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山行記録 カレンダー
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執筆 : 
 2009-6-16 1:40
日程:2009年6月16日(火)?17日(水) 
山域:烏帽子沢奥壁 中央カンテ
山行形態:岩登り
メンバー及び役割:古屋(CL)、Hさん(SL)

記録:
 前日は南稜を快適に登攀。先に帰宅する木村さん他一名をみなかみ駅まで送り、私達は登山指導センターでビバーク。ロープウェー駅は点検のためか閉まっていた。指導員さんは20時で帰っていった。指導センターは初めて泊まったがなかなか快適、ロープウェイ駅より静かで良い。
16日(火) 4時起床、5時過ぎに出発 車にて一の倉駐車場まで。本日も昨日に続き他にクライマーはいない様子。天候も昨日と同じような状況。この時点ではまさか激しい雷雨に見舞われるとは予想もしていなかったが・・・・・・・
 駐車場にて準備をし5時40分出発、衝立岩中央稜取り付きに靴や不用なものをデポし中央カンテ取り付きには7時頃到着。
 取り付きからバンドを右へ少し嫌らしいトラバース。以外と微妙でハーケンを一本打ちランニングを取る。
1P目 Hさんリード 支点の少ない草付交じりのフェースを左上。岩は脆く草付も濡れていて出だしから嫌な感じ。
2P目 古屋リード  緩いスラブ 乾いていれば何の問題もないスラブだが今日は微妙に濡れている。ランナウトもひどい。途中、凹状のルートに導かれるようになるが修正し左上。上部は草付でオツルミズを思い出した。ビレイ点はしっかりしたペツルと新しいスリングで安心。
3P目 Hさんリード 急傾斜のランペを左上。ここからカンテに出るがロープの流れが悪くなると思い、10メートル伸ばしたところでピッチを切る。(他の人の記録はそのまま伸ばしている方が多い)ランペはヌルヌルでセカンドでも慎重になる。
4P目 古屋リード カンテからようやく快適な登攀となる。岩も乾いていて適度な傾斜に適度なピン。途中しっかりしたビレイポイントがあったがロープに余裕があったのでグイグイ伸ばす。約45メートル伸ばしピッチを切る。
5P目 Hさんリード(途中から古屋) 目の前の垂壁を左から回り込みルンゼを直上、小チムニーに向かう。このルンゼ付近で左から変形チムニールートが合流。
しばらくビレイしているとロープの流れがとまりしばらく動かない。何度か声をかけ返事はあるが伸びては緩むが繰りかえされる。そうこうしているうちにハーケンを打つ音が聞こえビレイ解除。登っていくとチムニーの右上でビレイしている。どうやらチムニーを越えていくのに踏ん切りがつかなかったのと手前の脆いルンゼで消耗してしまったようで、選手交代。
ここから古屋リード。なんとかチムニーを超え、そのまま草付フェイスを登りビレイ。 
このチムニーはあまりなかに入りこまず上手く両手、両足を開き越えていくのがポイント。
右側の岩には良いホールドが意外とある。Hさん、セカンドでは難なくこなす。
6P目 Hさんリード 壁を左から回り込み脆いフェイスを右上。のはずが、さすがのHさんは難しいルンゼをなぜか直上。ボロボロの岩と草付でセカンドでもヒヤヒヤ。ビレイポイントは本来の場所より一段上で、中央カンテ核心部の垂壁の左斜め下5メートル位の場所。
7P目 古屋リード(5メートルだけ) 本来のビレイポイントに懸垂しようかと迷うが支点があまりよくないので、まずはトラバースを試みるが2,3歩進み上に這い上がろうとするがリードではどうも踏ん切りがつかない。戻ってピナクルの左側から強引に上がりピナクルの裏側の狭い間をザックを降ろして通過。やっと本来のルートに戻る。短いが意外に消耗してしまったので、ここからの核心はHさんにまかせる。
8P目 Hさんリード 垂壁は薄被りで2メートル位。ボロボロのテープに、新し目のシュリンゲ等々アブミ用に何本か垂れ下がっている。ビレイ用にハーケンを足して、いざHさんトライ。A0交えて難なくクリア。テラスに立ち上がる部分も意外と微妙。ここから四畳半テラス下のコーナークラックにむかう。ビレイ中は上の様子はわからないが苦戦している声が聞こえてくる。ほどなくビレイ解除でこちらもいざトライ。セカンドの強みでコーナークラックはフリーで何とかと思っていたが残置ナッツのシュリンゲをホールドとアブミがわりに一回ずつ使ってしまった。
9P目 古屋リード 濡れ気味のルンゼ。トポでは?だが先程のピッチのおかげで気分的には?。というかこうなると?も?も同じ感じになる。とにかく浮石が多くてすべてチェックが必要。
10P目 Hさんリード 20メートルの草付 問題なし
11P目 古屋リード  草付?凹角?烏帽子岩基部 ここから烏帽子の基部まで伸ばせるだけロープを伸ばす。雨がパラつき始める。 基部には懸垂支点がありここからダイレクトルンゼに下降するパーティーもいるよう。時間は14時。この時点から大粒の雨が降り出すとともに雷も鳴り始める。
12P目(最終ピッチ)  Hさんリード 烏帽子基部をまいて行き、濡れたルンゼを行くが逆層スラブのため相当悪く感じる。更に雷と雨のため行動はかなり慎重になる。ようやく二人がルートを抜け懸垂岩に辿り着いたのは15時。

南稜終了点までは3ピッチの懸垂。雨はひどく降り続きルンゼの際を下降するがルンゼは滝になり、体はビショ濡れ濡れたロープはひどく絡みつき、さばきながらの懸垂はひどく時間もかかる。
南稜終了点には17時過ぎ。一応両角さんにビバークするかもしれないとの連絡を入れる。とにかく暗くなるまで降りれるところまで降りようと懸垂を続ける。南稜終了点からは昨日同様の懸垂なので勝手がわかっていたのだが思わぬ落とし穴が待っていた。懸垂4ピッチ目、40メートルの空中懸垂後降り立つ場所は南稜の草付帯。
ここでアクシデント発生。自分が降りた後にはロープが引けたのだがHさんが懸垂後にロープが回収不能となる。ロープを煽っても、引く方向を変えも一向に引けない。ロープを切断するか・・・・・・登り返しも考えたがさすがにこの距離では・・・・・・・雨も止まない・・・・・・とにかく二人とも思考停止状態なので南稜テラスまでは残すところ2ピッチの懸垂だが、ここでビバークを決定。時間は19時をまわっていた。
残置ハーケンを利用し回収不能ロープの中間でロープを固定しツェルトを張る。とりあえず行動食と飲み物を口に入れ体を休める。岩場に腰掛けた状態で一夜を過ごすが寒さと足を踏ん張っていないとズルズルすべりそうな場所なのでウトウトする程度でほとんど眠れなかった。
17日(水) 5時前に起床。すぐに行動開始。二人同意のもと、ロープを切断することにしたが、なるべく長く残したかったので岩場を5mほど登り返しロープを切断。残置ハーケンを利用し支点を作成し懸垂。元の場所に降りる。草付はそのままクライムダウンし、残り2ピッチは無事に懸垂、7時に南稜テラスに降り立つ。
駐車場8時半、登山指導センターに寄りロープを切断し、残置してしまった事を告げる。湯テルメに立ち寄り汗を流し帰路にむかう。

雷雨に見舞われ、ロープ切断、ビバークといろいろ反省や課題を残す山行であったが、や
はり懸垂ロープの捌きには十分に気をつけなければならないと思う。この経験を次の山行
に生かさなければ!

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