-
2006年6月2日(金)夜発?6月4日(日)
青木(CL)・寺本(記録)
ここでは、以下、記録と感想と月山スキー場の様子の紹介とを混在して、書いてあります。
2日18時頃、天王洲アイルで、寺本は青木さんをピックアップして、芝浦より首都高に入る。暫く渋滞したが、直ぐ流れ出す。6号を通り、順調に、東北道、山形道を通過する。「仙台南」辺りで霧雨が降ってくる。山形に入るまで続く。山形に入ると、晴れていて、星が見える。「西川」で降りて、直ぐの交差点を左折して山形方面に戻ると、コンビニがあるが、アルコールなし。さらに、10kmほど戻るとセブンイレブンがありアルコールがある。店の人に依れば、「西川IC」から酒田までコンビニが無いということである。国道から月山方面の道は急勾配のつづら折れでスピードを出せない。3日の午前1時に姥沢にある黒百合荘に到着。前祝をして、2時過ぎに就寝する。
3日は、7時30分の朝食で始まる。8時には宿を出る。200mほどで、雪道になる。15分ほど雪上を歩いてリフト乗り場につく。途中の右手に姥沢小屋がある。休日は人出多数なので、回数券が良いとの宿のご主人のアドバイスでそうする。リフト回数券とTバー回数券を買う。リフト乗り場は、標高1100m位、スキー場の右端に南北方向に一本だけ設けられている。リフト終点は標高1500m位である。リフト乗り場では食事可能、降り場には売店があり軽食可能。ゲレンデには、リフトの左側にはTバーが3本設けられており、これらを使えば、姥ヶ岳の直下から、リフト乗り場まで広がるゲレンデの全体を滑ることが出きるようになっている。ルートとしては、?リフトで登り、トラバースして、姥ヶ岳側の斜面を滑る、?リフト直上のTバーを使い、さらに歩いて姥ヶ岳頂上付近まで登り滑り降りてくる、この場合、さらに南側の斜面にあるTバーを使い上に登り滑り降りることが出来る。
姥ヶ岳に登ると、頂上には雪が無く、標識が露出している。付近には、姥桜(名称不肖、桜の一種に思われ、樹高50cm位)が小さな群落を作り咲いている。晴天で、北側には遥かに鳥海山が、南側には朝日、飯豊山と思われるのがはっきりと見える。ただ、西側に日本海を望めない。月山方面は、牛首辺りまで、雪が残っているのが判るが、その上の稜線上には雪が無い。
姥ヶ岳から雪のある所まで降りて、滑走、2本のTバーを利用して、滑る。
雪は、しまったザラメ雪で、すべりは良好、コースの途中には所々悪雪がある。南面には、こぶルートが8本くらい出来ている。
感想:青木さん曰く「こんな季節でこんな良い雪出会えるとは思わなかった。」、寺本は「これまで体験した以上の急斜面も滑走でき極めて快適で感激。」という。
一部の危険個所以外はどこでも滑ることが出来る。このスキー場は姥ヶ岳の南面全体がコースになっているのが特長と思う。
Tバーは、青木さんは経験済で、一方、寺本は初体験、初めの一本見事に立てずに、ずっ転んでやり直し。2回目以降は、大丈夫である。ポイントは、Tバーに対して反り返る姿勢をとること、すなわちお尻をださないこと、スキーの方向をしっかり進行方向に向けることである。従って、ボーダーの人は結構苦労していた。慣れるとなかなか快適である。Tバーは、金属ロープの上端と下端を固定する移動可能な固定具があればよいので、固定の施設の建設が不要であり、環境にやさしいものと思う。但し、初心者やボーダー向けで無いのは確か。
二人とも十分滑ったので、2時半には宿に戻る。ビールを頼むと、宿のご主人は、「せきな」の辛し和えと「行者にんにく」を差し入れてくれて、これらを堪能して、反省会を行う。
当日の人出はすごかった。宿から見える姥沢の駐車場(公称500台可能)は満杯に近い。スキーヤー9割、ボーダー1割位か。若い人が多いのが目立つ。青木さんに依れば、高価な板(オカサカなど)を履いている人が目立ったとのこと。リフト周辺には、ブナの若葉の新緑が目にまぶしい。ハイキング気分のグループが沢山いる。彼らは、リフトの周辺付近の空き地でなべを囲んだり、焼肉を楽しんでいる。独特の雰囲気と思う。
