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執筆 : 
 2009-9-18 23:40
日程:2009年9月18日(金)?22日(火)
山域:南会津 袖沢 ミチギノ沢下降 御神楽沢遡行
山行形態:沢登り
メンバー及び役割:CL/須藤、SL,記録/平川

記録:
 9月の大型連休に入る金曜夜、急遽予定を1日前倒しして出発することにした。元々は金曜夜発であった今回の予定は、台風接近の影響を回避するため、土曜出発に変更していた。しかし台風の影響がそれ程でもなく、むしろ連休の渋滞を避けるため今夜中に現地近くまで入っておこうという考えで再度、当初の予定通りに再変更したものであった。東北道を西那須野塩原ICで降り、道の駅『湯の香塩原』に着いたのは日付も変わって1時を過ぎていた。翌朝の天気はまずまずで、近くのコンビニで3日間の山行に必要な物を揃える。7時過ぎに道の駅を出て桧枝岐を目指す。その桧枝岐には10時前に到着した。観光案内所で明後日の宿を予約するが、何処も一杯の中で辛くも確保できた。御神楽沢は一般のガイド本では袖川沿いの林道を5時間歩いて入渓するパターンが多いが、近年では山越えして沢を下るケースが多い。我々も車を置いた桧枝岐側に降りる最短コースを選び、小豆温泉から三岩岳への登山道を辿り、稜線の反対側を御神楽沢に合流するミチギノ沢を下降に選んだのだった。初日の今日は歩き出しも遅い(10:40)ため、稜線近くの避難小屋までとする。登山道に平行して流れる黒檜沢は登山体系によれば遡行対象の沢らしい。確かに上から眺める限りでは花崗岩の奥秩父に似た棚が幾つか見られた。避難小屋までは3時間の登りで13:40着。今日の行程はここまでなのでゆっくり過ごす事にする。小屋も直ぐ前に水場もあり快適な小屋だ。同宿者は藪山に登りに来た年配者1名。寒いのと他にすることが無いのとで18時過ぎには寝てしまった。翌朝は早朝から風が強く、しかも寒さで寝ていられなかった。台風接近の影響と思われる北風が強いためだ。雨が混じっている訳ではないので計画に支障は無いが何となく気分は優れない。7時過ぎに小屋を後にし、ミチギノ沢下降点を目指す。踏み跡かテープ位は有るだろうと思っていたがこれは全く無く、ポイントにも乏しい。ふと、一体何を頼って沢などしているのだろうという感覚が頭を過ぎった。ここ数年、緊張感の無い沢登りをしているせいか、どうも他力本願になっていうようだ。下降点は地形図で判断して適当に笹薮に突っ込む。イメージ通りに沢の源頭が現れ、幾つかの枝沢を集めて大きな支流になっていった。ミチギノ沢は最近、御神楽沢のアプローチとして定番になりつつあり、滝を巻き下るにもはっきりした巻き道がある。とは言え、予想以上に長い下降にうんざりしだした12:30、やっと御神楽沢の出合いに着いたのであった。沢の雰囲気は異なり、ここからはやや開けた明るい渓相の中をへつりと渡渉中心に遡行する。景勝地である岩畳は特に感動も無く、押し掛けた時間の中で幕場を探しながらの遡行になる。その幕場は岩畳から程無い右岸の河原に決めた。水線に近く増水すればかなりやばいが今日はその心配も無い。時刻は15:30。御神楽の岩魚を狙って竿を出す。魚影はそこそこであり、須藤さんは絶好のポイントで初渓流釣りにして尺岩魚をゲットした。重くて中々水から上げられず、バラすのではないかと見ていてハラハラした。薪にも恵まれ、満天の星空の元、じっくり焼いた岩魚は最高に旨かった。翌朝も寒くてどうしようもなく目が覚めた。完全に消えてしまった焚き火をもう一度起こしてやっとの事で暖を取る。今日も天気は最高。ゆっくりと8時に出発した。30分ほどの所にあるスラブ状大滝は遡行図から伺うイメージとかなりかけ離れた立派な滝だ。右壁を中断まで登り、念のためにハーケンを1枚打ってチムニー状の岩棚を須藤リードで登る。ここらあたりから、御神楽沢=余り難しくは無い沢・・であったイメージを、侮ったらやられる沢・・に認識を改め、モードも切り替えて望むことにする。・・とは言え、平川自身はここ数ヶ月の間で悪化した持病が芳しくなく、足取りが思うように行かない。幕場から2時間もあれば十分だと思っていたムジナクボ沢は12:30過ぎにやっと到着だ。遡行タイム的には稜線までここから4時間。余裕で下山の目論見が一気にヘッデン下山になってしまう心配まで現れだした。遡行図には記載されていない(またはコメントもない)がそこそこ登り甲斐のある滝が幾つも現れ、『もういいよ!』と言いたくなってくる。それにしても長い沢だ。もっと早立ちするべきだったが後悔してももう遅い。しかし、頻繁に現れる赤テープに『えっ?ホント?』と思いながらも登っていくと藪は薄いほうに、稜線は低いほうに導かれ15:10、会津駒ケ岳と中門岳を結ぶ綺麗な稜線に立つことが出来たのであった。紅葉には10日程早いと思われる色付きだ。駒ケ岳の小屋には連休を利用した多くの登山者が休んでいる。大休止した後、16:00に下山を開始した。なだらかで歩きやすい道を歩くこと2時間半、完全に日が落ちてヘッデンが有ってもよい中、林道を降りて国道に出た。宿の軽トラで入山口に置いた車に送ってもらい、町の温泉で汗を流して宿に入ったのであった。
御神楽沢は南東北の銘渓として知られる沢だが、水量豊富で遡行者を飽きさせない渓相は、確かに一度は遡行してみる価値のある沢だと思う。甘く見ていた先入観のせいか、結構手を煩わせてくれたが、終わってみれば充実度満点だ。手間のかかる入渓ルートも日程に余裕を持った計画にすればそれもまた十分に楽しめるに違いない。




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