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- 執筆 :
- hnyqzi11664 2020-9-4 22:20
日程:2020年9月4日 金曜(前夜発)発〜9月6日 日曜
山域:南会津 袖沢御神楽沢
山行形態:沢登り
メンバー(役割):F(CL)、H(SL/記録)
記録:
日常がころなる中で徐々に沢登りの感覚を取り戻してきた。2009年、2013年の記録にもあがる銘渓を遡る。張り巡らされた高速の恩恵で2時間ほどで那須西塩原ICを出たが一般道で時間がかかるのは仕方がない。2時間半の仮眠をとり、駒ヶ岳登山口バス停近くの駐車場に車を置いて 6:02貸し切り状態のバスに乗る。小豆温泉で下車のところを運転手さんは登山口前まで運んでくれた。6時半に歩きだす…、道の付け方が普通でないことがすぐ分かる。暑さと重荷での1時間半(45分×2)、直登にしびれてFさん曰く「この山道はやばい」。足もとに垂れるトラロープが国体山岳コースの痕跡なのだろう。避難小屋を過ぎて湿原に着いてみると3時間半、まずまずのペースだ。雲行きはすでに崩れて木道で身支度をするFさんはザックカバーをかけ、藪へ向かう。
藪漕ぎに苦しめられることもなく沢形に入り、沢を下る。ラバーソールを履いていたらこの先もぬめりに苦しめられるところだった。時折、大粒の雨が叩き付けて雷鳴も轟くが流れに濁りはまだなく、昼過ぎに一本立てる。1,202mの幕営適地までもう少しの位置だろうが、テン場を探すことにして右岸奥の藪に高台を見つけてタープを設営する。雨の勢いは増し、タープから流れ落ちる水はナルゲンを瞬時に満たす。1時間も過ぎると日が射してきたが沢は濁流で増水しており、適地まで下るのは止めて一杯やる。焚き火は諦めて夕飯、早めに就寝する。
すっかり明るくなった5時半に歩きだす。目標だった幕営地は意外に近くであったが昨日の判断に選択肢はない。少し気を引き締めてゴルジュ地帯を抜け、大釜を持つ5m滝はクライムダウンを避けて右岸を巻き、残置された新品の捨て縄で懸垂下降する。御神楽沢の出合までは4時間を要した。雷雨で避難小屋泊りという男性2人パーティーが追いつき、出合の右岸をよじ登って行く(駒ヶ岳山頂でも再会)。しばらく進んだところの4m滝は右壁で荷揚げし、畳岩では好みのポーズで写真に収まり、8m滝は左ルンゼを登り、少しトラバースして下る途中からの残置スリングで懸垂下降する。2段10m滝では上段右の残置スリングにヌンチャクを足してA0で上がる。一本立てた正午過ぎ、振り返ると青い空 白い雲 水の囁き、いい天気だ。
しばらくして幕営を準備する先行パーティーに会う。気がかりな空模様になってきたが昨日のような雲ではなく、予定のテン場を目指してひたすら遡る。ゴルジュの中に5m滝が現れ、根っこを上に向け枯れた倒木が掛かる。"木登り"を選択してFさんは難なく通過するが自分にとっては最難関の核心部となる。倒木の根元でマントリングができず、ソールが滑って何度も筋トレ動作を繰り返す。見かねたFさんにザックを荷揚げしてもらうがもはや空身になっても上がれない。両足の踏ん張りがきかないため右顎を根元にひっかけてバランスをとり、呼吸を整えて体の回復を待ってクリア…!(木登の呼吸 顎ノ型)。その後の7m直漠を手前右から巻くと右岸に潜む幕営適地に着く。雨雲はムジナクボ沢あたりで留まっているようだ。辺りの草刈りと設営を済ませて釣りに行き、型の良い岩魚をお土産に頂くことになる。焚き火の炎は暖炉のように小さくトロトロと、ホテルの気分で一夜が過ぎる。
翌朝も天気がいい。釣果のポイントを教わりながらムジナクボ沢の出合を通過し、右岸の少し先には開けた幕営地が広がる。お助けハンドや小さく巻くなどして、中門岳に遡る出合から先は藪漕ぎに備えて穏やかに滝々を登る。1,800m付近の二俣で水筒を満たしてからは左に進み、その後は右、右と進んで藪に入る。疲れることもなく根曲がり竹を漕いでいると笹原となり、池塘を思わせるような草原から登山道にでた。視線を浴びながら一休みした後、山小屋(ビールで乾杯)を経て下山する。お目当ての「駒の湯」は人数制限のかかる前に入湯でき、南会津で見つけた「かねまる食堂」で早めの食事が摂れたことはありがたい。荷揚げ、お助けハンド、お土産付きと数々のお世話になり、巷のG0T0トラベルキャンペーンとはちがう、"沢の旅"がまたできたことに感謝します。
1日目(曇り雷雨) 三岩岳登山口6:30〜三岩岳避難小屋9:40〜10:00窓明山鞍部(湿地) ミチギノ沢(下降開始)10:40ー12:30幕営
2日目(晴れ) ミチギノ沢(幕営地)5:30ー9:30御神楽沢出合ー10:15畳岩ー15:307m直漠ー15:50幕営地(ムジナクボ沢手前)