6月4日は、月山に登り、雪のある牛首から滑走することにする。8時30分にリフトに乗り、8時50分にはシールをつけて登り始める。天気は快晴、風は微風。牛首方向に略直進する。一旦登るが、沢に下りて、再度登るコースをとる。姥ヶ岳よりに沿っていけば、大回りだが登る一方のコースになる。山スキーの人、スノーシューで登る人、登山靴で登る人など結構な人出である。10時25分に牛首(標高1805m)着。雪が消えるので、ここで、スキーを脱いで、登山道を月山を目指す。登山道は、岩道で結構段差が大きいので、スキー靴で登るのはきつい。中には勝手知っているのか、スキー靴を軽登山靴に履き替えて登っている人もいる。小屋跡を過ぎ、月山神社に(標高1965m)に11時30分に到着する。頂上小屋は閉鎖中である。神事の場所はしっかりつくられている。頂上の東斜面には雪が沢山残っているが、相当下のほうで切れている。こちら方面は降りるのは無理なようだ。下山して、牛首(12時15分着)で滑降の準備をし、青木さんがリードして滑り始める。できるだけ姥ヶ岳よりの、登り返しの無いようにコースを選んでいく。スピードが無いと登り返しになる場所では、思い切って滑降するように、指示された。直滑降は、思い切ってやった。青木さんのコース選択の巧みさ、さすがと思った。高低差を図ることを勉強させてもらった。こんな按配で、少ない登り返しでリフト終点まで戻ったが、寺本は、脚がバンバンとなり、上がりとなる。青木さんは残っていた回数券を使ってゲレンデを滑っている。後は、ゲレンデを滑り降り、無事宿に戻り、、荷物を整理して、月山を堪能した気持ち一杯で帰路についた。
青木(CL)・寺本(記録)
ここでは、以下、記録と感想と月山スキー場の様子の紹介とを混在して、書いてあります。
2日18時頃、天王洲アイルで、寺本は青木さんをピックアップして、芝浦より首都高に入る。暫く渋滞したが、直ぐ流れ出す。6号を通り、順調に、東北道、山形道を通過する。「仙台南」辺りで霧雨が降ってくる。山形に入るまで続く。山形に入ると、晴れていて、星が見える。「西川」で降りて、直ぐの交差点を左折して山形方面に戻ると、コンビニがあるが、アルコールなし。さらに、10kmほど戻るとセブンイレブンがありアルコールがある。店の人に依れば、「西川IC」から酒田までコンビニが無いということである。国道から月山方面の道は急勾配のつづら折れでスピードを出せない。3日の午前1時に姥沢にある黒百合荘に到着。前祝をして、2時過ぎに就寝する。
3日は、7時30分の朝食で始まる。8時には宿を出る。200mほどで、雪道になる。15分ほど雪上を歩いてリフト乗り場につく。途中の右手に姥沢小屋がある。休日は人出多数なので、回数券が良いとの宿のご主人のアドバイスでそうする。リフト回数券とTバー回数券を買う。リフト乗り場は、標高1100m位、スキー場の右端に南北方向に一本だけ設けられている。リフト終点は標高1500m位である。リフト乗り場では食事可能、降り場には売店があり軽食可能。ゲレンデには、リフトの左側にはTバーが3本設けられており、これらを使えば、姥ヶ岳の直下から、リフト乗り場まで広がるゲレンデの全体を滑ることが出きるようになっている。ルートとしては、?リフトで登り、トラバースして、姥ヶ岳側の斜面を滑る、?リフト直上のTバーを使い、さらに歩いて姥ヶ岳頂上付近まで登り滑り降りてくる、この場合、さらに南側の斜面にあるTバーを使い上に登り滑り降りることが出来る。
姥ヶ岳に登ると、頂上には雪が無く、標識が露出している。付近には、姥桜(名称不肖、桜の一種に思われ、樹高50cm位)が小さな群落を作り咲いている。晴天で、北側には遥かに鳥海山が、南側には朝日、飯豊山と思われるのがはっきりと見える。ただ、西側に日本海を望めない。月山方面は、牛首辺りまで、雪が残っているのが判るが、その上の稜線上には雪が無い。
姥ヶ岳から雪のある所まで降りて、滑走、2本のTバーを利用して、滑る。
雪は、しまったザラメ雪で、すべりは良好、コースの途中には所々悪雪がある。南面には、こぶルートが8本くらい出来ている。
感想:青木さん曰く「こんな季節でこんな良い雪出会えるとは思わなかった。」、寺本は「これまで体験した以上の急斜面も滑走でき極めて快適で感激。」という。
一部の危険個所以外はどこでも滑ることが出来る。このスキー場は姥ヶ岳の南面全体がコースになっているのが特長と思う。
