-
メンバー及び役割:古屋(CL)、戸田(記録)
記録:
15日23:00道の駅「みとみ」集合、ビバーク。
16日5:00起床 6:00西沢渓谷駐車場出発 6:35鶏冠谷出合 7:25奥ノ飯盛沢出合 8:25二俣 9:20二ノ沢 9:35三ノ沢
9:50 10mトイ状 11:00四ノ沢 11:30鶏冠尾根 13:00第3岩峰 14:55鶏冠谷出合 15:45駐車場
15日夜はそれぞれの車で道の駅に集合。先に着いた古屋さんはテントを張って飲み始めていた。私も梅酒をちびちび飲みながら24:00頃まで歓談後就寝。
16日朝食を済ませ、テントを撤収し、西沢渓谷駐車場へ移動。身支度を整え6時出発。鶏冠谷出合でハーネス、ガチャ類を装着し遡行開始。今回は私にとっての沢始め。それにしては少々厳しいのではないかと不安はあるものの、久しぶりに履いた沢靴の感触は、雪山とはまた違った緊張感を蘇らせてくれた。水が冷たいので、なるべく濡れたくない。水量も多いので二俣あたりで谷に日差しが差し込むまでは出来るだけ水流を避けて進んだ。
奥ノ飯盛沢出合
逆くの字の滝
陽が高くなると好んで水の中に入ったり、またスラブの登り方を確認したり、沢の出合などでは位置を確認しながら、ほぼ順調に進む。2ヶ所でロープを出し、古屋さんリードで登る。
最後のツメはガレの登りから次第に藪に変わり、最後は石楠花の藪こぎで鶏冠尾根に出た。道は明瞭で、赤や黄色のテープが細かく付けられている。下山靴に履き替え、次々出てくるピークを越え、途中第3岩峰では2段、17?8m懸垂下降をし、フィックスロープが設置された岩稜を次々下降し、最後は崩壊したガラ場をトラバースして下部の樹林帯に入った。樹林帯にもテープは付けられているが、踏み跡が突然なくなり周囲を探してルートを修正したところもあり、油断は禁物である。途中10人ほどのツアーらしい団体に道を譲ってもらう。古屋さんによると鶏冠山は山梨百名山とのことで、鶏冠山を往復するツアーがあるようだ。
標高が下がると薄いピンクの石楠花が咲き出していた。無事出合にもどり下山靴を脱ぎ、ドロだらけの沢靴を履くのを躊躇って、裸足で徒渉した。水は冷たく、河原を裸足で歩くのは山伏の修行のように厳しいものだった。横着な私は両手に靴下と下山靴をぶら下げて歩いていたら、最後の徒渉でぬめった石に足をとられ、またもやずぶ濡れになってしまった。靴下も靴も水に浸かり、痛い思いをして裸足で歩いたことが水の泡になった。靴下を履かずに素足に靴を履き、ほんの30分程の駐車場までの歩きで靴擦れが出来てしまった。沢は快適に登れて、下山もけっこうスリルがあり、迷路のような樹林帯も面白かったのに、私個人としては細かい行動面でいろいろ反省することが多かった。帰りは何度か立ち寄った事のある白龍閣の温泉で温まり解散となった。
記録:
15日23:00道の駅「みとみ」集合、ビバーク。
16日5:00起床 6:00西沢渓谷駐車場出発 6:35鶏冠谷出合 7:25奥ノ飯盛沢出合 8:25二俣 9:20二ノ沢 9:35三ノ沢
9:50 10mトイ状 11:00四ノ沢 11:30鶏冠尾根 13:00第3岩峰 14:55鶏冠谷出合 15:45駐車場
15日夜はそれぞれの車で道の駅に集合。先に着いた古屋さんはテントを張って飲み始めていた。私も梅酒をちびちび飲みながら24:00頃まで歓談後就寝。
16日朝食を済ませ、テントを撤収し、西沢渓谷駐車場へ移動。身支度を整え6時出発。鶏冠谷出合でハーネス、ガチャ類を装着し遡行開始。今回は私にとっての沢始め。それにしては少々厳しいのではないかと不安はあるものの、久しぶりに履いた沢靴の感触は、雪山とはまた違った緊張感を蘇らせてくれた。水が冷たいので、なるべく濡れたくない。水量も多いので二俣あたりで谷に日差しが差し込むまでは出来るだけ水流を避けて進んだ。
