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日程:2009年7月24日(金)夜発?7月25日(土)
山域:小川山
山行形態:訓練山行 岩登り
メンバー及び役割:古屋(CL),寺本(SL),木村,菅原(記録)
新松田駅に集合し、21:50 古屋車で出発。中央高速を須玉ICで下り、R141を清里方面へ。0:25野辺山駅着。雨は止んでいるが、曇り空である。駅の待合室の灯りはすでに消え、人っ子ひとりいない。こぢんまりとした綺麗な駅である。駅前には「標高1345米JR最高駅」の標柱が立つ。今夜はここでステーションビバークである。
小川山は日本のフリークライミング発祥の地と言われ、広大なエリアを持つ。ルート総数約700本、あの湯河原幕岩が約370本だから、その大きさがよくわかる。小川山は私と寺本、木村は初めて、古屋は今回で4回目であるという。
翌日、6:10 野辺山駅を出発。出発時は霧雨であったが、川上村の奥に入ると雨は降っておらず、道路は乾いている。6:40 廻り目平キャンプ場着。ここは白樺の多い明るい森に囲まれた雰囲気の良いキャンプ場である。周りには花崗岩の岩峰群がそそり立ち、空には青空が見える。
朝食後、「左岸スラブ」に移動し、「トムといっしょ」というルートにトップロープをかけ、クライミングを開始する。
「トムといっしょ」 5.10a 8:00 ? 10:20
空には青空が広がり、白い雲が勢いよく流れている。日差しが強く、汗ばむほどである。次は隣に移り、二つのスラブルートにトップロープを垂らす。まずは「ジャーマンスープレックス」である。
「ジャーマンスープレックス」 5.10c 10:20 ? 12:00
スラブはホールドが細かく、難しい。ここで「トムといっしょ」のトップロープを古屋が回収し、日陰に入り、昼食とする。正面に広がる岩場にマルチルートを登っている男女の二人組が見える。木村が「私もやりたいな」と言う。このルートは「春のもどり雪」といい、4ピッチ5.7である。古屋が今後のために取り付き点を見てくる。昼食後はもう一つのスラブに挑戦する。
「ブラック&ホワイト」 5.10a 13:00 ? 14:20
ここのホールドも細かいが、私にとっては「ジャーマンスープレックス」よりはリードができる可能性がある。ここでエリアを変えて「父岩」へ移動する。林道を戻り、ケルンがある所を右に入って沢を二つ渡り、急坂を上っていく。「父岩」の「小川山ストーリー物語」というルートである。
「小川山物語」 5.9 14:50 ? 17:00
ここは垂壁ではないがフェイスの長いルートである。私がリードに挑戦するが、プロテクションが遠く、ランアウトするかと思うと急にモチベーションが下がり、情けないことにプロテクションを二つとって交代する。次の寺本もプロテクションを二つとって古屋に交代。古屋はテンションをかけながらも粘りに粘って、残りのプロテクションを四つとって終了点を掴み、トップロープをセットする。トップロープで木村、次に再度私がトライする。私は、トップロープとはいえ、初めての小川山クライミングの最後を完登で飾ることができ、これも古屋のお陰である。次回はモチベーションを上げて、リードで完登しようと思う。
私にとっては伊豆の城山で怪我して以来、久しぶりの外岩であり、緊張もしたが、楽しくもあった。自然の岩の感触、人口壁にはない開放感と楽しさを十分味わうことができた。トップロープを全部かけてもらうなど、ガイドのように動いてくれた古屋に感謝したい。
帰り支度をして、17:45 廻り目平キャンプ場を発つ。途中、河口湖町の店で、冷奴と煮山椒をつまみに生ビールで祝杯を挙げ、美味しい穴子天丼を食い、「秋口にでもまた来ましょう。今度はキャンプ場にテント泊で」と話がまとまった。
「トムといっしょ」を登る寺本
「小川山物語」をリードする寺本
山域:小川山
山行形態:訓練山行 岩登り
メンバー及び役割:古屋(CL),寺本(SL),木村,菅原(記録)