Tバーは、青木さんは経験済で、一方、寺本は初体験、初めの一本見事に立てずに、ずっ転んでやり直し。2回目以降は、大丈夫である。ポイントは、Tバーに対して反り返る姿勢をとること、すなわちお尻をださないこと、スキーの方向をしっかり進行方向に向けることである。従って、ボーダーの人は結構苦労していた。慣れるとなかなか快適である。Tバーは、金属ロープの上端と下端を固定する移動可能な固定具があればよいので、固定の施設の建設が不要であり、環境にやさしいものと思う。但し、初心者やボーダー向けで無いのは確か。
二人とも十分滑ったので、2時半には宿に戻る。ビールを頼むと、宿のご主人は、「せきな」の辛し和えと「行者にんにく」を差し入れてくれて、これらを堪能して、反省会を行う。
当日の人出はすごかった。宿から見える姥沢の駐車場(公称500台可能)は満杯に近い。スキーヤー9割、ボーダー1割位か。若い人が多いのが目立つ。青木さんに依れば、高価な板(オカサカなど)を履いている人が目立ったとのこと。リフト周辺には、ブナの若葉の新緑が目にまぶしい。ハイキング気分のグループが沢山いる。彼らは、リフトの周辺付近の空き地でなべを囲んだり、焼肉を楽しんでいる。独特の雰囲気と思う。
6月4日は、月山に登り、雪のある牛首から滑走することにする。8時30分にリフトに乗り、8時50分にはシールをつけて登り始める。天気は快晴、風は微風。牛首方向に略直進する。一旦登るが、沢に下りて、再度登るコースをとる。姥ヶ岳よりに沿っていけば、大回りだが登る一方のコースになる。山スキーの人、スノーシューで登る人、登山靴で登る人など結構な人出である。10時25分に牛首(標高1805m)着。雪が消えるので、ここで、スキーを脱いで、登山道を月山を目指す。登山道は、岩道で結構段差が大きいので、スキー靴で登るのはきつい。中には勝手知っているのか、スキー靴を軽登山靴に履き替えて登っている人もいる。小屋跡を過ぎ、月山神社に(標高1965m)に11時30分に到着する。頂上小屋は閉鎖中である。神事の場所はしっかりつくられている。頂上の東斜面には雪が沢山残っているが、相当下のほうで切れている。こちら方面は降りるのは無理なようだ。下山して、牛首(12時15分着)で滑降の準備をし、青木さんがリードして滑り始める。できるだけ姥ヶ岳よりの、登り返しの無いようにコースを選んでいく。スピードが無いと登り返しになる場所では、思い切って滑降するように、指示された。直滑降は、思い切ってやった。青木さんのコース選択の巧みさ、さすがと思った。高低差を図ることを勉強させてもらった。こんな按配で、少ない登り返しでリフト終点まで戻ったが、寺本は、脚がバンバンとなり、上がりとなる。青木さんは残っていた回数券を使ってゲレンデを滑っている。後は、ゲレンデを滑り降り、無事宿に戻り、、荷物を整理して、月山を堪能した気持ち一杯で帰路についた。
山スキー/ナルミズ沢・東黒沢滑降
CL 中山・記録青木
21夜,最終の水上行きで23:57に水上駅に到着。数少ないタクシーは競争が激しいが,同日程別山行の両角さんがロープウェー駅に着いていること掴んでいた中山さんが両角車を駅にまで迎えに来させる。電車でのアプローチでありながら,現地で車が使えるという幸運に恵まれ,2日間の滞在で重宝した。
谷川岳ロープウェー駅でビバークし,22日朝7:30,歩いて土合橋に向かう。別行程の白毛門〜赤沢山縦走パーティに対し我々は1時間程先行する形になる。白毛門の登りは急な登りと木々に囲まれた狭い道筋で,板は初めからザックに取り付けたままである。アイゼンをつけた兼用靴は重く,板が枝に引っかかったりする。山スキーヤーにとって好き好んで登るルートではないように思う。頂上直下の雪の塊の登攀は,掴み損ねるとどこまでも落ちていく恐怖との戦いであり,スキーを背負って登るものではないと思った。ピッケルをこれほど頼りにしたことは無かった。
数パーティ何人かが先行していた。しかし,山スキーヤーは自分たちだけであり,他の人たちは頂上で折り返していく。たいへんもったいないことである。白毛門の北側には,広大な斜面が広がっていた。シュプールは全く無い。
