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- 執筆 :
- derarin 2016-3-21 23:50
日程:2016年03月18日(金)夜発〜21日(月)
山域:北アルプス 後立山 五竜岳G?・G0稜
山行形態:雪山バリエーション
記録:19日 五竜スキー場エスカルプラザに集合。(1100円、23:30〜8:30まで利用可能)床暖房が非常に効いており暑くて下着になって寝た。
20日 雨 7:30起床。パッキングを済ませゆっくりめにスキー場のゴンドラに向かう。思っていたより雨は降っておらず時折日差しも出す陽気。9:00のゴンドラに乗り山頂駅からもうひとつリフトを乗り継ぎ地蔵の頭手前まで文明の力をありがたく使う。地蔵の頭を巻き、遠見尾根の稜線に乗ると先行の2パーティーの姿が見える。昨晩からの雨と陽気のせいで雪質はあまりよくないが先行のパーティのトレースにも助けられ順調に西遠見手前の幕営予定地に到着。中遠見を過ぎたあたりからは雨脚も強まったためかなり濡れたがこのために用意したザックカバーやレインウェアは効果があったようだ。テン場は斜面を削り芸術的なプロックと小枝のオブジェ付きの宿を完成させた。この日は一日中ガスっておりテン場から五竜の山頂方面の確認はできなかった。各テントで豪華?に入山祝いをし8:00就寝。この晩、それほどの強風にはならず。
21日 晴 3:00起床、5:00出発
G?予定だったF屋・K田・T後パーティーは前日の天気予報と雪の状態からG?へと変更。
<F屋・K田・T後P>
テン場を出て白岳沢に向かう。昨日の雨と冷え込みのせいで雪面はスリップしやすい状態のため慎重に下降する。白岳沢を横切りデブリを回り込みG?の末端壁を目指す。この辺りの雪壁は非常に悪くスカスカの箇所に足が決まらず苦労する。末端の一番手前のルンゼに入りここからロープを出す。1PT後、ルンゼを左に回り込み60メートル。支点はスノーバーと灌木。2PK田、ここからのブッシュ混じりの雪壁は気温の上昇とともに、非常に状態が不安定となる。稜線手前15メートル付近の灌木でピッチを切る。3PF屋、直登を試みるが支点の取れない最後の10メートルに不安を感じ、一旦下りトラバース。ここも悪いがブッシュで支点が取れるだけまだマシ。ロープの流れが悪くなるので後続の見える位置のハイマツを束ねビレイ。4PT後、右上気味に登り稜線直下の安心できる灌木でビレイ。3人で対面の遠見尾根の宿を眺めつつ後続の4人を待つ。ここで別パーティー男女2人組に先を譲る。結果として技術的にはこの稜に上がるまでの数ピッチが核心。アルパインらしくてサイコー。稜上からは強風に煽られながらも先行のトレースを追うように進む。雪の薄くのったハイマツ帯から岩場を左へ回り込み直上。さらに雪の乗ったガレ場を左上し先行のトレースと別れ雪壁へ。(先行は岩場を直上するルンゼに入った)最後の雪壁は雪質も良くなりロープを出さずに終了点となった。
<HN田・U野・M田・T橋P>
朝3時起床。ハーネス・ガチャをつけビーコンチェックを済ませて5時過ぎ出発。前日の暑さはどこへやら、空気が冷たく雪もまだ割と締まっている。G5稜を登る計画だったF屋パーティが天気や雪の状況から判断してG2稜登攀へ変更となったので、2パーティでG2稜を目指す。F屋パーティが先行。HN田パーティが後に続く。トポによると、まずシラダケ沢に一旦下り沢床を渡った後、A沢を登り最初に左に上がるAルンゼを詰めるとのことだが、どの辺りからA沢に入ったのかよく判らなかった。5時半頃から1時間半程ひたすら登り、いよいよ傾斜が厳しくなってきたところ(Aルンゼの登り口付近か)で、ロープを出す。斜面の右手側の心もとないブッシュに2か所支点を取り1ピッチ目をHN田さんがリードで登攀開始とする。4人なので一人が中間でタイブロックで登るという少し変則的な登り方となった。
最初のピッチは、傾斜のキツい逆くの字の雪壁50m。60mロープ使用のF屋Pと同じ高さ位まで登ろうとしていたようで、ロープを目一杯出してもなお引かれる様子だったので、大声で「一杯」と叫んでロープの長さが違うのだと気が付いて貰う。雪壁の右側のブッシュでピッチを切る。
2ピッチ目はT橋リードで45m。このピッチの途中で、男女2人組のパーティが追い付いてくる。礼儀正しく我々が2ピッチ目を上がりきるのを待っていてくれて好感が持てた。
3ピッチ目はU野さんリードで40m。真っ直ぐ上に進んだF屋Pが、20m程上で苦戦しており右にルートを取り直していたため、右上する。藪が出てきて手がかりらしきものがある代わりに、このピッチが一番雪が悪くグズグズで登りづらかった。
