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blogmaster 2008-8-20 20:40
日程 2008年8月18日(月)?21日(木)
山域 北アルプス 槍ヶ岳/北鎌尾根
山行形態 岩登り
メンバー:古屋(CL・記録)、中山(SL・食事)白川(記録)
8/18
15:00京王線調布駅集合。古屋車にて中房温泉へ。途中穂高駅の近くで夕食を取る。
19:00頃、中房温泉の駐車場に到着。入山祝い中に突然下山者が現れて、穂高駅まで行ってもらえないかと頼まれびっくり。10分下ると温泉宿があるのでそこでタクシーを頼むことを勧める。テント泊。 
8/19
4:30起床。朝食、身支度を整えて5:20に駐車場を後にした。水くみ休憩をし、5:45 
登山開始。 6:10第1ベンチ、7:00第3ベンチにて小休止。7:55に合戦小屋到着。休憩中に雨が本降りになったため合羽を着るなどで時間をとった。高度計の数値が変化したとのこと。寒冷前線の通過を知る。8:20に出発。ここからは登山道の横に夏定番の花が見られるようになった。ジグザグの急登。その後少し緩やかになり、9:05に燕山荘に到着。休憩の後にそのまま大天井岳へ向かう。花崗岩の奇岩とコマクサ。風雨強く展望なし。稜線は比較的なだらかであったが、横風はいよいよ強くなり、防風体制をとることもしばしばあった。蛙岩の夏道は岩の左側を巻く。あちこちで沢ができ、水が勢いよく流れていた。
12:00に大天井ヒュッテに到着。天上沢での渓中泊を予定していたが、悪天候のため停滞を決める。夕方が近くになって天候回復。ヒュッテ裏の牛首山に登った。南には赤岩岳へ伸びる尾根と、その向こうに、頂上がガスに覆われた前穂?北穂。間近に硫黄尾根。さらに北には湯俣の高瀬ダムも見えた。北鎌尾根の稜線を一望し、身が引き締まる思いがした。

夕食はマーボー春雨とご飯。最初にベーコンを炒めて、つまみを作り、その油を主菜に使うとおいしくなるなど、料理のコツを中山さんに教えていただいた。19:00の天気予報で次の低気圧が近づいていることを知る。明日の午後までは天気が持ちそうなので、何とか雨が降り出す前に頂上にたどり着きたい。19:30頃就寝。
8/20
3:30に起床。湯を沸かし、朝食はラーメンとご飯。ラーメンにいれた大振りのチャーシューが美味しかった。しっかり食べて4:50にヒュッテを出発。小屋の主人からは午後に雷があるかもしれないと知らされた。
5:10貧乏沢入口に着き、藪の中を下降する。虫が多く、ヘルメットの中やザックにびっしりと付いていた。5:30貧乏沢到着。沢筋は風もないので、昨日の雨で岩もぬれていてすべる。急な下りで展望もない。足場が悪く、沢の左側に巻き道が出現したので、なるべくそちらを歩くようにした。
6:50 天上沢出合。休憩をとり7:05に出発。天上沢は河原が広い。上流に向かって左岸を進み、沢幅の狭いところで右岸に移ると、じきに北鎌沢の出合である。到着は7:20。20分休憩の後出発して、7:50に二股に到着。右俣に入った。ここは分岐がわかりにくくそのまま左俣に入ってしまう人がいるという。標高2066m位の地点で休憩、その後さらに沢が分岐しており、右へ行く。沢の上方に青空が開け、コルらしき物が見えるようになった。

2360mを過ぎたあたりで、さらに分岐。左右を迷いつつも、歩きやすそうな右俣に進む。途中2箇所で残置ハーケンとシュリンゲがあった。そのまま上り詰めると北壁。登ることは不可能ではないが上方はコル手前のピークであることが予想され、そこからのルートがどういうものかわからないので、分岐に戻ることにした。懸垂下降2ピッチ。残置があったのは、ルートを間違えて戻った人たちがいたからなのだと改めて気がつく。「低いところから流れる沢の水が一番太いのだから、鞍部を目指すのならば水量の多い左俣を行くべきだったのだ」と中山さん。経験豊富な方の言葉が重く響いた。1時間強のロスタイムをし、草付きの急登を上がると北鎌のコルであった。11:15に到着し休憩をとる。昨日の雨のため、沢は源頭付近まで水があった。コルにはテント一張分のスペースがあり。ビバークで使ったらしい銀マット、ブルーシートやゴミの袋が木に結び付けてあった。登山者のマナーの悪さが嘆かわしい。ここでの休憩中に『北鎌尾根では下りすぎず稜線を行く』という方針を確認した。草付きの稜線はハイマツの繁みに変り、天狗の腰掛を過ぎると独標が見えた。風が冷たくなってきたので合羽を着た。上空のガスが濃くなっていく。