すぐに笠ガ岳を登ることになるので,シールはつけたまま笠ガ岳の間のコルまで滑り降りる。白毛門頂上はあっという間に遠くなった。コルは居心地のいいところだったので,白毛門〜赤沢山縦走パーティはここで幕営するかもしれないと思い,雪の上にサインを残す。白毛門の方を幾度か振り返ったが,MSCらしき影は見えなかった。
このコルで,ウツボギ沢からスノーシューで登ってきたボーダーに出会う。ちょうど我々とは直交する形で,赤倉沢に降りるようだ。ここから笠ガ岳の大斜面を登る。頂上には至らず中腹を巻く。少し下ってさらに朝日岳を目指して登る。できるだけ板を履いたまま登ろうとしたが,尾根の東側は急斜面,西側は風により雪が飛ばされガリガリのアイスバーンになっている。結局は尾根上の雪の取れた登山道を板を外して登る。朝日岳頂上付近は雪で覆われているため,再度板をつけて登る。
朝日岳の頂上は絶景であった。湯檜曽の上流域が真っ白な大きなお盆のように見える。ここでこれからの滑りに備え,体調を万端にするため大休止する。尾根上を下るルートも紹介されているが,自分たちはジャンクションピークとの間のコルまで滑り降り,そこから沢筋の大斜面を滑り降りることにした。
最近降った雪で一点の曇りも無い大斜面である。斜度は最上部で30度超であるが,新雪はある程度締まっており,雪崩の危険は無いと判断。青木から一人ずつ滑り降りる。まさにこの急斜面を快適に滑り降りるためにこれまで練習してきたと感じさせる絶好のコンディションであった。自分が飛ばした雪埃と一緒に滑り降りるシチュエーションは初めてだった。斜面が落ち着いて安全になってきたところで振り返ると,中山さんがすでに遠くなっている。次は中山さんが滑り,交互に滑っていく。雪質はやはり標高が高いほど良かった。雪山ではさまざまなコンディションで一喜一憂するが,今回の斜面とコンディションは,数年に一度に数えられる最高のものである。
ナルミズの枝沢のひとつはデブリが発生していた。本谷と合流し,なだらかな沢をウツボギ沢出合いまで下降する。広河原で大休止し,再びシールをつける。中山さん先行で東黒沢のコルを目指す。たいへん分かりやすく,シール登高にも楽な斜面である。もうすぐ東黒沢のコルというところで,前方に人影が見えた。こんな雪山の中で別パーティに出会うとは奇遇だと思っていたら,それはなんとMSCの白毛門〜赤沢山縦走パーティが幕営準備をしているところだった。お互いわざとぶつけたわけではなかったが,山の中で出会うとは,あらためてMSCが大きくなったことを感じる。幕営隊の暖かい接待に感謝した。
下るにはぎりぎりの時間であった。東黒沢を下降するが,このあたりはすっかり重い雪である。曲がるのに苦労し,転ぶと腕を持っていかれそうになる。古いシュプールが見られるようになる。新しいものは無く,もう時期的に遅いため滑る人もいないものと思われる。実際,途中から沢が口をあけるようになった。今年は雪が多いためまだいいものの,通年ではこの時期は無理かもしれない。沢に落ちることを想定し,板の流れ止めやストック,ザックのウェストベルトを外した。シュプールは途中で沢に消えているため,自分たちで岸を選択して進まなくてはいけなかった。何回かスノーブリッジを超え,急斜面のトラバースもこなし,結構危険な状況だった。
そうした後,無事に土合橋に到着した。朝ここを出発したことを考えると長い道のりであった。雪をここで落としている間に,中山さんが土合駅から両角車を運転してきてくれた。両角車は夕食の買出しにも活躍した。その晩もロープウェー駅でビバークをした。
翌日23日は両角車で温泉に寄り,それから土合駅に向かった。すると,幕営隊の清野さんと両角さんが下山したところであった。1時間程話をしたが他のメンバーに会うことはできなかった。12:25の土合発の電車で帰った。
まだが天気回復しない「松ノ木沢ノ頭」手前
朝日岳頂上にてスキ−滑走の準備
ナルミズ沢左俣の大斜面を滑る青木
今滑った大斜面
右俣からのデブリ
なんとMSCのメンバ−が東黒沢の鞍部で幕営の準備をしていました
CL 中山・記録青木
21夜,最終の水上行きで23:57に水上駅に到着。数少ないタクシーは競争が激しいが,同日程別山行の両角さんがロープウェー駅に着いていること掴んでいた中山さんが両角車を駅にまで迎えに来させる。電車でのアプローチでありながら,現地で車が使えるという幸運に恵まれ,2日間の滞在で重宝した。