奥ノ飯盛沢出合
逆くの字の滝
陽が高くなると好んで水の中に入ったり、またスラブの登り方を確認したり、沢の出合などでは位置を確認しながら、ほぼ順調に進む。2ヶ所でロープを出し、古屋さんリードで登る。
最後のツメはガレの登りから次第に藪に変わり、最後は石楠花の藪こぎで鶏冠尾根に出た。道は明瞭で、赤や黄色のテープが細かく付けられている。下山靴に履き替え、次々出てくるピークを越え、途中第3岩峰では2段、17?8m懸垂下降をし、フィックスロープが設置された岩稜を次々下降し、最後は崩壊したガラ場をトラバースして下部の樹林帯に入った。樹林帯にもテープは付けられているが、踏み跡が突然なくなり周囲を探してルートを修正したところもあり、油断は禁物である。途中10人ほどのツアーらしい団体に道を譲ってもらう。古屋さんによると鶏冠山は山梨百名山とのことで、鶏冠山を往復するツアーがあるようだ。
標高が下がると薄いピンクの石楠花が咲き出していた。無事出合にもどり下山靴を脱ぎ、ドロだらけの沢靴を履くのを躊躇って、裸足で徒渉した。水は冷たく、河原を裸足で歩くのは山伏の修行のように厳しいものだった。横着な私は両手に靴下と下山靴をぶら下げて歩いていたら、最後の徒渉でぬめった石に足をとられ、またもやずぶ濡れになってしまった。靴下も靴も水に浸かり、痛い思いをして裸足で歩いたことが水の泡になった。靴下を履かずに素足に靴を履き、ほんの30分程の駐車場までの歩きで靴擦れが出来てしまった。沢は快適に登れて、下山もけっこうスリルがあり、迷路のような樹林帯も面白かったのに、私個人としては細かい行動面でいろいろ反省することが多かった。帰りは何度か立ち寄った事のある白龍閣の温泉で温まり解散となった。
山行形態:沢登り(アイゼントレーニング)
メンバー及び役割:山本(CL)、門脇、古屋、戸田
記録:
今回の山行は、山本、戸田が新しい冬靴を買ったのでその慣らしを目的に計画、の筈がいつの間にか、超豪華メンバー+αでのアイゼントレーニングになっていた。ついでに戸田のロープワーク短期集中も行われた。
門脇、山本、戸田の3人は、渋沢7:50発のバスに乗り込み大倉から戸沢に向かう。途中、古屋車にピックアップしてもらい、予定よりも早く行動を開始することができた。水量は意外に多めで、このところ渡渉で水に浸かってしまうのがお決まりの戸田は、きっちり雨具を着込む。10:00本谷F1に着く。今日はリードを全て戸田に任せる、という話になったらしい。できるかどうかは分からないが、こういうチャンスは滅多にないので、あまり深く考えずに与えられた役割を果たそうと思った。
本谷F1?F3、F5(ここは頑丈な鎖が設置されているのでリードもどき)と沖源F1のリードをやらせてもらった。最後は沖源F2を古屋リード、戸田セカンドで登り終了。懸垂下降2本で本谷に戻り、道の荒れた書策新道で下山。書策新道の入り口には通行止めの黄色テープが張られていた。16:00前には駐車場着。
本来の目的だった靴慣らしとしては、山本さんの靴はまるであつらえたように馴染んで、アイゼンとの相性も良かった様子。私のやっと手にした冬靴はというと…、まず朝バスに乗り込む際ベンチに置き忘れ、門脇さんが回収してくださり、下山時にお決まりのドボンで靴の中まで水が浸入し、靴下を濡らしてしまった。前途多難な感じではあるが、もっと履き慣らして馴染ませていこうと思う。
