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msc_kiroku2 2004-1-9 10:09
八ヶ岳南部縦走 編笠?権現?旭?赤岳 参加者: 清水(CL・記録)、鷲田(SL)、野口(食当)、清野、門脇  今年初の連休はメジャーな南八つ縦走を一本。  前夜は小淵沢で駅泊。翌朝は行けるところまでタクシーを走らせ、運転手氏の“ここまでよ”の言葉で単調な林道を編笠岳めざす。  途中、東側斜面の巻き道に入るころから、おおむね積雪はすねのあたり、一汗かいて青年小屋の前に着いた。風の通り道なので吹き溜まりのほかは雪は少ない。冬季小屋が開いていたのでありがたい、ここにテントをはろう。夜になると風が勢いを増したようで小屋がうなっている。でもぼくらはぬくぬくのテントの中、遅れて入ってきた1パーテイがちょっと騒々しいが早めにおやすみなさい。  翌朝、相変わらず風がきびしく吹いているが今日最初のピーク、権現めざして元気にスタート。ところが森林限界を過ぎたところで私のアイゼンがはずれてしまうトラブルが発生。じつはこれ、プラブーツにいつまでもベルトのアイゼンでもなかろうと、新調おろしたて、という品物、里でかなりきつく締まるように調整したつもりだったのだけど寒気でブーツが収縮することまでは頭がまわらなかった報い。再度締めなおして進むがまたもやずるりと嫌な靴底の感触、こんどは権現手前のガレ場のトラバース中、というしょうもない状況の中。足場の悪いところでみんなを待たせてしまった。先行していた清野さんに“ザイルでも出していたのかと思ったよ”と言われてしまう。 みなさんごめんなさい。  権現の頂上分岐は季節風が吹き放題、あまり長く居たい所ではない。でも私らケムリ悪癖組はしっかり一本煙をまき散らし、清浄な空気を汚して冬山の雰囲気を味わう。そうはいうものの、早々に旭に向かって長いはしごを降りる。北西の季節風はここを先途と吹きに吹きまくる。このあたりから今年冬山デヴューの野口さんがお疲れ気味に。うーん、あの巨大なザックでは無理もない。キレット小屋に向かって下るとうそのように風が止んで、小屋の前はまるで春山の雰囲気、ガスも切れて濃紺の空を背景に天狗尾根の尖塔がくっきりと美しく、まことにいい雰囲気。しかしここで今後の行動を思案することになる。これまでのペースで赤岳に向かうと途中で日が暮れそう、じゃあ、目の前の地獄谷をくだってショートカットするか。結局後者を採ることになった。アイゼンわかんで谷をくだる。いくつも出てくる小滝は側壁の雪の斜面をもがきながらのトラバース。そんな小滝のひとつを私がまき終わった直後、後ろから、うわっという声、振り返ると野口さんが見事に雪壁を踏み抜いて3メートルほど下の滝つぼの中、つられてアンカーの門脇さんも穴の底。おまけに門脇さんは頭から氷水のシャワーまで浴びている。わかんをつけた足元がいっしょに落下した雪に埋まってしまってシャワーを避けられないらしい。一瞬驚いたが、どうやら二人ともけがはしていないようなので一安心。みんなで野口さんを穴の底から引っ張り上げる。氷水浴びの門脇さんには申し訳ないけど結果オーライのアクシデントは、中々見事な見ものではあった。  次第に谷はゴルジュの様相をしてきて、谷底を避けて側壁を下っていたものの、そこも次第に立ってきたので懸垂で底におりる。大滝の2段目くらいのところに降り立つ。まわりはよく発達したつららに囲まれて美しい。しかし、全員が降り立つまでかなりの時間がたってしまった。ゴルジュはまもなく終わってひたすら出合い小屋をめざしたが、やっぱり、日が暮れてしまった。  ここでも小屋の中にテントを張れてラッキーだったのだが、テントの中で落ち着いたとたん、私の胃が急にでんぐりかえりを始めた。むかついてなにものどを通らない。去年春の飯豊の悪夢が頭をよぎった。結局、夕飯、朝飯を抜かす不本意なダイエットをするはめになり、翌朝はふらつきながら林道を下ったのであった。ということで、計画のルートはふめなかったが地獄谷下降はめりはりがあって面白く、充実の山行ではあったと思う。   ところで、みなさん、暴飲暴食には気をつけましょう。

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