谷川岳ロープウェー駅でビバークし,22日朝7:30,歩いて土合橋に向かう。別行程の白毛門〜赤沢山縦走パーティに対し我々は1時間程先行する形になる。白毛門の登りは急な登りと木々に囲まれた狭い道筋で,板は初めからザックに取り付けたままである。アイゼンをつけた兼用靴は重く,板が枝に引っかかったりする。山スキーヤーにとって好き好んで登るルートではないように思う。頂上直下の雪の塊の登攀は,掴み損ねるとどこまでも落ちていく恐怖との戦いであり,スキーを背負って登るものではないと思った。ピッケルをこれほど頼りにしたことは無かった。
数パーティ何人かが先行していた。しかし,山スキーヤーは自分たちだけであり,他の人たちは頂上で折り返していく。たいへんもったいないことである。白毛門の北側には,広大な斜面が広がっていた。シュプールは全く無い。
すぐに笠ガ岳を登ることになるので,シールはつけたまま笠ガ岳の間のコルまで滑り降りる。白毛門頂上はあっという間に遠くなった。コルは居心地のいいところだったので,白毛門〜赤沢山縦走パーティはここで幕営するかもしれないと思い,雪の上にサインを残す。白毛門の方を幾度か振り返ったが,MSCらしき影は見えなかった。
このコルで,ウツボギ沢からスノーシューで登ってきたボーダーに出会う。ちょうど我々とは直交する形で,赤倉沢に降りるようだ。ここから笠ガ岳の大斜面を登る。頂上には至らず中腹を巻く。少し下ってさらに朝日岳を目指して登る。できるだけ板を履いたまま登ろうとしたが,尾根の東側は急斜面,西側は風により雪が飛ばされガリガリのアイスバーンになっている。結局は尾根上の雪の取れた登山道を板を外して登る。朝日岳頂上付近は雪で覆われているため,再度板をつけて登る。
朝日岳の頂上は絶景であった。湯檜曽の上流域が真っ白な大きなお盆のように見える。ここでこれからの滑りに備え,体調を万端にするため大休止する。尾根上を下るルートも紹介されているが,自分たちはジャンクションピークとの間のコルまで滑り降り,そこから沢筋の大斜面を滑り降りることにした。
最近降った雪で一点の曇りも無い大斜面である。斜度は最上部で30度超であるが,新雪はある程度締まっており,雪崩の危険は無いと判断。青木から一人ずつ滑り降りる。まさにこの急斜面を快適に滑り降りるためにこれまで練習してきたと感じさせる絶好のコンディションであった。自分が飛ばした雪埃と一緒に滑り降りるシチュエーションは初めてだった。斜面が落ち着いて安全になってきたところで振り返ると,中山さんがすでに遠くなっている。次は中山さんが滑り,交互に滑っていく。雪質はやはり標高が高いほど良かった。雪山ではさまざまなコンディションで一喜一憂するが,今回の斜面とコンディションは,数年に一度に数えられる最高のものである。
ナルミズの枝沢のひとつはデブリが発生していた。本谷と合流し,なだらかな沢をウツボギ沢出合いまで下降する。広河原で大休止し,再びシールをつける。中山さん先行で東黒沢のコルを目指す。たいへん分かりやすく,シール登高にも楽な斜面である。もうすぐ東黒沢のコルというところで,前方に人影が見えた。こんな雪山の中で別パーティに出会うとは奇遇だと思っていたら,それはなんとMSCの白毛門〜赤沢山縦走パーティが幕営準備をしているところだった。お互いわざとぶつけたわけではなかったが,山の中で出会うとは,あらためてMSCが大きくなったことを感じる。幕営隊の暖かい接待に感謝した。
下るにはぎりぎりの時間であった。東黒沢を下降するが,このあたりはすっかり重い雪である。曲がるのに苦労し,転ぶと腕を持っていかれそうになる。古いシュプールが見られるようになる。新しいものは無く,もう時期的に遅いため滑る人もいないものと思われる。実際,途中から沢が口をあけるようになった。今年は雪が多いためまだいいものの,通年ではこの時期は無理かもしれない。沢に落ちることを想定し,板の流れ止めやストック,ザックのウェストベルトを外した。シュプールは途中で沢に消えているため,自分たちで岸を選択して進まなくてはいけなかった。何回かスノーブリッジを超え,急斜面のトラバースもこなし,結構危険な状況だった。
