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- 執筆 :
- msc_kiroku1 2009-10-9 23:10
日程:平成21年10月9日(金)夜発?10月12日(月)
山域:只見川水系 恋ノ岐川
山行形態:沢登り
メンバー及び役割:門脇(CL)、片倉(装備)、白川(食当)、戸田(SL、記録)
記録:
10/9 21:30 JR新座駅、中神駅集合後関越道にて小出IC下車、道の駅ゆのたに泊
10/10 7:00 道の駅発、8:05 恋ノ岐川出合下車、8:15 橋の脇より入渓、14:00 1200m付近右岸にてビバーク
10/11 6:00 起床、8:15 出発、11:00 オホコ沢出合、15:00 1650m付近右岸にてビバーク
10/12 5:15起床、7:15出発、11:40 姫ノ池付近の登山道、平ガ岳山頂往復(白川、戸田)、12:50 下山開始
17:00 鷹ノ巣駐車場、19:00 小出にて夕食後20:00 清野車と分かれ帰京、23:00 八王子駅北口解散
楽しみにしていた集中山行でしたが直前の台風による増水や降雪が影響して予想以上に時間がかかり、残念ながら山頂での集中とはなりませんでした。そんな中ワカゴイ隊の心配を他所に平ガ岳山頂を往復させていただきありがとうございました。違う沢ではありましたが、冷たい水に浸かりながら、また寒い中での幕営準備の時などにワカゴイ隊は今頃どうしてるのか、さぞかし寒いのでは…などと思いながら行動していました。そういったところが集中山行の良さなのだと思います。反省すべきことは多々あると思いますが、皆が無事に、たとえ集中したのが駐車場であっても、元気に顔をあわせることができてよかったです。
10日(土) 入渓地点は約800m付近。午前中は少し晴れ間も覗いたが天気は徐々に下り気味。ほぼ1時間ごとに休憩を入れながらの行動だったが、平坦な河原やナメをひたひた歩いたり、釜や小滝をへつったりとなかなか高度が稼げない。途中門脇さんが「先行者2人いるようだ」と言われる。しばらく行くと前方に姿を確認。沼田からの男女2人パーティーで、ここからは我々が先行する。小滝を巻いて樹林帯に入るとこの時季山葡萄やきのこが生えていて早速収穫にとりかかる。きのこは見慣れたぶなはりたけが多く、なめこ少々、ぶなしめじも少しまざる。雨が本降りになったので時間は早いがビバーク跡が残る場所を今日の宿泊地とする。まずタープを張り、各自座る場所を決めたら皆でテントのフライを被り、その中でお湯を沸かしてティータイム。フライ1枚被っただけなのにその暖かいこと。休憩後は意を決して外に出て門脇さん指導の下、枝を切りテントポールの代用品を作りフライの中にセットすれば居心地の良い空間の出来上がり。夕食のすきやきには収穫してきたきのこが加わり秋の味覚を味わいつつ美味しくいただく。沢の楽しみ焚き火も試みるけれど片倉さんが粘ってようやく熾きた火も再び降り出した雨に勢いを失う。焚き火ができないとなるとあとは寝るだけ、早々と6:00に就寝。
11日(日) 夜中雨が降ったり止んだりで、一時はここで下山したほうが良いかなどの話もでたが、出発する頃には雨も上がり、曇り空ではあるが雨に濡れた山は色を増して秋山を楽しむことができた。標高を確認しつつ高巻きをまじえながらオホコ沢はまだかまだかと進むうちにようやくはっきりした出合を確認。大きく右にカーブしたところで左からオホコ沢が流れ込む。そこを過ぎると水量は幾分少なくなる。初日と同じく小滝、釜、トロが続くが傾斜が増してきた分、高巻きにも時間を要するようになる。水は冷たく、極力濡れないようにルートを選びながらの遡行は時間ばかりが過ぎてゆく。それでもきのこを見つけると採らずにはいられない。この日もぶなはりたけを中心に4人で食すに充分な量を確保できた。まだまだ稜線にはほど遠いけれど、少し深そうなゴルジュを前に門脇さんが左手に何とか泊まれそうなスペースを見つけ、本日の行動はこれにて終了。前日と違い砂地に石がごろごろまざった場所のため整地に時間がかかるがなかなかのビバーク地に仕上がる。前日と同様タープを張ってフライを被りティータイム。ゆっくり寛いでからポール作りの作業に入る時の外の寒さは標高が上がった分前日よりも厳しかった。きのこ汁とマーボーなすの食事を済ませ火を消すと共に8:00頃就寝。
