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iceclimber_msc 2010-8-20 19:39
日程 :2010年8月12日(木)夜発?8月16日(月)
山域 :北アルプス/黒薙川/柳又谷(途中撤退)
山行形態:沢登り
参加者 :清野(CL・記録)、山本(SL・食当)、古屋(装備・食当)、大浦(食当)
記録:今回の山行では北アルプスの豪渓と言われる柳又谷遡行を目指したが、台風4号通過後も悪天が続き増水、楊河原で濁流にあい、3日目に撤退した。初日は激流渡渉、2日目は大高巻、3日目は懸垂下降が続く、訓練のような、修行のような遡行でした。以下はその記録。

8/12(木)  21時半に池袋駅に集合し、バス停近くのライオンで軽く入山祝いをして、23時発の富山行き高速バスに乗り込み、いざ柳又谷へ。

8/13(金) 曇り/雨 
 バスは少し遅れて5時前に黒部ICに到着し、予約のタクシーに乗り換えて黒部峡谷鉄道・宇奈月駅へ向う。初電の7:32のトロッコ電車に乗り、30分もかからず黒薙駅に着く。駅から歩いて2時間で北又堰堤に到着。途中黒薙温泉に立寄って道を聴くと、軌道跡は通行不可と言われ驚くが何とかなる。
 支度をして10時半に入渓、いきなり雪塊が現れる。流れは石へのコケの付き位置からして明らかに増水の様子で、太く、強く、冷たくこの先が思いやられる。最初の渡渉こそ2人スクラムで行けるが、次は4人となり、その次はそれも無理となり飛び込み渡渉も交える。
 渡渉してもしばらく歩くと行き詰まり、戻って渡渉可能地点を探すことを何度も繰り返し時間がかかる。飛び込みも4回ほどやったか?あわよくば楊河原を越えて中の廊下まで目指したが、まともに渡渉ができない水量のため極端に時間を取られ、広河原到着はすでに16時。これ以上進むとゴルジュ地帯突入のため遡行終了。皆、小学生の頃プールで一日泳いだようなけだるい疲労感を感じるなか、幕を張る。一応焚き火もするが、荒れた沢では釣りもままならず。

8/14(土) 雨/曇り  
 朝起きると天気は雨模様。「今日はどこまで行けるやら」の心境ではあるが、昨日の遅れを少しでも取り戻そうと6時出発。しばらく右岸側をさくさく進むが、すぐにカシナギ深層谷に出合う。深層谷側の左岸は遡行できそうだが激流を渡渉できない。本流は強烈な落ち込みで釜を形成、渦が湧き上がっている。「さてどうするか?」としばし考え、ためしに落ち込みの左側に入ってみると、腰までの深さで強烈な流れに抗して足を上げられればへつって行けそう。失敗すればさらし場経由、下の落ち込み行きか?意を決してライフベストとロープを着けて空身で一発突破、「ほっ」と安堵。後続とザックをロープで引っ張る。
 しかし激流を突破できたのもここまで。2度右岸を小さく巻くが、L字ゴルジュ手前で行き詰まる。左岸に渡れれば水線通しに行けそうなのだがどうしても渡れない。結局2度目の高巻で下りたところを登り返す。L字先の右岸には高度100mほどの岸壁があり、その手前やゴルジュ内におりてもまた行き詰まると判断して1032mピークを越えた先の鞍部から楊河原まで一気に大高巻きをする。途中何度か薄日がさすものの段々雨がひどくなり、雨宿りを交えて8時半から15時半までおよそ7時間かかる。幕場に着いてしばらくすると土砂降りとなる。川はますます水かさが増え、茶色い濁流となる。明日の撤退を決定。