そうした後,無事に土合橋に到着した。朝ここを出発したことを考えると長い道のりであった。雪をここで落としている間に,中山さんが土合駅から両角車を運転してきてくれた。両角車は夕食の買出しにも活躍した。その晩もロープウェー駅でビバークをした。
翌日23日は両角車で温泉に寄り,それから土合駅に向かった。すると,幕営隊の清野さんと両角さんが下山したところであった。1時間程話をしたが他のメンバーに会うことはできなかった。12:25の土合発の電車で帰った。
まだが天気回復しない「松ノ木沢ノ頭」手前
朝日岳頂上にてスキ−滑走の準備
ナルミズ沢左俣の大斜面を滑る青木
今滑った大斜面
右俣からのデブリ
なんとMSCのメンバ−が東黒沢の鞍部で幕営の準備をしていました
メンバー:青木・中山(記録)
4/9(日)
水上駅8:25→ロープウエー山麓駅→ロープウエー上9:40→天神尾根1830m12:30→熊穴沢避難小屋14:10→ロープウエー山麓駅15:40
始発電車を乗り継ぎ水上駅に8:11到着、路線バスにてロープウエー駅に到着、降雪・やや風強い昨日より45cmの積雪とのこと。身支度後ロープウエーにてスキー場に上る、横殴りの風雪の中「天神尾根」をシール登行日曜日の為登山者多い、天気は昼位から良くなる予報だが「熊穴沢避難小屋」(雪ノ下で全く出ていない)上よりますます風が強くなり、立っていられないほどで対風姿勢をしていても風向きがコロコロ変わるので何回も引き倒される、ガスも濃くなりホワイトアウト状態の為1830m付近で撤退を決める、青木シールを剥すとき素手になった為右手の感覚が一時なくなるが懐で温め大事無し、全く視界が効かない中「天神尾根」を下り始めるがスキーが滑っているのか止まっているのか判らない、ホワイトアウトの為平衡感覚がおかしくなっている、地形図・コンパス・高度計・経験を活用し慎重に南方向に下り途中「ヒツゴー沢」に降りている枝尾根に引き込まれそうになるが何とか「熊穴沢避難小屋」にたどり着きヤレヤレほっと一息標高差280m位下ってきたのでガスもかなり薄くなり、スキー場方面は視界が効くようになってきた、大休止後多くのスキーヤーのシュプールが残る「熊穴沢」?「西黒沢」?「ロープウエー山麓駅」を滑り降りたが、中山は既に大腿四頭筋がパンク寸前で新雪快適斜面を斜滑降・キックターン・ボーゲンでトロトロと下る(青木さんすみません)疲れ果てて下山、水上駅前で坦々麺を食べ在来線を乗り継ぎ帰宅。
反省、「熊穴沢避難小屋」までとするべきだった、山行当日に大腿四頭筋が痛くなるという未だかつてない経験をした、強風の中筋肉を過剰に使ったことと軽度の「低体温症」になったのではないかと考えられます、記録を書いている4/16現在筋肉痛は無くなったが疲労はまだ残っている。悪条件の為写真なし。
4/9(日)
水上駅8:25→ロープウエー山麓駅→ロープウエー上9:40→天神尾根1830m12:30→熊穴沢避難小屋14:10→ロープウエー山麓駅15:40
始発電車を乗り継ぎ水上駅に8:11到着、路線バスにてロープウエー駅に到着、降雪・やや風強い昨日より45cmの積雪とのこと。身支度後ロープウエーにてスキー場に上る、横殴りの風雪の中「天神尾根」をシール登行日曜日の為登山者多い、天気は昼位から良くなる予報だが「熊穴沢避難小屋」(雪ノ下で全く出ていない)上よりますます風が強くなり、立っていられないほどで対風姿勢をしていても風向きがコロコロ変わるので何回も引き倒される、ガスも濃くなりホワイトアウト状態の為1830m付近で撤退を決める、青木シールを剥すとき素手になった為右手の感覚が一時なくなるが懐で温め大事無し、全く視界が効かない中「天神尾根」を下り始めるがスキーが滑っているのか止まっているのか判らない、ホワイトアウトの為平衡感覚がおかしくなっている、地形図・コンパス・高度計・経験を活用し慎重に南方向に下り途中「ヒツゴー沢」に降りている枝尾根に引き込まれそうになるが何とか「熊穴沢避難小屋」にたどり着きヤレヤレほっと一息標高差280m位下ってきたのでガスもかなり薄くなり、スキー場方面は視界が効くようになってきた、大休止後多くのスキーヤーのシュプールが残る「熊穴沢」?「西黒沢」?「ロープウエー山麓駅」を滑り降りたが、中山は既に大腿四頭筋がパンク寸前で新雪快適斜面を斜滑降・キックターン・ボーゲンでトロトロと下る(青木さんすみません)疲れ果てて下山、水上駅前で坦々麺を食べ在来線を乗り継ぎ帰宅。
