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山行記録 カレンダー
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msc_kiroku2 2006-10-7 15:44
山域   奥秩父 笛吹川 鶏冠谷右俣遡行 (上越 ナルミズ沢からの転進) メンバー 清野(CL)、平川(SL,記録,装備)、小嶋(食当)、高森(食当)、門脇、須藤、上林、青木  8名    10月7日の16時半に新座駅に集合した8名は関越道に乗り一路上越に向かった。目的はナルミズの遡行である。出発時の埼玉県地方天気は晴れ。上越は雨模様の予報で念のための転進先として武尊山の川場谷を予定しての出発であった。しかし、翌々日の9日昼。僕らは奥秩父鶏冠谷右俣を 詰め上げた稜線に立っていたのだった。  この記録の始まりは10月6日にさかのぼって始めなければならない。今回の計画は6日夜発の万太郎と八久和川の計画が悪天候やメンバー不参加でポシャリ、双方が合流して計画を立て直しし た所から始まる。  6日出発時点の天気は上越、関東とも暴風雨。今夜中に出掛ける事は諦める他ない。メンバーに連絡を取っていると清野さんから合流したい旨のメールが入った。SLの須藤さんと調布で待ち合わせし、清野さんの意向を聞きながら結局1日出発を伸ばしてナルミズ行きを決めたのであった。  また、当日には腸炎で不参加表明していた青木さんが奇跡の復活し、2人乗りの軽カブリオレで新座に登場した。この日はとりあえず湯檜曽駅まで行く事を決めて車を走らせるが沼田の辺りから天候は悪化し、水上ではかなりの雨となっていた。明日のナルミズは絶望である事は明確な筈なのに、スーパーで宴会の買出しをする皆の表情はやけに明るい。鍋物の材料をしこたま買い込んで駅の待合室は騒がしい連中の宴場と化したのだった。  翌朝シュラフの中で目が覚めると外の様子が普通でない事に気がついた。まるで嵐の様相だ。シュラフから顔を出すのも億劫になり二度寝を決め込んだ。8時過ぎにだらだらと朝飯を食い、転進先を決める。川場谷も捨てきれないがこの様子では沼田も対して変わらないだろう。9時前に湯檜曽を出て関越に乗る。上越に掛かる雨雲から離れるにしたがって天気は回復してくるが、風の強さは強烈で武尊山は雲の中だ。途中のサービスエリアで協議した結果、一気に奥秩父まで戻る事を決定する。地形図や遡行図は持っている筈ないので、既に丹沢並みに知り尽くした鶏冠谷に転進となったのであった。上越から雁坂トンネルを抜けて東沢までは途中から天気も良くなり、オープントップの青木号は素晴らしく快適である。  村営駐車場には13時前に着いた。行楽シーズンで満車である。何とか駐車して13時15分にやっと今回の山行の出発となったのであった。鶏冠出合い迄の渡渉は増水している事もあって多少足を取られ気味だ。その鶏冠出合いには14時着。今日の目標は魚留めの滝上の幕営適地迄なので1時間もあれば着いてしまうと思われた。  鶏冠谷も水量は多くビューポイントの逆くの字滝は押し流されそうで巻く事になった。巻いたりナメを歩いたりを繰り返すうちに目指す天場が過ぎてしまった事に気がついたのは15時を回った頃だ。少し戻るか先を探すか迷う所だが先を行く事にする。鶏冠谷の地形は切り立った壁が多く8人が横になれる平地は少ない。16時に左俣との二股で台地を見つけ今日はここに幕を張る事にする。8人はきつい所だが時間も押しているしやむを得ない。その代わり乾いた薪は豊富だった。  今日は冷たい風が強く、盛大な焚き火が欲しいところだった。  夕食のメニューは変り種のビーフンだ。『食当を極めたい』という小嶋/高森コンビの立候補でお願いしたのだが、今回といい、前回の東黒沢といい、『ああ、食ったな』と言える満足感があった。ラーメンも良いがビーフンも美味い。一生ビーフンを主食にしても良いとさえ思った。  タープを強烈に煽る冷たい風は24時になってやっと止んだ。沢を覆う木々の間からは満月が覗き、真夜中の沢を不気味に照らしている。明日の晴天も期待できる夜空であった。  翌朝は寒くてどうにもならずに目が覚めた。