8/15(日) 曇り 
 7時すぎ出発。今日は横山の鞍部を経由して杉谷を下る予定。楊河原から鞍部に上がる沢は程なく見つかる。釣り屋の入谷ルートになっている様子。鞍部を越えアオミズを取りながら杉谷をゆるゆる下るが、最後に難関が待ち構えているとは知る由もない。後わずかで北又谷出合の標高680m地点から連瀑帯になっている。おそらく巻き道を見逃したのだろう。滝2つは懸垂で下りるが、3つめは下の様子が見えず懸垂支点がないかもしれないので、しかたなく左岸から高巻きに入る。トラバースと懸垂下降を都合7回繰り返して最後は空中懸垂で終了。北又谷の出合より北又堰堤まで広く穏やかな流れの中を歩く。

8/16(月) 曇り/雨   
 7時半出発、9時10分に黒薙駅到着。40分待ってトロッコ電車に乗り宇奈月駅に帰る。

8/13 宇奈月駅7:32-黒薙駅8:00-10:00北又堰堤-入渓10:30-16:00広河原
8/14 6:00出発-カシナギ深層谷6:50-L字ゴルジュ8:30(高巻)-1032mピーク11:00-15:30楊河原
8/15 7:10楊河原-(オル谷)-8:35横山鞍部-杉谷-高巻開始-高巻終了16:00-17:00北又堰堤
8/16 7:30北又堰堤-9:10黒薙駅9:52-10:16宇奈月駅

<<写真順>>
8/13 北又堰堤 手前が柳又谷 激流渡渉
8/14 カシナギ深層谷 楊河原に到着 濁流となる
8/15 オル谷 最後の懸垂下降 北又堰堤に戻る








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climbing-nao 2010-6-29 21:48
日程:2010年6月25日(金)夜? 27日(日)
山域:奥秩父・滝川・豆焼沢/沢登り
山行形態:定例山行
メンバー及び役割:CL/記録/食当:山本・SL/装備:古屋・食当:戸田
記録:
6/26 7:30出合の丘・?8:10ホチの滝下?11:10トオの滝下?
12:50大滝下?4段20m滝上の幕場
 
6/27 7:10幕場発?7:35
すだれ状両門の滝(右俣へ)?次の二俣左へ?8:55登山道?
9:05雁坂小屋?9:45出発?12:25出合の丘

6/25(金)道の駅三富集合

6/26(土)全員戸田車に乗り換えて雁坂トンネルを抜ける。
出合の丘に着くと小雨が降っていた。この時季・このメンバー
なので、良いほうだと思う。出合の丘より斜面を真っ直ぐに
豆焼沢へ下ると、10分程で沢に降り立つ。水量も有り・スケール
の大きさを感じる沢だ。黄色い橋の下でホチの滝を巻き、
小ゴルジュに入る。水量が多く突破困難と判断し、
右岸のルンゼを残置ロープで登る。上部が崩れたようで、
如何にも落ち口方向へのトラバースが困難の為、
懸垂で沢床へ戻り、左岸から巻きにかかる。結構大きく
巻いてしまい、懸垂でゴルジュの出口へ降りる。
ここの通過に1時間以上掛けてしまった。トオの滝・2段8m
などの滝を越えて大滝下へ着く。この間、滝の落ち口で
戸田さん危機一髪のシーンが有ったが何とか克服。ナメが
多くぬめりも有って慎重な足捌きが要求される。大滝登攀
に意欲を見せていた古屋さんも、水量の多さで断念。この先は幕場
を探しながら幾つかの滝を巻いて(直登出来んのです)左岸の台地に
良い幕場を見つけてタープを張る。タープを張り終えた
ころ雨が降り出し、何時しか本降りとなる。一杯飲みつつ、
止み間に薪を集めて焚火のチャンスを窺う。幕場がよいので、
雨が幾ら降っても気にならず快適に過ごせる。タイカレーを
作り、採取したミズとウインナーを炒めたりして豪華な食事
で酒が進む。戸田さんは結構濡れたようで、寒い寒いと
シュラフに入って寝てしまった。結局7時くらいに皆寝て
しまい、たき火はできず。夜じゅう断続的に雨が降り続いた。