新松田駅に集合し、21:50 古屋車で出発。中央高速を須玉ICで下り、R141を清里方面へ。0:25野辺山駅着。雨は止んでいるが、曇り空である。駅の待合室の灯りはすでに消え、人っ子ひとりいない。こぢんまりとした綺麗な駅である。駅前には「標高1345米JR最高駅」の標柱が立つ。今夜はここでステーションビバークである。
小川山は日本のフリークライミング発祥の地と言われ、広大なエリアを持つ。ルート総数約700本、あの湯河原幕岩が約370本だから、その大きさがよくわかる。小川山は私と寺本、木村は初めて、古屋は今回で4回目であるという。
翌日、6:10 野辺山駅を出発。出発時は霧雨であったが、川上村の奥に入ると雨は降っておらず、道路は乾いている。6:40 廻り目平キャンプ場着。ここは白樺の多い明るい森に囲まれた雰囲気の良いキャンプ場である。周りには花崗岩の岩峰群がそそり立ち、空には青空が見える。
朝食後、「左岸スラブ」に移動し、「トムといっしょ」というルートにトップロープをかけ、クライミングを開始する。
「トムといっしょ」 5.10a 8:00 ? 10:20
空には青空が広がり、白い雲が勢いよく流れている。日差しが強く、汗ばむほどである。次は隣に移り、二つのスラブルートにトップロープを垂らす。まずは「ジャーマンスープレックス」である。
「ジャーマンスープレックス」 5.10c 10:20 ? 12:00
スラブはホールドが細かく、難しい。ここで「トムといっしょ」のトップロープを古屋が回収し、日陰に入り、昼食とする。正面に広がる岩場にマルチルートを登っている男女の二人組が見える。木村が「私もやりたいな」と言う。このルートは「春のもどり雪」といい、4ピッチ5.7である。古屋が今後のために取り付き点を見てくる。昼食後はもう一つのスラブに挑戦する。
「ブラック&ホワイト」 5.10a 13:00 ? 14:20
ここのホールドも細かいが、私にとっては「ジャーマンスープレックス」よりはリードができる可能性がある。ここでエリアを変えて「父岩」へ移動する。林道を戻り、ケルンがある所を右に入って沢を二つ渡り、急坂を上っていく。「父岩」の「小川山ストーリー物語」というルートである。
「小川山物語」 5.9 14:50 ? 17:00
ここは垂壁ではないがフェイスの長いルートである。私がリードに挑戦するが、プロテクションが遠く、ランアウトするかと思うと急にモチベーションが下がり、情けないことにプロテクションを二つとって交代する。次の寺本もプロテクションを二つとって古屋に交代。古屋はテンションをかけながらも粘りに粘って、残りのプロテクションを四つとって終了点を掴み、トップロープをセットする。トップロープで木村、次に再度私がトライする。私は、トップロープとはいえ、初めての小川山クライミングの最後を完登で飾ることができ、これも古屋のお陰である。次回はモチベーションを上げて、リードで完登しようと思う。
私にとっては伊豆の城山で怪我して以来、久しぶりの外岩であり、緊張もしたが、楽しくもあった。自然の岩の感触、人口壁にはない開放感と楽しさを十分味わうことができた。トップロープを全部かけてもらうなど、ガイドのように動いてくれた古屋に感謝したい。
帰り支度をして、17:45 廻り目平キャンプ場を発つ。途中、河口湖町の店で、冷奴と煮山椒をつまみに生ビールで祝杯を挙げ、美味しい穴子天丼を食い、「秋口にでもまた来ましょう。今度はキャンプ場にテント泊で」と話がまとまった。
「トムといっしょ」を登る寺本
「小川山物語」をリードする寺本
日程:2009年7月4日(土)夜発?6日(月)
山域:前穂北尾根
山行形態:岩登り
メンバー及び役割:木村(記録)、H(会員外)
記録:
7月5日 沢渡の駐車場から出ているバスに乗り上高地まで行く。天気は曇り時々晴れ。久々にフル装備のザックなので重たい。日曜日だからか意外と人が少ない。8時に歩きはじめ、ゆっくりペースで13時頃には涸沢に到着した。涸沢はまだ残雪で埋っており、最後の2?300mは試しに雪渓用に購入した10本爪アイゼンをつけて歩いてみた。底の柔らかい靴だと、装着感はいまひとつ。テントを張ってルートの下見に行く。5・6のコル直下までバッチリ雪がついている。今年は雪解けが遅いようだ。曇り空だがはっきりと北尾根のラインが見える。晴れていれば行けそうな感じ。小屋の人に聞いてみると、まだ残雪期以降は誰も入ってないとのこと。岳沢側は悪いところがあるので気をつけたほうがいいと言っていた。とにかく明日の天気次第、二人とも初めてなのでガスっているとルートが分かりづらいかもしれない。テン場には自分達のテントを含めて3張り、小屋に泊まる客も少ないようだ。まだバッチリ雪が残っているのでシュラフにもぐっても意外と冷える。明日の天気を祈って就寝。
5・6のコルまでは雪がバッチリついている
7月6日 2時頃雨の音で目覚めた。うーむ、なかなか絶望的な朝である。小雨がパラつく程度だが、周りはガスっていて何も見えない。今回はすぐに諦めた。天気の良い時にサクッと登りたいルートだもんね。下山にパノラマ新道でも下ってみようかと思ったが、小屋の人にまだ通行止と言われモチベーションが一気に低下、昨日と同じ道をひたすら下る。一応冬のためにと明神東稜の取付きを偵察する。小屋の裏の小川を渡って樹林帯を登っていくようだ。今日の天気はまさに梅雨時の上高地といった感じで雨は降ったり止んだり、時折晴れ間もみせるが山の上は雲で覆われたまま。今回の教訓は、梅雨時に天気をつかまえるのはかなり難しい。今年2回目のチャレンジだがまたしても撤退する破目に・・・いつか快適に登りたいものだ。
すっかり戦意喪失した二人組は上高地観光に転進。明神池は造園学を学んだ者にとって感嘆すべき庭園だった。いつかはやってみたいと思っていた夢の帝国ホテル(門脇さんの言うあれではないですよ)でお茶をして、白骨温泉の湯につかり今回の山旅をしめくくった。
明神池の幻想的な風景
帝国ホテルのチーズケーキは絶品!
山域:前穂北尾根
山行形態:岩登り
メンバー及び役割:木村(記録)、H(会員外)
記録:
7月5日 沢渡の駐車場から出ているバスに乗り上高地まで行く。天気は曇り時々晴れ。久々にフル装備のザックなので重たい。日曜日だからか意外と人が少ない。8時に歩きはじめ、ゆっくりペースで13時頃には涸沢に到着した。涸沢はまだ残雪で埋っており、最後の2?300mは試しに雪渓用に購入した10本爪アイゼンをつけて歩いてみた。底の柔らかい靴だと、装着感はいまひとつ。テントを張ってルートの下見に行く。5・6のコル直下までバッチリ雪がついている。今年は雪解けが遅いようだ。曇り空だがはっきりと北尾根のラインが見える。晴れていれば行けそうな感じ。小屋の人に聞いてみると、まだ残雪期以降は誰も入ってないとのこと。岳沢側は悪いところがあるので気をつけたほうがいいと言っていた。とにかく明日の天気次第、二人とも初めてなのでガスっているとルートが分かりづらいかもしれない。テン場には自分達のテントを含めて3張り、小屋に泊まる客も少ないようだ。まだバッチリ雪が残っているのでシュラフにもぐっても意外と冷える。明日の天気を祈って就寝。
5・6のコルまでは雪がバッチリついている
7月6日 2時頃雨の音で目覚めた。うーむ、なかなか絶望的な朝である。小雨がパラつく程度だが、周りはガスっていて何も見えない。今回はすぐに諦めた。天気の良い時にサクッと登りたいルートだもんね。下山にパノラマ新道でも下ってみようかと思ったが、小屋の人にまだ通行止と言われモチベーションが一気に低下、昨日と同じ道をひたすら下る。一応冬のためにと明神東稜の取付きを偵察する。小屋の裏の小川を渡って樹林帯を登っていくようだ。今日の天気はまさに梅雨時の上高地といった感じで雨は降ったり止んだり、時折晴れ間もみせるが山の上は雲で覆われたまま。今回の教訓は、梅雨時に天気をつかまえるのはかなり難しい。今年2回目のチャレンジだがまたしても撤退する破目に・・・いつか快適に登りたいものだ。
すっかり戦意喪失した二人組は上高地観光に転進。明神池は造園学を学んだ者にとって感嘆すべき庭園だった。いつかはやってみたいと思っていた夢の帝国ホテル(門脇さんの言うあれではないですよ)でお茶をして、白骨温泉の湯につかり今回の山旅をしめくくった。
明神池の幻想的な風景
帝国ホテルのチーズケーキは絶品!