短期集中リード講習の感想としては、落ちないで良かった、の一言。一番手こずったのは沖源F1で、残置支点を探せずに下から指示してもらい、何とか1本目のカラビナにロープを掛けるまではヒヤヒヤした。支点は私が見つけられなかっただけで、他にも沢山あったと聞きびっくり。山にも遠近両用眼鏡が必要かも。なわけではなく、私に注意力がないだけでした。中間辺りでも動きが止まり、内心もう降りたい、ここで落ちたらどうなるか、との思いも沸くが、自分で登るより他に選択肢がないことに気づき、スタンスとホールドを何とか見つけて、恐る恐るアイゼンの前爪2本を突き立てて体重を移動し立ち込んだ。怖かった。無事に登り切ったときはほっとした。リードをする人はいつもこのような緊張感で登っていたのだと実感できた。大変貴重な訓練をしていただきありがとうございました。門脇さんからは、ガチャ類をもっとすっきりまとめて身につけるよう助言をいただいた。自分なりに工夫してみようと思う。
メンバー及び役割:山本(CL)、門脇、古屋、戸田
記録:
今回の山行は、山本、戸田が新しい冬靴を買ったのでその慣らしを目的に計画、の筈がいつの間にか、超豪華メンバー+αでのアイゼントレーニングになっていた。ついでに戸田のロープワーク短期集中も行われた。
門脇、山本、戸田の3人は、渋沢7:50発のバスに乗り込み大倉から戸沢に向かう。途中、古屋車にピックアップしてもらい、予定よりも早く行動を開始することができた。水量は意外に多めで、このところ渡渉で水に浸かってしまうのがお決まりの戸田は、きっちり雨具を着込む。10:00本谷F1に着く。今日はリードを全て戸田に任せる、という話になったらしい。できるかどうかは分からないが、こういうチャンスは滅多にないので、あまり深く考えずに与えられた役割を果たそうと思った。
本谷F1?F3、F5(ここは頑丈な鎖が設置されているのでリードもどき)と沖源F1のリードをやらせてもらった。最後は沖源F2を古屋リード、戸田セカンドで登り終了。懸垂下降2本で本谷に戻り、道の荒れた書策新道で下山。書策新道の入り口には通行止めの黄色テープが張られていた。16:00前には駐車場着。
本来の目的だった靴慣らしとしては、山本さんの靴はまるであつらえたように馴染んで、アイゼンとの相性も良かった様子。私のやっと手にした冬靴はというと…、まず朝バスに乗り込む際ベンチに置き忘れ、門脇さんが回収してくださり、下山時にお決まりのドボンで靴の中まで水が浸入し、靴下を濡らしてしまった。前途多難な感じではあるが、もっと履き慣らして馴染ませていこうと思う。
短期集中リード講習の感想としては、落ちないで良かった、の一言。一番手こずったのは沖源F1で、残置支点を探せずに下から指示してもらい、何とか1本目のカラビナにロープを掛けるまではヒヤヒヤした。支点は私が見つけられなかっただけで、他にも沢山あったと聞きびっくり。山にも遠近両用眼鏡が必要かも。なわけではなく、私に注意力がないだけでした。中間辺りでも動きが止まり、内心もう降りたい、ここで落ちたらどうなるか、との思いも沸くが、自分で登るより他に選択肢がないことに気づき、スタンスとホールドを何とか見つけて、恐る恐るアイゼンの前爪2本を突き立てて体重を移動し立ち込んだ。怖かった。無事に登り切ったときはほっとした。リードをする人はいつもこのような緊張感で登っていたのだと実感できた。大変貴重な訓練をしていただきありがとうございました。門脇さんからは、ガチャ類をもっとすっきりまとめて身につけるよう助言をいただいた。自分なりに工夫してみようと思う。
日程:2009年10月9日(金)夜発?12日(月)
山域:奥只見 大白沢シロウ沢ワカゴイ沢
山行形態:沢登り
メンバー及び役割:山本(CL) 清野(総合CL) 羽生田(装備) 木村(食当) 大浦(記録)
記録:
