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- 執筆 :
- iceclimber_msc 2022-4-30 15:30
山行報告書
日程:2022年4月29日-30日
山域:頚城/海谷山塊 29日(高地)、30日(駒ヶ岳)
山行形態:雪山
メンバー:CL:U、SL:K、S、H、W(記録)
29日
天候、晴れのち雨(大雨)
第一発電所まで除雪された道の途中、谷戸の農地を削りつくした昨年の土砂崩れの激しさを目の当たりにする。三峡パークでアイゼン着け左岸を進む。以前のようなブロック、全層雪崩の連続音はまったく聞こえない。切り立った山肌の雪はだいぶ落ちたようだったが、斜度の少ない山肌の残雪はとても多い。渡渉点には深く長い亀裂が入っている場所があるが雪渓は安定しており、呼吸を揃えてから間隔をあけて進む。
高地に立つと、海側からの冷気と雨飾山方面からの暖気が入り混じっている。柳葉はまだ開ききっていない。支流を渡渉する。水面からの積雪が2m以上ある場所を乗り越すのは少々苦労した。沢の流れも大きく変わったようで、御大を発見できるまでに7日を要したその場所を特定することはかなわなかった。山桜だろうか濃いピンク色の花がところどころに咲いているその一本が近くの尾根上に見える所で線香をあげ、缶ビール3本のうち1本を空ける。手を合わせ声に耳を澄ませるも何も聞こえてはこない。4年たった。高地を経て帰路、雪渓を渡渉する頃に降雨始まる。
発電所に戻り大雨を嫌い民宿に問い合わせるも大型連休でどこも一杯とのこと。それぞれ、発電所に残るもの2名、糸魚川市内で車中泊2名、名立の道の駅まで行ったもの1名。市街は夕方からかなりの降雨量となった。
30日
天候、快晴
見上げる駒ヶ岳は白くなっており昨晩未明に一時降雪となったようだった。第一発電所手前の芝に車を停めさせてもらい出発。途中でKさんは安全を取り、車キーパーを選択し引き返した。デブリを乗り越えて尾根に上がる。10m程度の露岩でロープを出しUリードで確実に進む。途中で夏道のリボンを確認してからは藪を嫌うことなくその尾根に頼り進む。雪面は冷えた空気でよく締まりアイゼン無でここまで来たものの斜面が急になり途中からはアイゼンを着けた。降雪を受けた木々が陽光で溶けた水を落として我々を冷やしてくれる。冷えすぎかと思う頃やがて沢型右岸源頭となり、まるで「沢登りだねぇ」。
高度1200mの雪田にあがり大休止。日に照らされた雪面は春のグサ雪と変わりサングラスがないと目がくらむ。海も北アルプスも晴れ渡った空に遠く輝いていた。ほどなく西峰に到着。記念撮影ののち、Kさんをあまり待たせないよう早々に下りに向かう。帰りは夏道に沿って進むことにした。高度990mで尾根上から右の雪田に下り大きく右へ右へとトラバースし、デブリの源頭左岸残置ロープに沿って降りる。デブリの渡渉点は上部からの危険が大きいが雪面は安定しておりあっさりと三峡パークに降り立つことができた。
メンバーを見送り発電所に一人残り翌日の予定の準備をする。昨日空けなかった金麦が座席に転がっている。駒ヶ岳を振り返ると、ふと「それ置いて行ってくれよ」と誰かが言ったような気がした。
記録:
29日
7:30 第一発電所入口から発、7:55 三峡パーク着、8:15 パーク発、9:00 渡渉点、10:00 取水堰堤上(高地着)、10:45 追悼、11:20 取水堰堤上戻り、12:15 渡渉点、13:05 三峡パーク着、13:20 第一発電所着
30日
7:20 第一発電所前から発、7:45 三峡パーク着、11:30 1200m着、12:10 駒ヶ岳(西峰)着、14:15 第一発電所着
海谷高地へ:本流左岸の大デブリ