4ピッチ目はM田さんリードで25m。藪交じりの雪壁。稜上まで出ると風が強いということで少し手前でピッチを切る。F屋Pがすぐ横で支点を取って我々を待ちつつ休憩していた。30分程待ったとのこと。ロープの長さや人数が違うと、随分かかる時間が違ってくる。
5ピッチ目はT橋リードで40m。稜に乗りロープが仕舞える傾斜の緩い辺りまで。スノーバーで中間支点を取ったが、(タイブロックで登りやすくしようとして)ロープを張った際、下に作った結び目を解く前にロープを引き上げてしまったため、結び目がスノーバーに掛かってスノーバーが抜けてしまった。お互いの姿は見えているが声が通らないぐらいの強風で意思疎通が図れなかった。
ここからロープを仕舞い、12:30頃より稜上の登高となる。ロープを仕舞った段階で、残りは少しだと勝手に思い込んでいたが、ロープを出したのは稜に乗るためのAルンゼで、G2稜としては実はここからが本番。結構長く忍耐の登り。先行するF屋Pを見失わない程度について行く。
14:35頃全員でG2の頭。15時より下山開始。雲が出て視界が悪い。15:50五竜山荘で小休止。
17:30頃テント帰着。12時間超行動となったG2中央稜であった。(T橋記)
21日 晴れ 3:30起床、5:30出発。昨日同様白岳沢へ下降、A沢付近からG0の顕著な末端壁へ向う。ルンゼの途中からロープを出し草付き混じりの雪壁をT後がロープ一杯伸ばしリード、灌木でビレイ。もう1パーティーはHN田リードで草付きでビレイ、残りをT橋リード。ロープをたたみ雪壁を登り稜上に出る。ここから全員で灌木帯、リッジとひたすら登る。ほぼ足を平に置けるところがなく、各自ふくらはぎが悲鳴をあげるほどパンパン。中間部で一息入れてから全員でG0の頭に向かう。最後の雪壁からミニ雪庇をU野がトップで抜けG0に到着した。昨日同様五竜山荘までのトラバース道は非常に風が強かったが、本日は視界良好。五竜山荘で一本立てた後下山。今日は白岳から下る。ゆっくりとテント場まで下山11:30。
テントを撤収し13時下山開始。来た時はガスに包まれていた遠見尾根は今は素晴らしい天候で、鹿島槍の北壁を右手に見ながら様々な余韻を残す下山であった。下山後は大町の上原の湯からメンバーの知り合いのネパール料理の店へ。個人的には食後のチャイが一番美味しかった。
山域:北アルプス 後立山 五竜岳G?・G0稜
山行形態:雪山バリエーション
記録:19日 五竜スキー場エスカルプラザに集合。(1100円、23:30〜8:30まで利用可能)床暖房が非常に効いており暑くて下着になって寝た。
20日 雨 7:30起床。パッキングを済ませゆっくりめにスキー場のゴンドラに向かう。思っていたより雨は降っておらず時折日差しも出す陽気。9:00のゴンドラに乗り山頂駅からもうひとつリフトを乗り継ぎ地蔵の頭手前まで文明の力をありがたく使う。地蔵の頭を巻き、遠見尾根の稜線に乗ると先行の2パーティーの姿が見える。昨晩からの雨と陽気のせいで雪質はあまりよくないが先行のパーティのトレースにも助けられ順調に西遠見手前の幕営予定地に到着。中遠見を過ぎたあたりからは雨脚も強まったためかなり濡れたがこのために用意したザックカバーやレインウェアは効果があったようだ。テン場は斜面を削り芸術的なプロックと小枝のオブジェ付きの宿を完成させた。この日は一日中ガスっておりテン場から五竜の山頂方面の確認はできなかった。各テントで豪華?に入山祝いをし8:00就寝。この晩、それほどの強風にはならず。
21日 晴 3:00起床、5:00出発
G?予定だったF屋・K田・T後パーティーは前日の天気予報と雪の状態からG?へと変更。
<F屋・K田・T後P>
テン場を出て白岳沢に向かう。昨日の雨と冷え込みのせいで雪面はスリップしやすい状態のため慎重に下降する。白岳沢を横切りデブリを回り込みG?の末端壁を目指す。この辺りの雪壁は非常に悪くスカスカの箇所に足が決まらず苦労する。末端の一番手前のルンゼに入りここからロープを出す。1PT後、ルンゼを左に回り込み60メートル。支点はスノーバーと灌木。2PK田、ここからのブッシュ混じりの雪壁は気温の上昇とともに、非常に状態が不安定となる。稜線手前15メートル付近の灌木でピッチを切る。3PF屋、直登を試みるが支点の取れない最後の10メートルに不安を感じ、一旦下りトラバース。ここも悪いがブッシュで支点が取れるだけまだマシ。ロープの流れが悪くなるので後続の見える位置のハイマツを束ねビレイ。4PT後、右上気味に登り稜線直下の安心できる灌木でビレイ。3人で対面の遠見尾根の宿を眺めつつ後続の4人を待つ。ここで別パーティー男女2人組に先を譲る。結果として技術的にはこの稜に上がるまでの数ピッチが核心。アルパインらしくてサイコー。稜上からは強風に煽られながらも先行のトレースを追うように進む。雪の薄くのったハイマツ帯から岩場を左へ回り込み直上。さらに雪の乗ったガレ場を左上し先行のトレースと別れ雪壁へ。(先行は岩場を直上するルンゼに入った)最後の雪壁は雪質も良くなりロープを出さずに終了点となった。