昨日の天気とは打って変わって最高の秋晴れだ。昨夜同様、普段よりよっぽど朝飯らしい朝飯をご馳走になって8時50分に出発だ。今日は右俣を詰めるだけなので時間は掛からない。右俣は登攀性はないが綺麗なナメが続く所だ。振り返ると頂に僅かに雪をかぶった富士山が見えた。周囲の紅葉にはまだ2?3週間は掛かるだろう。  右俣は印象に残る所の少ない沢だが詰に入る支流から見た40mの棚は見事だった。ここからは石楠花の混じる踏跡を20分ほどの登りで12時に登山道に出る事ができた。徳ちゃん新道を下って林道には13時半、駐車場には14時に着くことが出来た。その後、定番になりつつある白龍閣に寄って2日間の汗を流す。連休帰りの渋滞を避けるために早めの帰路を急いだが、既に中央道は2時間の渋滞表示が出ている。今回の山行は歩いている時間より車の中にいる時間のほうが長そうだ。反省会は両角さんを交えて行う事になり、両角邸に車を置かせてもらう。一部は両角邸に更に1泊のビバークをした。  今回の山行は元々万太郎谷から転進した結果だが、個人的には万太郎はどうにも遠い谷になりつつあるようだ。昨年に続き2年越しの希望も叶わなかった。万太郎に限らず、上越そのものがどうもそのような感じである。来年は是非とも万太郎、湯檜曽本谷、笹穴沢辺りを目標にしたいところだ。

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msc_kiroku2 2006-9-16 23:44
メンバー:平川(CL・装備)、山本(SL)、須藤、小嶋(食当)、高森(食当)、森(記録) 当初予定のナルミズ沢からコースと日程を変更しての計画。天候が危ぶまれていたが集合当日はなんとか持ちこたえ、予定通り現地へと向かった。駐車場で身支度を整え9:20入渓。 東黒沢の最初の大きな滑滝。
水量も豊富。
きのこ発見!上流部にも沢山あるだろうと採らずに通過してしまう。結局ここだけ だった(残念!)。
こんな感じでどんどん遡行。
ちょっと応急手当中。
上部は倒木だらけ。このあと藪の深い鞍部を越えてウツボギ沢を下降。
ウツボギ沢下降中。広河原も間近。とてもよい雰囲気。14時過ぎに広河原に到着。早速タープを張って、薪を集めて盛大な炎を上げ盛り上がる。天気も悪くなく、翌日のナルミズ沢遡行も視野に入れて就寝。
翌朝、広河原にて。 翌朝明け方から雨が振り一旦はナルミズへの転進を断念しかけたが、天候が徐々に回復して再びナルミズ沢遡行を検討していた。ところが、森が突然腰痛になってまともに動けなくなり、全てを断念。白髪門下降も中止して登山道経由で宝川温泉に下ることに。一般登山道でも、森はハーネスをつけたまま時々お助けロープで補助してもらいながらひたすら降りていく。
温泉バス亭にて。11:20に宝川温泉バス停着。温泉には浸からず、荷物を整理して上毛高原行きのバスを待っている間に蝸牛の井上さんらもやってくる。そのうちバスが来て、途中バスを乗り換えて土合の先の駐車地点にたどり着く。谷川温泉ユテルメで汗を流し、近くで蕎麦を食べて帰路につき、新座駅前のファミレスでミニ反省会をして解散した。森の腰痛で当初の計画が実現できず、来シーズンの再遡行を心に誓った。

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msc_kiroku2 2006-9-2 22:09
メンバー:清野(CL) 砺波(記録) 8:00渋沢?8:30大倉?9:45戸沢?10:00源次郎沢?10:45F4?11:10F7?12:00花立?14:00F4?15:49山岳スポーツセンター?16:30渋沢 ○8時00分 渋沢駅集合。天候は、晴れ。湿度は、低め。山行には、心地よい気候である。渋沢駅で、戦闘糧食を追加する予定であったが、砺波記録係は、時間切れとなり、自宅にあったアミノバイタル、VARM、バランスデート、OREOというなんだか近代的な戦闘糧食での行動となる。 ○8時8分発の神奈中バスに乗車して、大倉を目指す。バスは、混雑のピークを過ぎているため、椅子に座っていくことができた。 ○8時30分 大倉に着いて、一路、林道を戸沢まで目指す。視界の左側の大倉尾根が、どんどん高度を稼いでいくのがよく分かる。