日程:2009年6月16日(火)?17日(水)
山域:烏帽子沢奥壁 中央カンテ
山行形態:岩登り
メンバー及び役割:古屋(CL)、Hさん(SL)
記録:
前日は南稜を快適に登攀。先に帰宅する木村さん他一名をみなかみ駅まで送り、私達は登山指導センターでビバーク。ロープウェー駅は点検のためか閉まっていた。指導員さんは20時で帰っていった。指導センターは初めて泊まったがなかなか快適、ロープウェイ駅より静かで良い。
16日(火) 4時起床、5時過ぎに出発 車にて一の倉駐車場まで。本日も昨日に続き他にクライマーはいない様子。天候も昨日と同じような状況。この時点ではまさか激しい雷雨に見舞われるとは予想もしていなかったが・・・・・・・
駐車場にて準備をし5時40分出発、衝立岩中央稜取り付きに靴や不用なものをデポし中央カンテ取り付きには7時頃到着。
取り付きからバンドを右へ少し嫌らしいトラバース。以外と微妙でハーケンを一本打ちランニングを取る。
1P目 Hさんリード 支点の少ない草付交じりのフェースを左上。岩は脆く草付も濡れていて出だしから嫌な感じ。
2P目 古屋リード 緩いスラブ 乾いていれば何の問題もないスラブだが今日は微妙に濡れている。ランナウトもひどい。途中、凹状のルートに導かれるようになるが修正し左上。上部は草付でオツルミズを思い出した。ビレイ点はしっかりしたペツルと新しいスリングで安心。
3P目 Hさんリード 急傾斜のランペを左上。ここからカンテに出るがロープの流れが悪くなると思い、10メートル伸ばしたところでピッチを切る。(他の人の記録はそのまま伸ばしている方が多い)ランペはヌルヌルでセカンドでも慎重になる。
4P目 古屋リード カンテからようやく快適な登攀となる。岩も乾いていて適度な傾斜に適度なピン。途中しっかりしたビレイポイントがあったがロープに余裕があったのでグイグイ伸ばす。約45メートル伸ばしピッチを切る。
5P目 Hさんリード(途中から古屋) 目の前の垂壁を左から回り込みルンゼを直上、小チムニーに向かう。このルンゼ付近で左から変形チムニールートが合流。
しばらくビレイしているとロープの流れがとまりしばらく動かない。何度か声をかけ返事はあるが伸びては緩むが繰りかえされる。そうこうしているうちにハーケンを打つ音が聞こえビレイ解除。登っていくとチムニーの右上でビレイしている。どうやらチムニーを越えていくのに踏ん切りがつかなかったのと手前の脆いルンゼで消耗してしまったようで、選手交代。
ここから古屋リード。なんとかチムニーを超え、そのまま草付フェイスを登りビレイ。
このチムニーはあまりなかに入りこまず上手く両手、両足を開き越えていくのがポイント。
右側の岩には良いホールドが意外とある。Hさん、セカンドでは難なくこなす。
6P目 Hさんリード 壁を左から回り込み脆いフェイスを右上。のはずが、さすがのHさんは難しいルンゼをなぜか直上。ボロボロの岩と草付でセカンドでもヒヤヒヤ。ビレイポイントは本来の場所より一段上で、中央カンテ核心部の垂壁の左斜め下5メートル位の場所。
7P目 古屋リード(5メートルだけ) 本来のビレイポイントに懸垂しようかと迷うが支点があまりよくないので、まずはトラバースを試みるが2,3歩進み上に這い上がろうとするがリードではどうも踏ん切りがつかない。戻ってピナクルの左側から強引に上がりピナクルの裏側の狭い間をザックを降ろして通過。やっと本来のルートに戻る。短いが意外に消耗してしまったので、ここからの核心はHさんにまかせる。