12日(月) 最終日の行程は長くなるため、7:00過ぎに出発。朝一は目の前のミニゴルジュの通過。まるで修行僧になった気分で冷たい水の中をひたすら進む。前日までと違うのは上を見上げると青空が広がっていること。ようやく天気が回復し、朝日が差し込む沢の遡行は冷たいながらも気持ちよかった。稜線が見えるようになると白い部分があり、降雪があったことを知る。どおりで水が冷たかったわけだ。このあたりからワカゴイ隊との交信を試みるが応答無し。スイッチはオンにしたまま行動する。大滝は門脇さんリードで50mロープいっぱい伸ばすが、最上段が足りなくなり、途中ピッチをきる。大滝を越えると稜線が近づき源頭の様相になるがまだまだ小滝は続く。最後のツメはザレ場の急斜面、草付き、根曲がり竹の藪漕ぎと簡単にはいかなかったが池ノ岳近くの登山道にひょっこり飛び出した。11:40到着。ちょうど下山道に取りかかる開けた場所で、しばしまわりの景色に見入ってしまう。目の前に雪のかかった平ガ岳。正面には燧や至仏も見える。ワカゴイ隊の居場所が気になり、出会った登山者の聞いてみると「10分ほど先の水場で5人位のグループが休憩していた」との情報を得た。沢装備を解き下山靴に履き替え、白川さんと戸田で平ガ岳山頂を往復するがそれらしき人達とは出会わなかった。急いで門脇さんと片倉さんが待つ池ノ岳に戻り、12:50下山開始。このころにはワカゴイ隊はすでに下山しているだろうと思い、休憩時に無線連絡を試みる。下台倉山でやっと連絡がつき、駐車場で待っているとのこと。よかった。予定では我々恋ノ岐隊の方が先に稜線に抜け先行しているはずだったので、山頂にも居ず、駐車場にもいなかったらさぞかし心配しているのでは、と思い連絡がついてホッとした。あとは我々が無事に下山するだけ。鎖場ややせ尾根もあり油断は禁物、慎重に下る。次第に傾斜も緩みほぼ平坦な林に出たところで最後の休憩。再度無線で連絡をとり、まもなく到着することを伝える。
3日間の長い行程のフィナーレは少し薄く暗くなった駐車場での1日遅れのワカゴイ隊との再会だった。お疲れ様でした、と温かい茶が差し出され迎えてもらった。仲間って有難いなとつくづく思った。
山域:只見川水系 恋ノ岐川
山行形態:沢登り
メンバー及び役割:門脇(CL)、片倉(装備)、白川(食当)、戸田(SL、記録)
記録:
10/9 21:30 JR新座駅、中神駅集合後関越道にて小出IC下車、道の駅ゆのたに泊
10/10 7:00 道の駅発、8:05 恋ノ岐川出合下車、8:15 橋の脇より入渓、14:00 1200m付近右岸にてビバーク
10/11 6:00 起床、8:15 出発、11:00 オホコ沢出合、15:00 1650m付近右岸にてビバーク
10/12 5:15起床、7:15出発、11:40 姫ノ池付近の登山道、平ガ岳山頂往復(白川、戸田)、12:50 下山開始
17:00 鷹ノ巣駐車場、19:00 小出にて夕食後20:00 清野車と分かれ帰京、23:00 八王子駅北口解散
楽しみにしていた集中山行でしたが直前の台風による増水や降雪が影響して予想以上に時間がかかり、残念ながら山頂での集中とはなりませんでした。そんな中ワカゴイ隊の心配を他所に平ガ岳山頂を往復させていただきありがとうございました。違う沢ではありましたが、冷たい水に浸かりながら、また寒い中での幕営準備の時などにワカゴイ隊は今頃どうしてるのか、さぞかし寒いのでは…などと思いながら行動していました。そういったところが集中山行の良さなのだと思います。反省すべきことは多々あると思いますが、皆が無事に、たとえ集中したのが駐車場であっても、元気に顔をあわせることができてよかったです。