3日目(晴れ) 御神楽沢(幕営地)6:00ー9:15二俣(1840m 左)ー10:00中門岳寄りのコル(登山道)〜会津駒ヶ岳 駒の小屋11:30〜13:00滝沢登山口
山域:南会津 袖沢御神楽沢
山行形態:沢登り
メンバー(役割):F(CL)、H(SL/記録)
記録:
日常がころなる中で徐々に沢登りの感覚を取り戻してきた。2009年、2013年の記録にもあがる銘渓を遡る。張り巡らされた高速の恩恵で2時間ほどで那須西塩原ICを出たが一般道で時間がかかるのは仕方がない。2時間半の仮眠をとり、駒ヶ岳登山口バス停近くの駐車場に車を置いて 6:02貸し切り状態のバスに乗る。小豆温泉で下車のところを運転手さんは登山口前まで運んでくれた。6時半に歩きだす…、道の付け方が普通でないことがすぐ分かる。暑さと重荷での1時間半(45分×2)、直登にしびれてFさん曰く「この山道はやばい」。足もとに垂れるトラロープが国体山岳コースの痕跡なのだろう。避難小屋を過ぎて湿原に着いてみると3時間半、まずまずのペースだ。雲行きはすでに崩れて木道で身支度をするFさんはザックカバーをかけ、藪へ向かう。
藪漕ぎに苦しめられることもなく沢形に入り、沢を下る。ラバーソールを履いていたらこの先もぬめりに苦しめられるところだった。時折、大粒の雨が叩き付けて雷鳴も轟くが流れに濁りはまだなく、昼過ぎに一本立てる。1,202mの幕営適地までもう少しの位置だろうが、テン場を探すことにして右岸奥の藪に高台を見つけてタープを設営する。雨の勢いは増し、タープから流れ落ちる水はナルゲンを瞬時に満たす。1時間も過ぎると日が射してきたが沢は濁流で増水しており、適地まで下るのは止めて一杯やる。焚き火は諦めて夕飯、早めに就寝する。
すっかり明るくなった5時半に歩きだす。目標だった幕営地は意外に近くであったが昨日の判断に選択肢はない。少し気を引き締めてゴルジュ地帯を抜け、大釜を持つ5m滝はクライムダウンを避けて右岸を巻き、残置された新品の捨て縄で懸垂下降する。御神楽沢の出合までは4時間を要した。雷雨で避難小屋泊りという男性2人パーティーが追いつき、出合の右岸をよじ登って行く(駒ヶ岳山頂でも再会)。しばらく進んだところの4m滝は右壁で荷揚げし、畳岩では好みのポーズで写真に収まり、8m滝は左ルンゼを登り、少しトラバースして下る途中からの残置スリングで懸垂下降する。2段10m滝では上段右の残置スリングにヌンチャクを足してA0で上がる。一本立てた正午過ぎ、振り返ると青い空 白い雲 水の囁き、いい天気だ。
しばらくして幕営を準備する先行パーティーに会う。気がかりな空模様になってきたが昨日のような雲ではなく、予定のテン場を目指してひたすら遡る。ゴルジュの中に5m滝が現れ、根っこを上に向け枯れた倒木が掛かる。"木登り"を選択してFさんは難なく通過するが自分にとっては最難関の核心部となる。倒木の根元でマントリングができず、ソールが滑って何度も筋トレ動作を繰り返す。見かねたFさんにザックを荷揚げしてもらうがもはや空身になっても上がれない。両足の踏ん張りがきかないため右顎を根元にひっかけてバランスをとり、呼吸を整えて体の回復を待ってクリア…!(木登の呼吸 顎ノ型)。その後の7m直漠を手前右から巻くと右岸に潜む幕営適地に着く。雨雲はムジナクボ沢あたりで留まっているようだ。辺りの草刈りと設営を済ませて釣りに行き、型の良い岩魚をお土産に頂くことになる。焚き火の炎は暖炉のように小さくトロトロと、ホテルの気分で一夜が過ぎる。
翌朝も天気がいい。釣果のポイントを教わりながらムジナクボ沢の出合を通過し、右岸の少し先には開けた幕営地が広がる。お助けハンドや小さく巻くなどして、中門岳に遡る出合から先は藪漕ぎに備えて穏やかに滝々を登る。1,800m付近の二俣で水筒を満たしてからは左に進み、その後は右、右と進んで藪に入る。疲れることもなく根曲がり竹を漕いでいると笹原となり、池塘を思わせるような草原から登山道にでた。視線を浴びながら一休みした後、山小屋(ビールで乾杯)を経て下山する。お目当ての「駒の湯」は人数制限のかかる前に入湯でき、南会津で見つけた「かねまる食堂」で早めの食事が摂れたことはありがたい。荷揚げ、お助けハンド、お土産付きと数々のお世話になり、巷のG0T0トラベルキャンペーンとはちがう、"沢の旅"がまたできたことに感謝します。
1日目(曇り雷雨) 三岩岳登山口6:30〜三岩岳避難小屋9:40〜10:00窓明山鞍部(湿地) ミチギノ沢(下降開始)10:40ー12:30幕営
2日目(晴れ) ミチギノ沢(幕営地)5:30ー9:30御神楽沢出合ー10:15畳岩ー15:307m直漠ー15:50幕営地(ムジナクボ沢手前)
3日目(晴れ) 御神楽沢(幕営地)6:00ー9:15二俣(1840m 左)ー10:00中門岳寄りのコル(登山道)〜会津駒ヶ岳 駒の小屋11:30〜13:00滝沢登山口