まだ、20才になるかならないかのキスリングをかついでいる頃、丹沢の地図を見て、大倉尾根でさえ小屋が飽和しているのに、戸沢方面にこんなに小屋があって、大丈夫なのだろうか、といらぬ心配をしていた。その頃は、丹沢に、「沢」という未知の世界が広がっているとは、まだ知る由もなかった。そんなことを考えているうちに、源二郎沢の取付きに到着し、沢登り装備を装着。 ○10時00分 いよいよ、沢登りを開始するが、明るい沢のため、楽しく登る。F4には、先着パーティがいたため、高巻きして、通過する。F5では、左側をつっとってしまっているパーティがいたが、その右側をよじる。砺波記録係、ロープワークの練習をさぼっていたのか、ダブルエイトノットをできずにもたもたする。清野CLが先行し、砺波記録係をザイルで引き上げる。砺波記録係は、なんだか自分で登った感じがしなかった。早く、自分でよじれるようになりたいと思う。F7の看板の傍で、本流がどちらか迷い、あまりガレていないようにみえた左岸の沢を詰める。結局、ガレに埋まっており、源頭に出たところで、ルートミスを確信する。 ○11時30分 源次郎沢と沖ノ源次郎沢の間にある尾根で大休止。シカの糞を避けながら、糧食をとる。 ○12時00分 花立小屋に出る直前の稜線でマルバタケブキの群落を見つける。丹沢で、高山植物の群落をみるのは、砺波記録係は初めてであり、感動する。本来の源次郎沢よりちょっと上の稜線に出たところで、清野CLは正しい源次郎沢を下降することを決定する。砺波記録係は、沢登りはした経験は辛うじてあったが、沢を下降をしたことはないので、内心かなり焦っていた。 ○源次郎沢の下降を開始。下降といっても、途中までは水もなくただ単に山道でないところを下るだけで、思ったよりは楽であるものの、フェルト底が丹沢の赤土で良く滑って、おしりで下っているような状況であった。下降中、F9とF7で懸垂下降の練習をする。懸垂下降は、山行書籍や山の映画で読んでイメージはしていたものの、残置ロープをどういうふうに回収するかが昔年の謎であった。まさか、支点に引っかけて折り返して使うとは・・・これまでに見た映画等の自分なりの解釈がすべて変わってしまう可能性が・・・懸垂下降の外、登り返して登攀の練習を一部させていただきながら、下山となった。相変わらず、実力不足を引きずっており、次回への課題が山積みとなった。下山後、万年山渋沢店で反省会を実施。

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msc_kiroku2 2006-8-16 16:53
メンバー:門脇 清野 山本 重川(ブロッケン山の会) 正式な記録は山本さんからでますので、写真だけ先に。 アブ、ヤブ蚊、暑いのを除けばイワナも釣れたしとても美しい沢でした。ヒルの攻撃はありませんでした。あと3日めの夕立後の増水はすさまじいものでした。 【ブロッケンの重川氏からの写真】 室谷から一ノ俣沢経由、一尾根越えてこの沢を下降して今早出沢にでます。案外しょぼい。
のどかな今早出沢。これが2日後には大増水
2日目。割岩沢をへつりで遡行する。泳ぎ、へつりの連続。滝らしい滝はほとんどない。
夕沢手前の割岩沢の数少ない滝。
夕沢出合。割岩沢の左岸から合流する。
スラブの山ということがよくわかる。増水も早いのもうなずける。
ジッピが見える。
ジッピ入り口。
ジッピ出口。
北俣沢出合(右俣)。左は割岩沢本流。ここまでくると水量も少ない。
アブ(通称メジロ)。これは少ないほう。多いとこの10倍以上ザックにたかる。
3日目。夕立後30分でこの増水。
【清野写真説明(撮影順)】
室谷から一ノ岐沢経由して一尾根越えてようやく今早出沢到着 とにかく暑くて(標高300m程度)行水の一幕
割岩沢・・泳ぐ
泳ぐ
泳いでちょっと一休み
へつり泳ぐ
有名なジッピ入口・・幅2m長さ30m位のゴルジュ、逆V字谷
初めて釣ったイワナ(小さくてよく見えないが、うまかった)
アブの攻撃に辟易・・しばしの昼寝、防虫網必携、薄い服では さされるので、暑いのにカッパを着ている
夕立後30分で川幅10?15mがあっという間に1.5m水位が あがる。文字通り早出川!!