8P目 Hさんリード 垂壁は薄被りで2メートル位。ボロボロのテープに、新し目のシュリンゲ等々アブミ用に何本か垂れ下がっている。ビレイ用にハーケンを足して、いざHさんトライ。A0交えて難なくクリア。テラスに立ち上がる部分も意外と微妙。ここから四畳半テラス下のコーナークラックにむかう。ビレイ中は上の様子はわからないが苦戦している声が聞こえてくる。ほどなくビレイ解除でこちらもいざトライ。セカンドの強みでコーナークラックはフリーで何とかと思っていたが残置ナッツのシュリンゲをホールドとアブミがわりに一回ずつ使ってしまった。
9P目 古屋リード 濡れ気味のルンゼ。トポでは?だが先程のピッチのおかげで気分的には?。というかこうなると?も?も同じ感じになる。とにかく浮石が多くてすべてチェックが必要。
10P目 Hさんリード 20メートルの草付 問題なし
11P目 古屋リード 草付?凹角?烏帽子岩基部 ここから烏帽子の基部まで伸ばせるだけロープを伸ばす。雨がパラつき始める。 基部には懸垂支点がありここからダイレクトルンゼに下降するパーティーもいるよう。時間は14時。この時点から大粒の雨が降り出すとともに雷も鳴り始める。
12P目(最終ピッチ) Hさんリード 烏帽子基部をまいて行き、濡れたルンゼを行くが逆層スラブのため相当悪く感じる。更に雷と雨のため行動はかなり慎重になる。ようやく二人がルートを抜け懸垂岩に辿り着いたのは15時。
南稜終了点までは3ピッチの懸垂。雨はひどく降り続きルンゼの際を下降するがルンゼは滝になり、体はビショ濡れ濡れたロープはひどく絡みつき、さばきながらの懸垂はひどく時間もかかる。
南稜終了点には17時過ぎ。一応両角さんにビバークするかもしれないとの連絡を入れる。とにかく暗くなるまで降りれるところまで降りようと懸垂を続ける。南稜終了点からは昨日同様の懸垂なので勝手がわかっていたのだが思わぬ落とし穴が待っていた。懸垂4ピッチ目、40メートルの空中懸垂後降り立つ場所は南稜の草付帯。
ここでアクシデント発生。自分が降りた後にはロープが引けたのだがHさんが懸垂後にロープが回収不能となる。ロープを煽っても、引く方向を変えも一向に引けない。ロープを切断するか・・・・・・登り返しも考えたがさすがにこの距離では・・・・・・・雨も止まない・・・・・・とにかく二人とも思考停止状態なので南稜テラスまでは残すところ2ピッチの懸垂だが、ここでビバークを決定。時間は19時をまわっていた。
残置ハーケンを利用し回収不能ロープの中間でロープを固定しツェルトを張る。とりあえず行動食と飲み物を口に入れ体を休める。岩場に腰掛けた状態で一夜を過ごすが寒さと足を踏ん張っていないとズルズルすべりそうな場所なのでウトウトする程度でほとんど眠れなかった。
17日(水) 5時前に起床。すぐに行動開始。二人同意のもと、ロープを切断することにしたが、なるべく長く残したかったので岩場を5mほど登り返しロープを切断。残置ハーケンを利用し支点を作成し懸垂。元の場所に降りる。草付はそのままクライムダウンし、残り2ピッチは無事に懸垂、7時に南稜テラスに降り立つ。
駐車場8時半、登山指導センターに寄りロープを切断し、残置してしまった事を告げる。湯テルメに立ち寄り汗を流し帰路にむかう。
雷雨に見舞われ、ロープ切断、ビバークといろいろ反省や課題を残す山行であったが、や
はり懸垂ロープの捌きには十分に気をつけなければならないと思う。この経験を次の山行
に生かさなければ!