14:00に独標に到着。稜線の先にピークが隠された頂が大きく見えた。槍ヶ岳がこんなに近いはずはない!しかし風でガスが飛ばされた瞬間に槍の穂であることがわかった。思ったよりも近そうだが、実は遠いのだと自らを戒める。基本的には千丈沢側を巻く形で進んだが、稜線の所々にはちょうどビバークできそうな広さのスペースがあって、登攀の困難さを思った。道はガレており、昨日の雨に踏み跡も消え、ルートを見つけるのに苦労する。懸垂下降をしたらしい残置シュリンゲが何箇所もあった。岩を伝って千丈沢側を探ると、下の方にさらに下降して大きく巻く道も見えたが、登り返しが大変であろうと考えてそのまま稜線近くを進む。ガレはますますひどくなり、ザレ場となり、足場が不安定で油断できない。浮石だらけなので、一足ごとに崩れる。急斜面のトラバースは四つんばい状態で体のバランスを保ちつつ進むこともしばしばあり、足取りも遅くなった。北鎌平あたりは千丈沢側を回り込む形ですすみ稜線に上がると、背後に槍がそびえていた。視界が悪いので、方向を誤る危険がある。さらに進むと大岩の岩稜が現れた。ガスは濃く、頂上もまったく見えないが、古屋さんに「自分たちはすでに槍の穂に向かっている」と励まされ、へばりかけた気持ちも引き締まった。初めての山であっても、頭にある地図と実際の地形、高度計の数値から、自分たちのいる場所を判断しているのだと気がつき、ルートを切り開くとはこういうことなのだ!と痛感した。険しい岩稜ではあるが手がかりや足場はしっかりしており、ロープは不要。チムニー通過後、やや天上沢側にルートを取り、最後の直登で山頂の祠の裏にでた。穂先到着は17:25。霧雨は冷たい雨にかわり、当然のことながら頂上には人気もない。眼下にあるはずの槍ヶ岳山荘も見えず、下降時には鎖も梯子もぬれていた。その後30分かけて殺生ヒュッテまで下り、天候悪化も予想されたので、中山さんに判断をいただいて素泊まりとした。小屋到着は18:30。夕食はカレーライス。夜23:00頃から明け方5:00近くまで風雨かなり強く、小屋を揺るがす音にしばし目覚めた。テントは1人500円、素泊まりは6300円であったが、小屋で大正解。1日の行動時間は14時間におよび、足はパンパン。疲労度強し。


8/21
5:00起床。朝食は昨日と同じチャーシューラーメンである。もう1日山を謳歌する予定の中山さんよりも一足早く、6:30に古屋、白川でヒュッテを後にした。小雨。東鎌尾根ルートで8:30?8:45西岳ヒュッテ。このあたりでは雨は本降りであった。10:12に大天井ヒュッテ到着、休憩する。古屋さんが小屋の主人に北鎌のコルに放置されていたゴミについて報告してくださった。来週行く予定なのでそのときに片付けるとのこと。小屋の主人も大変である。11:50大下りの頭で休憩、この頃には雨はほとんど止んでいた。12:40?12:55燕山荘。その後13:30にも第2ベンチで休憩をとって、14:45に中房温泉登山口に到着した。穂高で温泉に入り、御殿場を過ぎてから夕食休憩。20:40頃新松田着。
中山さん、古屋さんの経験の中から培われた知識と判断力。ただついて行くだけの自分であったが、学ぶことがたくさんあった。自分には無理だろうと思っていた北鎌尾根。お二人に感謝である。

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