10月9日(金) JR青梅線中神駅9:30集合 関越道上で新座発の清野車と合流、道の駅ゆのたにでビバーク 10月10日(土)7:00道の駅出発、恋ノ岐川出会で恋ノ岐隊と別れ、鷹巣に戸田車を配置、清野車で砂子平に移動9:00入渓、21:30平ヶ岳沢を超えた地点でビバーク
10月11日(日) 7:00幕場出発 16:30 平ヶ岳山頂下300m地点でビバーク
10月11日(月) 7:00幕場出発 9:30 平ヶ岳山頂直下稜線 10:00 下山開始 14:00 鷹巣駐車場着 17:00 恋ノ岐隊下山、合流 小出で無事を祝い食事、帰京
今回は平ヶ岳集中山行の予定だったが、集中したのは鷹巣Pで日も暮れかかった夕方だった。直前の台風による増水、山行当日の2日連続の降雨降雪による低温の増水により、計画から1日以上遅れての下山、集中となった。パーティー間で連絡が取れず、互いに心配しあうことになり、通信手段の確保を検討すべきだと反省した。
10月10日(土)
天気予報によると雨は夜からとなっており、入渓後は天気が良かったので、釣りやキノコ採りをしながら遡行する。ノロノロと進むが、ガイド本の斜め読みで得た情報では、ゴルジュが2つほどあるが、ちょっと悪い個所が続いているだけの沢、となめ切っているので、全く緊張感がない。これがあとで災いするとは、能天気な我らには想像すらできなかった。
クロウ沢出会12:00 ここまでは川原歩き、へつりでやってくる。水量はやや多いと思うぐらいで特に問題はない。しかしここから厳しくなる。平水なら問題のない個所にも時間がかかり、遡行速度が鈍る。最初の核心部、80 mゴルジュと思ったところが、実は前衛のミニゴルジュで、ここでやや難渋し既に夕刻。80mゴルジュに突入したのは夕刻であったが、ここを抜けたら焚き火とビバークが待っていると思い、気合が入る。が、増水したゴルジュは遡行者を撃退するかのように、圧倒的な流量で立ちはだかる。小さな滝にも手を焼き、流水を避けながらの遡行と登攀はひどく消耗する。清野が白濁する激流の難所の上を軽々とフリーで突破、ルート工作しパーティーをリードする。山本は既に暗くなった壁を微妙なバランスで攀り、要所で堅固なネイリングをし、ロープを伸ばす。なんと見事な連中だろう。ギャラリーが少ないのが残念だ。雨に濡れ震えながらもスタンディングオベーションを送る。だが、なぜこんなところでこんなことをやっているのだろう? ジリジリと前進するが、墨を流したような漆黒の闇に包まれ、現在地すら判然としない。が、どうやら80mゴルジュは突破したようだ。だが、目の前には滝が豊富な水量で落ちており、最早今日はここまでと諦め、樹林帯にビバークサイトを求めるため、高巻き準備をはじめる。密藪の急斜面に寝られる場所があるのか?平地で横になりたいぞ!と思い、ヘッドライトの照度を上げて滝の右側を見ると、フリーで越えられそうな容易な壁だ。一挙に越えると、やや開けた渓相になる。既に20時は過ぎているが、このまま進めば広河原で快適なビバークサイトが得られるかも知れないと思い、さらに前進する。二俣を分け、小さな二条滝を超えると、上部がピナクルに見える2段の滝が現れる。ガイド本によれば18m2段滝だ。下段は容易で、上段はスメアリングで越えられるだろうと思いとりつくが、濡れた花崗岩に歯が立たず墜落敗退。滝から少し下ったところでビバークすることに決定。既に21:00を過ぎている。ビバーク準備、食事を終え、酒を飲みながら歓談していると23:00を過ぎている。明日正午には山頂に抜けるため就寝。雨は間欠的に降っているが、空は満天の星空だ。不思議な天気だ。ビバークサイトは川原に近いので、増水を気にしながら眠る。
かご渡しで入渓
この後の展開を知らず、のんきになめこを採っていた頃