海谷高地へ:本流右岸
海谷高地
三峡パーク
駒ケ岳へ
駒ケ岳頂上から雨飾山方面
三峡パークへ
日程:2022年4月29日-30日
山域:頚城/海谷山塊 29日(高地)、30日(駒ヶ岳)
山行形態:雪山
メンバー:CL:U、SL:K、S、H、W(記録)
29日
天候、晴れのち雨(大雨)
第一発電所まで除雪された道の途中、谷戸の農地を削りつくした昨年の土砂崩れの激しさを目の当たりにする。三峡パークでアイゼン着け左岸を進む。以前のようなブロック、全層雪崩の連続音はまったく聞こえない。切り立った山肌の雪はだいぶ落ちたようだったが、斜度の少ない山肌の残雪はとても多い。渡渉点には深く長い亀裂が入っている場所があるが雪渓は安定しており、呼吸を揃えてから間隔をあけて進む。
高地に立つと、海側からの冷気と雨飾山方面からの暖気が入り混じっている。柳葉はまだ開ききっていない。支流を渡渉する。水面からの積雪が2m以上ある場所を乗り越すのは少々苦労した。沢の流れも大きく変わったようで、御大を発見できるまでに7日を要したその場所を特定することはかなわなかった。山桜だろうか濃いピンク色の花がところどころに咲いているその一本が近くの尾根上に見える所で線香をあげ、缶ビール3本のうち1本を空ける。手を合わせ声に耳を澄ませるも何も聞こえてはこない。4年たった。高地を経て帰路、雪渓を渡渉する頃に降雨始まる。
発電所に戻り大雨を嫌い民宿に問い合わせるも大型連休でどこも一杯とのこと。それぞれ、発電所に残るもの2名、糸魚川市内で車中泊2名、名立の道の駅まで行ったもの1名。市街は夕方からかなりの降雨量となった。
30日
天候、快晴
見上げる駒ヶ岳は白くなっており昨晩未明に一時降雪となったようだった。第一発電所手前の芝に車を停めさせてもらい出発。途中でKさんは安全を取り、車キーパーを選択し引き返した。デブリを乗り越えて尾根に上がる。10m程度の露岩でロープを出しUリードで確実に進む。途中で夏道のリボンを確認してからは藪を嫌うことなくその尾根に頼り進む。雪面は冷えた空気でよく締まりアイゼン無でここまで来たものの斜面が急になり途中からはアイゼンを着けた。降雪を受けた木々が陽光で溶けた水を落として我々を冷やしてくれる。冷えすぎかと思う頃やがて沢型右岸源頭となり、まるで「沢登りだねぇ」。
高度1200mの雪田にあがり大休止。日に照らされた雪面は春のグサ雪と変わりサングラスがないと目がくらむ。海も北アルプスも晴れ渡った空に遠く輝いていた。ほどなく西峰に到着。記念撮影ののち、Kさんをあまり待たせないよう早々に下りに向かう。帰りは夏道に沿って進むことにした。高度990mで尾根上から右の雪田に下り大きく右へ右へとトラバースし、デブリの源頭左岸残置ロープに沿って降りる。デブリの渡渉点は上部からの危険が大きいが雪面は安定しておりあっさりと三峡パークに降り立つことができた。
メンバーを見送り発電所に一人残り翌日の予定の準備をする。昨日空けなかった金麦が座席に転がっている。駒ヶ岳を振り返ると、ふと「それ置いて行ってくれよ」と誰かが言ったような気がした。
記録:
29日
7:30 第一発電所入口から発、7:55 三峡パーク着、8:15 パーク発、9:00 渡渉点、10:00 取水堰堤上(高地着)、10:45 追悼、11:20 取水堰堤上戻り、12:15 渡渉点、13:05 三峡パーク着、13:20 第一発電所着
30日
7:20 第一発電所前から発、7:45 三峡パーク着、11:30 1200m着、12:10 駒ヶ岳(西峰)着、14:15 第一発電所着
海谷高地へ:本流左岸の大デブリ
海谷高地へ:本流右岸
海谷高地
三峡パーク
駒ケ岳へ
駒ケ岳頂上から雨飾山方面
三峡パークへ