山域:烏帽子沢奥壁 中央カンテ
山行形態:岩登り
メンバー及び役割:古屋(CL)、Hさん(SL)
記録:
前日は南稜を快適に登攀。先に帰宅する木村さん他一名をみなかみ駅まで送り、私達は登山指導センターでビバーク。ロープウェー駅は点検のためか閉まっていた。指導員さんは20時で帰っていった。指導センターは初めて泊まったがなかなか快適、ロープウェイ駅より静かで良い。
16日(火) 4時起床、5時過ぎに出発 車にて一の倉駐車場まで。本日も昨日に続き他にクライマーはいない様子。天候も昨日と同じような状況。この時点ではまさか激しい雷雨に見舞われるとは予想もしていなかったが・・・・・・・
駐車場にて準備をし5時40分出発、衝立岩中央稜取り付きに靴や不用なものをデポし中央カンテ取り付きには7時頃到着。
取り付きからバンドを右へ少し嫌らしいトラバース。以外と微妙でハーケンを一本打ちランニングを取る。
1P目 Hさんリード 支点の少ない草付交じりのフェースを左上。岩は脆く草付も濡れていて出だしから嫌な感じ。
2P目 古屋リード 緩いスラブ 乾いていれば何の問題もないスラブだが今日は微妙に濡れている。ランナウトもひどい。途中、凹状のルートに導かれるようになるが修正し左上。上部は草付でオツルミズを思い出した。ビレイ点はしっかりしたペツルと新しいスリングで安心。
3P目 Hさんリード 急傾斜のランペを左上。ここからカンテに出るがロープの流れが悪くなると思い、10メートル伸ばしたところでピッチを切る。(他の人の記録はそのまま伸ばしている方が多い)ランペはヌルヌルでセカンドでも慎重になる。
4P目 古屋リード カンテからようやく快適な登攀となる。岩も乾いていて適度な傾斜に適度なピン。途中しっかりしたビレイポイントがあったがロープに余裕があったのでグイグイ伸ばす。約45メートル伸ばしピッチを切る。
5P目 Hさんリード(途中から古屋) 目の前の垂壁を左から回り込みルンゼを直上、小チムニーに向かう。このルンゼ付近で左から変形チムニールートが合流。
しばらくビレイしているとロープの流れがとまりしばらく動かない。何度か声をかけ返事はあるが伸びては緩むが繰りかえされる。そうこうしているうちにハーケンを打つ音が聞こえビレイ解除。登っていくとチムニーの右上でビレイしている。どうやらチムニーを越えていくのに踏ん切りがつかなかったのと手前の脆いルンゼで消耗してしまったようで、選手交代。
ここから古屋リード。なんとかチムニーを超え、そのまま草付フェイスを登りビレイ。
このチムニーはあまりなかに入りこまず上手く両手、両足を開き越えていくのがポイント。
右側の岩には良いホールドが意外とある。Hさん、セカンドでは難なくこなす。
6P目 Hさんリード 壁を左から回り込み脆いフェイスを右上。のはずが、さすがのHさんは難しいルンゼをなぜか直上。ボロボロの岩と草付でセカンドでもヒヤヒヤ。ビレイポイントは本来の場所より一段上で、中央カンテ核心部の垂壁の左斜め下5メートル位の場所。
7P目 古屋リード(5メートルだけ) 本来のビレイポイントに懸垂しようかと迷うが支点があまりよくないので、まずはトラバースを試みるが2,3歩進み上に這い上がろうとするがリードではどうも踏ん切りがつかない。戻ってピナクルの左側から強引に上がりピナクルの裏側の狭い間をザックを降ろして通過。やっと本来のルートに戻る。短いが意外に消耗してしまったので、ここからの核心はHさんにまかせる。
