下って上り返し市道山の山頂に着く。日没も迫って
きているので休憩せずにそのまま千ガ沢への踏み跡を急下降、千ガ
沢を渡り返しながら下り、暗くなる直前に林道終点に到着する。材
木の積まれた作業場を越えて林道を歩き駐車スペースに戻った。
その後は八王子でいつもの通りの反省会となる。森は家庭の事情で
途中帰宅したが、野口さんと須藤さんは宿泊コースになった模様(
詳細は不明)。
八王子駅集合(8:00)?伝名沢出合い駐車スペース(9:51)?
石津窪出合い(10:40)?二俣(10:49)?F3(11:05-12:00)?
F4(12:20-13:00)?F5大滝(13:15-14:31)?ケルン(15:01)?
登山道(15:15-15:32)?市道山(16:05)?林道終点(16:40)?
駐車スペース(17:20)
石津窪は1時間で登れる小さな沢として紹介されていたが、とんで
もなかった。平川さんの「侮れません」という言葉が思い起こされ
た。特にF4とF5大滝は厳しく、想像していたよりも大幅に時間
が掛かった。一方、降水確率が90%だったので濡れて寒い遡行にな
ることを覚悟していたが、思ったより天気が良く、暑くも寒くもな
い快適な遡行だった。
ハーケンを打ったりビレイをしたり支点からの流動分散など、非常
に盛りだくさんの課題が出てきた。鷹取山で訓練していたが、実際
の現場ですぐに確実に出来るようになるにはまだまだ時間が掛かる
ことを改めて認識した。
石津窪遡行図(制作:須藤)
メンバー 両角(単独)
両角宅から清水橋まで車で30分。下部か棡葉窪(ユズリハクボ)、伝名沢、ナナメイリ沢、石仁田沢、市道沢、石津窪の各出合を確かめながら本流を遡上する。
チガ沢に入るとすぐ15m滝がある。易しいが滑りやすく高度感がある。この先は3カ所ほど登山道が沢を横切っている。
しばらくすると4段25mの滝下に出る。直登できそうだがひとりではやばいので少し戻って登山道に這い上がる。トライアルバイクが駆け上がって来たのにはびっくり。