ゴルジュとカン違いした滝
80mゴルジュに突入
明るいうちに突破したのは最初の滝だけ、以降暗闇の中の登攀が続く・・・
10月11日(日)
今日は晴れのはずだったが雨天だ。濡れた服に着替え7:00出発。昨夜墜落したピナクルに取りつくが明るくなっただけで、状況は変わらない。ピトンスカーより細いシンクラックを見つけ、ハンマーを支点にして何とか突破する。
この後、赤芝沢出会いを超え、ワカゴイ沢に入る。平水なら簡単に突破できるらしい滝が連続するが、とても取りつけそうにない。高巻き、懸垂下降を幾度も繰り返す。高巻きの度に、1?2時間を要する。密藪、急斜面の登り、脆弱な草付、藪の中の懸垂下降で時間だけが飛び去って行く。沢を見失わないように、懸垂下降で流れの近くに戻るが、低温の大水量に何度も高巻きを余儀なくされ、第2の核心部のゴルジュはほとんど高巻きに終始した。この沢の高巻きは滝の直登よりはるかに悪いだろう。ほとんど踏み跡のない笹藪や泥が乗ったスラブを木につかまりながら登り、下る。握力、腕力を要する辛い高巻きが続き、夕刻が近づく。久々に登れそうな10m滝を左から登ると、また小さいが突破できそうにないゴルジュが現れる。既に山頂直下の稜線に近付いているはずだが、稜線はまだ見えない。高巻きに入り、下降に移るところで雪に覆われた稜線が見えた。道理で水が冷たいはずだ。雪を見て、登頂を諦めた。テントを持たずに雪に対峙
できるはずもない。恋ノ岐隊との合流はすでに予定より4時間以上遅れているが諦め、今夜のビバークの心配をする。さいわい、平らな場所が見つかり、喜びながら焚き火の準備をするが、降り続く雨でどうしても焚き火にならない。タープにツェルトを内張りし、快適なビバーク場所に仕立て体を温める。恋の岐隊は無事だろう
か?気にはなるが、安否の確認のしようもない。雨も知らないうちに上がったようで、天気は回復傾向にあるようだ。明日は快晴であることを願いつつ眠りに就く。
朝一番、大浦氏気合いのクライミング、大浦の滝と命名されました
時にはこんなことも
どの滝も水量が多くて近付けません
凍る指先に喝を入れてシャワークライミング
寒いよ?
10月12日(月)
5:00起床。快晴、非常に寒い。朝3時の時点では霜が降り、岩がベルグラのようになっていた。7時幕場を出発。最後の大きな滝を高巻き、小滝をいくつも越えると笹の密藪に雪が乗った斜面がフィナーレだ。ガイド本によると快適な草原を山頂に導かれるはずなのだが、非常に難渋する。9:30山頂直下稜線に出る。恋ノ岐隊は既に下山しているだろう。山頂へは行かず、おそらく先に降りているはずの鷹巣Pに向けて10:00に下山を開始する。登り返しの多い退屈な道だが、時折展望が開け紅葉を愛でる。羽生田がトレランの快足を飛ばして先に下山する。残るメンバーはそれぞれmy最高速で下る。14:00鷹巣P着。恋ノ岐隊が下山した様子はない。周辺は携帯電話の通話可能圏外なので、近所の店に行き衛星電話を借りて連絡を取ろうとする。相手も圏外にいるのだろう、話中音と留守録メッセ―ジしか返ってこない。手を尽くしたが、あとは無線機を受信にして開局放置し、恋の岐隊からの連絡を待つこと以外に選択肢がなくなる。15:30白川のコールで恋ノ岐隊の無事を知る。17:00鷹巣Pで合流。てっきりワカゴイ隊の登頂を待ち、姫の池付近で寒い夜に耐えて待っていたが、ワカゴイ隊に追い抜かれて集中できなかった、と思っていた。実は恋ノ岐川も増水で思うように遡行できなかったことが遅延の原因になったと判明。小出まで下り、全員の無事を祝って夕食。時間がないので温泉には入れず、20:00解散、関越道をひた走り、帰京する。
最終日、ようやく青空が
山頂付近は雪!