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msc_kiroku2 2006-8-15 16:51
CL清野・SL門脇・山本(記録・食当)・重川(ブロッケン山の会) 『早出川虻山考』 15日 東京発最終の新幹線は割と空いていた。門脇・重川・山本の3人でビールを呑みながら列車の旅を楽しむ。清野とは明日新潟駅で合流する予定で、今ごろ新潟の実家にいるはずだ。『今年の夏の一本』が早出川と決まったのは5月頃だったのではないか?諸般の事情で参加者が減ってしまい、3人では少し寂しいし荷物が重いので、ブロッケンの重川氏をお誘いする事となった。新潟駅では駅の外れにあるレンタカー屋の軒下に寝床を確保し、もう一杯だけ呑んでから横になった。 16日 5時半、迎えの清野車に乗り込み室谷を目指す。室谷の部落を過ぎ、室谷川沿いに上る。林道二俣の先で橋を渡った所に3台分ほどの駐車スペースが有る。早出川へ入るらしいパーティが先着しており沢支度をしていた。車を降りるといきなり暑い。既に数匹の虻のお出迎えだ。睡眠不足と暑さの所為か、ひどく体調が悪い。  軽量化に努めたつもりであったがかなり重い。共同装備を別けて8:10山道を登り始める。山越えをしなければ早出川には入れないのだ。朝露でびしょ濡れになりながらの急登。草いきれ。暑い。明瞭な踏み跡はいつの間にか沢沿いになり、ついに沢を登る事になった。どこかで道を失ったようだ。沢に入ると虻の数が増えてきた。黄緑色をした虻だ。やがて沢筋が消えて、右岸の尾根を登る。11:50やっと稜線に出た。皆、熱中症の一歩手前くらいだ。腰をおろして一息つく。山本は、途中で飲んだ水を全て吐いてしまった。頭がくらくらする。ここからは下りなので何とかなるだろう。コルまで下り、踏み跡を見つけて降りて行くと、沢に出た。赤ッパ沢だ。沢を下って13:30今早出川に降り立つ。此処までがホントに長く感じられた。  荷も重いので、此処に泊まってもよいかと気持ちは揺れたが、気を取り直して今出まで下る事にする。暑い・重い・水がぬるい・水が少ない・虻がうるさい。防虫ネットを被ってみたが、鬱陶しい上に視界が悪く落ち着かない。半袖のまま歩いたので腕を刺された。15:30今出着。バテた。  割岩沢に入ってすぐの左岸の河原にタープを張る。缶ビールを沢に沈めても、水温が高いのでちっとも冷えない。山深いのだが、標高は400mしかない。薪を集めて焚き火に取り掛かる。ベーコンとエリンギのバター炒めを作りビールをあけたが、虻が寄ってきて落ち着いて座っていられない。門脇が個人装備で持ってきた蚊帳をタープの下に張り、門脇・重川はすでに蚊帳に避難して呑んでいた。外での炊事も焚き火も諦め、皆蚊帳に入る。日が落ちて外気温が下がるまで虻は引かないようだ。水・食料・炊事道具などを蚊帳に持ち込み宴会する。  気が付くと蚊帳の外は虻だらけだ。いつの間にか浸入してくる虻を容赦なく、叩き潰す。ハエほど動きが素早くないので、指でもつまめる。蚊帳が無ければ一晩で顔の形が変わってしまうだろう。我々の後から入渓してきた男2人・女1人のパーティも到着し、出合いの河原に幕営したようだが、蚊帳を持っていなければ大変な夜になるだろう。考えただけでも恐ろしい。日が落ちてから蚊帳を脱け出し焚き火もしたが、しつこい虻に付きまとわれ落ち着かない。疲労も有って余り酒は進まず。 