6/27(日)のんびり起き出すと雨は気にならない程度に上がっていた。
幕場を出発して。30分程ですだれ状の両門の滝に出会う。
右へ入り60mナメを登り次の二俣は左へ入り大きな滝を
ふたつ巻いて、その次は右に取り、最後は右岸の尾根に
取り付き、すっきりと登山道に出た。
そのまま雁坂小屋へ向かい、大休止を取る。後は、
戸田さんの膝と相談しながら、一気に豆焼橋に下り終了。
大滝の登攀が出来なかったのと、焚火が出来なかったのが
心残りでは有るが、梅雨時の沢登りなので上出来と思う。
奥秩父の沢は、近年荒れたところが多いが、
豆焼沢は未だに遡行価値の高い沢だと思う。

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執筆 : 
 2009-10-9 23:40
日程:2009年10月9日(金)夜発?12日(月)
山域:奥只見 大白沢シロウ沢ワカゴイ沢
山行形態:沢登り
メンバー及び役割:山本(CL) 清野(総合CL) 羽生田(装備) 木村(食当) 大浦(記録)

記録:
10月9日(金) JR青梅線中神駅9:30集合 関越道上で新座発の清野車と合流、道の駅ゆのたにでビバーク 10月10日(土)7:00道の駅出発、恋ノ岐川出会で恋ノ岐隊と別れ、鷹巣に戸田車を配置、清野車で砂子平に移動9:00入渓、21:30平ヶ岳沢を超えた地点でビバーク
10月11日(日) 7:00幕場出発 16:30 平ヶ岳山頂下300m地点でビバーク
10月11日(月) 7:00幕場出発 9:30 平ヶ岳山頂直下稜線 10:00 下山開始 14:00 鷹巣駐車場着 17:00 恋ノ岐隊下山、合流 小出で無事を祝い食事、帰京

今回は平ヶ岳集中山行の予定だったが、集中したのは鷹巣Pで日も暮れかかった夕方だった。直前の台風による増水、山行当日の2日連続の降雨降雪による低温の増水により、計画から1日以上遅れての下山、集中となった。パーティー間で連絡が取れず、互いに心配しあうことになり、通信手段の確保を検討すべきだと反省した。

10月10日(土)
天気予報によると雨は夜からとなっており、入渓後は天気が良かったので、釣りやキノコ採りをしながら遡行する。ノロノロと進むが、ガイド本の斜め読みで得た情報では、ゴルジュが2つほどあるが、ちょっと悪い個所が続いているだけの沢、となめ切っているので、全く緊張感がない。これがあとで災いするとは、能天気な我らには想像すらできなかった。
クロウ沢出会12:00 ここまでは川原歩き、へつりでやってくる。水量はやや多いと思うぐらいで特に問題はない。しかしここから厳しくなる。平水なら問題のない個所にも時間がかかり、遡行速度が鈍る。最初の核心部、80 mゴルジュと思ったところが、実は前衛のミニゴルジュで、ここでやや難渋し既に夕刻。80mゴルジュに突入したのは夕刻であったが、ここを抜けたら焚き火とビバークが待っていると思い、気合が入る。が、増水したゴルジュは遡行者を撃退するかのように、圧倒的な流量で立ちはだかる。小さな滝にも手を焼き、流水を避けながらの遡行と登攀はひどく消耗する。清野が白濁する激流の難所の上を軽々とフリーで突破、ルート工作しパーティーをリードする。山本は既に暗くなった壁を微妙なバランスで攀り、要所で堅固なネイリングをし、ロープを伸ばす。なんと見事な連中だろう。ギャラリーが少ないのが残念だ。雨に濡れ震えながらもスタンディングオベーションを送る。だが、なぜこんなところでこんなことをやっているのだろう? ジリジリと前進するが、墨を流したような漆黒の闇に包まれ、現在地すら判然としない。が、どうやら80mゴルジュは突破したようだ。だが、目の前には滝が豊富な水量で落ちており、最早今日はここまでと諦め、樹林帯にビバークサイトを求めるため、高巻き準備をはじめる。密藪の急斜面に寝られる場所があるのか?平地で横になりたいぞ!と思い、ヘッドライトの照度を上げて滝の右側を見ると、フリーで越えられそうな容易な壁だ。一挙に越えると、やや開けた渓相になる。既に20時は過ぎているが、このまま進めば広河原で快適なビバークサイトが得られるかも知れないと思い、さらに前進する。二俣を分け、小さな二条滝を超えると、上部がピナクルに見える2段の滝が現れる。ガイド本によれば18m2段滝だ。下段は容易で、上段はスメアリングで越えられるだろうと思いとりつくが、濡れた花崗岩に歯が立たず墜落敗退。滝から少し下ったところでビバークすることに決定。既に21:00を過ぎている。ビバーク準備、食事を終え、酒を飲みながら歓談していると23:00を過ぎている。明日正午には山頂に抜けるため就寝。雨は間欠的に降っているが、空は満天の星空だ。不思議な天気だ。ビバークサイトは川原に近いので、増水を気にしながら眠る。