<HN田・U野・M田・T橋P>
朝3時起床。ハーネス・ガチャをつけビーコンチェックを済ませて5時過ぎ出発。前日の暑さはどこへやら、空気が冷たく雪もまだ割と締まっている。G5稜を登る計画だったF屋パーティが天気や雪の状況から判断してG2稜登攀へ変更となったので、2パーティでG2稜を目指す。F屋パーティが先行。HN田パーティが後に続く。トポによると、まずシラダケ沢に一旦下り沢床を渡った後、A沢を登り最初に左に上がるAルンゼを詰めるとのことだが、どの辺りからA沢に入ったのかよく判らなかった。5時半頃から1時間半程ひたすら登り、いよいよ傾斜が厳しくなってきたところ(Aルンゼの登り口付近か)で、ロープを出す。斜面の右手側の心もとないブッシュに2か所支点を取り1ピッチ目をHN田さんがリードで登攀開始とする。4人なので一人が中間でタイブロックで登るという少し変則的な登り方となった。
最初のピッチは、傾斜のキツい逆くの字の雪壁50m。60mロープ使用のF屋Pと同じ高さ位まで登ろうとしていたようで、ロープを目一杯出してもなお引かれる様子だったので、大声で「一杯」と叫んでロープの長さが違うのだと気が付いて貰う。雪壁の右側のブッシュでピッチを切る。
2ピッチ目はT橋リードで45m。このピッチの途中で、男女2人組のパーティが追い付いてくる。礼儀正しく我々が2ピッチ目を上がりきるのを待っていてくれて好感が持てた。
3ピッチ目はU野さんリードで40m。真っ直ぐ上に進んだF屋Pが、20m程上で苦戦しており右にルートを取り直していたため、右上する。藪が出てきて手がかりらしきものがある代わりに、このピッチが一番雪が悪くグズグズで登りづらかった。
4ピッチ目はM田さんリードで25m。藪交じりの雪壁。稜上まで出ると風が強いということで少し手前でピッチを切る。F屋Pがすぐ横で支点を取って我々を待ちつつ休憩していた。30分程待ったとのこと。ロープの長さや人数が違うと、随分かかる時間が違ってくる。
5ピッチ目はT橋リードで40m。稜に乗りロープが仕舞える傾斜の緩い辺りまで。スノーバーで中間支点を取ったが、(タイブロックで登りやすくしようとして)ロープを張った際、下に作った結び目を解く前にロープを引き上げてしまったため、結び目がスノーバーに掛かってスノーバーが抜けてしまった。お互いの姿は見えているが声が通らないぐらいの強風で意思疎通が図れなかった。
ここからロープを仕舞い、12:30頃より稜上の登高となる。ロープを仕舞った段階で、残りは少しだと勝手に思い込んでいたが、ロープを出したのは稜に乗るためのAルンゼで、G2稜としては実はここからが本番。結構長く忍耐の登り。先行するF屋Pを見失わない程度について行く。
14:35頃全員でG2の頭。15時より下山開始。雲が出て視界が悪い。15:50五竜山荘で小休止。
17:30頃テント帰着。12時間超行動となったG2中央稜であった。(T橋記)
21日 晴れ 3:30起床、5:30出発。昨日同様白岳沢へ下降、A沢付近からG0の顕著な末端壁へ向う。ルンゼの途中からロープを出し草付き混じりの雪壁をT後がロープ一杯伸ばしリード、灌木でビレイ。もう1パーティーはHN田リードで草付きでビレイ、残りをT橋リード。ロープをたたみ雪壁を登り稜上に出る。ここから全員で灌木帯、リッジとひたすら登る。ほぼ足を平に置けるところがなく、各自ふくらはぎが悲鳴をあげるほどパンパン。中間部で一息入れてから全員でG0の頭に向かう。最後の雪壁からミニ雪庇をU野がトップで抜けG0に到着した。昨日同様五竜山荘までのトラバース道は非常に風が強かったが、本日は視界良好。五竜山荘で一本立てた後下山。今日は白岳から下る。ゆっくりとテント場まで下山11:30。
テントを撤収し13時下山開始。来た時はガスに包まれていた遠見尾根は今は素晴らしい天候で、鹿島槍の北壁を右手に見ながら様々な余韻を残す下山であった。下山後は大町の上原の湯からメンバーの知り合いのネパール料理の店へ。個人的には食後のチャイが一番美味しかった。