10日(土) 入渓地点は約800m付近。午前中は少し晴れ間も覗いたが天気は徐々に下り気味。ほぼ1時間ごとに休憩を入れながらの行動だったが、平坦な河原やナメをひたひた歩いたり、釜や小滝をへつったりとなかなか高度が稼げない。途中門脇さんが「先行者2人いるようだ」と言われる。しばらく行くと前方に姿を確認。沼田からの男女2人パーティーで、ここからは我々が先行する。小滝を巻いて樹林帯に入るとこの時季山葡萄やきのこが生えていて早速収穫にとりかかる。きのこは見慣れたぶなはりたけが多く、なめこ少々、ぶなしめじも少しまざる。雨が本降りになったので時間は早いがビバーク跡が残る場所を今日の宿泊地とする。まずタープを張り、各自座る場所を決めたら皆でテントのフライを被り、その中でお湯を沸かしてティータイム。フライ1枚被っただけなのにその暖かいこと。休憩後は意を決して外に出て門脇さん指導の下、枝を切りテントポールの代用品を作りフライの中にセットすれば居心地の良い空間の出来上がり。夕食のすきやきには収穫してきたきのこが加わり秋の味覚を味わいつつ美味しくいただく。沢の楽しみ焚き火も試みるけれど片倉さんが粘ってようやく熾きた火も再び降り出した雨に勢いを失う。焚き火ができないとなるとあとは寝るだけ、早々と6:00に就寝。
11日(日) 夜中雨が降ったり止んだりで、一時はここで下山したほうが良いかなどの話もでたが、出発する頃には雨も上がり、曇り空ではあるが雨に濡れた山は色を増して秋山を楽しむことができた。標高を確認しつつ高巻きをまじえながらオホコ沢はまだかまだかと進むうちにようやくはっきりした出合を確認。大きく右にカーブしたところで左からオホコ沢が流れ込む。そこを過ぎると水量は幾分少なくなる。初日と同じく小滝、釜、トロが続くが傾斜が増してきた分、高巻きにも時間を要するようになる。水は冷たく、極力濡れないようにルートを選びながらの遡行は時間ばかりが過ぎてゆく。それでもきのこを見つけると採らずにはいられない。この日もぶなはりたけを中心に4人で食すに充分な量を確保できた。まだまだ稜線にはほど遠いけれど、少し深そうなゴルジュを前に門脇さんが左手に何とか泊まれそうなスペースを見つけ、本日の行動はこれにて終了。前日と違い砂地に石がごろごろまざった場所のため整地に時間がかかるがなかなかのビバーク地に仕上がる。前日と同様タープを張ってフライを被りティータイム。ゆっくり寛いでからポール作りの作業に入る時の外の寒さは標高が上がった分前日よりも厳しかった。きのこ汁とマーボーなすの食事を済ませ火を消すと共に8:00頃就寝。
12日(月) 最終日の行程は長くなるため、7:00過ぎに出発。朝一は目の前のミニゴルジュの通過。まるで修行僧になった気分で冷たい水の中をひたすら進む。前日までと違うのは上を見上げると青空が広がっていること。ようやく天気が回復し、朝日が差し込む沢の遡行は冷たいながらも気持ちよかった。稜線が見えるようになると白い部分があり、降雪があったことを知る。どおりで水が冷たかったわけだ。このあたりからワカゴイ隊との交信を試みるが応答無し。スイッチはオンにしたまま行動する。大滝は門脇さんリードで50mロープいっぱい伸ばすが、最上段が足りなくなり、途中ピッチをきる。大滝を越えると稜線が近づき源頭の様相になるがまだまだ小滝は続く。最後のツメはザレ場の急斜面、草付き、根曲がり竹の藪漕ぎと簡単にはいかなかったが池ノ岳近くの登山道にひょっこり飛び出した。11:40到着。ちょうど下山道に取りかかる開けた場所で、しばしまわりの景色に見入ってしまう。目の前に雪のかかった平ガ岳。正面には燧や至仏も見える。ワカゴイ隊の居場所が気になり、出会った登山者の聞いてみると「10分ほど先の水場で5人位のグループが休憩していた」との情報を得た。沢装備を解き下山靴に履き替え、白川さんと戸田で平ガ岳山頂を往復するがそれらしき人達とは出会わなかった。急いで門脇さんと片倉さんが待つ池ノ岳に戻り、12:50下山開始。このころにはワカゴイ隊はすでに下山しているだろうと思い、休憩時に無線連絡を試みる。下台倉山でやっと連絡がつき、駐車場で待っているとのこと。よかった。予定では我々恋ノ岐隊の方が先に稜線に抜け先行しているはずだったので、山頂にも居ず、駐車場にもいなかったらさぞかし心配しているのでは、と思い連絡がついてホッとした。あとは我々が無事に下山するだけ。鎖場ややせ尾根もあり油断は禁物、慎重に下る。次第に傾斜も緩みほぼ平坦な林に出たところで最後の休憩。再度無線で連絡をとり、まもなく到着することを伝える。
3日間の長い行程のフィナーレは少し薄く暗くなった駐車場での1日遅れのワカゴイ隊との再会だった。お疲れ様でした、と温かい茶が差し出され迎えてもらった。仲間って有難いなとつくづく思った。