かご渡しで入渓


この後の展開を知らず、のんきになめこを採っていた頃


ゴルジュとカン違いした滝


80mゴルジュに突入


明るいうちに突破したのは最初の滝だけ、以降暗闇の中の登攀が続く・・・


10月11日(日)
今日は晴れのはずだったが雨天だ。濡れた服に着替え7:00出発。昨夜墜落したピナクルに取りつくが明るくなっただけで、状況は変わらない。ピトンスカーより細いシンクラックを見つけ、ハンマーを支点にして何とか突破する。
この後、赤芝沢出会いを超え、ワカゴイ沢に入る。平水なら簡単に突破できるらしい滝が連続するが、とても取りつけそうにない。高巻き、懸垂下降を幾度も繰り返す。高巻きの度に、1?2時間を要する。密藪、急斜面の登り、脆弱な草付、藪の中の懸垂下降で時間だけが飛び去って行く。沢を見失わないように、懸垂下降で流れの近くに戻るが、低温の大水量に何度も高巻きを余儀なくされ、第2の核心部のゴルジュはほとんど高巻きに終始した。この沢の高巻きは滝の直登よりはるかに悪いだろう。ほとんど踏み跡のない笹藪や泥が乗ったスラブを木につかまりながら登り、下る。握力、腕力を要する辛い高巻きが続き、夕刻が近づく。久々に登れそうな10m滝を左から登ると、また小さいが突破できそうにないゴルジュが現れる。既に山頂直下の稜線に近付いているはずだが、稜線はまだ見えない。高巻きに入り、下降に移るところで雪に覆われた稜線が見えた。道理で水が冷たいはずだ。雪を見て、登頂を諦めた。テントを持たずに雪に対峙
できるはずもない。恋ノ岐隊との合流はすでに予定より4時間以上遅れているが諦め、今夜のビバークの心配をする。さいわい、平らな場所が見つかり、喜びながら焚き火の準備をするが、降り続く雨でどうしても焚き火にならない。タープにツェルトを内張りし、快適なビバーク場所に仕立て体を温める。恋の岐隊は無事だろう
か?気にはなるが、安否の確認のしようもない。雨も知らないうちに上がったようで、天気は回復傾向にあるようだ。明日は快晴であることを願いつつ眠りに就く。


朝一番、大浦氏気合いのクライミング、大浦の滝と命名されました


時にはこんなことも


どの滝も水量が多くて近付けません


凍る指先に喝を入れてシャワークライミング


寒いよ?