山域:奥只見 大白沢シロウ沢ワカゴイ沢
山行形態:沢登り
メンバー及び役割:山本(CL) 清野(総合CL) 羽生田(装備) 木村(食当) 大浦(記録)
記録:
10月9日(金) JR青梅線中神駅9:30集合 関越道上で新座発の清野車と合流、道の駅ゆのたにでビバーク 10月10日(土)7:00道の駅出発、恋ノ岐川出会で恋ノ岐隊と別れ、鷹巣に戸田車を配置、清野車で砂子平に移動9:00入渓、21:30平ヶ岳沢を超えた地点でビバーク
10月11日(日) 7:00幕場出発 16:30 平ヶ岳山頂下300m地点でビバーク
10月11日(月) 7:00幕場出発 9:30 平ヶ岳山頂直下稜線 10:00 下山開始 14:00 鷹巣駐車場着 17:00 恋ノ岐隊下山、合流 小出で無事を祝い食事、帰京
今回は平ヶ岳集中山行の予定だったが、集中したのは鷹巣Pで日も暮れかかった夕方だった。直前の台風による増水、山行当日の2日連続の降雨降雪による低温の増水により、計画から1日以上遅れての下山、集中となった。パーティー間で連絡が取れず、互いに心配しあうことになり、通信手段の確保を検討すべきだと反省した。
10月10日(土)
天気予報によると雨は夜からとなっており、入渓後は天気が良かったので、釣りやキノコ採りをしながら遡行する。ノロノロと進むが、ガイド本の斜め読みで得た情報では、ゴルジュが2つほどあるが、ちょっと悪い個所が続いているだけの沢、となめ切っているので、全く緊張感がない。これがあとで災いするとは、能天気な我らには想像すらできなかった。
クロウ沢出会12:00 ここまでは川原歩き、へつりでやってくる。水量はやや多いと思うぐらいで特に問題はない。しかしここから厳しくなる。平水なら問題のない個所にも時間がかかり、遡行速度が鈍る。最初の核心部、80 mゴルジュと思ったところが、実は前衛のミニゴルジュで、ここでやや難渋し既に夕刻。80mゴルジュに突入したのは夕刻であったが、ここを抜けたら焚き火とビバークが待っていると思い、気合が入る。が、増水したゴルジュは遡行者を撃退するかのように、圧倒的な流量で立ちはだかる。小さな滝にも手を焼き、流水を避けながらの遡行と登攀はひどく消耗する。清野が白濁する激流の難所の上を軽々とフリーで突破、ルート工作しパーティーをリードする。山本は既に暗くなった壁を微妙なバランスで攀り、要所で堅固なネイリングをし、ロープを伸ばす。なんと見事な連中だろう。ギャラリーが少ないのが残念だ。雨に濡れ震えながらもスタンディングオベーションを送る。だが、なぜこんなところでこんなことをやっているのだろう? ジリジリと前進するが、墨を流したような漆黒の闇に包まれ、現在地すら判然としない。が、どうやら80mゴルジュは突破したようだ。だが、目の前には滝が豊富な水量で落ちており、最早今日はここまでと諦め、樹林帯にビバークサイトを求めるため、高巻き準備をはじめる。密藪の急斜面に寝られる場所があるのか?平地で横になりたいぞ!と思い、ヘッドライトの照度を上げて滝の右側を見ると、フリーで越えられそうな容易な壁だ。一挙に越えると、やや開けた渓相になる。既に20時は過ぎているが、このまま進めば広河原で快適なビバークサイトが得られるかも知れないと思い、さらに前進する。二俣を分け、小さな二条滝を超えると、上部がピナクルに見える2段の滝が現れる。ガイド本によれば18m2段滝だ。下段は容易で、上段はスメアリングで越えられるだろうと思いとりつくが、濡れた花崗岩に歯が立たず墜落敗退。滝から少し下ったところでビバークすることに決定。既に21:00を過ぎている。ビバーク準備、食事を終え、酒を飲みながら歓談していると23:00を過ぎている。明日正午には山頂に抜けるため就寝。雨は間欠的に降っているが、空は満天の星空だ。不思議な天気だ。ビバークサイトは川原に近いので、増水を気にしながら眠る。