8P目 Hさんリード 垂壁は薄被りで2メートル位。ボロボロのテープに、新し目のシュリンゲ等々アブミ用に何本か垂れ下がっている。ビレイ用にハーケンを足して、いざHさんトライ。A0交えて難なくクリア。テラスに立ち上がる部分も意外と微妙。ここから四畳半テラス下のコーナークラックにむかう。ビレイ中は上の様子はわからないが苦戦している声が聞こえてくる。ほどなくビレイ解除でこちらもいざトライ。セカンドの強みでコーナークラックはフリーで何とかと思っていたが残置ナッツのシュリンゲをホールドとアブミがわりに一回ずつ使ってしまった。
9P目 古屋リード 濡れ気味のルンゼ。トポでは?だが先程のピッチのおかげで気分的には?。というかこうなると?も?も同じ感じになる。とにかく浮石が多くてすべてチェックが必要。
10P目 Hさんリード 20メートルの草付 問題なし
11P目 古屋リード 草付?凹角?烏帽子岩基部 ここから烏帽子の基部まで伸ばせるだけロープを伸ばす。雨がパラつき始める。 基部には懸垂支点がありここからダイレクトルンゼに下降するパーティーもいるよう。時間は14時。この時点から大粒の雨が降り出すとともに雷も鳴り始める。
12P目(最終ピッチ) Hさんリード 烏帽子基部をまいて行き、濡れたルンゼを行くが逆層スラブのため相当悪く感じる。更に雷と雨のため行動はかなり慎重になる。ようやく二人がルートを抜け懸垂岩に辿り着いたのは15時。
南稜終了点までは3ピッチの懸垂。雨はひどく降り続きルンゼの際を下降するがルンゼは滝になり、体はビショ濡れ濡れたロープはひどく絡みつき、さばきながらの懸垂はひどく時間もかかる。
南稜終了点には17時過ぎ。一応両角さんにビバークするかもしれないとの連絡を入れる。とにかく暗くなるまで降りれるところまで降りようと懸垂を続ける。南稜終了点からは昨日同様の懸垂なので勝手がわかっていたのだが思わぬ落とし穴が待っていた。懸垂4ピッチ目、40メートルの空中懸垂後降り立つ場所は南稜の草付帯。
ここでアクシデント発生。自分が降りた後にはロープが引けたのだがHさんが懸垂後にロープが回収不能となる。ロープを煽っても、引く方向を変えも一向に引けない。ロープを切断するか・・・・・・登り返しも考えたがさすがにこの距離では・・・・・・・雨も止まない・・・・・・とにかく二人とも思考停止状態なので南稜テラスまでは残すところ2ピッチの懸垂だが、ここでビバークを決定。時間は19時をまわっていた。
残置ハーケンを利用し回収不能ロープの中間でロープを固定しツェルトを張る。とりあえず行動食と飲み物を口に入れ体を休める。岩場に腰掛けた状態で一夜を過ごすが寒さと足を踏ん張っていないとズルズルすべりそうな場所なのでウトウトする程度でほとんど眠れなかった。
17日(水) 5時前に起床。すぐに行動開始。二人同意のもと、ロープを切断することにしたが、なるべく長く残したかったので岩場を5mほど登り返しロープを切断。残置ハーケンを利用し支点を作成し懸垂。元の場所に降りる。草付はそのままクライムダウンし、残り2ピッチは無事に懸垂、7時に南稜テラスに降り立つ。
駐車場8時半、登山指導センターに寄りロープを切断し、残置してしまった事を告げる。湯テルメに立ち寄り汗を流し帰路にむかう。
雷雨に見舞われ、ロープ切断、ビバークといろいろ反省や課題を残す山行であったが、や
はり懸垂ロープの捌きには十分に気をつけなければならないと思う。この経験を次の山行
に生かさなければ!