10月12日(月)
5:00起床。快晴、非常に寒い。朝3時の時点では霜が降り、岩がベルグラのようになっていた。7時幕場を出発。最後の大きな滝を高巻き、小滝をいくつも越えると笹の密藪に雪が乗った斜面がフィナーレだ。ガイド本によると快適な草原を山頂に導かれるはずなのだが、非常に難渋する。9:30山頂直下稜線に出る。恋ノ岐隊は既に下山しているだろう。山頂へは行かず、おそらく先に降りているはずの鷹巣Pに向けて10:00に下山を開始する。登り返しの多い退屈な道だが、時折展望が開け紅葉を愛でる。羽生田がトレランの快足を飛ばして先に下山する。残るメンバーはそれぞれmy最高速で下る。14:00鷹巣P着。恋ノ岐隊が下山した様子はない。周辺は携帯電話の通話可能圏外なので、近所の店に行き衛星電話を借りて連絡を取ろうとする。相手も圏外にいるのだろう、話中音と留守録メッセ―ジしか返ってこない。手を尽くしたが、あとは無線機を受信にして開局放置し、恋の岐隊からの連絡を待つこと以外に選択肢がなくなる。15:30白川のコールで恋ノ岐隊の無事を知る。17:00鷹巣Pで合流。てっきりワカゴイ隊の登頂を待ち、姫の池付近で寒い夜に耐えて待っていたが、ワカゴイ隊に追い抜かれて集中できなかった、と思っていた。実は恋ノ岐川も増水で思うように遡行できなかったことが遅延の原因になったと判明。小出まで下り、全員の無事を祝って夕食。時間がないので温泉には入れず、20:00解散、関越道をひた走り、帰京する。


最終日、ようやく青空が


山頂付近は雪!

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msc_kiroku1 2009-10-9 23:10
日程:平成21年10月9日(金)夜発?10月12日(月)
山域:只見川水系 恋ノ岐川
山行形態:沢登り
メンバー及び役割:門脇(CL)、片倉(装備)、白川(食当)、戸田(SL、記録)
記録:
10/9 21:30 JR新座駅、中神駅集合後関越道にて小出IC下車、道の駅ゆのたに泊
10/10 7:00 道の駅発、8:05 恋ノ岐川出合下車、8:15 橋の脇より入渓、14:00 1200m付近右岸にてビバーク
10/11 6:00 起床、8:15 出発、11:00 オホコ沢出合、15:00 1650m付近右岸にてビバーク
10/12 5:15起床、7:15出発、11:40 姫ノ池付近の登山道、平ガ岳山頂往復(白川、戸田)、12:50 下山開始
17:00 鷹ノ巣駐車場、19:00 小出にて夕食後20:00 清野車と分かれ帰京、23:00 八王子駅北口解散

楽しみにしていた集中山行でしたが直前の台風による増水や降雪が影響して予想以上に時間がかかり、残念ながら山頂での集中とはなりませんでした。そんな中ワカゴイ隊の心配を他所に平ガ岳山頂を往復させていただきありがとうございました。違う沢ではありましたが、冷たい水に浸かりながら、また寒い中での幕営準備の時などにワカゴイ隊は今頃どうしてるのか、さぞかし寒いのでは…などと思いながら行動していました。そういったところが集中山行の良さなのだと思います。反省すべきことは多々あると思いますが、皆が無事に、たとえ集中したのが駐車場であっても、元気に顔をあわせることができてよかったです。