反省、「熊穴沢避難小屋」までとするべきだった、山行当日に大腿四頭筋が痛くなるという未だかつてない経験をした、強風の中筋肉を過剰に使ったことと軽度の「低体温症」になったのではないかと考えられます、記録を書いている4/16現在筋肉痛は無くなったが疲労はまだ残っている。悪条件の為写真なし。
メンバー:中山 青木 菅原 寺本 扇原
26日 くもり時々雪
羽田空港7:15集合。7:50空港を出発し、9:10青森空港着。ホテルからバスで迎えに来てくれた人が「飛行機は揺れませんでしたか」という。強風のため朝からロープウェイが止まっているという。 10:05ホテル着。リフトは動いているというのでスキー場で滑ることにし、大広間で身支度をし、10:55ホテルの送迎車でスキー場へ出発。雪の壁の回廊の中を走り、10分程でスキー場に着く。 スキー場には濃い霧が流れ、時折雪が舞っている。さっそく昼食をとり、12時頃からリフトに乗って皆思い思いに滑り出す。斜面には薄っすらと新雪が積もっており、快適な滑りになる。2時頃には風も弱まり、薄日が差し出す。ロープウェイが動き出している。ブナ、ダケカンバ、アオモリトドマツ。樹林の中を滑ったりして、15時半頃まで雪の感触を楽しみ、16時の送迎車でホテルに戻る。
27日
晴れ9:00発の送迎車に乗り、ロープウェイ山麓駅へ。今日は初めてのガイドツアー。9:20発のロープウェイで山頂駅へ。10分程で山頂駅に着く。今日のツアーはスキーヤー、スノーボーダー総勢36名。ガイドは3名、ホテルの従業員が行っている。午前のコースは銅像ルート、山頂駅で知らされる。?9℃、北西の風23メートル。南東にはなだらかな南八甲田の山々が連なり、西には雪を被った独立峰岩木山がでんと構えている。スキーを担いで電波塔のある田茂萢岳山頂へ。電波塔は雪を凍りつかせ怪物のようである。
10:00山頂からツアー出発。まず新雪の急斜面を一気に下る。滑り出しの意を決して谷に飛び込む感じが好きだ。谷沿いに少し下り、前嶽の山腹を僅かな上り下りをくり返し横切っていく。スキーを担いで前嶽の山頂を目指すスキーヤーが見える。展望が開けたところで小休止。ここから前嶽の急斜面を下り、緩やかな樹林帯の斜面に入る。樹林帯は木と木の広い隙間を狙うが、クラストした雪は重く滑りにくい。 11:35銅像茶屋前の道路に辿り着き、すでに迎えに来ていた車に乗り込み、ロープウェイ山麓駅に戻る。
午後のコースはかもしかルート。13:40山頂駅集合。?8℃、北西の風17メートル。13:50山頂駅からツアー出発。まずニセ田茂萢岳の山頂へ階段登行で上る。スキーを担いで上っていく人もいる。ニセ田茂萢岳には樹氷がある。「八甲田の樹氷の方が有名な蔵王のものより素晴らしい」という。山頂から強風によってできたシュカブラの急斜面を下り、狭い寒水沢の谷の中を滑り降りていく。途中、ちょうど後方に井戸岳、前方に岩木山が眺められるところで小休止する。谷をしばらく下ると左岸の尾根に上がり、樹林帯の中へ入っていく。樹林の中を滑り降りていくと山麓駅近くの道路に辿り着き、スキーをはずして、15:30山麓駅に戻る。
ここでガイドツアーは終りであるが、私たちは15:40発のロープウェイに乗り込み山頂駅に向かう。中央ルートから城ヶ倉温泉ルートを下ることにする。?7℃、西の風10メートル。16:00山頂駅から竹ざおを目印に下り、毛無岱の広い雪原に出て小休止。雪原の隅に避難小屋が建っている。この小屋は案内図に「荒廃 利用不可」と書かれている。ここから城ヶ倉温泉ルートを取る。樹林帯の悪雪を横滑りや斜滑降で誤魔化し誤魔化し滑り降り、16:52ホテルの裏手に辿り着く。
28日