かご渡しで入渓
この後の展開を知らず、のんきになめこを採っていた頃
ゴルジュとカン違いした滝
80mゴルジュに突入
明るいうちに突破したのは最初の滝だけ、以降暗闇の中の登攀が続く・・・
10月11日(日)
今日は晴れのはずだったが雨天だ。濡れた服に着替え7:00出発。昨夜墜落したピナクルに取りつくが明るくなっただけで、状況は変わらない。ピトンスカーより細いシンクラックを見つけ、ハンマーを支点にして何とか突破する。
この後、赤芝沢出会いを超え、ワカゴイ沢に入る。平水なら簡単に突破できるらしい滝が連続するが、とても取りつけそうにない。高巻き、懸垂下降を幾度も繰り返す。高巻きの度に、1?2時間を要する。密藪、急斜面の登り、脆弱な草付、藪の中の懸垂下降で時間だけが飛び去って行く。沢を見失わないように、懸垂下降で流れの近くに戻るが、低温の大水量に何度も高巻きを余儀なくされ、第2の核心部のゴルジュはほとんど高巻きに終始した。この沢の高巻きは滝の直登よりはるかに悪いだろう。ほとんど踏み跡のない笹藪や泥が乗ったスラブを木につかまりながら登り、下る。握力、腕力を要する辛い高巻きが続き、夕刻が近づく。久々に登れそうな10m滝を左から登ると、また小さいが突破できそうにないゴルジュが現れる。既に山頂直下の稜線に近付いているはずだが、稜線はまだ見えない。高巻きに入り、下降に移るところで雪に覆われた稜線が見えた。道理で水が冷たいはずだ。雪を見て、登頂を諦めた。テントを持たずに雪に対峙
できるはずもない。恋ノ岐隊との合流はすでに予定より4時間以上遅れているが諦め、今夜のビバークの心配をする。さいわい、平らな場所が見つかり、喜びながら焚き火の準備をするが、降り続く雨でどうしても焚き火にならない。タープにツェルトを内張りし、快適なビバーク場所に仕立て体を温める。恋の岐隊は無事だろう
か?気にはなるが、安否の確認のしようもない。雨も知らないうちに上がったようで、天気は回復傾向にあるようだ。明日は快晴であることを願いつつ眠りに就く。
朝一番、大浦氏気合いのクライミング、大浦の滝と命名されました
時にはこんなことも
どの滝も水量が多くて近付けません
凍る指先に喝を入れてシャワークライミング
寒いよ?
10月12日(月)
5:00起床。快晴、非常に寒い。朝3時の時点では霜が降り、岩がベルグラのようになっていた。7時幕場を出発。最後の大きな滝を高巻き、小滝をいくつも越えると笹の密藪に雪が乗った斜面がフィナーレだ。ガイド本によると快適な草原を山頂に導かれるはずなのだが、非常に難渋する。9:30山頂直下稜線に出る。恋ノ岐隊は既に下山しているだろう。山頂へは行かず、おそらく先に降りているはずの鷹巣Pに向けて10:00に下山を開始する。登り返しの多い退屈な道だが、時折展望が開け紅葉を愛でる。羽生田がトレランの快足を飛ばして先に下山する。残るメンバーはそれぞれmy最高速で下る。14:00鷹巣P着。恋ノ岐隊が下山した様子はない。周辺は携帯電話の通話可能圏外なので、近所の店に行き衛星電話を借りて連絡を取ろうとする。相手も圏外にいるのだろう、話中音と留守録メッセ―ジしか返ってこない。手を尽くしたが、あとは無線機を受信にして開局放置し、恋の岐隊からの連絡を待つこと以外に選択肢がなくなる。15:30白川のコールで恋ノ岐隊の無事を知る。17:00鷹巣Pで合流。てっきりワカゴイ隊の登頂を待ち、姫の池付近で寒い夜に耐えて待っていたが、ワカゴイ隊に追い抜かれて集中できなかった、と思っていた。実は恋ノ岐川も増水で思うように遡行できなかったことが遅延の原因になったと判明。小出まで下り、全員の無事を祝って夕食。時間がないので温泉には入れず、20:00解散、関越道をひた走り、帰京する。
最終日、ようやく青空が
山頂付近は雪!