17日 5時起床。虻も早起きだ。蚊帳の中で炊事をして朝食を摂る。昼用の弁当をこしらえて各自弁当箱に詰める。のんびり雉など打っていてら大変な事になる。身支度も蚊帳の中で済ませて表に出る。7:15今出を出発。軽装で足取りも軽い。今日の予定は、割岩沢を釣りながらのんびり溯行し、北俣沢辺りまで行って同沢下降。長袖のシャツを着込み、防虫ネットを被る。門脇は、虻対策としてネオプレーンの長ズボンに雨具の上着を着込んでいる。ここまでするとかなり暑いはずだが、虻の餌食になるよりはマシという訳。  門脇・清野は歩き始めてすぐの淵から竿を出す。重川は、畳んでも長い竿は邪魔になるからと幕場に置いて来た。山本は初めから釣りをする気無しだ。岩魚は確かに走るのだが、なかなか釣れるものではないな。2時間くらい釣りをしていただろうか。門脇の竿は折れてしまい、清野の糸は絡まり、今日の釣りはここまでとなる。岩魚は眼下にうようよ居るのだが、我々にとっては観賞用の岩魚でしかないのだ。?ゴルジュを泳いでわたるはたのし?♪水がぬるいので、ネオプレーン無しでガバガバ水に入って快適だ。10:05やっと夕沢出合いに着く。魚釣りというのは、釣れても釣れなくても時間のかかるものだ。巨岩帯を越え、ゴルジュ帯も快適に泳いで通過する。平水位以下なのだろう。ひょうたん窪をざぶざぶ泳ぎ、11:45 200mスラブの前で昼食を摂る。  上手に炊けたご飯を握り飯にはせず、弁当箱にふんわりと詰めて、大きな梅干・いわしの佃煮・漬物・ふりかけ。味噌汁でも付けば云うこと無しだが、虻の沢ではそうもいかない。この沢は、とても綺麗なナメが残っており、青みがかった明るい緑色の沢床が目を楽しませてくれる。ほどなくジッピが現れる。ジッピは滝の後退現象だそうで、両手を広げると側壁に届くくらいの岩の割れ目だ。いくらか陽が差し込み、水面が光る。今は穏やかなジッピだが、増水したらどんな事になるのだろうか?  清野が空身でライジャを着けてリードする。流れはさほど強くは無いが、圧巻だ。ザックピストンで次々引き揚げる。12:55ジッピ上。この先少しゴルジュ帯が続き、再び綺麗なナメ床帯だ。北俣沢出合いで溯行を打ち切り、13:25下降開始.16:40幕場到着. 『虻深し、隣は何をする清野』  二日目の虻の夜。虻が静まってから焚き火する。少しは虻に慣れたのか? 否。昨日よりは酒がすすむ。8時過ぎには眠る。蚊帳に入る時、薮蚊や蚋が入り込み、寝ている間に刺されまくり手の甲がボコボコになった。痒みに耐えられなくなり皆起き出し、ヘッデンを点けて暫し藪蚊退治。 18日 5時半起床。昨日より涼しい所為か、幕場周辺の虻が少ない。今日の予定は、赤ッパ沢出合いに幕場を移し、今早出川を釣りながらのんびり溯行。はっきり言って、虻の所為ですっかり戦闘意欲喪失、溯行意欲をそがれてしまったのだ。7:40撤収して出発。沢を渡って今早出出合いの河原に上がった途端、虻の猛襲に合う。すさまじい虻だ。慌ててネットを被り雨具を着込む。清野は長袖の冬用の下着に長袖のシャツ。門脇は、昨日ジッピの泳ぎで防虫ネットを流されてしまい、雨具のフードを被っていたがそんなものじゃ虻には勝てない。ガチャ入れにしていたメッシュの袋を防虫網代わりにかぶりその上からヘルメット・雨具のフードで完全装備。赤ッパ沢に入りすぐの左岸に切り開かれた台地を見つけ幕営。10:00釣行に出発。