10日(土) 入渓地点は約800m付近。午前中は少し晴れ間も覗いたが天気は徐々に下り気味。ほぼ1時間ごとに休憩を入れながらの行動だったが、平坦な河原やナメをひたひた歩いたり、釜や小滝をへつったりとなかなか高度が稼げない。途中門脇さんが「先行者2人いるようだ」と言われる。しばらく行くと前方に姿を確認。沼田からの男女2人パーティーで、ここからは我々が先行する。小滝を巻いて樹林帯に入るとこの時季山葡萄やきのこが生えていて早速収穫にとりかかる。きのこは見慣れたぶなはりたけが多く、なめこ少々、ぶなしめじも少しまざる。雨が本降りになったので時間は早いがビバーク跡が残る場所を今日の宿泊地とする。まずタープを張り、各自座る場所を決めたら皆でテントのフライを被り、その中でお湯を沸かしてティータイム。フライ1枚被っただけなのにその暖かいこと。休憩後は意を決して外に出て門脇さん指導の下、枝を切りテントポールの代用品を作りフライの中にセットすれば居心地の良い空間の出来上がり。夕食のすきやきには収穫してきたきのこが加わり秋の味覚を味わいつつ美味しくいただく。沢の楽しみ焚き火も試みるけれど片倉さんが粘ってようやく熾きた火も再び降り出した雨に勢いを失う。焚き火ができないとなるとあとは寝るだけ、早々と6:00に就寝。
11日(日) 夜中雨が降ったり止んだりで、一時はここで下山したほうが良いかなどの話もでたが、出発する頃には雨も上がり、曇り空ではあるが雨に濡れた山は色を増して秋山を楽しむことができた。標高を確認しつつ高巻きをまじえながらオホコ沢はまだかまだかと進むうちにようやくはっきりした出合を確認。大きく右にカーブしたところで左からオホコ沢が流れ込む。そこを過ぎると水量は幾分少なくなる。初日と同じく小滝、釜、トロが続くが傾斜が増してきた分、高巻きにも時間を要するようになる。水は冷たく、極力濡れないようにルートを選びながらの遡行は時間ばかりが過ぎてゆく。それでもきのこを見つけると採らずにはいられない。この日もぶなはりたけを中心に4人で食すに充分な量を確保できた。まだまだ稜線にはほど遠いけれど、少し深そうなゴルジュを前に門脇さんが左手に何とか泊まれそうなスペースを見つけ、本日の行動はこれにて終了。前日と違い砂地に石がごろごろまざった場所のため整地に時間がかかるがなかなかのビバーク地に仕上がる。前日と同様タープを張ってフライを被りティータイム。ゆっくり寛いでからポール作りの作業に入る時の外の寒さは標高が上がった分前日よりも厳しかった。きのこ汁とマーボーなすの食事を済ませ火を消すと共に8:00頃就寝。
12日(月) 最終日の行程は長くなるため、7:00過ぎに出発。朝一は目の前のミニゴルジュの通過。まるで修行僧になった気分で冷たい水の中をひたすら進む。前日までと違うのは上を見上げると青空が広がっていること。ようやく天気が回復し、朝日が差し込む沢の遡行は冷たいながらも気持ちよかった。稜線が見えるようになると白い部分があり、降雪があったことを知る。どおりで水が冷たかったわけだ。このあたりからワカゴイ隊との交信を試みるが応答無し。スイッチはオンにしたまま行動する。大滝は門脇さんリードで50mロープいっぱい伸ばすが、最上段が足りなくなり、途中ピッチをきる。大滝を越えると稜線が近づき源頭の様相になるがまだまだ小滝は続く。最後のツメはザレ場の急斜面、草付き、根曲がり竹の藪漕ぎと簡単にはいかなかったが池ノ岳近くの登山道にひょっこり飛び出した。11:40到着。ちょうど下山道に取りかかる開けた場所で、しばしまわりの景色に見入ってしまう。目の前に雪のかかった平ガ岳。正面には燧や至仏も見える。ワカゴイ隊の居場所が気になり、出会った登山者の聞いてみると「10分ほど先の水場で5人位のグループが休憩していた」との情報を得た。沢装備を解き下山靴に履き替え、白川さんと戸田で平ガ岳山頂を往復するがそれらしき人達とは出会わなかった。急いで門脇さんと片倉さんが待つ池ノ岳に戻り、12:50下山開始。このころにはワカゴイ隊はすでに下山しているだろうと思い、休憩時に無線連絡を試みる。下台倉山でやっと連絡がつき、駐車場で待っているとのこと。よかった。予定では我々恋ノ岐隊の方が先に稜線に抜け先行しているはずだったので、山頂にも居ず、駐車場にもいなかったらさぞかし心配しているのでは、と思い連絡がついてホッとした。あとは我々が無事に下山するだけ。鎖場ややせ尾根もあり油断は禁物、慎重に下る。次第に傾斜も緩みほぼ平坦な林に出たところで最後の休憩。再度無線で連絡をとり、まもなく到着することを伝える。
3日間の長い行程のフィナーレは少し薄く暗くなった駐車場での1日遅れのワカゴイ隊との再会だった。お疲れ様でした、と温かい茶が差し出され迎えてもらった。仲間って有難いなとつくづく思った。