日程:2009年6月15日(月)
山域:烏帽子沢奥壁南稜
山行形態:岩のぼり
メンバー及び役割:古屋(CL)、木村(記録)、H、O(会員外)
記録:
去年から行きたかった憧れのルート南稜にいよいよ挑戦することになった。天気は上々、晴れていればテールリッジを見逃すことはない(2週間前の苦い経験を思い出す)。テールリッジを登り岩壁の基部をトラバースして南稜テラスに達する。MSCの2名と会員外の2名でそれぞれパーティーを組み登攀開始。Hさん、Oさんは経験者なので先行してもらう。月曜日のためか他のパーティーは全くいない。今回は平日休みの人ばかりが集まったが、こういう点はありがたい。
1ピッチ目(古屋)フェイスからチムニーを越える。2ピッチ目(木村)快適なフェイスからバンド状を左上。3ピッチ目草付帯。4ピッチ目(古屋)フェイスからリッジへ上がる。5ピッチ目(木村)これまた快適な馬の背リッジ。6ピッチ目(古屋)核心部のフェイス、フリーだと1・2手厳しい。最後のフェイスは岩から水が滲みだしておりホールドが微妙でした。
できれば国境稜線に抜けたいところだが、午後からは雨という予報だったので終了点から懸垂下降で下山する。MSCは8?のロープだったのでこれは使わず、HとOの9?のロープで4人が懸垂下降する。5回の懸垂で南稜テラスに達した。途中空中懸垂になる場面もあり、ロープは9?のほうが良いと思った。(8?だとすごく伸びるので)南稜を登った時間よりも懸垂で下降した時間のほうが長くかかったようだ。Oさんにロープを肩にかけて少しづつ出しながら懸垂する方法を教えてもらう。3人がそれぞれ1回づつ練習し、テールリッジ末端まで降りる。懸垂下降をこんなに連続してやるのは初めてだったのでいろいろと勉強になった。
初めての谷川の岩登り、楽しく登攀することができた。
山域:烏帽子沢奥壁南稜
山行形態:岩のぼり
メンバー及び役割:古屋(CL)、木村(記録)、H、O(会員外)
記録:
去年から行きたかった憧れのルート南稜にいよいよ挑戦することになった。天気は上々、晴れていればテールリッジを見逃すことはない(2週間前の苦い経験を思い出す)。テールリッジを登り岩壁の基部をトラバースして南稜テラスに達する。MSCの2名と会員外の2名でそれぞれパーティーを組み登攀開始。Hさん、Oさんは経験者なので先行してもらう。月曜日のためか他のパーティーは全くいない。今回は平日休みの人ばかりが集まったが、こういう点はありがたい。
1ピッチ目(古屋)フェイスからチムニーを越える。2ピッチ目(木村)快適なフェイスからバンド状を左上。3ピッチ目草付帯。4ピッチ目(古屋)フェイスからリッジへ上がる。5ピッチ目(木村)これまた快適な馬の背リッジ。6ピッチ目(古屋)核心部のフェイス、フリーだと1・2手厳しい。最後のフェイスは岩から水が滲みだしておりホールドが微妙でした。
できれば国境稜線に抜けたいところだが、午後からは雨という予報だったので終了点から懸垂下降で下山する。MSCは8?のロープだったのでこれは使わず、HとOの9?のロープで4人が懸垂下降する。5回の懸垂で南稜テラスに達した。途中空中懸垂になる場面もあり、ロープは9?のほうが良いと思った。(8?だとすごく伸びるので)南稜を登った時間よりも懸垂で下降した時間のほうが長くかかったようだ。Oさんにロープを肩にかけて少しづつ出しながら懸垂する方法を教えてもらう。3人がそれぞれ1回づつ練習し、テールリッジ末端まで降りる。懸垂下降をこんなに連続してやるのは初めてだったのでいろいろと勉強になった。
初めての谷川の岩登り、楽しく登攀することができた。