釣竿は清野の1本だけなので釣りは清野に任せて、重川・山本は淵で泳いだり、枝沢の偵察に行ったりする。門脇は、何とか食べられそうな山菜を採って皮むきなどしていた。「釣りの才能が無い」と自負?していた清野だったが、なんと今回の初釣果。小ぶりでは有るが岩魚をゲット。生まれて初めて岩魚を釣ったとか。1匹釣れば釣り名人。今度は重川が竿を握る。暫くするともう少し大きいのを1匹上げてきた。こうなると仕方ない、私も釣らねば。深い淵の底まではっきりと見通せる。川底に張り付いて、大きいのや小さいのが列を作って並んでいる。下流に頭を向けてほとんど動かない。鼻先めがけて餌を落とすが見向きもしない。だんだん飽きてきてしまい、釣りは終わりにする。適性が無いのだと思う。  釣りをしていると時間がかかって、いくらも進まないうちに昼飯時になり弁当を食べる。ネットの中に侵入した虻に、耳を何箇所も刺されてしまい熱っぽい。雨具の上下を着込んでフードも被って、大岩の上に寝転んでいたらいつの間にか眠ってしまった。門脇が釣りを続けていたが釣れない様だ。何となく雲行きが怪しい。その後ものんびりと釣りながら歩き14:00下降開始。ポツポツ降り出してきた雨が、すぐに本降りになった。釣った魚を袋に入れて沢の途中にデポって来たのだが、10センチも増水したら流されてしまう。幕場の下には酒も冷やしているのだ。とにかく急いで下る。40分ほどで幕場に着いた時には土砂降りになった。酒も岩魚も無事に回収し、ずぶ濡れのままタープに潜り込む。物凄い雷雨だ。タープに溜まった雨水をコッフェルに受けて湯を沸かす。  タープのしたにも流れ込んでくるので、門脇が溝堀に出た。本流に目を向けると、川幅一杯に大増水し濁流と化していた。幕場にたどり着いて約30分後のことだ。この幕場は高台なので心配ないが、昨日まで泊まっていた河原は水没しているだろう。我々の下降が20?30分遅ければ、巻き込まれていたかもしれない。早出川の名前の通り、あっという間の増水だ。雨が上がり30分もすると、もういくらか水が引き始めているようだ。出るのも早いが、引くのも早い。外に出て濁流の写真を撮ったが上手く写ったかどうか?釣った魚はバター焼きにして酒のつまみとなった。焚き火で体を乾かして、仕上げにたぬき饂飩で温まる。21時頃寝る。 19日 5時起床。6:25出発。虻の川ともお別れだ。今日も天気は良い。赤ッパ沢から山道に入り7:22峠に出る。暑い。黄緑色の虻が寄ってくる。ここからは急なくだりで、随所にトラロープが有る。ここが正規のルートのようだが、これを登るのはかなりきつい。7:45沢の二俣に道が交わる。来る時は、ここで道を間違えて、真っ直ぐ沢沿いに進んでしまったようだ。ここからは沢沿いに下り、大滝・スラブ滝を右岸より大きく巻き下る。沢に戻ると再び虻に攻められる。沢を離れるところで、十分水浴びし3日間の汗と汚れを洗い流す。9:50車に戻る。お疲れ様!!今日も暑い。車で鹿瀬温泉へ向かい・・・・・  「MSCっていつもこんな事やってんの?」重川さん、誤解しないで下さい。こんな様なことはやりますが、いつもこんな酷い目に遭ってる訳では有りません。これに懲りずに、また御一緒下さい。今度ここへ来るなら秋でしょうね。虻のいない時期に再挑戦しましょう。
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