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msc_kiroku1 2009-7-25 21:30
日程:2009年7月24日(金)夜?7月26日(日)
山域:谷川連峰・魚野川水系・茂倉谷
山行形態:定例山行・沢登り
メンバー及び役割:清野SL・山本CL記録・片倉・戸田・白川・大浦食当

記録:
7/24(金)22:00新座駅?越後中里駅泊
7/25(土)7:30蓬峠への林道に駐車・7:45入渓・13:00二俣左へ1350m・14:55沢を藪が覆い源頭の雰囲気・16:30茂倉岳避難小屋
7/26(日)7:50避難小屋発・10:25茂倉新道入口駐車場

7/24雨模様の中、新座駅に集合し、清野車で越後湯沢へ向かう。関越では一時的に土砂降りとなり明日の天候が懸念される。越後中里駅で入山祝いの杯を空けて早々に眠る。
7/25天候は持ち直し曇り空。蓬峠へ向かう林道の駐車スペースに車を停めて、橋へ戻り茂倉新道から分かれて茂倉谷への道を辿る。取水口の上より入渓。水量もそこそこ有り、日も差してきて楽しい沢歩きだ。清野・大浦は歩きながら蕗採りなどしている。両岸から被さる木が鬱陶しいが、登れる滝が次々出てきて、シャワークライム・腰くらいまでの渡渉も有る。ロープは1回出しただけ。フリクションはよく効くが、約2名滑り落ちて眼鏡壊したり、青痣作ったりしていた。1,350m付近で沢は開け二俣となり左へ入る。日が差して青空となり暑いくらいだ。源流部は、ホールド・スタンスが豊富にある斜度の緩い滝の連続となる。登るほどに岩がぬめり滑りやすくなる。やがて藪が沢を覆い源頭の雰囲気となるが、笹藪の中にまだ滝場が出てくる。水を汲み、密藪に突っ込む。いつの間にか雲に覆われ大粒の雨がバラバラと落ち、稜線にはガスが掛り始めた。背丈以上の笹藪をこぐうちに、遥か右手に茂倉小屋を見つけ、藪をトラバースして茂倉小屋へたどりつく。小屋は屋根が壊れて雨漏りしていたが、貸し切りで快適な一夜を過ごす。本来の計画は、檜又谷を下降して、中流域で幕営する予定だったが、体調不良になった人がいたことも有り、予想以上に遡行に時間が掛った。結果としては、天候も良くなかったので、小屋泊まりして正解だった。
7/26天候は回復して高曇り。遠くの山がよく見える。気持ち良い風に吹かれながら茂倉新道を下る。稜線上は高山植物の花盛り。矢場ノ頭から先の樹林帯は、木の根が張り出し極端に歩きにくい道を汗をかきながら一気に下山する。岩の湯で汗を流し、中野屋で「へぎそば」を腹いっぱい食べて帰途に就く。
平凡な沢では有るが、水量も有り、直登可能な滝ばかりで、会山行など多人数で行くには良い沢だと思う。詰めの二俣で茂倉小屋方向に舵を切れれば、もう少し楽に抜けられたと思う。避難小屋泊まりも状況によっては快適。
大浦食当、「鰻寿司」ごちそうさまでした!




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