晴れ 今日はガイドツアーは止めて、私たちで大岳環状ルートに行くことにする。8:20発、車で酸ヶ湯温泉まで送ってもらう。5分程で着く。身支度をし、8:45 スキーを担いで雪で囲まれた回廊を5分程進むと、雪の壁が途切れた登山口がある。ここから上の斜面に上がりスキーを履いて歩き始める。林の中のなだらかな上り坂をシールを効かせて登っていく。大木に打ち付けてある「大岳環状ルート」の看板と竹ざおが目印になる。青い空、白い雪、白樺の白い幹。気分爽快である。輪かんを付けて林の中を散策するのも楽しいと思う。9:45 地獄湯ノ沢に出る。U字谷になっており、大岳と硫黄岳の鞍部を目指して登っていく。時折、硫黄の臭いが風に乗って鼻をつく。やがてが細くなり、岩混じりの斜面を抜けて右上の台地に上がると仙人岱ヒュッテが見えてくる。10:32着。東に小岳と高田大岳が眺められる。小屋の中に入り、大休止とする。仙人岱ヒュッテは広く、よく整備された避難小屋である。
11:20 仙人岱ヒュッテ出発。仙人岱湿原の平らな雪原をしばらく進むと、目印の竹ざおに沿って大岳の東側を巻くように緩く登っていく。ガイドツアーだろうか、樹氷の間をぬうように大岳の頂上を目指して登っていく人たちがいる。彼らは山頂の間近で小休止する。そこから大岳の東面を滑降するつもりなのだろうか。私たちは大岳と井戸岳の鞍部を目指して進んでいく。12:10大岳ヒュッテに着き、小休止とする。
小屋を出発すると間もなく樹氷帯の下り斜面になる。ここでシールをはずし、樹氷と樹氷の狭い間を下るとすぐに樹氷がなくなり、広く開けた斜面が現れる。雪質は悪くなってきているが快適に樹林帯の中に滑り降りていく。樹林帯をしばらく下ると酸ヶ湯温泉の裏手に出る。13:25酸ヶ湯温泉着。迎えに来ていた車に乗り、ロープウェイ山麓駅に送ってもらう。
13:40山麓駅着。昼食後、昨日のかもしかルートをやろうと、14:20発のロープウェイに乗り山頂駅に向かう。山頂駅、?1℃、南東の風15メートル。ザックにスキーを付けて山頂駅からニセ田茂萢岳頂上まで歩き、15:00滑走開始。昨日より気温が上がっており雪質は悪くなっている。ほとんど休まず、15:42 山麓駅近くの道路に着く。 1 時間弱で滑り降りたことになる。16:00発の送迎車に間に合い、ホテルに戻る。
29日
雪 朝、目を覚ますと雪が舞っている。ホテルの前の道路も薄っすらと雪化粧している。強風のためロープウェイは運休、ガイドツアーも中止となる。私たちは早目に帰り支度を済ませ、ホテルの従業員の車で送迎してもらい酸ヶ湯温泉に行く。男女混浴のヒバ千人風呂。湯気と硫黄泉のお湯でゆったりと疲れを癒す。14:45 バスでホテルを発ち、15:27 青森空港に着く。17:30 空港を出発し、18:35 羽田空港に戻って来る。
メンバー:中山(記録)
3/14(火) 池袋サンシャインバスターミナル23:10
3/15(水) ラフォーレ志賀7:15?8:30→横手山8:45→渋峠8:50?9:05→
芳ケ平9:20?25→渋峠10:15→山田峠10:45→芳ケ平ヒュッテ11:20?40→草津天狗山スキー場13:00?20→草津温泉バスターミナル13:25?15:00
→新宿19:10
私以外は全て若者達で満席の夜行バスで志賀に向かう、アイマスク・耳栓・携帯枕・ワインを用意し素早く爆睡体制に入る。
今日もまたまた快晴(今シーズンのスキー行は全て快晴)「ラフォーレ志賀」前でバスを降りホテルロビーにて朝食及び身支度をしつつリフト営業を待つ、始発のリフトに乗り横手山山頂を経由して渋峠到着、「渋峠ヒュッテ」に届けを提出して「芳ケ平」に向けて滑り出す、樹林帯の切り開きのなかを穏やかな斜面を快調に滑り「芳ケ平ヒュッテ」の赤い屋根が見えて来た所でシールを装着して「渋峠」に登り返し約40分で到着、ヒュッテにて小休止の後「志賀・草津ルート」の道路上を「山田峠」までシールを装着したまま歩く、スキーを滑走モードに切り替え緩い沢状を滑り始めるが重い新雪に悩まされ転倒・横滑り・キックターンの繰り返しでボロボロになって買出しのため休業中の「芳ケ平ヒュッテ」に到着し昼食休憩。
先行者のシュプールに導かれ「草津天狗山」に長いコースをどんどん下っていく、登り返しもそんなに辛くはないが何しろコースの幅が狭く長いコースなので疲れきってデレンデ下に到着終了、無料シャトルバスにてバスターミナルへ行き新宿行き高速バスを予約した後、温泉・食事をゆっくり済ませ帰路に着いた。
夜行バスは大変に疲れるもう簡便です、コースは初級者向きもっと早い時期ならば軽い新雪も楽しめそうです。 横手山」山頂のパラボラアンテナ
「渋峠-芳ケ平」のコ-ス途中
「山田峠」の手前
「芳ケ平ヒュッテ」